この素晴らしい占星術師に祝福を!   作:Dekoi

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今回のお話も下ネタや汚い表現がございます。
お気を付けください。

あと、今回ではまだカズマ君との風呂は無理でした。
ご了承ください。


第20話 サキュバスのお店

ヤバい、すっごいムラムラする。具体的には自慰を覚えた中学生レベルでムラムラする。今までは何とか耐えれたが、ウィズの胸を鷲掴みしたのが枷を解き放ったってレベルでヤバい。あの柔らかさ、大きさ、反応、どれも素晴らしかった。なんか屈辱とか羨望があった気がしたが気のせいだろう。

 

それだけに己に反り勃つものが無くて悔しい。心の中はいつでもスタンディングオベーションしているのに、俺にはもう装備されていない。我が懐かしきランチャーは、もうなくなってしまっている。

そして、この体で満足できる方法はできるだけ取りたくない。俺は女ではなく、男だ。体は女の子でも、心はれっきとした男だ。男なんだ。だから現状行なえる方法は認めない。決して下腹部が疼くのも、特有の臭いにクラクラし始めたのも認めない。俺は、立派な、男なんだ!

 

 

 

………………駄目だ、本気で頭がおかしくなっているのが実感する。人間の欲望をなめていたとはいえ、ここまで酷いものだと想定していなかった。これじゃ、最近やっているデストロイヤーの偵察も、今日は無理な気がしてくる。はぁ……給料がそれなりに良いだけに、ちょっと残念だ。

 

とはいえ、実際に除去しなければ、まともな思考は難しくなるはずだ。どうにかしてこの欲求をなくさないと……そう言えば、元の世界では犬や猫などに発情を押さえる薬はあったが、ここでは人間用にそういった薬はないのだろうか。よくエ〇同人のゲームではそういった抑制薬はあったはずだ。探してみる価値はあるはずだ。対になる発情薬もよく売られていたが。

 

……探しても無いのなら、恥を承知でウィズあたりに作って貰うか。ま、探すにしてもとりあえず、腹ごしらえをしてからにしよう。ちょうど太陽も真上にいるようだし、いい時間だろう。

 

 

――――――――――― 

 

 

 

ギルドのお姉さんに一旦、偵察依頼が不可能になりつつあることを説明して、飯を食う。今日は小さめの鍋料理だ。これも日本人が持ってきた影響なのだろうか?ほかほかで食べられて美味しい。この体の影響もあるのかこの時期特有なのか、特に野菜が美味しく感じられて幸せだ。

 

…………ん?カズマに、あの男はダストだったか?それに横の男はあいつのパーティーメンバーだったはずだっけ?あんな昼から酒飲んでいて、借金はどうしたのだろうか。

まったく、駄女神からよくヒキニートなんて言われているが、ここまで落ちぶれてきたのだろうか。流石に、一言くらい言っておいた方が……でもそのままだと、あいつのことだ、嫌なことが来るとすぐに逃げ出しそうだ。ばれないように気配を隠して、後ろから驚かせるように捕まえよう。

 

「カズマ。俺は、お前なら信用できる。今から言うことは、この街の女性冒険者にとっては絶対に漏らしちゃいけないことだ。仲間の女たちに、絶対に漏らさないって約束できるか?」

 

ほうほう、いったいどんな秘密の話なんだ?金関連のことだったら『コメット』でぶっ飛ばしておくか。その重々しい雰囲気にダストの言葉にカズマともう一人の男が頷いている。さて、どんな話なんだ――――

 

「カズマ。この街にはサキュバスたちがこっそり経営してる、良い夢を見させてくれる店があるって知っているか?」

「詳しく」

ちょっと俺にも詳しく説明してくれ。

 

 

 

 

で、要するにサキュバスたちが淫夢を見せてくれるサービスがあるらしい。その対価にこの街での庇護と、わずかな精気と金を交換するようにしているらしい。

 

確かに、初めての奴は、大概は馬小屋からだからな。碌にそういったこともするのも難しいし、相手によっては仲間から袋叩きか己の物を切り落とされるかもしれないからな。そういったことで、この商売は成り立っているらしい。ウィズにも見習わせたい。

だが、それなら実際にヤッタ方がいいんじゃないかと思うが、それだと精気を吸い過ぎたり、臭いで分かってしまったりするんだろうか。

 

……ところで、俺はいつまでこいつらの横に立っておけばいいんだろうか。流石に気付くんじゃないかと思ったのに、顔を近づけて話に集中しているせいで全く気が付いていない。ここにいるのが俺でよかったな、他の女冒険者だったら依頼板にサキュバス退治の依頼が出てくるはずだぞ。

 

…………さて、カズマ達にばれないように一旦宿に帰って変装の準備をしておくか。別に他意はない。ただ、いつものローブとは違う服を着てみたくなっただけだ。

ついでに『ポラリス』で、カズマ達を見張るようにしているのも偶然だ。あいつらが無事に店まで行けるか心配なだけだ。

 

 

――――――――― 

 

 

「なんだ、ユタカ、いたじゃないか。最近はデストロイヤーの偵察に行ってたと聞いたから、いてくれて助かった」

「……それはこちらのセリフです。ダクネスがこの宿、というよりかは私ですね、どんなご用件なのでしょうか?」

 

宿に帰って、さて着替えるかという時に珍しい客が来た。『ウィスパースター』も何らかの反応がないことから特に警戒することはないのだろう。

 

「ああ、それなんだがな、私たちパーティーの引っ越し祝いに実家から霜降り赤ガニが送られてきたんだ。それで皆と話し合ったんだが、良く世話になっているユタカも誘っておいたらいいんじゃないかな、ということになったんだ」

 

へえ、霜降り赤ガニか。名前だけ聞くなら大変おいしそうなものだが、そんなものを送られてくるっていったいどんな実家だ。

 

「……ダクネスの実家って……ダクネスはお姫様か何かなのでしょうか?」

「おっ!?い、いや、そんなことはないぞ!私はただのダクネスだ、そんなお姫さまとは全く縁のない人だぞ!」

「…………むしろ強く否定すると余計怪しく見えるのですが……そんなおいしそうなものが食べられるのですし、聞かなかったことにしておきますね」

 

まあ、また機会があれば聞くがな。こんな面白そうなネタで弄れるなんてそうそうないしな。

 

「あ、ああっ、話はそれだけだ。それじゃ、今晩には郊外にある屋敷で待っているからな!それじゃ、またな!」

 

あっ…………あいつ(ダクネス)、その屋敷への辿り着き方も教えずに行っちまった……まあ、『ポラリス』で後を付ければいいのだが。

 

さて、着替えてカズマたちが出て行ったのを『ポラリス』で確認してから入店するか。……ところで、サキュバスって女の精気も吸えるのだろうか。

 

 

 

―――――――― 

 

 

 

「いらっしゃいませー!」

 

裏路地にひっそりとある飲食店のような店。しかし、その店の実態は露出が激しい服を纏い、乳や尻をギリギリまで晒し、女性の体とはこうあるべしとでも言いたげな魅惑的な体を持ったサキュバスの魔窟だった!

 

…………俺、ここの子供になりたい!なんて冗談はともかく、心の中にあるブツが間違いなく勃っていることに間違いがないレベルで、俺は興奮している。そう、俺は今、ここに生きている!

