…………ここは?てか、俺どうしたんだっけ?確か奇襲は成功したけどコカビエルと戦って、そんで、セラは!?セラはどうなった!?そう思ったらじっとしてられねぇ、とりあえず体を起こすか。
「すぅぅぅ……すぅぅぅ……」
その必要はないっぽいな。セラのやつ、俺が寝てるベッドに突っ伏して寝てやがる。なんか、起こすのも悪い気がするな。
コンコン。
誰かが扉をノックしたようだ。
「入るよ」
「なんだ兄さんか」
「シドウ!もう目が覚めたのか!」
俺、そんな重症だったのか?
「待っててくれ、今ドクターと母様たちを……」
「その必要はありません」
「「母様!?」」
「私もいるよ」
「父様まで……」
「とりあえず、セラフォルーを起こそうか」
「そうですね。おーい、セラ、起きろー!」
「ふにゅ、シドウちゃん!?大丈夫なの!?」
「耳元で叫ばないで。てか病院では静かに」
病院であってるよな、ここ。
「はぃ…」
急に元気無くしたな。それはともかく、
「ドクター来ましたか?」
「はい、失礼しますよ、お家族の方は揃っておりますか?」
「はい」
「では、今のシドウさんの状態を。失礼かも知れませんが、生きているのが不思議なレベルです。シドウさんはかなりタフな部類なようです」
ドクター、散々言ってくれるな。否定はできないが
「ですが、左目は、もう修復は不可能でした、つまり……」
口ごもるドクターよりも先に、俺は答えを言った。
「もう、見えないと」
「………はい。視力か回復することは、もうないでしょう」
『!?』
それを聞いて、セラを含めた全員が驚愕していた。
「自分の体は一番自分がわかりますよ。命があっただけマシです」
その後もドクターからの話は続き、数分してようやく終わった。要約すると全治3週間絶対安静だそうだ。にしても、なんであんとき急に力が湧いてきたんだろ?なんかあの戦闘時の記憶が曖昧だな。しかしまぁ、視界が狭いな、左半分が見えんわ。なんて考えていると、
「シドウちゃん、入るよ」
「え?ああ、セラか」
「シドウちゃん、大丈夫?」
「ああ、片目があれば、まだ戦えるさ」
俺はできるだけの笑顔で、セラにそう言った。
「……………………」
「……………………」
その後はお互い無言になってしまった。なんか、話題に困るな。今の今まで戦場にいたからか?
「シドウちゃん、ごめん」
「急にどったの?」
俺が訊くと、セラはいつもより弱めの声音で返してきた。
「あの時、私がしっかりしてれば」
「視力を無くさなかった?」
「…………うん」
「そんな訳ないだろ。ただあいつが強かったってだけだ」
「でも……」
「でもはなし、これじゃ何のために戦ったのか」
「え?」
思い出してきたぞあの時のこと。確かにあの時、家族のことが、セラのことが頭に浮かんだ。そんときに力が湧いてきた。それで、
「俺はあの時、ただセラを守りたかった。助けたかった」
「えっ…ちょ…」
「昔は…今言うことかわからんがあんたが苦手だった」
それを聞いてセラはシュンとしていた。
少し言い過ぎたかな?でも、
「けど、今はセラのことが"好き"なのかもしんない」
「かもしんない?」
難しいな。これなら戦ってるほうが楽だ。
ここまで来たらやけくそだ!言いたいこと言ってやる!
「だぁぁぁ!俺はセラのことが好きだ!」
「………」////
なんか顔真っ赤にしてそっぽ向かれたんだが。
「と、とりあえず、俺が言いたいことは終わりだ」///
はずいな、こういうの。思わず照れくさくて俺もそっぽ向いちまった。
「ねぇねぇ"シドウ"」
「なんd…」
チュ………。
なんか今唇になんか触れたって…………え?これって、まさか……。
「えへへ」///
「な、な、何すんだよいきなり!」///
「告白されたからその返答をと思って……」
あーなるほどね。じゃない!待てよ、こうなことをしてくるってことは、
「私もよシドウ……」
おうマジかよ。振られると思ってた。
「ちなみにこれが"初めて"だから、責任取ってよね」
「りょ、了解……」
ご両親への説明が大変そうだな。
~その頃病室扉前~
父「シドウ、いつの間にか大人になって」
母「一言言ってほしかったわ」
兄「父様、母様………なにしてるんです?」
父「いや、別に」
母「いいえ、何でもないわ」
兄「なら、いいんですけど」
なんか違う意味で疲れた今回みたいのは苦手かな
誤字脱字、アドバイス、感想などよろしくお願いします