グレモリー家の次男   作:EGO

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Extra life 65 映画出演 リアスたちと共演編 ⑦

俺、兵藤一誠もとい、おっぱいドラゴンとダークネスナイト・ファングは、ブラックとシャドウは睨みあいながら対峙していた。

ブラックだけは不敵な笑みを浮かべているが、俺たちの表情は真剣そのものであり、実戦同様に相手の隙をうかがっていた。

しばらくの静寂、隙が見当たらないけどいくしかない!

俺はそう決めると、俺の出せる最高速度でブラックに詰め寄り、顔面に向けて渾身のストレートを放った!が、ブラックは平然とそれを左手で受け止めると、そのまま頭突きで俺の兜を砕いてきた!

「フッ……!」

「チッ!」

ブラックは鼻で笑い、俺は舌打ちをした。ブラックの一撃で鎧が砕けちまうのはわかってはいたが、頭突きでも砕けるのかよ!

俺は無理やり体当たりをしてブラックとシャドウを引き離す。その隙にダークネスナイト・ファングが神速ともいえる速度でシャドウに接近しようとするが、シャドウが張った全方位障壁に阻まれて近づけないでいた。

シャドウはダークネスナイト・ファングが離れたところで障壁を解いてフルバーストを放っていく!それを平然と避けていくダークネスナイト・ファングだが、なかなか攻撃の隙を見つけられないでいた。

そう言う俺も、全然攻撃を当てられていないんだけどな!

何て思っているうちにブラックの裏拳で吹き飛ばされた!相変わらず一撃が重すぎる!耐えるとかどうとかじゃなくて、どうにかして避けないとっ!

焦る気持ちを抑えるように深く息を吐き、ゆっくりと立ち上がる。ブラックも俺の雰囲気が変わったことを察したのか、少し驚いた表情になった。

「少し考えを改めたか?まぁ、今さらどうしようと変わらん」

ブラックはそう言うと斬魔刀を構えた。どうやら、本格的に使って来るようだ。俺も応えるように両手の籠手にオーラを集中する。それでも止められるかわからないが、やっておかないと心配でならない。

俺とブラックは同時に飛び出し、激しい撃ち合いを始めた!

ブラックが袈裟懸けに振ってくれば両手でそれを防ぎ、俺が右フックを放てば斬魔刀で弾かれ、そのまま蹴りをいれてきた!とっさに左手でその蹴りを防いで再び右拳を放つ!ブラックもカウンターのように左拳を放ってくる!お互いの拳が当たりそうになった瞬間、ブラックが少しだけ首を傾けたように見えた。そして、

バアァァァァンッ!

激しい打撃音と共に俺だけが吹き飛ばされた!俺の拳が当たった感触がなかった!とっさに首を傾けて避けたのか!?

俺が立ち上がると、そこにブラックが展開した魔方陣から放たれた砲撃が殺到してくる!俺は右に左に転がるようにして避け、ブラックに向けてドラゴンショットを放っていく。

ブラックは斬魔刀でそれを切り払っていくが、魔方陣からの攻撃が止む気配がない。

俺が攻めあぐねていると、ブラックに魔力弾が襲いかかった!不意打ちに放たれたそれをブラックは当然のように切り払うが、その表情は驚愕の色が強いものだ。

「シャドウ、やられたのか!?」

全ての魔力弾を切り払うとブラックはそう言った。俺もそちらに目を向けると、

「ごめんなさい………ブラック………」

そう呟いて倒れるシャドウと、

「おっぱいドラゴン!ここからは私も戦うわ!」

「………私も戦えます!」

手元にオーラを溜めるスイッチ姫、拳を構えるヘルキャット、

「少々無理をしすぎたか………」

息を荒くして剣を杖代わりにしているダークネスナイト・ファングの姿があった。所々鎧が砕けているのを見ると、かなりの激闘だったようだ。

俺は笑顔になりながらスイッチ姫に言う。

「良かった、脱出できたのか!」

「ええ、誠に遺憾だけど、彼に助けられたわ」

スイッチ姫はダークネスナイト・ファングを指差しながらそう言うと、指差されたダークネスナイト・ファングは肩をすくめた。

「やれやれ、後は任せるとしよう。貴殿らなら、ブラックにも勝てるだろう?」

挑発するように言ってきた。だが、俺とスイッチ姫にかかれば、倒せない相手はいないっ!

