NEW GAME! LEVEL UP!!   作:naogran

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ある朝の涼風家。現在の時刻は8時50分。青葉は部屋で寝ていた。

青葉『涼風青葉です。雨にも負けず風にも負けず、ましてや布団の誘惑などに負ける訳も無く。今日も社会人として、自覚を持って頑張ります。』

そして青葉が起きた。

青葉「はっ!寝落ちしてた!」

すぐに時間を確認すると。8時51分になってた。

青葉「あああああああ!!!!遅刻だああああああ!!!」






その頃優斗はガソリンスタンドでガソリンを補給していた。数分前。

優斗「行って来ます。」

妻「行ってらっしゃい!」

家を出た優斗がヘルメットを被ってバイクに乗った時。

優斗「あ、しまった、ガソリンが少ないな。」

ガソリンの残りが少なくなっていた。

優斗「こんな時は。」

ヘルメットを外して、何処かへ電話する。






その頃EAGLE JAMP。りんの携帯の着信音が鳴った。

りん「ん?優斗君からだわ。」

優斗から電話が来た。

りん「もしもし優斗君?」

優斗『あ!りんさんおはようございます。ちょっとガソリン補給してから来ますので、ちょっと遅刻になりますけど。』

りん「分かったわ。皆に伝えておくから。気を付けてね。」

優斗『ありがとうございます。では失礼します。』

通話終了。





そして現在に至る。

優斗「補給完了!さてと行くか。」

バイクに乗ってEAGLE JAMPへ直行する。


3話「遅刻したらどうなるんだろ」

その頃青葉は電車に乗ってる。

 

青葉「今日お母さんが居ない日って事忘れてた・・・って何学生みたいな事言ってるんだ私・・・遅刻したらどうなるんだろ・・・怒られるのかな・・・」

 

遅刻したらどうなるかを想像する。

 

りん『最近、青葉ちゃんが会社に慣れてきたのはありがたいんだけど・・・』

 

コウ『弛んでるね。罰として、今日はパンツで泊まってもらうから!』

 

青葉『ぱ、パンツーーーー!?』

 

想像終了。落ち込む青葉に。

 

ゆん「どないしたの?」

 

青葉「ゆんさん!?」

 

偶然にもゆんが同じ電車に乗っていた。

 

ゆん「もしかして青葉ちゃんも遅刻?奇遇やね」

 

青葉「随分余裕ですね・・・」

 

ゆん「まぁたまにやし、こう言う事もあるわ・・・」

 

青葉「で、でも!まだ遅刻って決まった訳じゃ!駅から走ればギリギリ間に合うかも。」

 

ゆん「残念やけどな〜、うちの足では走っても1分足らへんのや・・・せやから青葉ちゃん先行っても良えよ・・・」

 

青葉「経験済みですか・・・」

 

ゆん「青葉ちゃんって、運動神経良え方?」

 

青葉「いえ・・・凄く悪いです・・・学生時代でもクラスで一番ビリでした・・・」

 

ゆん「足遅い子って走り方も可笑しかったりするやん?そっち系?」

 

青葉「あ・・・はい・・・そんな感じです・・・」

 

するとゆんが喜んだ。

 

ゆん「仲間や!うちもごっつい遅くてビリやねん!走り方も可笑しいって言われんねん!」

 

喜んだゆんが青葉を激しく揺らす。

 

ゆん「よっしゃ!ほんならうちも一緒に走ったる!」

 

青葉(走ってる所見られたくなかったのかな・・・?)

 

 

 

 

 

 

そして阿佐ヶ谷駅に到着した。

 

青葉「着きました!行きましょう!!」

 

ドアが開いた瞬間、2人はダッシュで走る。改札口を出て走って直行。頑張って走る2人だが、徐々に青葉の速度が遅くなってる。

 

青葉「ゆんさ~ん!ごめんなさい・・・もう・・・走れません・・・!」

 

ゆん(うちより遅いやん!?)

 

心の中でそうツッコむゆんであった。青葉に手を差し伸べる。

 

ゆん「諦めたらあかん!最後まで一緒に走ろ!この調子なら絶対間に合う!」

 

青葉「ゆんさん!」

 

手を差し伸べる。そして2人の手が繋いだその時。青葉が足を滑らせて転んでしまった。

 

ゆん「ああ!!」

 

そしてカバンから道具が落ちた。その場にはなんとひふみも居た。

 

 

 

 

 

 

その頃EAGLE JAMPでは。

 

コウ「あれ〜?今日は随分と寂しいなぁ。」

 

りん「まだ連絡が無いから少し遅れるんじゃないかしら?」

 

するとそこに、遅れて来た優斗が出社した。

 

優斗「おはようございます。」

 

コウ「あ、おはよう優斗。」

 

りん「おはよう優斗君。」

 

優斗「あれ?青葉さんとゆんさんとひふみさんはまだ来てないんですか?」

 

りん「そうなの。連絡無いから遅れて来るかもね。」

 

優斗「そうですか。」

 

そのまま優斗は席に座る。

 

大輝「お前寝坊してたのか?」

 

優斗「違えよ。ガソリンの補給しに行ってたんだ。まぁ、予めりんさんに連絡しておいて良かった。」

 

コウ「3人も遅刻なんて気が緩んでるのかな。ちょっと厳格な態度で接するべきか。」

 

はじめ「出来るんですか〜?」

 

コウ「出来るよ失敬な!」

 

丁度そこに、3人が遅れて出社した。

 

3人「おはようございます・・・」

 

コウ「おいおい遅刻だってのに随分のんびりしてるね。自覚はあるの?」

 

青葉「ご、ごめんなさい・・・」

 

コウ「特に青葉!まだ入社1ヶ月も経ってないのに学生気分じゃ困るよ!」

 

青葉「はい!!」

 

ひふみ「コウちゃん、会社の・・・前、までは・・・」

 

コウ「ん?」

 

ゆん「青葉ちゃんがさっき転んでしもて鞄の中身を拾うてたら遅くなってしもうたんです・・・」

 

コウ「え!?ちょっとこけたって大丈夫なの!?」

 

青葉「え?」

 

よく見ると青葉の鼻が赤くなってた。

 

コウ「それで鼻が赤かったのか・・・そ・・・そうならそうと早く言ってよ!勘違いしちゃったじゃん。青葉は何時も頑張ってるし学生気分だとは思ってないよ。でも一応上司だし・・・とは言え酷い事言ってごめん・・・今日の所は遅刻じゃない事にしといてあげるけど、3人共遅刻届は出すように。」

 

はじめはクスッと笑った。

 

コウ「慣れない事したら失敗した・・・」

 

りん「コウちゃんまず事情聞かないから。」

 

大輝「まあ、早とちりしちゃったもんは仕方無いですよ。」

 

優斗「コウさんも上司として更に自覚しておけば大丈夫ですよ。」

 

コウ「うん・・・気を付ける・・・」

 

そして数分後。3人が遅刻届を提出した。しかしコウは凝視してる。

 

コウ「っで、これは何なのかな?」

 

青葉「え?遅刻届けですけど?」

 

コウ「そうじゃないよ!何で遅刻理由が青葉もゆんも「寝坊」なの!これじゃ帳消しに出来ないじゃん・・・書き直し!」

 

青葉・ゆん「あ!!」

 

この2人は正直者。

 

コウ「そしてひふみちゃん・・・これは何!?」

 

遅刻理由は『朝食に時間がかかりました( ;´A`A』と書かれてた。しかも顔文字付き。

 

ひふみ「朝・・・ごはんが・・・美味しくて・・・つい・・・」

 

コウ「んな事聞いてないよ!まず書類に顔文字書かないでよ!あ~もう反省して損した~!」

 

優斗「上司って大変なんだな。」

 

大輝「俺が上司だったら環境がズダズダになるな。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉とゆんとひふみがそれぞれの席に座る。

 

青葉(八神さんは遅刻を帳消しにしてくれるって言ってはくれたけど、そもそもの遅刻の原因は自分の夜更かしなんだし・・・気を引き締めないと!)

