俺、シドーとグレイフィアを含めたD×Dは遺跡の近くに転移、
「よし、作戦を少し変更する。遺跡に入ったらソーナとサイラオーグ、その眷属も俺たちと来てくれ。リアスたちとシーグヴァイラたち、ヴァーリチーム、シドー、グレイフィアは奥に進んでくれて構わん」
いきなり変更って、何か嫌な追加情報があったようだ。
俺が問う。
「遺跡に重要なものでも見つかったのか?」
アザゼルが頷く。
「あいつらが使っている宝玉。それの生産もここで行っているようだ。それを発見したらしいんでな、壊しに行く」
なるほど、あの禍々しい宝玉か。残しておくと面倒そうだしな。
俺が頷くと、アザゼルが続けた。
「そういうことだ。多少変更があるが、作戦の基本は変わらない。ヴァーリチームとリアスたちは遺跡を遺跡を突っ切れ。さて、行くぞ!」
アザゼルの一言で、俺たちは遺跡を目指して走り出した。
俺たちが走り、遺跡を視認する。なかなか大きそうだ。
遺跡の前にはローブの集団。数百人はいるな、相変わらずどこで見つけてきてるんだか。
俺たちは止まるわけにもいかないので、突っ込むしかないのだが、先頭を走る兵藤とヴァーリが鎧を纏い、同時に魔力弾を撃ち放った!
赤と白の魔力の塊は、数十人の敵を吹き飛ばしていき、道が出来た。
「今だ!突っ切れ!」
アザゼルの掛け声で全員が速度を上げる。遅い奴はイッセーやゼノヴィアが担いでいた。
遺跡の入り口に到着と同時に、俺は止まり振り返る。
「おまえら、止まんなよ?ここは俺が受け持つ!」
すると、俺の横に並ぶ影が複数。シーグヴァイラとその眷属だ。
「私たちも残ります。皆さんはサーゼクス様を!」
シーグヴァイラの言葉に全員が頷き、遺跡に入っていった。
数百人の悪魔がこちらに殺到している。こいつらを殺して、リアスたちを追う。簡単だ。
飛び出そうとするシーグヴァイラの眷属たちを俺は右手で制し、そのまま刀の鞘に添える。敵をギリギリまで引き寄せる。
悪魔は魔力弾を放ってくるが、俺はそれを避けない。かなりの弾幕だが、リアスたちを行かせた焦りからか、全て的外れだ。シーグヴァイラたちは各々避けたり、防いだりしている。
俺は悪魔が十分引き付けられたところで抜刀、一気に左から右に凪ぎ払う。一瞬の静寂が俺と敵を包み込んだ。そして次に鳴り響いたのは肉が斬り裂かれる音と、断末魔だ。
大量の悪魔が、大量の血を吹き出しながら崩れ落ちる。
俺は納刀して、二撃目の準備に入る。敵は、今ので怯えて前には出てこなくなってしまった。
来ないのなら、こちらから行くまでだ。
俺はその場を走り出し、一気に肉薄する!が、通り過ぎてしまった。いつもの感じで走ったが、アジュカの言っていた『速度強化』がこんなところで実感出来るとは……。まぁ、すれ違い様に斬ったけどさ。
それから数分間、俺は自分の速度に振り回されつつ、敵を蹴散らしていった。残りは数えるほどしか残っていない。
「シーグヴァイラ!後はおまえらに任せる!」
俺は敵を斬り伏せながら言うと、シーグヴァイラから「お任せください!」と返ってきた。なら大丈夫だ。
俺は遺跡の入り口に入ろうとする。俺を止めようと立ちはだかる悪魔がいるが、そいつらもすれ違い様に斬り、ノーブレーキで突き進んだ。
遺跡を進むこと数分、道に大量の悪魔が倒れていた。全員問題なく進んだようだ。俺はその倒れている悪魔を踏みながら速度を上げた。
進むこと数秒、ついに開けた場所についた。大きな闘技場のようになっており、天井は抜けて空が見えている。リアスたちとヴァーリチーム、グレイフィアが闘技場の選手入り口のから中央に目を向けていた。俺が出てきたのはフィールドの入り口のひとつだったようだ。
俺も中央を見る。リゼヴィムがサーゼクスを担いでいた。
リゼヴィムが俺を見て醜悪な笑みを浮かべた。
「やあやあ、シドウちゃん。いや、シドーちゃん?どっちでもいっか!サーゼクスちゃんは生きてはいるよ、死にかけてるけど」
リゼヴィムはそう言うとサーゼクスを投げた。サーゼクスは地面に落下し、うめき声を上げた。生きてるようだ。
リゼヴィムは後ろに下がる。
「治療するならどうぞ?みんなで来てくれた方が楽しいだろうし」
リゼヴィムはケタケタと笑っていた。俺たち全員でかかっても勝てるか微妙なんだけどな。
俺はリゼヴィムを警戒しつつ、サーゼクスに最高速度で近づいて回収する。
顔も体も傷だらけだ。アーシアが近づいてきて緑色のオーラを当てていた。少しずつ傷が治っていく、だが意識が戻らない。
俺はサーゼクスを寝かせ、リゼヴィムを睨んだ。
「ずいぶんかわいがってくれたみたいだな」
自分でも驚くほど、低く冷たい声が出た。
リゼヴィムは心底嬉しそうに言った。
「いい殺気だぁ、おじいちゃん
俺はリゼヴィムから目をそらさずに言う。
「そのまま
俺はオーラを解き放つ。赤いオーラが迸るが、これさえも懐かしく感じてしまう。
「うっしゃ!始めようぜ?最終決戦ってやつだ!俺が勝ったら冥界は俺のもんだ。アジュカちゃんも、セラフォルーちゃんも、ファルビウムちゃんも、今の俺の相手にはならないからね♪」
リゼヴィムは嬉々としていた。奴が言った通り、ここで負けたら冥界は奴に取られる。
「おまえら、ここが正念場だ。全部終わらせて、
『はい!』
俺の言葉に全員が今までよりも強く返事をして、戦闘態勢に入った。
「かかってきなさい!お子ちゃまどもが!」
リゼヴィムは宣言すると、オーラを解き放ち、戦闘態勢に入る。
ここが最終決戦。全員で帰ること。俺が望むのはただそれだけだった。
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