グレモリー家の次男   作:EGO

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本日二話目、どうぞ。


life05 戦闘終了だぜ

天界、第五階層こと第五天で俺とロスヴァイセは戦っていた。

俺たちの連携攻撃に量産型邪龍は次々と落とされ、息絶えていく。

俺が斬り損ねた邪龍をロスヴァイセが撃ち落とし、ロスヴァイセに向かっていく邪龍を俺たちが斬り殺す。

俺とロスヴァイセは出会って四ヶ月ぐらいだが、なんか無意識にそれが出来てしまう。

だが、そろそろヤバイかも……。

俺は膝をつき、立ち上がれなくなってしまった。

くそっ!動いてくれ、俺の体っ!

俺が踏ん張りながら立ち上がり、邪龍を斬るが、足を踏ん張ることができずに、斬った勢いのまま倒れてしまう。

「シドウさん!」

ロスヴァイセが邪龍に砲撃しながら近づいてくる。

「シドウさん!しっかりしてください!」

ロスヴァイセの肩を貸してもらい、立ち上がる。

これは、本格的にヤバイな……。

俺とロスヴァイセを囲む邪龍軍団。

一体一体が口から炎を溢れさせ、こちらに放とうとしている。

俺はロスヴァイセに言う。

「ロスヴァイセ、逃げろ」

「な、何を言っているんですか!」

「だから、おまえだけでも逃げろ」

「できるわけないじゃないですかっ!」

ロスヴァイセは俺から離れようとはせず、防御術式を展するが、この数はいくらなんでも無理だ……。

「ロスヴァイセ、頼む……」

「聞けませんっ!私は最後まであなたと戦いますっ!」

やれやれ、こいつは………。

邪龍軍団が炎を吐き出そうとした瞬間、邪龍軍団に向かって光の槍が降り注いできた。

「「?」」

俺とロスヴァイセが疑問符を浮かべていると、俺たちの上から金色の羽を展開した天使が降りてくる。

「ミカエル様っ!」

ロスヴァイセに呼ばれたそのヒト、ミカエルは微笑む。

「お二人とも、ご無事のようでよかった」

「………死にそうなんだがね」

「まだ邪龍は残っているのは知っています。彼の治療を最低限でいいので、お願いします!」

ロスヴァイセが頭を下げる。

「わかっていますとも、ガブリエル、頼みます」

「は~い」

間延びした声で返事をする、ブロンドの女性。

彼女が四大セラフの一人、ガブリエルだ。

「それでは~、こちらで~す」

ガブリエルの先導でロスヴァイセの肩を借りて、俺は移動する。とりあえず、助かったかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応の治療(また薬を打ってもらった)を終え、俺は再び走り出していた。ガブリエルの話だと八重垣は第四天、エデンの園にいるとのことなのだ。

そこを目指して走っているわけだが、体がダルくてしょうがない。

俺の体調を心配するロスヴァイセが声をかけてくる。

「シドウさん。やはり休んでいたほうが……」

「大丈夫だって、下にはミカエルやイッセーたちもいるらしいし、戦闘になっても俺の出番はないだろ」

「お二人とも~、そろそろですよ~」

ガブリエルが声をかけてくれるが、何か調子狂うな。

ドゴオォォォォォンッ!!

爆音が俺たちの耳に届き、この先でまだ戦闘していることを知らせてくれた。

「まだやってるみたいだな。急ぐぞ」

「はいっ!」

「は~い」

俺の言葉にロスヴァイセははっきりと、ガブリエルは間延びした声で返事をしてくれた。

俺たちは速度をあげ、爆発の中心を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発が起こった場所に到着すると、リアスたちオカ研とデュリオ、それと帝釈天の使い、曹操、そしてなぜかクロウ・クルワッハが確認できた。

そして、爆発の中心にいたであろう男、リセヴィムは俺のことを発見し、笑っていた。

「シドウ・グリモリー、キミの答えは変わったかね?」

「逆に変わると思ってたのか?」

「それもそうだな……では、今回は退こう。目的は終えたのでね」

りリセヴィムの手には二つの果実が握られていた。

「それはっ!」

ミカエルはそれを見て驚き、ガブリエルも目を見開いていた。

あの果実……まさかっ!

俺たちを尻目にリセヴィムは言う。

「これは知恵の実と生命の実だ」

だろうな、だが確かそれって……

「もう長くなってないと聞いたんだがな……」

俺が言うとリセヴィムが果実を見ながら言う。

「確かにもうなってはいない。だが、保存はされていた。と言えばどうする」

「そうか、テメェの母親、リリスはここに……」

「その通りだよ、シドウくん。私の母リリスはよく言っていた。『神の目を盗んで、果実を隠してやった』と、自慢げにな。昔は半信半疑だったが、こうして見つけられた。干からびていたがね」

「それを聖杯で復活させるのか?まったく。ミカエル、よく探したのかよ」

「探すも何もありません。感知もできませんでした」

「当たり前だ。これは煉獄(れんごく)、それのさらに奥地に隠されていた」

煉獄か、冥府と天界を繋ぐ隠れ道。

「ここを攻めたのはついでか、まったくいい迷惑だ」

リセヴィムは俺の言葉を聞いて、ニヤリと口の端を歪めた。

「さて、私は帰るとしよう。リリス、行くぞ」

リセヴィムの言葉にリリスがどこからか現れ、横についた。リセヴィムはそれを確認し、転移型魔方陣を展開した。

「クロウ、キミもだ」

クロウ・クルワッハはリセヴィムを無視し、黙っていた。

「それも一興か」

リセヴィムはそう言うと転移の光に包まれていった。

そして俺の意識はそこで途切れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び目を覚ました俺は、体を起こし回りを確認す……

「シドウさん……いい加減に……」

ロスヴァイセが鬼の形相で俺を睨んでいた。

「いや、無理はしてないからな」

「………………」

「いや、ゴメン」

ロスヴァイセの無言の圧力に折れ、謝る。

ロスヴァイセは溜め息を吐きながら言う。

「いちおう解呪は完璧に終了しました。一度イッセーくんの家に戻って、クリスマス計画に」

「参加していいだろ?」

「参加しないで、安静にしていてください」

「なっ!?」

「『なっ!?』じゃないですよ!無理しすぎです!休んでください!」

クリスマス計画に参加できない……つまらんクリスマスになりそうだ。

俺がしょんぼりしているとロスヴァイセが言う。

「私がしっかり看病してあげますから」

ロスヴァイセはそう言うが、顔はすごい嬉しそうだ。

ロスヴァイセと二人ね……悪くない、かな?

「わかった。安静にさせてもらいますよ」

「わかればいいんです。それでは、移動の準備を始めましょう」

俺はそれを聞いてベッドから起き上がり、用意されていた服に着替えようとする。

「……ロスヴァイセ、いつまでいる気だ?」

「え?あ、いえ!すいませんっ!すぐ出ます!」

ロスヴァイセは部屋を飛び出していった。

やれやれ、退屈しないな本当に。

俺はそう考えながら身支度を整えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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