 

気を引き締める為に準備運動する。

 

青葉「よし!っと!」

 

ゆん(青葉ちゃんって、何事にも全力やなぁ・・・)

 

そして青葉は自分の3Dキャラの試行錯誤して、最終確認をする。

 

青葉「出来た!!」

 

これをコウに確認してもらう。

 

コウ「初めて作った割には良く出来てるよ。でも全体的に陰影が弱いね。ぱっと見でひふみんのキャラと比べると印象が弱く見えるでしょ?それと表情がちょっと固いね。後一本筋が通ってないって言うか。もうちょっとバランスに拘って。」

 

青葉「え?でもこれって村人ですよね・・・そんなに見ないんじゃ?」

 

コウ「そう?私はしょっちゅう見てるけど。こーんな風に。」

 

キャラをズームして見る。

 

コウ「リテイクお願い。」

 

青葉「はい!」

 

すぐに青葉は席に座る。りんは心配しそうに見る。その頃ゆんは。

 

ゆん「何でうちの作ったキーちゃんが、そんなもっさい動きしてんの?」

 

はじめ「キモカッコイイでしょ!」

 

はじめがゆんの作ったクリーチャーにモーションを付けていた。

 

ゆん「もうちょっとシャープな動きの方がキーちゃんに似合ってんのに・・・」

 

はじめ「え〜?この子はそっち系じゃないでしょ?生息エリア洞窟だよ?」

 

ゆん「分かってへんな〜!」

 

はじめ「これが見解の相違って奴ですな〜。」

 

するとそこに。

 

コウ「ゆん、ひふみん。これ今週中に宜しく。」

 

そこにコウが追加書類を持って来た。ひふみが受け取る。

 

コウ「はい。」

 

ゆんも書類を受け取る。

 

ゆん「え!?こ・・・こんなに!?今週中ですか!?」

 

コウ「また良い感じのキモカッコイイのを宜しく頼むよ〜。」

 

ゆん「は、は〜い・・・」

 

はじめ「キモカッコイイのを宜しくね~。」

 

ゆん「これがそっちにも行く事忘れんときや〜。」

 

書類を見ると、かなり複雑なデザインのモンスターが描かれてた。

 

はじめ「うわあ!?」

 

優斗「ゆんさん、モンスターちょっと見せて?」

 

大輝「俺も見せてくれ。」

 

複雑なデザインのモンスターを拝見する。

 

優斗「フムフム・・・これだと爆発とか良い感じに出来そうだ。」

 

大輝「ゆんちゃん、このモンスター良い感じな演出が出来そうだぞ。」

 

ゆん「お願いしますね。」

 

そして優斗と大輝にも。

 

コウ「大輝にもこれ宜しく。エフェクト班から。」

 

書類を受け取る大輝。

 

大輝「な、何ですと!?これをやるんですか!?」

 

コウ「優斗にはこれ。」

 

書類を受け取る優斗。

 

優斗「これを!?マジかよ・・・」

 

コウ「良い感じで頼むよ〜。」

 

優斗「り、了解です。」

 

大輝「はぁ〜、これ結構苦労しそう・・・」

 

青葉は仕事に集中していた。途中で電気ポッドに水を入れる。そこに。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「ん?もずく〜。」

 

もずくが青葉の足をすりすりしてた。

 

青葉「そんな甘い声出してもご飯はあげないから。」

 

少し離れたが、もずくは青葉に付いて来る。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「甘え上手なもずくちゃんは、そんなわがままボディを手に入れちゃったのかな?」

 

もずく?「そうにゃんだ。だから私のわがままボディを思う存分いじめてくれないかにゃあ?」

 

青葉「え!?」

 

突然もずくが喋った事に青葉が驚く。だがしかし。

 

しずく「にゃんにゃら私のわがままボディにしてみるかい?」

 

ただしずくが、もずくの気持ちを代弁してただけだった。

 

しずく「・・・涼風君はうちのもずくの方が好みらしいね。いや~実に残念だ。何時でも貸し出し可だから、落ち込んだ時は存分に可愛がってくれて良いよ。」

 

そのまましずくが仕事に戻って行く。

 

 

 

 

 

 

その後青葉は村人制作を続ける。そして時間は夜になってた。そして青葉は今日の仕事を終わらせて、コウに挨拶しに行く。コウはまだ仕事をしていた。

 

青葉「お先に失礼します。」

 

コウ「ああ、お疲れ〜。夜遅いから気を付けろよ〜。」

 

青葉「はい。」

 

一礼して会社から出る。出た後も、自分の所のオフィスが気になっていた。そして自宅に帰った後、お風呂に入る。あの時のコウの目を見た青葉は何かを思った。

 

青葉「よし!」

 

そして翌日、出来た村人を確認してもらう。

 

青葉「八神さん!チェックお願いします!」

 

コウ「は〜い。」

 

チェックを開始。再度リテイク。残念がる青葉だが、気を引き締めてリテイクする。そしてまたチェックをお願いする。

 

コウ「実物を観察する事。」

 

またもやリテイク。そこで青葉はGoogleで『革靴 女性』と検索する。そして自分の靴も観察する。そしてチェックをお願いするが、またもやリテイク。

 

コウ「このキャラは何処がポイントなのかよく考えて。」

 

そこで青葉は、村人のリボンの大きさを調整する。お茶を飲むと。

 

青葉「熱!!」

 

その後も集中して作業する。

 

りん「青葉ちゃん。遅いから今日はもう上がって良いわよ。」

 

青葉「はい。」

 

 

 

 

 

 

その後会社から出ると、駐輪場からジェットタイプヘルメットを被った優斗が、バイクを押して出て来た。

 

優斗「あ、青葉さん。」

 

青葉「優斗さん。」

 

優斗「どう?進んでる?」

 

青葉「あ、はい。でも上手くいかなくて・・・」

 

優斗「心配無いよ。少しずつ分かれば後が楽勝になるからね。」

 

青葉「優斗さんの方はどうなんですか?」

 

優斗「結構拘り部分が多いからね。俺VFXだし、敵がやられた後の爆発とか魔法の視覚効果など色々作業が大変だからね。」

 

青葉「そうなんですか。エフェクトを作るのも大変なんですね。」

 

優斗「色々経験が必要だからね。もう時間は遅いし、気を付けて帰ってね。お疲れ様。」

 

青葉「はい。お疲れ様でした。」

 

バイクに乗って自宅へ直行する。青葉も帰る。

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

コウ「う~ん・・・大分良くなったけどまだちょっと固いね。今日1日あげるからリテイクお願い。」

 

青葉「はい!」

 

優斗(青葉さん大丈夫かな?)

 

大輝(リテイク何回受けたんだろう?)

 

青葉「またダメだった・・・」

 

再度ひふみが作った村人と比較する。

 

青葉「確かにひふみ先輩のと比べたら、まだまだかもしれないけど・・・」

 

ゆん「八神さん厳しいみたいやね。ほいあめちゃん。」

 

そこにゆんが青葉にあめちゃんを差し上げる。

 

青葉「あ、どうも。今回は自信あったんですけどね~・・・」

 

ゆん「あんまり無理せんといてな。うちは青葉ちゃんのそのキャラ好きやで。」

 

青葉「ど・・・どうもです!」

 

 

 

 

 

 

その後も作業する青葉。

 

青葉「よし!」

 

そこで青葉はひふみに社内メッセで質問をする。

 

青葉『お疲れ様です。キャラの表情が固いと言われているのですが、どうすれば可愛く作れるのでしょうか?』

 

そこでひふみが社内メッセで返事を返す。

 

ひふみ『フィーリングかなー。青葉ちゃんのキャラ、可愛く出来てると思うよ〜☆o(≧▽°)o 』

 

青葉『ひふみ先輩はどういうところに気をつけてモデリングしているのですか?』

 

ひふみ『かわいくなれー(ー人ー)~~~ナムナムって念じながら作ってる!(●≧ω≦)q』

 

だが青葉は全く理解不能だった。だが。

 

青葉『ありがとうございます。頑張ってみます!』

 

ひふみ『☆⌒d(※^-°)bグッ!!』

 

そして大輝は優斗に社内メッセを送る。

 

大輝『やばい・・・これが限界か・・・』

 

優斗『頑張れよ。お前神ゲー作りたいんだろ?』

 

大輝『そう言ってたけどよ〜・・・』

 

優斗『この社内でCGの腕前が良いのはお前だけだってコウさんとリーダーが言ってたぞ。期待外れすんなよ?』

 

大輝『ま、まあ骨が折れるまでやってやるか!』

 

 

 

 

 

 

その夜も青葉が作業を進める。

 

はじめ「お疲れ様で〜す!じゃあね青葉ちゃん!」

 

青葉「え!?お、お疲れ様です!」

 

時間を確認すると。

 

青葉(どうしよう・・・終わってない・・・)

 

既に10時50分になってた。そこに。

 

りん「青葉ちゃん。調子はどう?」

 

大輝「進んでる?」

 

青葉「遠山さん、大輝さん・・・あの・・・まだ・・・」

 

りん「ちょっと見せて貰って良い?」

 

大輝とりんが青葉が作ってる村人を見る。

 

りん「しっかり出来てるじゃない。最初でこれは凄いと思うわ。」

 

大輝「俺感動しちゃったよ。」

 

青葉「で、でも、納得いってない箇所がいっぱいあって・・・八神さんは誤魔化せないです・・・」

 

りん「そうね。コウちゃん厳しいものね。遅れは大丈夫だから今日はもう遅いし帰りましょう。」

 

大輝「一緒に帰ろ?」

 

青葉「はい。」

 

 

 

 

 

 

3人が電車に乗って帰る。

 

りん「青葉ちゃん一人暮らし?」

 

青葉「いえ。実家からの通いです。」

 

大輝「そっかぁ、親父さんとお袋さんが居るんだね。」

 

りん「じゃあこんなに遅くなってご両親心配してるでしょ。」

 

青葉「はい。さっきお母さんに電話したら『お肌に悪いわよ~。』って心配してました。」

 

りん「心配するのはそこなのね・・・」

 

青葉「大輝さんは一人暮らしなんですか?」

 

大輝「まあね。俺の両親は今福島に帰ってるんだ。」

 

青葉「え?福島ですか?」

 

大輝「俺、福島で生まれて、小学生の頃に東京に引っ越したんだ。俺がイーグルジャンプに入社した時、両親は福島の方で仕事してるんだ。」

 

青葉「そうなんですか。」

 

大輝「一人暮らしを始めた時は自由の連発だったな。ゲームしたり酒飲んだり夜に外出しても自由。あ、でも自炊や料理は出来るけどね。」

 

りん「でも大輝君、最初の頃はCGのリテイクを何回も受けてたよね?」

 

大輝「のわああ!りんさんその事は言わないで下さ〜〜い・・・」

 

青葉・りん「あはは。」

 

2人が笑って、大輝が恥ずかしがる。

 

りん「NPCは作ってて楽しい?」

 

青葉「楽しい・・・です。だけどこんなに大変だとは思ってませんでした。今までは1人で絵を描いてそれで終わりだったから・・・修正が来るのも初めてだし・・・」

 

りん「そうね。それが物を作ってお金を貰うって事よね。」

 

するとりんが青葉の耳元に近付いてこう言った。

 

りん「実はね。今朝の青葉ちゃんが提出して来たの、本当ならOKなの。」

 

青葉「・・・え〜〜!?どう言う事なんですか!?OKなのにOKじゃないって~・・・」

 

アナウンス『まもなく中野。中野。』

 

りん「青葉ちゃんには通常のOKラインで満足して欲しくなかったんじゃないかな。期待してるのよあれで。」

 

そして中野駅に到着した。

 

りん「あ、私この駅で乗り換えだから。お疲れ様。頑張ってね。」

 

中野駅に降りたりんが手を振る。

 

青葉「あ!お疲れ様です!」

 

大輝「りんさんお疲れ様でした!」

 

青葉「私が・・・期待されている・・・」

 

大輝「期待の新人だね青葉ちゃん。」

 

その後途中で大輝が新宿駅に降りる。

 

大輝「青葉ちゃんお疲れさん。気を付けて帰ってね。」

 

青葉「はい。お疲れ様です。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉が目的の駅に降りて帰る。その途中。

 

青葉「もしもし?」

 

ねね『もしもしあおっち。あれ?今外?』

 

青葉「そだよ~。今家の近く。帰ってるとこ。」

 

電話相手はねねだった。

 

ねね『ありゃりゃ。それはお疲れさんだね〜。』

 

青葉「お疲れさんだよ〜。」

 

ねね『お母さんが言ってたけど夜更かしはお肌に悪いんだって〜』

 

青葉「その話今日2回目~。」

 

ねね『何何?今日初めてだよ~。』

 

青葉「あはははははは。」

 

ねね『お仕事順調そうだね。もう完成した?何時発売するの?』

 

途中で青葉がベンチに座る。

 

青葉「完成はまだまだだよ~。」

 

ねね『最後の修羅場って奴じゃないんだ。ちゃんと休んでる?』

 

青葉「今やってる村人に苦戦してて・・・」

 

ねね『えー!?村人作ってるの!?』

 

青葉「そうだよー。」

 

ねね『フェアリーズのモブ結構作りこんでるから好きなんだよね~。』

 

青葉「・・・うん。八神さんも凄い拘ってるんだよ。」

 

ねね『フェアリーズの1作目から、キャラの説明欄も凄く細くて!あ!あおっち覚えてる?あの三バカトリオのとん・ちん・かん!今回ああ言うの出てくる?』

 

青葉「本当好きだね。私のは可愛い可愛い村の娘だよ。」

 

ねね『お花売り?』

 

青葉「そう!そう言うのが似合いそうな感じ。」

 

ねね『じゃあ夢見るほわほわタイプだ!』

 

青葉『ぶっぶー。もうちょっと親孝行しててしっかりした~元気な~・・・」

 

ねね『ストライク狭!似たようなもんじゃ~ん!』

 

青葉「え~?ほわほわタイプはふりふり~って感じで、親孝行タイプはもうちょっと・・・質実剛健!って感じで全然違うじゃ~ん!あ・・・」

 

すると青葉は何かを思った。

 

コウ『それと表情がちょっと固いね。』

 

この前コウから言われた事を思い出した。

 

ねね「ねぇどうした?ねぇ聞いてるの~?もしも~し。こちらねねっちで~す。聞こえてますか~?」

 

だが青葉からの反応は無い。

 

ねね「・・・あ・・・あおっち?大丈夫?お~い!」

 

青葉『あ!大丈夫!ごめん明日早いからもう切るね!』

 

通話終了。

 

 

 

 

 

 

翌朝、青葉が早起きして会社へ向かう。そして時間が過ぎて9時になった。

 

コウ「眠い・・・」

 

携帯の目覚ましでコウが起きた。すると、朝早く来て仕事している青葉を見付けた。

 

コウ「おはよう・・・今日は早いな・・・」

 

青葉「おはようございます。って!スカート履いて下さいよ!八神さんもう少し女の子らしく寝た方がいいと思いますよ。」

 

コウ「女の子って・・・テヘヘ。」

 

青葉「褒めてないです!・・・あの・・・遅くなってすいません!ちょうどさっき村人のモデルが出来たんです。チェックお願い出来ますか!」

 

スカートを履いて早速村人のチェックを始める。

 

青葉「ど、どうでしょうか・・・?」

 

緊張が走る。

 

コウ「うん。OK!凄く良くなった!」

 

遂にOKの言葉が出て来た。

 

青葉「やった!!」

 

コウ「どう?青葉的には満足?」

 

青葉「これは満足ですけどまた1から作ったらもっと良いのが作れる気がします。後ちょっと時間が掛かり過ぎです・・・」

 

コウ「そうだね。これは1週間以上掛かっちゃったけど次は3日で作ってみようか。」

 

青葉「え!?」

 

コウ「だから、3DAYS!」

 

青葉「せめて4日になりませんか・・・?」

 

コウ「何言ってんだよ?最終的には1日1体作ってもらおうと思ってんだからね。」

 

青葉「え!?まさかひふみ先輩の言ってた帰れなくなるってこう言う事ですか・・・?」

 

コウ「まぁ・・・終われば帰れるよ。」

 

青葉「嫌です~!私下着姿で寝るなんてありえないです~!」

 

コウ「な・・・何を~!今は履いてるだろ!」

 

青葉「寝てる時の話ですよ!!」

 

 

 

 

 

 

その夜。ねねに電話する。

 

ねね『はいは〜い。』

 

青葉「あ。ねねっち。昨日はいきなり電話切っちゃってごめんね。」

 

ねね『別に良いよ。どした~?』

 

青葉「ねねっちの声が聞きたくなっちゃったんだよ~。」

 

ねね『ど!どしたあおっち何か悪い物でも食べたの!?ま・・・まさかお酒飲んでるとかじゃないよね・・・私達まだ未成年なんだからね~!』

 

青葉「覚える事がたくさんあって大変だけどゲームを作るのって楽しいです!」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝比奈丸佳
     葉月しずく:喜多村英梨

   車内アナウンス:金澤まい
      優斗の妻:榎本温子

コウ「まずは村人1体お疲れ。」

青葉「はい!村人もこうやって1つ1つ作ってるんですね!」

コウ「これからもじゃんじゃん作ってもらうからね〜!後100体くらいあるけど。」

青葉「え!?終わるんですか!?」

次回「初めての・・・お給料・・・」

コウ「終わらすんだよ!!」

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