 

「あの、お客さんはこちらのお店は初めてでしょうか?」

[ああ、初めてだから説明してくれると助かる]

 

空いていたテーブルに案内され、メニューを持っていたお姉さんの言葉に、また新しく習得したスキルを発動して会話する。

 

スキル『交信(コンタクト)』。効果は離れた場所にいる相手でもテレパシーのように話せたりするのがメインなのだが、その際に伝える声の性質や高さを変えられるという、ある意味邪魔なサブ機能も付いたものだ。だが、こうして使ってみるとその意味も実感できる。これは、交信中のことを盗聴されたり、口がきけない時に騙すための機能なのだろうか。実に素晴らしい。

 

というか、このお姉ちゃん、他のサキュバスと違って体が幼く見えるな……まだ、未熟なのだろうか。ま、下手に突っ込むのも藪蛇だ。女の身である以上、ばれないようにしておこう。

 

「えーと……では、ここがどういうお店で、私たちが何ものっかもご存知でしょうか?」

 

その問いには無言で頷いておく。あまりスキルを使うのもよくないだろう。疑われたら問題だ。

 

「では、ご注文はお好きにどうぞです。もちろん、何も注文しなくても結構ですよ。……そして、こちらのアンケート用紙に、必要事項を記入して、会計の際に渡してくださいね?」

[ふむ……すまない、この夢の中での状態や、性別、外見とはいったい何なのだ?]

「あ、こちらの状態はですね、王様とか英雄、はたまた奴隷や召使になってみたい方などはその状態に詳しく書いていただけるとありがたいです。性別と年齢は、自分が女性側になってみたいというお客様もいらっしゃいますので、そのような欄がございます」

 

なるほど、でも実際になってしまった身としては複雑だがな。もちろん性別は男と書いておく。年齢と状態はあとで考えるとしよう。どうせ夢なのだ、どんな相手でも、どんな状況でも夢なのだからセーフなのだろう。

 

[ああ、ありがとうな。では、少し考えさせてくれ]

「かしこまりました。では、ご自由にどうぞです」

 

さて……内容は俺は男性で、状態と年齢は……高校生か大学生でいいだろう。甘酸っぱい恋愛とかしたことないから、そんなシチュエーションになれると嬉しい。それが無理でも、男の状態での淫夢が見れればOKだ。

 

[さて、ではこれの会計を頼む]

「では、三時間コースを希望ですので、お会計、五千エリスをお願いします」

 

安いな……それも人気のひとつなのだろう。特に初心者ばっかのこの街ではお手ごろな値段なのだろう。手袋をした手からお金をそっと渡す。

 

「ありがとうございます!では最後に、お泊りのご住所と本日の就寝予定時刻をお願いします。その時間帯に、当店のサキュバスが就寝中のお客様の傍へ行き、希望の夢を見せて差し上げます。ただ、出来ればお酒等は控えめにしておいてくださいね?泥酔されて、熟睡されますと、流石に夢をお見せすることはできなくなってしまいますので」

 

それなら大丈夫だ、俺は酒を嗜まないからな。それと就寝時刻は遅めにしておこう。

 

「では、またのご来店をお待ちしております!」

 

 

 

……ふぅ、とりあえずはこれで良いな。ダクネスから食事に誘われているが、いざとなったら早めに切り上げればいいし、念のため遅めにしておいたから安心だ。

 

しっかし、俺を案内した子、最後まで俺が女だと気づかなかったな。少なくとも、俺を見た他のサキュバスたちには警戒の色があったはずだ。ま、こんなところに来て素直にアンケートを書いている時点で好き物と思われているんだろうがな。

 

 

 




この主人公は自分がTSしたということを隠しているため、
他の小説よりもTS成分が少なくなっていて申し訳ありません。
また、作者がまだ碌に書き慣れていないラメにそういった描写が少なくて申し訳ありません。

この主人公がなぜ自分が元男でありTS娘であることを隠しているかと言いますと、
普通の女の子が元は立派な男とか気持ち悪いだろ?という考えから隠しています。
誰だって、そんな存在と絡みたくないし、親しくもされないだろうからとも考えているからです。
その為に、口調なども完璧に隠してあくまで思考だけは男のままという形にしております。

とはいえ、このすばでは、TSであることを見抜けるキャラが確定でいますので、
そのキャラが出るまではTS成分は少ないと思われます。
ご了承ください。

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