会議開始から約一時間。
ようやく台本の読み合わせが完了した。俺は今回、おっぱいドラゴンことイッセーの敵役、『ドラゴンナイト・ブラック』を演じるそうだ。
黒い龍騎士って、そのままだな。セラの
俺が自分の役に納得していると、監督が言った。
「それでは皆さん。早速開始しましょう。始めにおっぱいドラゴンとダークネスナイト・ファングの戦闘シーンからです」
「いきなりイッセーと木場が戦うって、最初っからクライマックスだな」
俺はそう漏らした。実際、主人公とその宿敵の戦闘シーンから始まるってなかなかだと思うぞ。
俺はそう思いながらイッセーと木場を見る。二人とも不敵な笑みを浮かべている。多分だが、こんな形とはいえ戦うってなると、スイッチが入るんだと思う。
俺たちはテントから出ると、その近くに作られていた採石場のような場所に移動した。
てなわけで到着。俺は採石場近くに設置されていたテントに入り、衣装に着替えていた。
赤と黒を基調としたロックミュージシャンのようや服装。見た目のわりに動きやすい服装だ。真・斬魔刀は腰から伸びる鎖に引っ掻けて帯刀する。鎖が斬れないかどうかが心配だ。
「シドウさん!どうですか?似合ってます?」
俺の心配を他所に、ロセがテントに入ってきた。リリスが着ていそうな黒いドレスを着ている。てか、似合ってるなぁ。
「ああ、似合ってるぞ。リリスが見たら喜びそうだ」
俺は笑みを浮かべて素直にそう告げた。実際似合っているし、リリスが見たら、「ロセママと一緒!」なんて言いながら跳ね回りそうだ。
「あ、ありがとうございます………!」
ロセは顔を赤くして照れながら笑みを浮かべた。
ドォォォォン…………。
なんてことをやっていると、遠くから爆音が聞こえ始めた。
「向こうは始まったみたいだな」
「そうですね。では、行きましょうか」
「おう」
こうして、俺とロセはイッセーたちが戦っている場所に向かう。なんか、歩く度に鎖がジャラジャラしてうるさいが、そのうち慣れるだろ。
俺は鎖を少し鬱陶しく思いながら、ロセを引き連れて現場に向かった。
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俺、兵藤一誠はダークネスナイト・ファングこと木場と激闘を繰り広げていた。
テクニックタイプの木場とはやりにくいが、いつも一緒に特訓しているんだ!何てことはない!
何度目かの激闘のあと、俺と木場は一旦距離を取って睨みあう。
「さすがは乳龍帝。一筋縄ではいかないな」
「当たり前だ!俺には守りたいものがいっぱいあるからな!」
俺は木場を、いや、ダークネスナイト・ファングを指差しながらそう言った!そう、この役を無しにしても、守りたいものがいっぱいあるんだよ!
「そうか。だが、ここで死んでもらう!」
「おまえはここで倒すっ!」
俺とダークネスナイト・ファングが飛び出そうとした瞬間、
『………ほう、守りたいものがある。か』
聞き覚えはあるけど、それとは程遠い冷たさを感じる声が周辺に響いた。
俺とダークネスナイト・ファングは戦闘を止め、周囲を見渡して声の主を探すと、
ジャリ………ジャリ………。
鎖が揺れる音と共に、その声の主が現れた。
「貴様が乳龍帝、そしてそっちがダークネスナイト・ファングか」
俺とダークネスナイト・ファングは息を飲んで、その男を見た。
黒と紅が入り交じった髪に、右が
「テメェ、
俺が叫ぶように訊くと、その男は冷たい笑みを浮かべた。
「俺か?俺は『ドラゴンナイト・ブラック』、ブラックとでも呼べ」
ブラックことシドウさんはそう告げてきた。そして続ける。
「だが、名前何てものはどうでもいい。これから死ぬ者に教えたところで、どうにもならないだろう?」
挑発するようにそう言うと、右手で刀を抜き放った!
同時に俺とダークネスナイト・ファングも構え、ブラックを睨んだ。
ブラックは俺たちを冷たく笑いながら見ると、手招きしてきた。
フッ!
俺よりも早く、音もなくダークネスナイト・ファングが飛び出し、ブラックに斬りかかった!
ガキンッ!
ブラックは冷静にそれを見切り、刀で受け止めた!金属が擦れる音が響くが、ダークネスナイト・ファングの表情は焦りが大きく、ブラックの表情は余裕の色が大きい!
ブラックはダークネスナイト・ファングを弾き飛ばすと、刀身にオーラを込め、ダークネスナイト・ファングは後ろに飛び退くと手に持っている魔剣にオーラを込め、×字に斬撃を放った!
ブラックは「フッ」と鼻で笑うと、刀を垂直に降り下ろして斬撃を相殺した!そして、ブラックが高速で間合いを詰め、ダークネスナイト・ファングの腹部を水平に斬り裂いた!
「かはっ!」
その一撃をもろに食らったダークネスナイト・ファングは崩れ落ち、動かなくなってしまった。
「なっ!?」
俺が驚愕の声を漏らしていると、ブラックは消えた!?
同時に俺の腹部に衝撃が走る!見ると、ブラックが左手で俺を殴っていた!その一撃は鎧を砕き、俺の腹に届いている!紅じゃないとはいえ、この鎧を拳一発で粉砕してくるのか!?
俺は殴られた勢いのまま吹き飛ばされ、岩壁に激突した。
「おっぱいドラゴン!大丈夫!?」
そこにスイッチ姫ことリアスが登場。俺はフラフラしながら鎧を修復して立ち上がり、スイッチ姫を見る。
「大丈夫だ!スイッチ姫、いつもの頼む!」
「ええ!」
スイッチ姫が俺にエネルギーを送ろうとした瞬間、スイッチ姫を様々な属性の魔力弾が襲った!スイッチ姫はうまく避けていくが、俺にエネルギーを送れていない。
攻撃が止み、それを放った相手を探すと、
「いいタイミングだ。『シャドウ』」
「ありがとうございます」
ブラックの横に黒いドレスに身を包んだロスヴァイセさんがいた。今回は『シャドウ』という名前の敵幹部役だ。
ブラックが言う。
「さて、乳龍帝。これで2対2だ。数での有利も、勝機ないぞ?それでも、おまえに守るものがあるというのなら、かかってこい」
ブラックはそう言うと、手に持っている刀が光輝いた!その光はブラックを包み込んでいき、そして、
『さて、ここからは全力でいかせてもらうぞ』
光が止むと、漆黒の鎧に身を包んだブラックの姿があった。いつもの違って、ボロボロのマントのようなものがついている。
「俺は負けない!いや、負けるわけにはいかない!」
俺はそう宣言しながら鎧を紅に変え、拳を構える。
スイッチ姫も手元に滅びのオーラを纏わせ、シャドウも北欧式の魔方陣を展開した。
『いくぞ』
「いくぜぇぇぇぇぇっ!」
俺とブラックは同時に飛び出し、スイッチ姫とシャドウの魔力攻撃が始まった!
ブラックの衣装はファンガイ○の過去キングのイメージです。
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。