では、どうぞ
mission01 再び行動開始だぜ
あの戦いから時は流れもう夏の終わりだ。
早いもんだって、またこんなこと考えてしまった。あれからカテレアを失った旧魔王派は、魔王ではなくその周りを消すことにしたようだ。
つい先日も"グラシャラボラス"家の次期当主を、事故に見せかけ暗殺されてしまった。こっちまで情報が来ないことには反応はできんぞ、たく!なんて考えていると、
「馬鹿者が!」
びっくりした!?今のはシャルバか?なんか怒ってるな。
「どうかされましたか、シャルバ様」
「"アスタロト"の小僧がレーティングゲームで蛇を使いおった。"計画"がバレたかもしれん!」
いいこと聞いたな"アスタロト家"の次期当主は繋がってるのか。アスタロトってアジュカ様の出身家だったよな?本当だったら、大事だぞ!
「しかし、シャルバ。我々には"あれ"がある」
クルゼレイが言うが、あれだけはよくわからねぇんだよな。どう頑張っても教えてくれん。白龍皇のことみたく、魔王だけが知る作戦らしい。
「それもそうだな。"英雄派"の連中は」
シャルバが聞くと、
「最低限の助力はするそうだ」
クルゼレイが答える。
魔王しか知らない情報多くね"英雄派"は知っているが、あいつらに何を頼んだんだ?くそ、わからん!
「ふん!まぁ、いい。ジャック行動までの秒読みは始まっているぞ」
「いつ仕掛けるのですか?」
「"リアス・グレモリー"と"ディオドラ・アスタロト"のゲームの時だ!その時我々も出る!」
そうか、またリアスに会うのか。てか、こいつらも出てくんのかよ。
「大丈夫なのですか」
「貴様は自分の心配をしろ!」
「わかりました、私はこれで失礼します」
とりあえず、部屋を出ようとするが、
「ジャック」
クルゼレイに呼び止められた。
「何でしょうか」
「俺たちを失望させるなよ」
そう言って睨んでくるが、そこまで怖くないんだよな。いい加減、全滅してくんないかな。
心の中ではそう思いながら、
「わかっています」
今はこうとしか返せんな。とりあえず、人目に付きにくそうなところに、と行きたいが、別に行かなくていいんだよな。俺は移動しつつ腕輪のスイッチを押す。
〈リアスの次のゲームの時に仕掛けるようです。その時にシャルバ、クルゼレイ両名出る可能性が高いというより確実です〉
〈分かった。と言ってもこちらでももう動いているよ。ところで、彼らが動くと何故言いきるんだい?〉
〈奴らは今の状況に、三竦み以外にも"同盟"が広がりつつあることに焦り、勝負を急いでいます〉
〈なるほど、わかった〉
〈それと、ディオドラ・アスタロトはこちらに繋がっています。注意を〉
〈………そうか、わかった。アジュカには説明しておく〉
ルシファーの弟はスパイとして支え、ベルゼブブの親族は敵に情報を、とんだ皮肉だ。
〈では、頼みます〉
〈その時に君を回収するよ〉
〈お願いします。殺さないで下さいよ?〉
ふざけ半分本気半分で言ってみたんだが、
〈殺さないよ、安心してくれ〉
兄さんはいつも通りにそう返してきた。なら、大丈夫だ。
〈では、これで〉
〈ああ〉
ここで通信を切る。にしてももうすぐ終わりか……。
やっとだ。もうすぐ帰れる。
俺はそう思った次の瞬間、思考をジャックに戻す。まだ、今は旧魔王派なんだから、作戦に備えておかないと。
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします