NEW GAME! LEVEL UP!!   作:naogran

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ある日のイーグルジャンプ。マスターまで後20日になり、ラストスパートを迎えた。全社員達が集中してPECOを作る。

プログラマー班ブースでは。

ツバメ「担当箇所、実装しました!」

うみこ「お疲れ様です。早いですね。」

ツバメ「いやいや~。」

うみこ「速さはプログラマーにとって正義ですよ。誇って良い事です。」

ツバメ「ありがとうございます!」

当のねねは不機嫌中だった。

うみこ「引き続き宜しくお願いします。」

ツバメ「はい!」

持ち場に戻って、ねねに向かってドヤ顔した。ねねはそんなツバメを見て膨れっ面になった。


24話「心になにか抱えているのか」

ツバメ「桜さんはずっとデバッグ~?」

 

調子に乗ってねねを煽る。

 

ねね「そうだけど。今はコード読んでる。あっそうだ。なるっちのコードなんだけどここもっと短くなるんじゃない?」

 

ツバメ「え!?(や・・・やばい!私の評価が下がる・・・)」

 

評価が下がってしまう事に不安を抱え始めた。

 

ツバメ「あ~そこ?丁度直そうと思ってた所だよ~・・・」

 

ねね「ほんとかな~?」

 

するとツバメが紙に『うみこさんの前で評価が下がるようなこと言うな!』と書いて見せた。

 

ねね「(な!折角教えてあげたのに!)うみこさん!」

 

ツバメ(げ!告げ口!?)

 

告げ口されると思い、ヤバいと感じたツバメだったが。

 

ねね「食堂で勉強して来て良いですか?気分転換に。」

 

うみこ「構いませんが遊ばないで下さいね。」

 

ねね「遊ばないですよ~。」

 

ノートパソコンを持ってカフェへ向かった。

 

ツバメ(気分でやってる癖に邪魔しないでよ・・・)

 

うみこはツバメを密かに見る。ツバメには、ある事を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

一方ねねはカフェに来た。

 

ねね「はぁ・・・人間関係って大変だな・・・ん?」

 

紅葉「どうですか~?」

 

カフェに紅葉が居た。彼女はもずくにマッサージしていた。

 

ねね(紅葉ちゃんだ。)

 

紅葉「お肉が凝ってますね〜。」

 

隣にねねが座った。

 

ねね「キャラ班は平和そうで良いですね・・・はぁ・・・」

 

紅葉「?」

 

コウ「お疲れ~。2人共休憩中?」

 

そこにコウが来た。

 

紅葉「あ、はい!お疲れ様です!」

 

ねね「私は勉強中です!」

 

コウ「へぇ~。ねねちゃんがこんな所で勉強ってさては阿波根に叱られたな?」

 

ねね「違いますよ~!」

 

???「あ〜!紅葉だ〜!」

 

そこにあやが来た。優斗と大輝も一緒だった。

 

紅葉「あや。」

 

あや「お!もずくちゃ〜ん!今日も気持ち良いですね〜。もふもふ〜。」

 

もずくをすりすりする。

 

大輝「コウさん、お疲れ様です。」

 

コウ「ああ、お疲れ。2人も休憩?」

 

優斗「はい。大輝とあやさんに休憩誘われたんです。俺もちょっと疲れを取ろうと思って。ねねさんも休憩?」

 

ねね「いえ、私はここで勉強を・・・」

 

優斗「ん?どうしたの?何か悩みとかあるの?」

 

ねね「はい・・・何だかピリピリしてるから居辛くて・・・紅葉ちゃん、あやちゃん。なるっちってどんな人?」

 

紅葉「なるですか?掃除も洗濯も料理も家事は何でも完璧に出来てお世話好きで頼れるお姉ちゃん・・・みたいな。」

 

ねね「(やっぱり私以外の前では猫被ってるんだ・・・)はぁ・・・」

 

あや「ねねさん、ツバメはそれだけではありません。」

 

ねね「え?」

 

あや「実はツバメは地元の旅館の一人娘なので、接客も含めてしっかり教えられてたんです。」

 

大輝「え?旅館の一人娘?」

 

コウ「凄い!わざわざプログラマーにならなくて良いくらいじゃん。」

 

優斗「じゃあ、ツバメさんは本来実家の跡継ぎを?」

 

紅葉「はい。実際女将として跡を継ぐよう言われてて。」

 

ねね「え?」

 

優斗「そうか。もしかしてご家族に反対されたとか。」

 

紅葉「そうです。なるは、親からゲーム業界に入る事を反対されてるんです。」

 

ツバメは地元の旅館の一人娘であり、ゲーム業界に入る事を親から反対された過去を持っていた。

 

大輝「跡継ぎかぁ・・・確かにそう言う家庭に生まれた人は他の道へ進む事を反対される事あるな。」

 

優斗「でも跡を継がなくても良い家庭もあるよな。」

 

大輝「確かに。」

 

あや「でも、私の両親がツバメを助けて説得の手伝いをしてくれたんです。何で助けるのって言ったら、「ツバメちゃんと一緒じゃなきゃ不安だろ?」って言われて。」

 

優斗「凄いね君の両親・・・」

 

