グレモリー家の次男   作:EGO

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Extra life 04 楽しい(?)グレモリー一家 ③

俺、サタンブラックはピンクと共に第一セクションで彼らを待っていた。

「なかなかノリノリね。ブラック?」

「まぁな。やるんだったら楽しまないと」

「ふふ、それもそうね」

俺たちが喋っていると、イッセーとリアスが現した。

二人を確認した俺は一歩前に出て口を開く。

「さて、二人にはこれから試練を受けてもらう。まず第一の試練は!」

パチン!

俺が指を鳴らすと音響装置が現れた。

「ダンスだ!」

「………へ?」

俺の一言でイッセーは間の抜けた声を出した。聞かされてないだろうからな、仕方ない!

そんなイッセーにピンクが言う。

「二人のダンスを私たちに見せて欲しいの!抜群の相性を見せてくれたら、先に進めるわ」

ピンクがそう言うと音響装置からクラシックで優雅な音楽が流れ始めた。

「頑張れよ!」

俺は二人にサムズアップを送り、ピンクと共に後ろに下がった。

 

 

 

 

 

 

そして、曲が終わりを告げ、イッセーとリアスはダンスの終える挨拶を交わした。

パチパチパチ。

俺とピンクは二人に拍手を送った。

「うふふ、心配して損しちゃた☆二人ともいけるじゃない!」

「ああ、二人はベストパートナーだ!」

俺とピンクがそう言うと、俺たちの後ろの扉が開く。

「さぁ二人とも、第二の試練にゴーなのよ!」

「ここからが本番だ、気を抜くなよ!」

俺たちの言葉を受けたイッセーとリアスはさらに奥へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

二人が行ったことを確認して俺は仮面を取る。やってみると面白いもんだな。

セラも仮面を外して清々しそうに息を吐いた。

「昔を思い出すわね。あなたと私がやったのはリアスちゃんが生まれるちょっと前だったんだから、もう二十年も前になるのね」

俺は汗を拭いながらセラに言う。

「早いもんだ。あの頃には生まれてなかった妹が、もう儀式をやってるんだからな」

今頃二人はテーブルマナーをやっていることだろう。あいつらなら大丈夫だとは思うが……。

俺はそんな事を考えながらセラに言う。

「セラの時は大変だったな。審査員が母さんでさ」

「確かに、ちょっとしたミスでも減点されたものね」

本当に母さんは厳しかった。やりがいはあったけど。

「ねぇ、シドウ」

「どうかしたか?」

俺が訊くとセラが手を差し出してきた。彼女は照れているのか、若干頬を赤くしながら訊いてくる。

「久しぶりに踊らない?」

「いいぜ、たまには良いだろ」

俺は笑顔でそう言うとセラの手を取る。それと同時に音響装置から音楽がなり始めた。恋人と踊るのは良いんだが、格好がサタンレンジャーのままなんだよな。まぁ、今さら気にすることでもないか。

 

 

 

 

無事に俺たちも躍り終え、終わりの挨拶をする。いやー、久しぶりに踊った。

俺がそんな感想を持っていると、セラが俺の胸に顔をうずめた。

俺はセラの頭を撫でながら彼女に訊く。

「どうかしたか?」

「シドウ分の補給」

そういえば『シドウ分が足りない』って言ってたな。こんなんで補給出来るのなら安いもんだ。

「面倒だから一気に回復させてやろうか?」

「え?」

セラが顔を上げた瞬間に彼女の唇にキスをする。ただのキスでは回復しないだろうから、舌を絡めるディープキスってやつだ。

「ん……ちゅ……うぅん」

セラは突然のことで反応しきれず息苦しそうにしていたが、少しずつ落ち着いたようだ。

俺はゆっくりと唇を離す。俺とセラを繋ぐように唾液の糸が伸びた。

「~~~~」

セラは顔を真っ赤にさせて俺に抱きついてきた。

「いつかのはそっちからだったからな。今度はこっちからさせてもらった」

「む~」

俺に抱きついていたセラから少しずつ力が抜けてきていた。それを感じた俺は素早くセラをお姫様抱っこする。

「さて、奥に行きますかね。そろそろ終わったころだろ」

「……うん」

セラは頷いたが、まだ顔を赤くしている。向こうにつくまでには戻っていることを祈る。俺はそんな事を思いながら奥に進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡の最深部、そこでイッセーと兄さんが戦っていた。まぁ、兄さんは最初からやる気だったから良いが、遺跡がボロボロになってるんだが……。

俺は観戦しているアジュカ様の横に移動する。

「始めてたみたいですね」

「ああ、キミたちはのんびり出来たかい?」

アジュカ様は笑みながら訊いてきた。俺は頷いたが、セラはまだ俺に抱っこされている。降ろそうと思ったら抵抗してくんだもん、無理だ。ファルビウム様は……奥で寝てんのか。

俺がそんな事を思っているうちにイッセーが特大のオーラを放った。

「さて、退散するとしようか」

「そうですね。セラ、掴まっとけよ」

「うん」

イッセーが放ったオーラが爆発した瞬間、俺たちは移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒後、俺たちはは例の衣装を脱いで再びイッセーとリアスの前に移動した。イッセーは今の今まで気絶していたがな。

「二人とも、よくやったね」

兄さんが声をかけると二人はこっちに視線を向けた。

「お疲れさん。ここにいるってことは無事に突破したわけか。いや~良かった」

俺が言うと、リアスが訊いてきた。

「お兄様!お二人とも、今こちらへ?」

……リアス、気づいてなかったんだな。なんか、不安だ。イッセーも反応に困ってるし……。

兄さんは構わずに二人に近づき、肩に手を置いた。

「二人とも合格だ。よくやった」

その一言でイッセーとリアスは顔を見合わせて笑顔になった。

「これで旦那様も奥方様もご安心されることでしょう」

メイドモードの義姉さんが二人に言った。

「イッセー、突然巻き込んですまなかったな。一言伝えておけば良かったよ」

俺は素直に謝っておく。まぁ、巻き込んでしまったの間違いないからな。

「い、いえ!結果的に部長のお乳に触れたんでOKです!」

イッセーは清々しい笑顔でそう言った。本当に変態なんだな。

「おめでとう、リアスちゃん!」

セラがリアスに飛びついた。すっかり回復したようだ。

「……あー、やっと終わった」

ファルビウム様が溜め息混じりにそう言うと、アジュカ様がイッセーに近づいていった。

イッセーが兄さんに訊く。

「あの、このお二人は?」

兄さんは笑顔でこう返した。

「溜め息を吐いた方がファルビウム・アスモデウス。それでキミの前にいるのが……」

「アジュカ・ベルゼブブだ。よろしく頼む。早速だが、キミの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を見ても良いかな?」

言うなりアジュカ様はイッセーに人差し指を突きつけて魔法陣を展開させた。まぁ、専門的なことはわからないからパスだ。

その後、イッセーの自己紹介と魔王様の自己紹介が行われたが、今さらな気がするのでそれも聞き流し、今回はようやく解散となったのだった。

まぁ、今回はセラと踊れたから良しとしよう。

俺はそう思いながら帰路についたのだった。

 

 

 




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