絶対安静中、毎日のようにセラが見舞いに来てくれたんだが、あれから俺を二人の時だけ"ちゃん"を外して呼ぶようになった。つっても、同じく毎日のように、母様か父様のどちらかが見舞いに来てくれて、あんまり呼べてなかったが、なんでも俺の両親が来る理由は、
「「シドウのことだから逃げ出しそう」」(意訳)
とのことだ。さすがわかってるな。あと、なんか二人とも妙に機嫌が良かったんだが、セラと俺の関係に気づいてるのか?いや、まさかなぁ?こんなくだらないこと(?)を考えながら今日も眠りにつくのだった。
ようやく安静期間が終わり、少し体をほぐしてから再び戦線に復帰したんだが、
ドン!
考え事してたら誰かとぶつかっちまった。
こうゆうときはすぐに謝るが後々楽でいい、
「失礼しました」
「いえ、こちらこそ」
ここまで聞けば普通のことだと思うかも知れないが、今ぶつかったの"堕天使"なんだよな。いやマジで、なんでも俺が寝てる間に、二天龍なる奴等が現れ、戦場を引っ掻き回し始めたらしい。その二体曰く、
「「喧嘩の邪魔すんな」」(意訳)
だそうだ。たかが喧嘩、されど喧嘩。ドラゴン、しかも神や魔王様クラスの喧嘩だ。それに巻き込まれる、もしくは止めようとして、多くの兵士たちが散っていったらしい。そこで遂に魔王様、神、そして堕天使総督が、手をくむことで、これを排除しようと動きだし、その部下である俺たち悪魔、天使、堕天使も協力することになったとのこと。一番いなきゃいけないときに寝てたんだな。
「いたいた、シドウちゃーん!」
「セラか、よく無事だったな」
「私をバカにしないでよ」
なんて言いつつ、セラは俺の頬を引っ張る。
「ひたぃ、ひたぃよセラ」
そう言うと離してくれたが、
「とりあえず、今の状況は分ってるよね」
「わかってなきゃ、この状況で落ち着いてられんのだが……」
「それもそうね」
ちなみに、例の二体は常に一緒にいるため、どうにかして分断しようとなっていたらしいが、結果は散々だったらしい。そして、遂に二体まとめて倒すことになったとのことだ。という訳で、こんな大所帯になっているとゆうわけだな。そこに四大魔王様、神、堕天使総督が並んでいる姿が隊の前方にある画面越しに映る。にしても、ついこの間まで殺しあっていた奴と共同戦線か。
「…ドウ?シドウ!」
「!?」
「どうしたの?戦闘開始だって」
「すまん、ちょっと考え事してた」
「まぁ、やりにくいよね。堕天使や天使との共同戦線だなんて」
セラは俺の思ってることが分かったのか?
「でも、私はこういうほうがいいと思うの。一時的なものかもしれないけど、みんな仲良く、戦わないで過ごせるほうが……」
セラらしいな、けどそんな綺麗事なかなか……。
「そんな綺麗事なんて思ったでしょ?けどそれがいいの。だって綺麗事が一番でしょ?だから、それを私は現実にしていきたい」
ほんとセラらしいな。
「じゃ、俺はその時までセラに付き合うかね。その綺麗事が現実にできるまで」
俺がセラに同調して言うと、セラはかわいく言い返してきた。
「ダーメ」
「え?」
「シドウとはそれからもずっと一緒にいるの!」
そうだな、それもそうだ。その綺麗事が現実になった世界を、俺はセラと一緒に見て、一緒に過ごしたい。
「じゃ、まずはあの喧嘩バカどもを止めにいきますか!」
「ええ!」
そう言っている内にそれぞれのトップの話は終わり、遂に二天龍討伐作戦が始まる!
今回はここまでです
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします