グレモリー家の次男   作:EGO

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life26 今後の方針

俺、シドウとセラはのんびり寝ること数時間。ようやく目を覚ました。相変わらず裸だがな。

「おはよう、セラ」

「にゅ~」

俺がお目覚めの言葉を向けると、寝ぼけて抱きついてきた。セラの体、本当に柔らかいなぁ~。はっ!俺は何を考えているんだ!?

「セラ、起きろー!朝だぞー!」

俺は少し声を大きめにすると、セラの目が開いた。

セラはジーッと俺を見つめてくる。何をしろと?

「眠気覚ましにキスして」

セラがいつになく大胆になっている。なぜだ?やっぱり経験するとしないとでは、何か差ができるのか?

俺は一瞬だけ固まったが、すぐに持ち直してセラの肩に手を置き、ゆっくりと顔を近づける。セラもニコニコ顔だったが、真剣な顔になっていた。

俺とセラの唇が重なろうとした瞬間、ドアが吹き飛んだ。……吹き飛んだ!?

俺は咄嗟にセラから離れた。セラはショックを受けている。というよりは、邪魔されて不機嫌になっていた。

「シドウさん、いつまで寝てるんですか?」

「シドー、起きた?」

ドアを吹き飛ばして入ってきたのはロセもリリスだった。多分だが、手を前に突き出しているリリスがドアを吹き飛ばしたのだろう。

「ああ、おかげさんで目が覚めたよ」

「それは良かっ………」

なぜか言葉を切るロセ。彼女の目は、俺とセラを交互に見ていた。

「お、お二人とも!?ふ、服を着てください!」

ロセが顔を真っ赤にしながら言ってきた。まぁ、俺もセラも裸だからな。

「シドーの裸、見るの初めて?」

リリスがロセに聞いていたが、上半身裸なら、二回はあったはずだ。天界で一回、先日の闘技場で一回。うん、二回だ。

「リリスちゃん!意地悪な質問しないでください!」

ロセは顔を真っ赤にしたまま、リリスに言っていたが、リリスは首を傾げていた。仲良しなようで何よりです。

「ねぇねぇ、シドウ」

「うん?」

チュ…………。

セラに呼ばれて振り向いてみれば、キスをされた。な、何かデジャブを感じるな。

「な、なななななに、何をやってるだぁぁぁぁぁぁ!」

ロセが方言全開で叫んだ。今日の冥界は平和です。

 

 

 

 

 

 

 

それから、何とかロセを落ち着かせ、朝食を済ませると、リアスたちと軽く話し合いをしていた。

「シドウお兄様。どうします?」

リアスの言葉に俺は割りと真剣に考えていた。議題は『教師に復帰するかどうか』だ。トライヘキサとの決戦で、俺は戦死扱い(今は取り消された)になっていたため、表向きは故郷で問題が起こったため(ある意味間違いではなかったが)、無期限で日本を離れることになった。ということになっているらしいのだが、こうして色々と終わらせた訳だ。戻っても良い気がするが、戻るにもタイミングが悪い。このまま昔みたいに、セラや兄さんのため、冥界の任務をこなしていくのも良いのではと思っているほどだ。

「どうしたもんかな?」

俺があごに手を当てて悩んでいると、イッセーが言った。

「シドウさん!戻ってきてください!シドウさん、結構人気あったんですから、皆もきっと喜びます!」

イッセーが言うが、俺って結構人気あったんだな。

「私も戻ってきてほしいです!」

「ああ、私もだ」

「私も私も!」

教会三人娘も言ってくれていた。う~む、戻ろうかな?

すると、俺の左手を誰かが握った。ロセだ。

ロセは頬を赤くしながら言った。

「わ、私は……またシドウさんと、お仕事がしたいです!」

ロセはぎゅっと俺の手を握る手に力を込めた。

すると、セラが笑顔で言った。

「シドウ、冥界(こっち)のことは私たちに任せて良いのよ?あなた、戻るかどうか、そこで迷ってるんでしょ?あなたは十分頑張ったんだから、あと何年かぐらい教師やったって私たちは何も言わないし、おじいさま方にも何も言われないわよ」

うん、セラには全部お見通しか。何年か、俺も少し休むとするか。

「わかった。それじゃあ、戻らせてもらう。リアス、手配よろしく」

俺が笑顔で言うと、リアスは狼狽えた。

「わ、私がやるんですか!?」

「あそこの代表はリアスだろ。だからリアスがやってくれ」

「は、はい。わかりました」

リアスは頷いてくれた。

「つっても、冥界(こっち)で何かあったら、すぐに動くけどな」

当たり前のことではあるが、一応言っておいた。

「お兄様らしいです」

「シドウならそう言うと思ったわ」

「動くのは良いんですけど、無理はしないでくださいね」

リアス、セラ、ロセが言った。まぁ、そういうなよ。

「そっちに行くのは……来学期からで良いか?タイミング的に、今は中途半端だからな」

「わかりました。それまでに手配を済ませておきます」

来学期だから………三ヶ月くらい先か?俺も準備をするだけしちゃわないと。

「そういうことなんで、またよろしく頼む」

『はい!』

うん、良い返事だ。

「あ、そうだ。ロセ、一つ頼み事をしていいか?」

俺が訊くと、ロセは一瞬固まった。俺から何かを頼むなんてなかなかしない事だからな。

「えっと……何でしょうか?」

「おう!俺に『北欧の攻撃魔術』を教えてくれ」

「……北欧のですか?」

訊き返してきたロセに、俺は頷く。

「そそ。色々あって俺の魔力がだいぶ変異しちまったからな。滅びがないなら、他で補うしかない」

「わかりました。何か良い教本があればいいのですが……」

ロセは真剣に考え始めていた。無理は承知だったけど、大丈夫そうだ。

「教師に戻るって言っておいて、戦う準備は欠かさないのね」

セラが言うが、万が一に備えての準備は大事だからな。

「そんじゃ、俺は行くかね。何かアザゼルに呼ばれたんでな」

「そうなんですか?」

「いい加減、斬魔刀を返してもらわないといけないし、何か、俺がいないと調べられない事があるんだとさ」

俺はイッセーの質問に返すと、立ち上がる。が、別の問題にぶち当たった。

「またイッセー宅にお世話に……いや、家は別にするか?何か迷惑かけまくってるし」

「いや、別に大丈夫だと思いますよ?父さんも母さんも心配してましたし」

「そうか?まぁ、詳しくは後で決めよう。とりあえず、いってくる」

俺はそう言うと、転移室まで移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 




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