では、どうぞ!
あれから更に時間が過ぎていき、リアスも人間的には小一くらいになった。と言ってもまだまだ甘えてくる。現に、
「シドーにーたま、おんぶして!」
元気にそんなことも言ってくる。
「はいよっと」
おぶってみると、昔よりでかくなったことがよく分かる。
「きゃっきゃっ」
相変わらず元気そうでなによりだ。
グググググ………!
イタタタタタタ!なんだ?なんか痛いんだけど!
確認のために後ろに振り向くと、リアスが俺の髪を引っ張っていた!なるほどね、じゃない!
「リアス、離してくんない?」
「や」
グングン!
何回かに分けて、連続で髪を引っ張ってくるリアス。くそ!地味にいてぇ!
俺が妹の攻撃に必死に耐えていると、そこに声をかけてくるヒトがいた。
「ほら、リアス。シドウを困らせないの」
「あ!サーゼクスにーたま!」
兄さんだ。やっと来てくれた。なんか、今日来るって言ってたんだよな。とりあえず、リアスを一旦降ろしてっと。
「お久しぶりです。兄様」
「昔みたいにはしないんだね」
「今は、場所が場所なので。大丈夫そうなら直しますよ」
「なら、いいんだけど」
「あら、サーゼクス。お帰りなさい。」
「お帰り~、サーゼクス」
「はいお母様、お父様ただ今帰りました」
母さんと父さんが奥の部屋から出てきた。久しぶりに家族全員が揃ったな。
「では、食事にしましょうか」
「「はい」」
「は~い」
久しぶりの一家団らんの食事も終わり今は、
「あぁ、リーアちゃんはかわいいな~」
「サーゼクスにーさま、くるしぃ」
兄さんがリアスを捕まえてる。まぁ、兄さんはリアスに会うの久しぶりだし、しかたないか。
と、リアスが兄さんの腕から脱出してこっちに来た。リアスは俺に上目遣いで言ってくる。
「シドーにーさま!たすけて」
か、かわいい!と心の底から思ってしまったが、
「いくらなんでも、兄様には勝てないんだけど……」
俺が申し訳なくそう返す。兄さんと喧嘩して、勝てる気がしない。てか、圧倒的すぎて喧嘩する気にもならない。
「えっ!?」
「ふふふ、さぁリーアちゃん大人しくしなさ~い」
そう言って、リアスに飛び付こうとする兄さん。すると、
スパン!
その兄さんがはりせんで殴られた!今、それをできるのは、
「なにするのさグレイフィア」
「自重してください」
「しかしだね……」
「自重してください」ゴゴゴ
「はい…」
グレイフィア義姉さんだ!圧倒的なプレッシャーを放って兄さんを睨んでいた!相変わらず兄さんには厳しいな!
ちなみに父さんと母さんは
「グレモリー三兄妹……いい」
「ジオティクス……何をしているの」
「いや、何も変なことは…」
「何をしているの」ゴゴゴ
「はい…ごめんなさい」
俺たちをカメラで撮影していた父さんと、それを見てプレッシャーを放つ母さん。
グレモリー家は女性陣が強い気がするな。すると…
ジー…………。
またリアスが俺を見てくるんだが……。
「リアス、どうかした?」
俺が訊くと、リアスは座る俺の膝の上に乗り、顔をペチペチと叩いてきた。
「…シドーにーたまの目って、なんで右はリーアと同じであおいのに、左はしろいの?」
おおう、今聞いてくるか。リアスの問いに、家族一同言葉に困っていた。回答に困っていると、兄さんがこっちに来た。
(どうするんだい、シドウ。流石に本当のことを言うのは早すぎると思うけど)
(分かってますよ)
「シドーにーたま?」
「あぁ、ごめんねリアス、この目は、昔、俺が『ハサミをもって走ったから』こうなったんだ。だからリアスも気を付けてね」
どうだこの嘘は!家族全員から冷たい目線を感じるが、俺はこれしか浮かばなかった!
俺が心の中でガッツポーズをしていると、
「そ、そうなの!?リーア、気をつける!」
よっしゃ成功!これで左目のことを隠しつつリアスに一つ教訓を教えられた。これぞまさに一石二鳥ってやつだな!若干罪悪感があるが、まぁ、いい。
その後も家族と一緒に色々と話したり、リアスと遊んだりして一日を過ごした。
次の日の早朝。リアスが起きない内に兄さんと義姉さんは仕事に戻ったのだった。
今回はここまでです。
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします。