この素晴らしい占星術師に祝福を!   作:Dekoi

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今回のお話は碌に進んでないためご注意ください。
もっと話を構成が上手くなりたいです……

あと、ウィズのおっぱいをもっと揉みたいです(虚ろな目
あ、幽霊屋敷はカットです


第19話 ウィズのお店

「…………今回はどうでしたか?」

「そうですね、今回はいくつか収穫っぽいのはありましたが、ご期待に沿えるかどうかまでは……」

 

現在、ウィズの魔道具店にてウィズと俺の武器になりそうなものを見せてもらっていた。前回から時間は経っているが、良いものがあるといいのだが……だが、ウィズだしな……

 

「それでですね、武器にできそうな望遠鏡は見つからなかったのですが、水晶の方では良いものがありましたよ!」

「……おお、どんなものがあったのですか?」

 

マジかよ、割と冗談気味ではあったからまさかあるとは思わなかったぞ。で、どんな効果が付与されたものなんだ?

 

「まずはですね、この髑髏の水晶です!これに魔力を流すと対象を確実に死に至らしめる『死の宣告』が行えるようになるんですよ!ただ、一定確率で使用者にも掛かってしまう場合があるのが欠点ですが、良い道具だと思いますよ!」

 

却下。そんなアクアレベルのアークプリーストがいないと使えない物はいらない。

 

「では次に……この爆発の水晶はいかがでしょうか?これも水晶に魔力を流し込むことで爆裂魔法ぐらいの強力な爆発を起こすことが出来ます!ただ、これは水晶に直接触れながら魔力を流し込まないといけないので爆発に巻き添えになってしまいますが、それ相当の威力を出す逸品ですよ!」

 

どこに自爆を喜んでやるような馬鹿がいるか。しかも後衛の防御性能をなめてんのか。ダクネスあたりにでも売りつけておけ。はい次。

 

「え、えーと……では最後に、未来視の水晶はどうでしょうか?これは持っている方に時々、様々な未来を見せてくれるものです!その未来がいつかは分かりませんし、その未来を変えられるかは分かりません。それに、その未来は大概が自分にとって恥ずかしいものだったりするのですが、周囲にいる人たちにもその未来を見せてしまうことがあります。ですが、未来を見られると思えば良いと思いますよ!」

 

…………………………はぁ。

 

「……で、その水晶たちは何エリスで売るつもりだったのですか?」

「それがですね……なんと懇意にしてくださってる商人さんが安く仕入れてくれたので、御一つ1000万エリスです!」

「…………ふ、ふふ……………………」

「……あの、どうかなさいましたか?」

「…………ふざけるなああああああああっ!!」

 

思いっきりウィズの胸ぐらを掴んで叫ぶ。なんか柔らかいものを握っている気がするが、無視だ。

 

「なんで!そんな!ふざけたものを!買ってきたんですかあああっ!!しかも1000万エリスとか売れるわけないですよっ!!」

「待って、待ってくださいっ!でも良いものなんですよ!?間違いなく効果はあるんですからーっ!というか掴むところが違いますよーっ!」

 

うるせぇ!こんなガラクタをよく買おうと思ったな!というかこんなガラクタ売れるわけないだろ!売りつけるなよ!ちくしょうこんな大きい胸しやがって柔らかくて最高だぞ!

 

「出たわねこのクソアンデット!あんた、こんなところで店なんて出して……」

「アクア、お前は黙っていろ。ウィズ、約束通り来た……何やってんだ?」

 

……あれ、カズマ、どうしたんだ?

 

「あ、あの、ほかの方も来ましたので手を離していただけませんか……?」

 

やだ。

 

 

―――――――― 

 

 

で、カズマはウィズからリッチーのスキルを学びにここに来たらしい。アクアがそれでぶつくさ言ってたが、まぁいくら駄女神でもアンデットのような存在は許せないのか。

 

というか、ウィズってあのリッチーだったのかよ。そんな大物には全く見えないんだが……

 

「……あの、私がリッチーだったことに驚かないのですか?」

「……いえ、全然。むしろ納得しました。」

「納得、でしょうか?」

「……ええ、碌でもない物を高値で買っていく素晴らしい脳みそを持っているところとかですね」

 

流石はアンデットの王だ。あまりに腐りきっているからそんな判断になってしまったのだろうか。となるとそんな鑑定眼を持っていることも素晴らしい理由になるだろう。ウィズが涙目になっている気がするが仕方ないだろう。俺は何と言われようとウィズの商売の腕に関しては駄目駄目だとしか言えない。

 

 

「……こほん、そういえば、私、最近知ったのですが。カズマさんたちがあのベルディアさんを倒されたそうで。あの方は幹部の中でも剣の腕に関しては相当のはずなのですが、凄いですねえ」

 

へえ、あのデュラハン、真っ当には強かったのか。というかよく知ってんな、あいつと闘いでもして知ったのだろうか?

