グレモリー家の次男   作:EGO

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本日、そしてこの章のラスト。どうぞ。


life07 天龍と皇獣と偽物だぜ

俺とヴァーリ、そしてトライヘキサのコア。

先ほど壊された天井からは、偽赤龍帝が流れ出ていっていた。

それを見ながらも俺たちは構えたまま動かなかった。すると、先にコアが仕掛けてきた。

まっすぐにこちらに突撃してくるコア。

俺は右に、ヴァーリは左に転がりそれを避ける。

コアはそのままの勢いで壁に激突、その壁を破壊してこちらに向き直る。

ヴァーリはそこに魔法弾を連続で放ち、コアを攻撃する。並の相手なら直撃すれば即死しそうなほどのオーラを込められたそれを、コアは気にもせずに突撃する。

ヴァーリはそれを今度は上に避けるが、コアから尻尾のようなものが突然生え、それに叩かれて吹き飛ばされた!ヴァーリはそのまま壁に激突、めり込んでしまった。

コアに尻尾が生えた?少しずつ形を変えているのか?

俺は手首からひじにかけてに滅びの刃を出現させ、コアに飛びかかり、すれ違いざまに腕を落とす!

俺の攻撃で宙を舞ったコアの右腕。俺は方向転換して、再びコアに飛びかかっていく。

コアの左腕を狙い放った一撃は、右腕で受け止められた!?

右腕がもう再生してやがるのか!

驚く俺の目にひとつの違和感が生まれた。右腕の形状が少し変わっている。右腕に俺と同じように手首からひじにかけて、ブレードのようなものが生えているのだ。

そこに左腕を軽く突き出してくるコア。俺はそれをスレスレで避けるが、その余波で壁が砕け散った!?

拳の余波でも壁が壊れるのかよ!直撃はアウトだな!

俺は距離を取り、ブレードを飛ばす。

コアに全てのブレードが突き刺さり、一瞬動きが鈍る。そこにヴァーリが巨大な魔力弾を放った。

コアはその一撃をもろに受け、消し飛んだ。

すると突然、俺の背後にコアが現れ、アームハンマーを放つ態勢になっていた。

俺は振り向きざまに両手をコアに突き出し、魔力弾を放つ!

俺の手から放たれた魔力弾はコアを包み込み、そのまま壁に激突、爆発した。

今のは確実に当たった。倒せないにしても、何かしらのダメージはあるはず。

俺とヴァーリはコアがいると思われる場所を見る。

煙が晴れるとそこには、無傷のコアがいた。

ヴァーリが俺に訊く。

「シドウ・グレモリー。あなたはあれをどう見る」

「そうだな。驚異的な成長と再生能力がある、かな?」

「そうとしか言えないが、そんなあいつをどうすれば消し飛ばせるか……それが問題だな」

俺はあごに手をやりながら答える。

「俺がありったけ増大して、おまえに譲渡。は、コアがさせてくれないか」

「確かに、それでは俺に触れるという無駄がある。あなた自身が撃つべきだ」

「それじゃ、溜めさせてもらうぜ」

「ああ、時間稼ぎは任せろ」

俺は後方に下がり、増大に集中する。その間、ヴァーリが一人でコアを相手する。

『boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost……』

だいぶ溜めたが、まだ足りない!あいつを消し飛ばすにはもっと必要だ!

『boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost……』

かなり溜めた、だがまだだ!

するとヴァーリが吹き飛ばされた!だが、ヴァーリは空中で態勢を立て直し、再びコアに攻撃していく。

『boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost…boost……』

そろそろ俺が耐えられないな。行くしかない!

「ヴァーリ!行くぞ!」

ヴァーリは小さく頷き、攻撃を激しくさせていった。

イッセー、技借りるぜ!

「ドラゴンショット!」

俺は両手を突き出しながら叫び、魔力弾を放つ!ヴァーリはそれと同時にコアから距離を取った。

異常なまでの速度で飛んだそれはコアに直撃。大爆発した!

「………ど、どうだ?」

イッセーが言ってたように、消耗がすごいな。

肩で息をする俺の横に、ヴァーリが並ぶ。

「確実に当たった。今ので倒れていなければ、俺たち二人だけでは無理だ」

ヴァーリも肩で息をしている。さっきの一撃が効いているのだろう。

煙が晴れると、そこには無傷のコアがいた。今のでもダメなのか……。

俺とヴァーリはどうしようもなくなってしまったが、コアに異変が起き始めた。

ボコボコと体が隆起し、変形していく。突然、コアは強い閃光を放った!

再びの光を手で防ぎ、止むのを待つ。光が止み、そこにいたのは。赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)が生えたような姿をしたコアだった。白いミニドラゴンにしか見えないそれは、突如、俺たちの視界から消えた!

同時に俺とヴァーリは背中から衝撃に襲われ、吹き飛ばされた!

二人同時に壁に激突、そして床に落ちる。

俺は仰向けに倒れ、ヴァーリの方を見る。向こうはコアを睨んでいた。俺もコアの方に目を向ける。

両手を突き出した態勢のコア。俺とヴァーリでもわからない速度で後ろに回り込み、そして攻撃したのだろう。

俺とヴァーリはフラフラになりながら立ち上がるが、再び崩れ落ちてしまう。

鎧が完全に粉砕され、背中から血が流れているのがわかる。骨も何本か逝ってるな。

コアは俺たちを見下ろすと、興味を失ったように天井の穴の方へと飛んでいった。

体に力が入らなくなってきた。血、血が足りねぇ……。

ヴァーリも立ち上がれないようだ。

「これが、限界か……逆にあいつを進化させちまった気がする……」

「あのコアは……相手に合わせ、進化していく。それが一番の能力なのかもしれないな……」

倒れながらも二人してあいつの情報をまとめていた。

「アルビオン……偽龍帝……生きてる?」

リリスがトタトタと走ってくる。それにしても、偽龍帝ね……。

「リリス、俺はシドウだ」

「シドー?」

「もう…それでいいよ……」

少し気が紛れたが、コアをどうにかしないとな。

体を起こそうとするが、腕に力が入らない。これ以上は無理か………。俺の意識は暗闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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