IFルートはまだ思いついているレベルではないので、少々お待ちください。
後、TS発情逆レは逆レ(純愛)だったり、逆レ(結局逆転される)なものしか思いつかなかったため、しばらく延期になりそうです……
申し訳ありませんでした。
それと、今回は疲れた脳みそで書いているため色々とご都合主義だったり、キャラが変な思考回路になっていますが、ご了承ください。
拝啓、お父様お母様。向こうの世界では実際に猫耳と猫の尻尾が生えるお薬が置いているそうです。
「…………どういうことですか、ウィズ?私は、感覚が鋭くなる薬と聞いて買ったのですが?私は猫になりたいだなんて、一言も言ってませんよ?」
「痛い痛いです!思いっきり胸を掴まないでください!」
ある日、ダンジョンを攻略するパーティーに混ざったときに、ウィズから買った薬を飲んだ。効果としては、聴覚や空気の流れなどを察知しやすくする薬だと聞いて、こういったダンジョン系の依頼に使えないかと思って使った。ダンジョンでは、俺は『ウィスパースター』以外の探知能力が無いため、渡りに船といわんばかりに思いっきり飲み干した。その結果、見事に猫の耳と尻尾が生えてきた。どんなジョークグッズだ。
実際に効果は出ていたのだが、問題はこの薬の効果が続く期間だった。依頼を達成しても効果は切れず、一晩経ってもこの耳と尻尾は消えていなかった。
「その……紅魔族の里で買ってきたお薬ですので、そんな風になるとは思いませんでした……申し訳ありません!だから、少し力を緩めるだけでもしてくれませんか?」
いや、効果としては便利ではあったのだが、これのせいで子猫ちゃんとかと揶揄われたり、触ったり撫でようとしたりする奴が出てきて困るのだ。別に揶揄われるのはいいが、それが何度も続けば苛立ってくるうえ、この耳と尻尾は想像以上に敏感なのだ。本物の猫はそこまで反応しない筈なんだろうが、元は感覚を鋭くするための薬なのだ。軽くでも触られると、思わず背筋が伸びてしまうほどだ。
耳の方はまだ帽子で何とかなっては……いないではあるが、まだましである。特に危ないのは尻尾の方だ。ちょうど下着やレギンスに覆われているところに生えてきているせいでまともな下着を穿けない。今は尻尾を避けて穿ける紐型の下着だけだから心許ないうえ、ローブに擦れるだけでも反応してしまう。
それに触覚だけでなく、聴覚的なところもだ。犬が嗅覚に対して猫は聴覚を発達させた生き物だ。そのおかげで、街中はうるさすぎてしんどい。帽子をかぶっている分、まだましだと考えられるがな。それでも騒音は酷くストレスがたまる。しかも、宿屋での手伝いで男一人の部屋で、己の竿を、全力でやっている音とかが……ああああああああああああああああっっ!!
それで治るまで、音が少なさそうな場所まで冒険に出るのならまだしも、そうずっと外にいるのは無理だ。だから休めるために町にいるのだが、日常までこのままなのは休むことすらできなくて困るのだ。それでウィズに聞きに行ったのに……
「……で、この薬を打ち消せるものとかはない、のですね?」
「本当に、申し訳ありません!そのお薬は単体でしかなかったため、対になって打消しの効果を持っているお薬とかは……」
御覧のありさまである。いや、まあ、ウィズの店で買ったんだからそんなもんだろうとは思ったけどさ。これで消せなかったらどうするつもりだったのだろうか。
「その、その場合は街のアークプリーストさんとかにお願いして解除してもらおうかと……」
……え、それって、もはや呪いとかの類だよな……?
「ええ、永続的に発生するということと、他者もしくは自己に不利な働きをするという観点から、呪いの一種ではあると思いますね」
の、呪い、ね…………
「……ウィズ、そんなものを売るんじゃねえよ。これで、元に戻らなかったらどうするつもりだったんだ?」
「痛い痛いです!ちぎれちゃいますから!思いっきり握りしめないでくださいよーっ!あと口調も変わって怖くなっていますよ!?」
ふざけるなよ!?どういったことが起きるかぐらいはしっかり調べておけよ!
