グレモリー家の次男   作:EGO

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今回でこの章は終わりです!
では、どうぞ!


Lostlife しばらくの別れだぜ……

あの日から一週間程たった頃。

遂に招集を掛けられた。これはつまり、しばらく家族と会えないということになる。まぁ、覚悟はしていたんだが、実際に来ると少しキツいな。

その思いを抱えつつ、俺は既に魔王領に移動して、任務の説明を聞いているところだ。

「………分かったかなシドウくん」

「はい、大丈夫です」

ざっくり言うと、潜入中に向こうが何かしそうだったらそれを伝える。タイミングを見てまたこちらに戻る。みたいな感じだな。

「では、早速今回君のために用意したものがある。まず、これが君の魔力を隠す指輪だ」

「『魔力を隠す』ですか?」

「ああ、君は滅びの魔力を持っているからね。隠さなければすぐにバレてしまうだろう?だから、絶対に外すなよ」

アジュカ様はそう言いながら指輪を渡してきた。

「はい、わかりました。ありがとうございます」

アジュカ様にお礼を言いながら、指輪をはめる。サイズはピッタリだ。

「では、次はこの剣だ。これは特殊な合金で造ったものだからそう簡単には折れないはずだ。魔力を隠す以上、下手に魔力を使えんだろからな」

確かに、魔力が使えない以上、武器は必要だ。ほんと、ありがたいな。

「それと、この腕輪だな。これはまぁ、簡単に言えば通信機だ。これを着けて、ボタンを押せば言葉を発しなくてもこちらに情報がくるし、こちらからも送れる。こちらから送る場合は少し締め付けるからわかるはずだ。試してくれないか」

「わかりました…」

早速腕輪を着けて、スイッチを押してみる。あとは、思えばいいのか?

〈聞こえてますか?〉

不安げに返すと、アジュカ様の声がどこからか聞こえてきた。

〈大丈夫だ、聞こえてる〉

アジュカ様は目の前にいるのに口は動いていない。なんか変な感じだ。

「よし大丈夫そうだな。こちらから呼ぶときはこんな感じだ」

アジュカ様の言葉と共に、腕輪が軽く締め付けてきた。なるほど、このくらいか。

「わかりました」

「最後に、これを使って髪を染めてくれ。これは特殊な方法でしか戻らないものなんだ。紅の髪は、彼らには刺激が強いからね」

なるほど。現魔王である兄さんと同じ色。いらない因縁をつけられそうだ。

「わかりました、やっておきます」

俺が受け取り、しまおうとすると、アジュカ様がそれを制してきた。

「いや、今ここでやってくれ」

「え、あ、はい。わかりました」

俺は返事をして、染色材の蓋を開けて、準備をする。では、いざ染色っと。

 

 

 

 

 

染色完了っと。うん、髪が紅から真っ黒になった。ちなみに俺はショートカットって髪型だ。詳しくはよく分からん。

「ついでに目の色も変わる便利仕様だ」

アジュカ様はそう言いながら手鏡を差し出してきた。

え、マジで?俺は疑問に思いながら早速鏡を見ると、両目も黒くなっていた。

「ちなみに戻しかたは、俺たち魔王の誰かが君の腕輪に魔力を送ることだ。いいかい」

「送る、ですか?」

「簡単に言えば魔王がその腕輪に攻撃を当てるんだ」

なるほどね、魔王の攻撃を食らったら死ぬの思う。それにしたって、なぜ腕輪?

俺が疑問を思っていると、アジュカ様は続けた。

「一応、腕輪が君の生存を確かめる唯一のものだ。それに魔王が攻撃する。それは君の任務完了を表すからね。それから、一応君は『行方不明』という扱いだ」

行方不明ね。死亡よりはまだ良いか?

「よし、準備完了だ。サーゼクス」

アジュカ様が言うと、兄さんが俺の前に移動してきた。

「ああ、ではシドウ頼んだよ、父様と母様には僕から言っておく」

「わかりました」

リアスに伝言頼みたいがやめておくか。リアスには苦労をかけると思うけど、今言っても仕方ない。

「シドウ他に何かないかい」

「いえ、大丈夫です。兄さん」

「そうか」

「では、シドウ・グレモリー。任務開始します!」

こうして、俺の長い任務が始まったのである。

 

セラフォルーside

 

シドウが任務に出発しようとしている。サーゼクスちゃんたちは『見送りに行かなくていいのか』って言うけど、今は会いに行かない。今行ったら、きっとシドウを止めてしまうから。だから私は、シドウの無事を信じて待つことにしたの、シドウが帰ってこれる場所を守るためにも。

 

セラフォルーside out

 

シドウside

 

それから数時間。

俺は一人歩き続けていた。だが、そろそろかな?

そう思っていると、俺の前に巨大な城壁のようなものが見えてきた。俺はそれに近づいていき、門の前に移動する。

すると、門の前に立つ衛兵のような格好の男性が言ってきた。

「何者だ!この先は真の魔王様が住まう地域だぞ!」

それはどうも。目的地に着いたこと教えてもらっちゃったみたいだ。

その衛兵さんは手に持った剣を構えてきているけどな。

俺は構わずに続ける。

「俺は、その真なる魔王様に仕えるために来た!」

「何?それは本当か?お前、名はなんという!」

名前か、困ったな。特に考えてなかった……。

「ジャック………"ジャック"だ!」

とっさに出したこれが、今の俺の名前だ。ジャック・ザ・リッパーから貰ったのは内緒だ!とりあえずどうだ!

「少し待て!」

それから1分ほど。

「よし!我々は貴殿を歓迎する!」

あっさり門を通された。なんつーザル警備だよ。まったく、まぁいいや。とりあえず、シドウ・グレモリー、改め"ジャック"任務開始だな!

 

ジャックside out

 

 

 

 

 




とりあえず、この章はここまでです。
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします。

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