では、どうぞ。
ジャックside
あぁ~、死ぬかと思った。流石に痛かったな、アルビオンの一撃。
俺は痛めた箇所を擦りながら、とりあえず旧魔王派の指定した回収ポイントに移動する。
「ジャック!こっちだ!」
そこには、旧魔王派と思われる男性悪魔が転移魔方陣を展開していた。
「了解!」
そんじゃ行きますかね。
それから数十分後。
今俺は、コカビエルの撃破に関しての報告、それと白龍皇の勧誘について聞くために、旧魔王派本部に来ているところだ。そして俺の上司カテレアに報告ついでに情報を貰う。
「カテレア様、コカビエルは始末されました」
「あら、あなたが殺ったのではないの?」
「はい、途中で白龍皇の介入が入り、あと一歩のところで」
「まぁ、いいです。その白龍皇には”逃げられましたが”」
「駄目でしたか」
「ええ、接触すら出来なかったわ。しかし、大きな問題ではありません。それにしても、何故いつも寡黙なあなたが、自ら作戦を?」
「偽りの魔王の血を絶つのは”堕天使”ではなく”我々”が行ってこそ意味があります…」
「なるほどね」
「それにこれで三竦みのトップ会合が行われるはず…前にも言いましたがそこを叩けば…」
「それもそうね、いいわ一旦戻りなさい」
「ハッ!失礼します!」
よし終わったぁ~。にしても勧誘は失敗か。一応兄さんに報告するか?いや、白龍皇のことは黙っておくか。まだ、不確かな情報だし。
〈”マスター”、もし堕天使側から会合の呼び出しがあればその時に注意してください。その時、仕掛けます〉
なんか堕天使のトップと繋がってるみたいな感じになっちまうな。
ちなみにマスター呼びは最近からだ。なんとなくやってる。
送ってから数分後。
〈分かった、ではその時に戻るかい?〉
そうだな、いや、まだ早いか。
〈いえ、もう少し潜っています〉
〈そうか、では頼む〉
〈了解です〉
そこで通信を終わる。そうだ、戻るにはまだ早い。せめて旧魔王派のトップを全員潰せるときまでは、俺はジャックであり続ける。
ジャックside out
サーゼクスside
シドウからの連絡を受け、僕は考えていた。シドウが言うには、堕天使側から何かしらの連絡が送られてくるかもしれないこと。そして、その会合を行うと旧魔王派が仕掛けてくること。なるほどね。
「サーゼクスちゃん入るわよ☆」
「セラフォルーか」
「どうしたの?なにか悩みごと?」
「いや、みんなに報告することが増えてしまってね」
「じゃあ、シドウちゃんから連絡が?」
「あぁ、どうやら仕掛けてくるらしい」
「そっか」
「まぁ、またシドウからの連絡があるだろう」
「そうね☆とりあえず、皆揃ったわよ☆」
「分かった、今行くよ」
とりあえず、シドウが無事そうでよかった。またコカビエルと戦うことになったと聞いたときは、冷や冷やしたけどね。
シドウは、きっとその時にリアスと会ったのだろう。きっとリアスは気付かれていないだろう。自分の兄が自分たちを助けてくれたことを。
シドウはだから戦ったに違いない。シドウの事だ、影ながら妹を守るために戦ったんだろう。そうなんだろ?シドウ。
そう考えつつ僕は、魔王としての仕事をこなしていくのだった。
サーゼクスside out
前回が長かったので今回は短めです。
そして次回から次の章にいきます!
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします