グレモリー家の次男   作:EGO

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Extra life 18 ハルマゲドン再び 決着編

三大勢力合同運動会もついに最後の種目となった。

『各チーム、選び抜かれたリレー選手が各ポジションに待機しております!さぁ、長らく競い合ってきた運動会もついに最後となりました!』

てなわけで、俺は第二走者の場所についている。

「シドウ・グレモリーッ!ここで会ったが百年目ェェェェッ!」

相手はまさかのアルマロスだった。で、天使の選手は。

「ふふ、お手柔らかにお願いしますね」

ミカエルだった。

くそ、まさかこいつらと並走することになるとは、勝負がわからなくなってきたな。てか、アルマロスよ。鎧に兜って動きにくくないのか?

『さぁ、最終決戦スタートです!』

パンッ!

ピストルの音と共に軽快なBGMが流れ始め、各勢力の第一走者がスタートした!

悪魔陣営の第一走者は木場だ。あいつならどうにかなると思う。

ドォォォォォンッ!

何て思った矢先に堕天使陣営の第一走者が光の槍を投げまくっているんだが。

「お、おい。あれ、アリなのか?」

俺がアルマロスとミカエルに訊くと。

「勝てば良かろうなのだぁぁぁっ!」

「私たちが巻き込まれなければいいですよ」

何てことを言ってきやがった!ミカエルに関してはいい笑顔で!もうやだこいつら!

何て思っている間に木場が迫って来ていた。後ろからは天使、堕天使の順だ。堕天使は攻撃をするために若干速度を緩めたな。

「シドウさん!お願いします!」

「おっしゃ、任せろ!」

木場から素早くバトンを受け取り、一気にトップスピードまで持っていく!

やっぱり全力で走るってのは気持ちがいいもんだ!

何て思っていると背後から急速に接近してくる気配が。

振り返っている余裕もないので走るが、ついに俺の横についた影が!

「天界を支えるものとして、あなたには負けません!」

ミカエルだ!それなりにあった差を一気に詰めてきやがったのか!?

「俺だってレヴィアタンの眷属だ!あんたに負けてられねぇぇぇぇぇぇっ!」

俺は叫びながらバトンをくわえると、両手を後ろに向け、そこから滅びのオーラを放つ!

オーラがブースターとなり、さらに勢いがついたことで少しずつミカエルを抜き去っていくが、あいつは俺と同じように光を放つことで差を詰めてきていた!

くそ、振り切れねぇか!そろそろパス何だがな!

俺とミカエルがデッドヒートを繰り広げていると、さらに近づいてくる気配が一つ。つまり……。

「グリゴリィィィィィィィッ!」

叫びながら鎧を脱ぎ捨てたアルマロスが突っ込んできていた!キャストオフってか!?って鎧の下にジャージを着てたのかよ!暑くなかったのか!

俺とミカエル、アルマロスはついに横一線となり、そして……。

「兄さん!」

「バラキエル!」

「ウリエル!」

「「「頼んだっ!(頼みますっ!)」」」

同時にバトンを渡した!

渡された三人は同時にスタートして凄まじい速度で最終走者のもとへ行ってしまった。

つ、疲れた。胃の中のものが出てきそうだ……。

「いやー、いい走りでしたね」

「おう、楽しかったぜ」

「くそ、コンマ一秒だが、シドウ・グレモリーに負けた!」

俺とミカエル、アルマロスがそれぞれ感想を言っていると、会場がどよめいた。何事だ?

見ると、堕天使陣営最終走者のアザゼルが、光と闇が入り交じった剣で、悪魔陣営最終走者のイッセーに襲いかかっていた!

ま、まさか。あれが話に聞いた!

閃光と(ブレイザー・シャイニング)(・オア・)暗黒の(ダークネス・)龍絶剣(ブレード)か!

俺たちが食い入るようにその剣を見ていると、アザゼルとイッセーがゴールせずに戦闘に突入してしまっていた。

いや、それはダメだろ……。

俺がそう思った矢先に天界陣営最終走者のガブリエルがゴールしてしまった。

『ゴールッ!バトンリレーを制したのは天使チームでしたぁぁぁぁっ!』

やれやれ、せっかく頑張ったのによ。

俺が遠くからイッセーを睨んでいると、ミカエルが笑顔で言った。

「どうやら、私たちの勝ちのようですね」

「みたいだな。まったく、これだから若者は……」

「あなたもまだまだ若者だと思いますよ?」

ミカエルがそう言ってくれるが、確かにミカエルに比べれば若者だけどな。

「そう言えばアルマロスは?」

何も言ってこないアルマロスを探してキョロキョロしていると、鎧を回収してアザゼルを囲む一団に紛れ込んでいた。

アザゼル、御愁傷様だな。

「じゃ、俺もイッセーに物申してくるかね。ミカエル、またな」

「ええ、それでは」

俺とミカエルはそう言って各陣営の席に戻る。

で、戻ってきたのでとりあえず。

「イッセー、戻ったら少しお話をしようか……」

「私からも言わせてもらうわよ」

「は、はい……」

兄妹二人でイッセーに説教をしようとしているところだった。まぁ、頑張ってたから多少の慈悲はいれてやるか。

 

 

こうして三大勢力合同運動会は天使陣営の勝利で幕を閉じた。日々の不満を爆発させることが出来た各陣営の全員は、疲労に満ちながらも晴れ晴れとした表情ななっていた。

あとからセラに聞いた話では、早速第二回の案が出ているそうだ。まぁ、アリだとは思うとは言っておいたから、そのうちあることだろう。楽しみだ!

何てことを思いつつ、この日の夜は泥のように寝れた俺なのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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