「おーすウィズ、また遊びに……また何やってんだよお前ら。というか、ユタカ、その猫耳は何だ?」
……あ、カズマ、何でここに?
「……あの、いい加減離して…………」
何か代案出したら離してやるよ。この馬鹿。
――――――
「で、ウィズのせいでこうなっちまったと……ウィズの店の物をそう軽々しく飲むんじゃねえよ。ウィズの商才を考えたら子供でも分かることはしちゃダメだろ」
「…………それもそうでしたね、これは流石に私の不注意の割合が多かったですね」
「な、なんでそこで納得するんですか!?ちゃんと良い物だらけじゃないですか!」
せめて呪いの効果が付いたものを売るのは止めろ。割と真面目にこのままだと困るんだよ。
「しっかし、その猫耳と尻尾が本物だとは思いもしなかったぞ。それ、感覚とかはどうなっているんだ?」
「……通常よりも鋭くなっていますので、大声とか出されたり、触られたりするのはあんまり……ですね」
これで感覚のオン・オフの制御ができればまだましなんだがな……。
「んー、でもそれ、ウィズの話だと呪いの類だろ?それならアクアに治してもらったらどうだ?今ここにはいないし、それなりの対価は要求するだろうがな」
あ、それもそうか。まあ、アクアなら適当に褒めておけば何とかなりそうな気もするが、いざとなったら酒でも買ってやれば喜ぶだろうか。
「……なあウィズ、あの薬って本当に感覚が鋭くなる薬なのか?どっちかって言うと猫化の薬の方なんじゃないのか?」
「え、えーと……どうもそうみたいですね。というか、こんな耳と尻尾が生えてる時点でそうじゃないかとは思っていたのですが、製薬した方の話ではこれは感覚が鋭くなると言っていましたので……それで誤解してしまったようですね」
…………あとでそいつの名前、教えてくれないだろうか。そいつの顔面、爪とぎに使ってやる。
「ふーん……それなら、これはどうなるんだろうな?」
………………!?こ、この匂いは……!
「あのー、それってただのマタタビ、ですよね?」
「ああ、そうだ。この前のクエストの際にいつの間にかポケットの中に混じっていたんだよ。で、確か猫ってマタタビに弱いんだったよな?」
なんか嫌な予感がする……『ウィスパースター』も、軽くではあるが警告をしているし、い、今のうちに逃走せねば……
「はい、捕まえた。せっかく面白そうなことが起きそうなのになー」
や、やめろー!襟首をつかむなー!それで俺にナニするつもりだ!
「いや、ちょっと実験したいから大人しくしていろ。ほら、ほーら」
……くっ、俺はマタタビなんかに屈しない!
~~~~
マタタビには勝てなかったよ……
「……あの、ユタカさんの目が虚ろというか、顔真っ赤でよだれとか垂れてきちゃっているのですが、大丈夫なのでしょうか?」
「……た、たぶん大丈夫なんじゃないか?マタタビって猫に対しては酔わせるような感じだったはずだし……」
なんか二人が言ってるが、よく聞こえない……
「カズマさん、マタタビが効くのはどっちかというと雄猫の方が多いんですよ?」
「だが、雌猫でも効くのは効くんじゃ……」
なんだか、頭がポンヤリとして来て気持ちがいい。そのままフワフワとしていたい。
「それとウィズ、俺の膝の上からユタカが動かないんだが、どうしたらいいと思う?さっきから上目遣いで見つめられてキツいんだが」
「え、えっと……マタタビの効果が切れるまで大人しくしておいたらとしか……」
……カズマー、こっち見ろよー。もっと遊ぼうぜー。
「ああ、わかった。わかったからほっぺとか首を叩くな。とにかく、何をすればいいんだ?」
んー……そうだなー……まずは撫でろ。快楽を所望する。なんかお前なら、遊ぶよりこっちの方が良さそうだ。遊ぶより、カズマ相手ならこっちの方が嬉しい。
「頭を突き出して……え、撫でろってことか?猫耳とか敏感だって聞いたのだが、大丈夫なのか?」
平気だからさっさと撫でろ。あれでも我慢ぐらいはできるから、早く。早く。
「頷いているってことは、いいんだな?……ま、これぐらいはいいんだがな」
おおう、やっぱり敏感ではあるな、だが、これ位優しくならちょうどいいな。
「特に反応がなさそうだし、これで良いのか?」
「にしても、ユタカさんが撫でろなんて珍しいですね。こういった触れあいとかは嫌いそうなイメージがあったのですが」
「あー……こいつ、結構ボディタッチは多い方だぞ?膝枕とかに抵抗とかなかったですし、たまにではあるけどマッサージとかしてもらってるし」
……今度は尻尾だ。ほら、早くせい。
「はいはい、そんなに尻尾を振らなくてもわかっているから落ち着け」
……………………♪
「……あそこまで笑顔なユタカさん、見たことありませんよ?すっごい気持ちよさそうにしていますね」
「まあ、そうだな。これもマタタビの影響なのか?」
「どちらかというと、本人の気質的なものかと思いますね……。いつもは冷静なだけにギャップが凄いですね」
……うむ、もう十分だ。気は済んだからもうやらなくてもいいぞ。
「お、やっと離れてくれたか。さて、それじゃ、アクアを呼んでくるからユタカの世話をよろしくな」
「分かりました。行ってらっしゃいませ」
む、カズマ行くのか?行ってらっしゃい、俺はウィズと遊んでいるから。
「さて……猫で遊ぶと言えばやっぱりこれでしょうか?」
そ、それは……
「はーい、子猫ちゃん、こっちですよ?」
にゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!
――――――――――――――
その後、バイトの途中だったアクアは文句を言いつつも俺を治療してくれた。その際にまたウィズを退治しようとしていたが、まあ、残当だとしか言いようがない。
で、無事呪いが解除された俺は、
「……お、おい、今日は俺とウィズが飯奢ってやるからな?だから、いい加減そこから顔だけでも出してくれ」
商品棚に隠れていた。なんで俺はまた、撫でるように要求したのだ?前のキャベツの時の偵察といい、どれだけ子供化しているんだ。いや、今回は猫化ではあったが。
というか、なぜ俺は撫でさせたのだろうか、身体的接触が激しすぎやしないだろうか。チョロイ娘だと思われていないだろうか。なんか、すっげえ恥ずかしいんだけど。思いっきり顔真っ赤なんだけど。こんな顔、見せられないんだけど!
「……ちょっと、気が落ち着くまではここにいさせてください。今思い出して転げまわりたいレベルですので、そっとしてくれるとありがたいです」
「お、おう……それじゃ、また夜ごろにギルドに来てくれたら奢ってやるからな?ちょっと調子に乗ってしまってすまないな」
「…………別にいいです。怒っていたりとかはしていませんので、気にはしないでください。ただ、今回の出来事が黒歴史になった程度ですので」
いや本当、こんなことはもう懲り懲りだ。今度からウィズの薬は本人に飲ませてからにしよう……。
―――――――――――
後日、また新しいのが入荷されたらしいが、それを飲ませた結果、今度はウィズに犬耳が生えてきた。
…………さて、ウィズの場合だと解除のついでに浄化されそうだし、どうするべきか?
もっとマタタビをあげると?発情でもするんじゃないでしょうか()
なんか思いついたっちゃオマケ?
読み飛ばしていただいても結構です
「……なあユタカ、俺の目の錯覚だといいんだが、なんでまた猫耳生やしているんだ?それと、俺たちの屋敷の前で段ボールに入ってって、まるで捨て猫のようだぞ?」
「えっ?『この子は引っ掻いたりしない良い子です。時々構ってあげると喜びます。誰か拾ってあげてください』って、まるでじゃなくてまんま捨て猫じゃねえか!」
「……あー、今は借金があるから厄介ごとは……いや、お前のことが嫌いになったからじゃないからな?ちゃんと信頼はしているからそんな涙目で見ないでくれ。カズマにも捨てられちゃう?って違うからな?いやだから……ああ、もう、分かったよ、拾ってやるからちゃんと良い子でいるんだぞ、いいな?……よし、それなら今日からユタカはうちの子だ。みんなと仲良くしてやってくれよ?」
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「……なんだ、夢か」