「スイッチ姫!いつもの頼むっ!」

俺が叫ぶと、スイッチ姫は自分の胸に手を当てた。

「ええ!任せなさい!」

スイッチ姫が応えると同時に胸が光輝き始める。

「やらせるかっ!」

ブラックが阻止しようとスイッチ姫に魔力弾を放つが、ヘルキャットがうまく防いでいった。そして、スイッチ姫からの光が俺に放たれ、包み込んでいく。

「キタキタキタッ!フル充電だっ!」

俺はそう叫ぶと同時に呪文を口にする。

「我に宿りし紅蓮の赤龍よ、覇から覚めよ」

右腕の籠手の宝玉から真紅の輝きが生じる。

『我が宿りし真紅の天龍よ、王と成り()け』

宝玉からはっせられたオーフィスの声が続いてくれる。同時に左腕の籠手の宝玉から漆黒のオーラが解き放たれた。

濡羽色(ぬればいろ)の無限の神よ」

真紅のオーラが俺を包み込んでいく。

赫赫(かつかく)たる夢幻(むげん)の神よ』

シドウさんの鎧と同様の、無限を体現する漆黒のオーラが俺を覆っていく。

「『際倪(さいがい)を超越する我らが偽りの禁を見届けよ』」

真紅の鎧に漆黒の様相が帯びていき、龍神の力が具現化していく。

そして、これが最後の一節!

「『汝、燦爛(さんらん)のごとく我らが(ほのお)にて(みだ)れ舞えッ!!』」

 

D∞D(ディーディー)!!D∞D(ディーディー)D∞D(ディーディー)!!D∞D(ディーディー)D∞D(ディーディー)D∞D(ディーディー)!!!》

 

全ての宝玉からバグったように『D∞D(ディーディー)!!』と鳴り響き、∞の記号が浮かび上がった!

Dragon(ドラゴン) (インフィニティ) Drive(ドライブ)!!!』

これが俺の切り札!『擬似』龍神化だ!本来の龍神化は負荷が大すぎて持たないからな、呪文に「偽りの」ってのを足して3分間だけ無限の力を使うことができる!

 

 

 

 

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ブラックは驚愕していた。シャドウがやられただけでなく、乳龍帝が新たな姿に変わったからだ。有機的でありながら覇龍(ジャガーノート・ドライブ)とは違う。あれよりも圧倒的に強く、神々しいオーラを放っているのだ。

今の乳龍帝からは無限に等しい力を感じる!

ブラックはそう判断して警戒しながらも、斬魔刀のオーラを解き放って自身も漆黒の鎧をまとった。彼が纏うものは同じく無限の力を宿したものではあるが、リリスという半身から供給されているもので作っているため、若干ながら今の乳龍帝よりも弱い。これの一段階上もあるが、乳龍帝(イッセー)を殺しかねないのでブラック(シドウ)はそれの使用は止めた。

睨みあう漆黒の龍と、漆黒と紅の龍。二人は深く息を吐き、そして、

「行くぜぇぇぇぇぇっ!」

『来い!』

同時に消え、激しい撃ち合いとなった!先程と違うことがあるとすれば、乳龍帝の攻撃がブラックに通っていることだ。乳龍帝の一撃はブラックの鎧に少しずつヒビを入れていくが、それはブラックの一撃も同じ。二人はお互いの鎧を砕きながら戦闘を続けていった!

乳龍帝の拳とブラックの真・斬魔刀がぶつかり合った瞬間、激しい衝撃波と同時に空間が揺れる。城の壁が砕け、柱が折れ、その先にある白い空さえも砕いて万華鏡のような景色が見えはじめた。

それでも二人の戦闘が止まることはなく、そのまま城の壁をぶち抜いて空中戦に突入した。

ドラゴンの翼を展開した二人は、巧みに姿勢を制御しながら攻撃を放っていく。ブラックが放った突きが乳龍帝の鎧の胸部を掠めていき、そのまま空間に穴を開ける。乳龍帝は素早く態勢を整えて拳を放つ!ブラックはそれを後ろにスウェーして避けるが、拳の余波で空間が砕ける。

全てを超越するような二人の戦闘は空間を破壊しながら続き、そして、

「オラァァァァァァァァッ!」

『ハァァァァァァァァァッ!』

乳龍帝の放った右ストレートとブラックの突きが正面からぶつかり合おうとした瞬間、乳龍帝はほんの少しだけ拳をずらした。乳龍帝の拳は斬魔刀の突きを避けてブラックに向かう。ブラックは兜の下で驚愕の表情を浮かべ、回避しようとするが時すでに遅く、彼の顔面に乳龍帝の拳が直撃した!

バアァァァァンッ!

「かはっ!」

その一撃はブラックの兜を砕いて遥か後方まで吹き飛ばした!その勢いで城に戻ってくるブラック。乳龍帝も急いで彼を追い、城に戻ってくる。

「はぁ……はぁ……」

「はぁ……こふっ!」

息を荒くする乳龍帝と血を吐くブラック。二人の限界は近い。

ブラックは斬魔刀を落とし、ゆっくりと腰を落として右足に深緑色のオーラを溜めながら構えた。乳龍帝も応えるように右足に真紅のオーラを溜め、構えをつくる。

「「………………………」」

二人は無言で睨みあい、限界までオーラを溜めていく。そして、二人のオーラが限界に達した瞬間、二人は駆け出して跳躍、

「インフィニティ・キックッ!!!」

「だあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

同時に飛び蹴りを放つ!

二人は減速することなく相手に向かっていき、真っ正面から衝突した!激しい衝撃波がスイッチ姫たちを襲うが、彼らが見たのは、

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「ぐ……!がぁぁぁぁっ!?」

押し負け、吹き飛ばされるブラックの姿だった!

ブラックは背中から床に落下し、乳龍帝は華麗に着地を決める。が、肩で息をしていた。

「俺の……負けか………」

ブラックは仰向けに倒れながら、ただ天井の一点を見つめて倒れていた。

乳龍帝がその場で訊く。

「おまえ、何でこんなことしたんだよ?なんか、戦っていて邪悪なものを感じなかったぞ」

それを聞いたブラックは笑った。

「ククク………。ただ戦ってみたかっただけさ、ただ強いやつに、俺の全力をもってしてな………」

「…………………」

乳龍帝だけでなく、その部屋にいた全員が黙ってブラックの言葉を聞いていた。

「俺にも守るべきものがあった。だが、戦っていくうちにその何かを見失っていったのかもしれん………」

ブラックはそう言うと、倒れるシャドウを見た。

「いや、守るべきものを巻き込んで戦っていていただけか………」

ブラックは立ち上がり、まっすぐ乳龍帝を見た。

「乳龍帝。おまえは俺のようにはなるな。強すぎる力は、なぜ力を求めたかを忘れさせる」

ブラックは右足を引きずりながらシャドウの方へと歩み寄る。そして、シャドウのもとにたどり着くと同時に片ヒザをつき、シャドウの体を抱えた。

「無くしてからそれに気づかされるぐらいにな。だから忘れるなよ。おまえがなぜ戦うのか、何を守りたいのかを!」

ブラックがそう言うと、彼とシャドウを光が包み込んでいった。光に包まれた二人の体が少しずつ崩壊していく。

「わかったな!乳龍帝、いや、一誠・グレモリー!」

「…………っ。ああ!」

兵藤一誠はブラックが自分の名を呼んだことに驚きながらも頷いた。

今の言葉は義兄(あに)からの気遣いであり、義弟(おとうと)への警告。だからシドウは彼のことをイッセーではなく一誠と呼んだのだ。

ブラックは満足げに笑うと、その体が完全に崩壊して消え去ってしまった…………。

 

 

 

 

 

 

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俺、シドウは割りと本気で満足して笑った。イッセー(おとうと)が道を間違えれば殴ってでも止めるが、それはせずに済みそうだ。

ちなみに、俺の退場シーンはレーティングゲームの転移の応用で(おこな)ったものだ。おかげでリアルな感じになった。

何て思っているうちにイッセーとリアスの最後のキスシーンを終え、この映画の撮影は終了となった。

この撮影のあと、イッセーは兄さんからEXE(エグゼ)の話を受け、俺からも「一緒に頑張っていこう」と言葉を投げさせてもらった。

 

 

 

 

 

 

後日、再び特別上映会に参加することになったのだが、今回は歓声で受け入れられてよかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに後日。兵藤宅に戻ってきた俺たちだが、

「リリスちゃん、どうですか?」

俺の部屋で、ロセが映画で着ていた衣装をリリスに見せていた。リリスはその衣装をマジマジと見つめると無邪気な笑顔を浮かべてロセに飛び付いた。

「ロセママ、リリスと一緒!」

「はい!一緒です!」

抱きしめあう2人。本当に仲良さそうで何よりだ。

「シドーパパも!早く!」

リリスは俺を手招きしながら急かしてきた。

「え?」

「シドウさん!ほら、愛娘に呼ばれてますよ?」

俺が間抜けな声を出しているとロセが催促してくる。

俺は息を吐いて二人に近づくと、そのまま2人を抱きしめた。そうだ、俺にも守りたいものがある。もう二度と、こいつらは泣かせない!

俺が決意を新たにしていると、さらに俺の背中に飛び付いてくる誰か。

「?」

俺が疑問符を浮かべて振り向くと、

「もう、ロスヴァイセちゃんもリリスちゃんもズルい!私も混ぜてよ!」

いつの間にか来ていたセラが涙目で頬を膨らませていた。

「やれやれ、ほら」

俺は一旦セラが入れるようにスペースを開ける。セラは素早くそのスペースに潜り込むと、笑顔を浮かべた。

「さあシドウ!いつでもいいわよ☆」

「そんじゃ、いくぜ?」

改めて3人を抱きしめる。ああ、守ってやるさ。何が何でも、相手が誰であろうと。俺の家族と、家族が生きるこの世界は、俺が守る!

 

 

 

 

 

 

 




これで終わる的な雰囲気ですが、もう少し続きます。
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。

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