グレモリー家の次男   作:EGO

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言うことが特にない………。
では、どうぞ!


life14 新魔王誕生だぜ

あの任務からも更に月日は流れ、向こう陣営"旧魔王派"を冥界の辺境に追いやるかたちでどうにか決着がつき、遂に新たな魔王様が決まることに、正確にはとっくの前に決まっていて、その即位(?)式が行われることになったのだ。だが、

「あぅぅぅ…」

俺の前には緊張しまくっているセラがいる。てか、何か言ってやろうと控え室に入ったら、その部屋の椅子に座ってうなだれていた。

「セラ?大丈夫か?」

「だ、大丈夫!……でもないかも」

だよな。まぁ、緊張しているのは見れば分かる。

「やっぱ、緊張してんのか」

「それもあるけど、私でいいのかなって」

「なんだ、今さら」

俺が言うと、セラは顔を上げて俺の顔をまっすぐ見てきた。

「だって、私よりシドウの方が優秀じゃない」

「そうなのか?俺はそうは思わないけど」

「ううん、絶対シドウのほうが上」

そうなのか?あのコカビエルとの戦闘から、セラもだいぶ強くなったとおもうんだけどな。それに、

「同じ家から二人も出せないだろ」

「それもそうだけど」

そう俺は魔王にはならない、てかなれないの方があってるかもな……だって"兄さんが選ばれた"訳だし

「それに、これはチャンスだと思うぞ?」

「チャンス?」

「いつかに言ってただろ?皆が戦争なんかしないようにしたいって」

「…………」

珍しくセラが黙って聞いているので、俺は続ける。

「そうしたいなら、魔王として頑張ることが近道になるんじゃないか?」

「そうかな……いえ、そうなんでしょうね」

お、やっと元気になってきたな。

「そうゆうことだから、頑張れよ…俺も支えていくからさ」

「うん☆私頑張っちゃう☆」

セラは満面の笑みを浮かべてそう言ってきた。やっぱり、こうでないとな!

「どうしたの?シドウ、そんなニヤニヤしちゃって」

「いや、セラはこうでないとって思ってな」

「もう、からかわないでよ」///

昔はセラのことが苦手だったのに、今じゃこれだもんな。本当に人生わからん。

俺たちが話し込んでいると、聞き慣れた第三者の声が聞こえた。

「楽しそうだね」

「「!?」」

驚きながらその声の主の方を見ると、そこにいたのは、

「な、なんだ兄さんか」

「ど、どうしたの?サ、サーゼクスちゃん」

「いや、そろそろ時間だから呼びにね」

なるほど、もう時間か。

「じゃ、俺は戻ります」

「うん」

「分かったわシドウ、ちゃんと見ててね」

「わーてるよ」

という訳で俺は自分の席に戻ることにした。

 

 

式が始まる数分前。

どうにか席に戻ってきた俺に、母さんからの檄がとんできた。

「シドウ!どこいってたの」

「まぁまぁ、母さんシドウにも色々あるんだよ」

「もう!あなたはシドウにあますぎます!」

と両親がそんな話をしている。ある意味、こんな会話ができることに少し安心をおぼえてしまうのだった。

 

 

式が始まり色々な話がされていくなかで、俺は昔セラに言われたことを思い出していた。

『みんな仲良く、戦わない方が』

『綺麗事だけど現実にしたい』

初めて言われた時は、夢物語みたいなこと。なんて思ってたのに、今じゃあいつはそれを実現できる地位まで行った。あいつは、セラは本当にその夢のためになら命を捨てる可能性もある。なら、何としても守ろう。一人の"悪魔"として"魔王"を守り続けようとするように、俺は一人の"男"として"彼女"を守っていく。そう心に誓ったのだった。

 




この章はもう少しかかりそうです
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