グレモリー家の次男   作:EGO

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Extra life 61 映画出演 リアスたちと共演編 ③

会議開始から約一時間。

ようやく台本の読み合わせが完了した。俺は今回、おっぱいドラゴンことイッセーの敵役、『ドラゴンナイト・ブラック』を演じるそうだ。

黒い龍騎士って、そのままだな。セラの騎士(ナイト)だし、黒い鱗の龍『グレンデル』の力も多少使える。うん、そのままだ。

俺が自分の役に納得していると、監督が言った。

「それでは皆さん。早速開始しましょう。始めにおっぱいドラゴンとダークネスナイト・ファングの戦闘シーンからです」

「いきなりイッセーと木場が戦うって、最初っからクライマックスだな」

俺はそう漏らした。実際、主人公とその宿敵の戦闘シーンから始まるってなかなかだと思うぞ。

俺はそう思いながらイッセーと木場を見る。二人とも不敵な笑みを浮かべている。多分だが、こんな形とはいえ戦うってなると、スイッチが入るんだと思う。

俺たちはテントから出ると、その近くに作られていた採石場のような場所に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

てなわけで到着。俺は採石場近くに設置されていたテントに入り、衣装に着替えていた。

赤と黒を基調としたロックミュージシャンのようや服装。見た目のわりに動きやすい服装だ。真・斬魔刀は腰から伸びる鎖に引っ掻けて帯刀する。鎖が斬れないかどうかが心配だ。

「シドウさん!どうですか?似合ってます?」

俺の心配を他所に、ロセがテントに入ってきた。リリスが着ていそうな黒いドレスを着ている。てか、似合ってるなぁ。

「ああ、似合ってるぞ。リリスが見たら喜びそうだ」

俺は笑みを浮かべて素直にそう告げた。実際似合っているし、リリスが見たら、「ロセママと一緒!」なんて言いながら跳ね回りそうだ。

「あ、ありがとうございます………!」

ロセは顔を赤くして照れながら笑みを浮かべた。

ドォォォォン…………。

なんてことをやっていると、遠くから爆音が聞こえ始めた。

「向こうは始まったみたいだな」

「そうですね。では、行きましょうか」

「おう」

こうして、俺とロセはイッセーたちが戦っている場所に向かう。なんか、歩く度に鎖がジャラジャラしてうるさいが、そのうち慣れるだろ。

俺は鎖を少し鬱陶しく思いながら、ロセを引き連れて現場に向かった。

 

 

 

 

 

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俺、兵藤一誠はダークネスナイト・ファングこと木場と激闘を繰り広げていた。

テクニックタイプの木場とはやりにくいが、いつも一緒に特訓しているんだ!何てことはない!

何度目かの激闘のあと、俺と木場は一旦距離を取って睨みあう。

「さすがは乳龍帝。一筋縄ではいかないな」

「当たり前だ!俺には守りたいものがいっぱいあるからな!」

俺は木場を、いや、ダークネスナイト・ファングを指差しながらそう言った!そう、この役を無しにしても、守りたいものがいっぱいあるんだよ!

「そうか。だが、ここで死んでもらう!」

「おまえはここで倒すっ!」

俺とダークネスナイト・ファングが飛び出そうとした瞬間、

『………ほう、守りたいものがある。か』

聞き覚えはあるけど、それとは程遠い冷たさを感じる声が周辺に響いた。

俺とダークネスナイト・ファングは戦闘を止め、周囲を見渡して声の主を探すと、

ジャリ………ジャリ………。

鎖が揺れる音と共に、その声の主が現れた。

「貴様が乳龍帝、そしてそっちがダークネスナイト・ファングか」

俺とダークネスナイト・ファングは息を飲んで、その男を見た。

黒と紅が入り交じった髪に、右が(あお)左が銀色のオッドアイ。そして、黒と赤のロックミュージシャンのような格好で、その服には自分を縛りつけるように鎧が巻かれている。深緑色の刀身の刀を腰に帯刀しており、右手には漆黒の籠手がつけられている。

「テメェ、何者(なにもん)だ!?」

俺が叫ぶように訊くと、その男は冷たい笑みを浮かべた。

「俺か?俺は『ドラゴンナイト・ブラック』、ブラックとでも呼べ」

ブラックことシドウさんはそう告げてきた。そして続ける。

「だが、名前何てものはどうでもいい。これから死ぬ者に教えたところで、どうにもならないだろう?」

挑発するようにそう言うと、右手で刀を抜き放った!

同時に俺とダークネスナイト・ファングも構え、ブラックを睨んだ。

ブラックは俺たちを冷たく笑いながら見ると、手招きしてきた。

フッ!

俺よりも早く、音もなくダークネスナイト・ファングが飛び出し、ブラックに斬りかかった!

ガキンッ!

ブラックは冷静にそれを見切り、刀で受け止めた!金属が擦れる音が響くが、ダークネスナイト・ファングの表情は焦りが大きく、ブラックの表情は余裕の色が大きい!

ブラックはダークネスナイト・ファングを弾き飛ばすと、刀身にオーラを込め、ダークネスナイト・ファングは後ろに飛び退くと手に持っている魔剣にオーラを込め、×字に斬撃を放った!

ブラックは「フッ」と鼻で笑うと、刀を垂直に降り下ろして斬撃を相殺した!そして、ブラックが高速で間合いを詰め、ダークネスナイト・ファングの腹部を水平に斬り裂いた!

「かはっ!」

その一撃をもろに食らったダークネスナイト・ファングは崩れ落ち、動かなくなってしまった。

「なっ!?」

俺が驚愕の声を漏らしていると、ブラックは消えた!?

同時に俺の腹部に衝撃が走る!見ると、ブラックが左手で俺を殴っていた!その一撃は鎧を砕き、俺の腹に届いている!紅じゃないとはいえ、この鎧を拳一発で粉砕してくるのか!?

俺は殴られた勢いのまま吹き飛ばされ、岩壁に激突した。

「おっぱいドラゴン!大丈夫!?」

そこにスイッチ姫ことリアスが登場。俺はフラフラしながら鎧を修復して立ち上がり、スイッチ姫を見る。

「大丈夫だ!スイッチ姫、いつもの頼む!」

「ええ!」

スイッチ姫が俺にエネルギーを送ろうとした瞬間、スイッチ姫を様々な属性の魔力弾が襲った!スイッチ姫はうまく避けていくが、俺にエネルギーを送れていない。

攻撃が止み、それを放った相手を探すと、

「いいタイミングだ。『シャドウ』」

「ありがとうございます」

ブラックの横に黒いドレスに身を包んだロスヴァイセさんがいた。今回は『シャドウ』という名前の敵幹部役だ。

ブラックが言う。

「さて、乳龍帝。これで2対2だ。数での有利も、勝機ないぞ?それでも、おまえに守るものがあるというのなら、かかってこい」

ブラックはそう言うと、手に持っている刀が光輝いた!その光はブラックを包み込んでいき、そして、

『さて、ここからは全力でいかせてもらうぞ』

光が止むと、漆黒の鎧に身を包んだブラックの姿があった。いつもの違って、ボロボロのマントのようなものがついている。

「俺は負けない!いや、負けるわけにはいかない!」

俺はそう宣言しながら鎧を紅に変え、拳を構える。

スイッチ姫も手元に滅びのオーラを纏わせ、シャドウも北欧式の魔方陣を展開した。

『いくぞ』

「いくぜぇぇぇぇぇっ!」

俺とブラックは同時に飛び出し、スイッチ姫とシャドウの魔力攻撃が始まった!

 

 

 

 

 




ブラックの衣装はファンガイ○の過去キングのイメージです。
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。

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