グレモリー家の次男   作:EGO

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本日ラスト、どうぞ。


life02 力の正体だぜ

俺、シドウ・グレモリーはまた病院に担ぎ込まれた。そんな俺をロスヴァイセは睨んでくる。

「あなたは、どうしてこう無茶ばっかり!」

青筋を浮かべながら言ってくるロスヴァイセ。かなり怒っているようだ。

「いや~すまんね。こうでもしないと行かせてくれなさそうで……」

俺は後頭部を掻きながら苦笑して、言う。

「たまには安静にしててください!」

「クリスマスの時にしたからいいかなってな?」

「シドウさぁぁぁん!」

ロスヴァイセは叫びながら俺の肩をつかみ、力を入れてくる。忘れがちだがロスヴァイセは戦車(ルーク)だ。パワーがすごいっ!

「いだだだだだだだっ!ギブッ!ギブアップッ!」

ロスヴァイセは手を離してくれるが、俺、怪我人だよな?

「それで、あの鎧は一体?」

ロスヴァイセは何事もなかったかのように話を戻す。

「リアスたちにも説明する。あいつらはどこに?」

「イッセーくんのお見舞いをして、その後に休憩スペースに。私はそこから抜けてきました。アザゼル先生もそこにいるはずです」

「わかった。案内してくれ」

俺はそう言ってベッドを降りるが、一瞬視界が霞み、足がふらついてしまう。

「シドウさん、あまり無理は……」

ロスヴァイセはそう言って俺を支えてくれる。

「大丈夫だ。ちょっと体が凝り固まってるだけだよ」

俺はロスヴァイセに肩を貸してもらいながらも、皆がいるという休憩スペースを目指し、歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、休憩スペースに到着。

「お兄様!大丈夫なんですか」

リアスはそう言いながら詰め寄ってくる。

「大丈夫、大丈夫。ちょっと座らせてくれ」

俺は場所を空けてもらい、座る。

「ところで、そちらの方々は?」

俺は見覚えのない数人について訊く。

まず、朱乃に似た二十代女性。

「姫島朱雀(すざく)よ。よろしく」

朱雀と言えば、姫島家の現当主か。

次に金髪に碧眼の同じく二十代女性。

「私はラヴァニア・レーニ、分かりやすく言うと、永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)の所有者よ」

な、なるほど。神滅具(ロンギヌス)の所有者か。

俺が目元をひきつらせていると、アザゼルが訊いてくる。

「それで、シドウ。体に問題はないか?」

「ああ、問題ない。いい感じに馴染んだようだ」

俺は右手を握ったり開いたりしながら言う。

「アザゼル、お兄様。そろそろ説明してくれないかしら」

リアスが急かしてくるので、いい加減説明を始めようと、俺は右腕に籠手を出す。レプリカのブーステッド・ギアだったものは黒く変色し、宝玉も深緑色になっていた。

「お兄様につけられたのはレプリカのブーステッド・ギアだったはずです。なのにこの色は……」

「もったいぶっても仕方ないな。これにはな、グレンデルが入ってる」

『……ッ!?』

俺の言葉でリアスたちは驚愕し、言葉が出なくなっていた。

「グ、グレンデルが入っている……ですか?」

ロスヴァイセが言うが、まぁ、信じられないよな。

アザゼルが言う。

「本当だ。天界に封印されていたグレンデルの宝玉、それをシドウのレプリカにはめ込んだ。提案された時は驚いたんだぜ?」

「ははは………はぁ……」

俺は少し笑ってから息を吐いた。

ベシッ

「あたっ」

アザゼルは俺を小突くと、そのまま睨んでくる。

「何笑ってんだよ……セラフォルーやサーゼクスに、あの後どれだけ言われたと思ってやがるんだ」

アザゼルが鬼の形相で俺を見てくる。

「おかげでアポプスとも張り合えた。それでいいだろ?」

「シドウ……おまえ自覚あるのか!?下手したら一生外せないかもしれないんだぞ!」

「覚悟はしてたさ……まぁ、やるだけやってみてくれ」

「はぁ……おまえと話してると疲れる」

アザゼルはそう言うと椅子に深く腰かけた。

「これは、人工神器(セイクリッド・ギア)みたいなもんだ。そうだな……大罪龍の籠手(クライム・フォース・ギア)とでも呼ぶか」

俺が適当に命名していると、それを聞いた全員も息を吐いた。

「シドウさん。前向きすぎです」

「そうか?照れるなぁ」

「誉めてません!」

ロスヴァイセと俺がそんなやり取りをしていると、アザゼルが言う。

「とにかく、聖杯に関する新しい情報が手に入った。ロスヴァイセ、ギャスパー、意見が聞きたい。ちょっと来てくれ」

「「はい」」

返事を聞いたアザゼルは立ち上がり、この場を後にしようとする。すると、スーツを着た男性が走ってきた。顔色が悪い、余程の緊急事態なのだろう。今の状況での緊急事態、何が起こったかは分かりきっている。

俺が訊く。

「動き出したのか。で、どこだ」

「はい。現れたのは………日本近海です!」

邪龍の魔の手が、人間界にまで伸び始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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