次のシーン撮影。と言っても俺の出番はなし。今は紅の鎧になったイッセーとバロールモードのギャスパーが殴りあっているところだ。
「俺はここを通らなきゃならないんだ!だから、そこをどけぇぇぇぇっ!」
「ここを守るのが使命、あのヒトの命令に逆らうわけにはいかない!」
ギャスパーは俺の配下の役で門番をしてもらっている。おかげで門の前で超次元バトルが繰り広げられるられているわけだ。
てか、イッセー大丈夫なのか?これから先が心配になるぐらいの激戦だ。闇の獣とかを平然と殴り飛ばしながらギャスパー本体にも攻撃していっているぐらいだし。
そして、10分後。
「クリムゾンキックゥゥゥゥッ!」
「うわぁぁぁぁぁっ!」
イッセー必殺のキックを受けてギャスパーは吹き飛び、そして、
ドカァァァァァァンッ!
爆散!ギャスパーが撃破された!
それに合わせて門が開き、城に入れるようになる。美術班が頑張ってくれたようだ。
倒れたギャスパーを回収しつつ、俺たちは城の中へ。自分の城に門番が倒されてから入るってのも変な気分だがな。
てなわけで城のホールと思われる場所。てか、広すぎるってこれは、はぐれたら完璧にアウトだよ!
俺がそう思っているなかで今度はイッセーVS朱乃、ゼノヴィアという組み合わせ。
「今度は私たちがお相手いたしますわ」
「ここから先には行かせん!」
その二人がポーズを決めながらイッセーに言い放っていた。朱乃は手に雷光を纏わせて
なんて思っていると、ロセが若干頬を膨らませながら、俺の頬を引っ張ってきた。
「あの~、ロセ?痛いんだけど?」
「……………」
マイクに拾われないように小声で異議を申し立てたのだが、ロセは無視して手に力を込めてきた。
「ロセ?聞いてる?ねぇ?」
「シドウさん、あんな格好が好きですか?」
うーん、まぁ、嫌いじゃないかな?いやでも、普通の格好のほうが、いや、うーん。
俺が割りと真剣に悩んでいると、ロセはさらに力を込めてきた。地味に痛くなってきたんだけど……。
「どうなんですか?」
「うん、好きかも」
俺が頷くと、ロセは手を離した。そのままその手を顎にやって何かを考え始めた。
「私にもあんな格好できるかしら?朱乃さん程いい体していないし、でも、シドウさんのためなら……」
ロセに真剣に悩ませてしまったようだ。とりあえず手を離してくれたのでOKということで。
俺たちが何てことをしていると、
「うふふ。おっぱいドラゴンさん?こういうのはいかがですかぁ?」
「こっちはどうだ?こういうのも好きだろう?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
朱乃とゼノヴィアが謎の悩殺ポーズを決めてイッセーを硬直させたところに攻撃していた。てか、それを見たリアスが殺気立っているんだけど、後が怖いな。
イッセーがピンチに陥っていると、そこに何かが飛び込み、朱乃とゼノヴィアに攻撃を加えた!
「……大丈夫ですか?」
ヘルキャットこと小猫だ。かわいらしい猫耳と尻尾を生やしていた。
「ヘルキャット!?来てくれたのか!」
「……あなたのピンチには、いつでも駆けつけます」
いつも通りの口調だがやる気を感じられる声音だ。てか、小猫って案外こういうのにノリノリだよな。
こうして、イッセー、小猫VS朱乃、ゼノヴィアのタッグマッチに突入した。イッセーは朱乃の雷光をうまく避け、ゼノヴィアとの近接戦闘に。小猫はそのまま朱乃と戦闘に突入した。
イッセーは連戦にも関わらずキレキレの動きで魅せていき、他の三人もハイレベルの戦闘を行っていく。
そして、数十分後。
「これで、決まりだ。クリムゾンパンチッ!」
「これで、倒れて!」
「きゃっ!」
「うわぁっ!」
イッセーと小猫のダブルパンチで朱乃とゼノヴィアは倒された!残るメンバーはアーシア、レイヴェル、イリナぐらいか?アザゼルは来てないっていうか、どっかで夏休みをエンジョイしているといいますか。
二人を倒したイッセーと小猫はそのまま城の奥へ。それについて俺たちも移動する。移動中にイッセーがリアスに怒られていたが、いつもの光景なのでフォローしないでおく。
はい次!
イッセー、小猫VSアーシア、レイヴェル、イリナの勝負。組み合わせ的にはアーシアたちのほうが有利かな。不死身のフェニックスであるレイヴェルに、即ダメージを回復してくれるアーシア、戦闘能力は申し分ないイリナだ。これは苦戦は必須になるだろう。
「こ、ここは私たちが守ります!」
「私の炎に抱かれて消えてみますか?」
「ズバッとドン!といくわよ!」
普通のアーシア、何か中二病っぽいレイヴェル、よくわからないイリナ。レイヴェル以外はいつもの通りだな。
何て思っているうちに戦闘開始。レイヴェルが小猫と激突し、イッセーはイリナと戦闘になった!最初はイッセーたちが優勢だったが、アーシアの回復やレイヴェルの不死身の特性のせいで、少しずつだがイリナたちが押し返し始めた。てか、レイヴェルがいい動きしてるな。お嬢様と思っていたのが懐かしく思えるぞ。
イッセーたちは少しずつ追い詰められていくが、小猫が一瞬の隙をついてレイヴェルを吹っ飛ばし、アーシアに激突させた!
「きゃっ!」
「ご、ごめんなさいっ!」
とっさに謝ったアーシアがとても彼女らしいと思ってしまった。こんな時でも謙虚だねぇ。
俺がアーシアの優しさに感心していると、
「どいてぇぇぇぇぇぇっ!」
「「え?」」
ガシャァァァァァンッ!
イッセーに投げ飛ばされたイリナが二人に激突した!そして三人が密集したところに、
「ここしかない!クリムゾンブラスタァァァァァッ!」
間髪いれずにイッセーの砲撃が放たれた!その一撃はまっすぐ三人のもとに飛んでいき、
ドォォォォンッ!
大爆発!三人まとめて
てか、容赦ないねイッセーは!アーシアがとっさに金色のオーラを展開してガードしていたけど、あれは何だったのかな!?
こうして、イッセーは俺のいる(はずの)玉座の間に向かって歩き出したのだった。
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。