 

「あのベルディアさんって、なんかベルディアを知ってたみたいな口ぶりだな。あれか?同じアンデット仲間からつながりでもあったのか?」

「ああ、言ってませんでしたっけ。私、魔王軍の幹部の一人ですから」

 

………………はぁ?

 

「確保―っ!!」

 

あ、アクアが取り押さえに跳んで行った。流石に魔王幹部を何でぽろっと言っちゃうんだろうかこの店主は。

 

「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いてください!」

 

いや、無理だろ。流石にそんな存在を見逃すほど甘い神じゃあるまいし。あと、ウィズの胸が床に潰れていて見ごたえがあるし……このまま眺めておこう、役得だ。あのむにむには素晴らしかった。

 

「やったわねカズマ!これで借金なんてチャラよチャラ!それどころかお釣りが来るわよ!」

「おいアクア、一応事情くらいは聞いておけよ、……えっと、幹部ってどういうことだ?冒険者な手前、魔王軍の幹部を見逃すってのは……」

「違うんです!魔王城を守るための結界の維持のために、頼まれたんです!もちろん今まで人に危害を加えたことなんてありませんし、私を倒したところで、そもそも賞金も掛かっていませんから!」

 

おや残念。もし倒されたのなら俺もおこぼれにあずかろうと思ったのだが。

 

「……よくわかんないけど、念のために退治しておくわねっ」

「待ってくださいアクア様―っ!!」

 

…………流石にいい加減止めるか。

 

 

~~~~~ 

 

 

どうやらウィズは、あくまで魔王城に侵入者を入れないようにするための結界を維持しているだけらしい。てっきりリッチーのネクロマンサーとか死者の魂を弄ぶイメージがあったが、このウィズは例外的な存在なんだろう。

 

「つまり、あんたが生きてるだけで人類は魔王城には攻め込めないってことね?カズマ、退治しときましょう」

「待って!待ってください、せめてもう少しだけ生かしておいてください!……私には、まだやるべきことがあるのです。それに、アクア様なら幹部の二、三人ぐらいで維持する結界なら破れるはずですので、その時まででいいので、生かしておいてください…………!」

 

……普通、アンデットのやりたいことなんぞ碌でもない筈なのに、ウィズが必死に言うと不思議とまともそうな願いな気がしてくる。そのやりたいことに興味は湧くが、流石にこれはあまり親しくもない人間が聞くのも失礼だろう。

 

「ええっと、まあ、いいんじゃないのか?どのみち、今ウィズを浄化したって、その結界とやらがどうにかなるわけでも無いんだろ?それにだ、今結界を解いたところで、今の俺たちのレベルじゃ魔王は倒せないし……首ちょんぱされるのがオチだ。なら、ウィズ以外の幹部が倒されるまで、気長に待った方が良いだろう?」

 

カズマの言葉に俺も頷いて賛成の意を示しておく。正直、アクアが結界を破ったら他の冒険者や転移者が何とかしてくれそうだしな。どうせ、願いをかなえたい奴らが集まって魔王を囲んで殴るだけだろうし。

 

「でもいいのか?ベルディアを倒した俺たちに恨みとかはないのか?」

「その……ベルディアさんとは、特に仲が良かったとか、そんなことも無かったですからね……。私が歩いていると、よく足元に自分の首を転がしてきて、スカートを覗こうとする人でした。幹部の中で仲の良かった人は一人しかいませんし、その方は……まあ簡単に死ぬような方でもないですから。」

 

何だろう……「おおっっと!手が滑ったあああ!!」という声が聞こえてきたのは気のせいだろう。あんなに騎士らしかったデュラハンがそんな変態行為をしたなんて考えたくない。というか想像したくない。あんな強敵でかっこよかったのに、色々とショックだ。

 

「それに…………私は今でも、心だけは人間のつもりですしね」

 

………………何か、寂しげだったのは気のせいとしておくか。流石に事情ありなところを無遠慮に突っ込むのは、あれだし。

 

 

「……それじゃウィズ、邪魔しましたね。今からカズマにスキルを教えるのでしたら、部外者はいない方が良いでしょうし。」

「あ……そうですね。ではまたのご来店をお待ちしております。」

「……今度は、せめて普通の物にしておいてくださいね。では、また。」

「……はい、今度はお買い上げいただけるようなものを探しておきますね。」

 

……ものすごい不安ではあるが、本当にまれに良いものを持ってくるから困るんだよ……。まぁ、次回は良いものを持ってきてくれることを祈っておこう。

 

 

 




あ、この小説は書籍版2巻が終わったらいったん更新をストップします。
理由として、作者が1月の半ばから忙しくなるため、小説の更新が難しくなるためです。
ご了承ください。

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