紅葉「おじさんとおばさんと一緒に何度も何度も説得して専門学校の入学を許して貰えて。でも仕送りは送って貰えないから、学校に行きながらバイトもして・・・」

 

ねね「凄い・・・そんなに頑張ってたんだ・・・なるっち・・・」

 

あや「それと違って私と紅葉は自由に育てられたんです。東京ゲーム専門学校を勧めてくれたのは私の両親でしたから。」

 

紅葉「なるは何時も笑ってますけど、凄く苦労していて・・・だけど第一志望のイーグルジャンプに就職出来なかったら旅館を継げって。それが条件だって言われて・・・て・・・!今のは秘密でした!忘れて下さい!」

 

あや「私からもお願いします!忘れて下さい!」

 

コウ・優斗・大輝「もう聞いちゃったよ・・・」

 

ねね「どうして!?どうして秘密なの!?」

 

大輝「そうだよ!普通そう言う悩みは誰かに相談するものだろ?何でツバメちゃんはそれを言わなかったの?」

 

あや「単純に言うと、ツバメは意地っ張りなんです。」

 

優斗「意地っ張り?強情なの?」

 

紅葉「はい。実力で受からなきゃ意味が無いって。正々堂々プログラマーになってお母さんを見返してやるんだって。」

 

何時も作業が早く出来た理由は、実力で受かって母を見返す為だった。

 

あや「私と紅葉はもう昔からツバメの事を良く知ってるんですよ。この前だって少し不機嫌になってましたし。ツバメったら、悩みがあるんだったら素直に相談すれば良いのに。ねぇ紅葉?」

 

紅葉「うん。」

 

あや「ツバメったら強情なんだからぁ。」

 

ねね「そっか・・・それで・・・いや何時も本気だから・・・」

 

あや「でも、普段のツバメは軽い感じなんですよ?私達のお姉さん的存在なんです。」

 

コウ「心配しなくてもうみこには黙っておくけど、うみこはそんな同情で合格させる程優しくないと思うけどね~。それに同情で入社しても周りに付いて行けなくて不幸になるのは本人だし・・・不愛想な奴でも、責任持って選ぶ奴だよ。」

 

紅葉「そうですか・・・でもなるならきっと大丈夫です。」

 

あや「そうですよ!ツバメならきっと!」

 

コウ「おいおい。紅葉もあやも他人事じゃないんだからな~?」

 

紅葉・あや「う・・・頑張ります。」

 

優斗「まあ、頑張れば大丈夫だよ。」

 

大輝「そんなに落ち込まずに前向きになろうぜ!」

 

あや「そ、そうですね!」

 

すると紅葉がある質問を言った。

 

紅葉「あの・・・青葉さんも研修ってしたんですか?」

 

コウ「青葉は面接に来た時はまだ高校生だったし、直に入社だったよ。」

 

紅葉「凄いですね。高卒で面接に来るなんて。」

 

大輝「因みに俺と優斗も高卒からの面接して受かったんだ。」

 

紅葉「凄いですね。」

 

ねね「でもあおっち、あれでも高3まではふらふらしてたよ~。」

 

コウ「嘘!そうだったの!?」

 

大輝「初耳だよそれ!?」

 

ねね「ほたるん・・・星川ほたるって言う同級生と一緒に絵を描くようになってからあおっちなんだか前向きになり始めて。」

 

紅葉「星川ほたる。」

 

コウ「その星川さんってどんな子なの?気になる〜。」

 

紅葉「わ、私も!」

 

あや「私も気になります!」

 

大輝「俺も気になる!」

 

優斗「写真あるの?」

 

ねね「写真ありますよ。右から2番目の子。」

 

卒業写真を見せた。

 

コウ「可愛いじゃん!」

 

紅葉「大人しそう。」

 

あや「可愛い〜!」

 

優斗「お淑やかな子だね。」

 

大輝「へぇ〜。この子がほたるちゃんか〜。」

 

コウ「じゃあこの星川さんが青葉のライバルだったんだ?」

 

ねね「う~ん。ほたるん上手過ぎてあおっちたまに悄気てましたし・・・あれはライバルなのかな?」

 

紅葉「青葉さんでも悄気る事あるんですね・・・」

 

コウ「青葉も普通の人間だぞ~。」

 

優斗「どうしたのその目?」

 

コウ「っで、その星川さんの進路はどうなったの?」

 

ねね「大学ですよ今。芳文美術大学って言う美大生です。あおっちも受かってたんですけどこっちに。」

 

コウ「青葉はよく就職を選んだなぁ。」

 

ねね「確かに皆寂しかったんですけど、目の前の事を何時も頑張ってれば離れていても寂しくないって3人でそう思ってたから。だから平気だったんだ~。」

 

大輝「仲の良い友達に恵まれて良かったね青葉ちゃん・・・」

 

優斗「お前が涙流してどうする。」

 

ねね「でも。私もイーグルジャンプに来ちゃったからほたるん少し可哀想かも~。」

 

優斗「ちょっと辛辣だなぁ・・・」

 

 

 

 

うみこ「桜さん。」

 

ねね「のわわ~!」

 

 

 

 

後ろからうみこに呼ばれてびっくりした。

 

ねね「べ・・・勉強もしてましたよ・・・」

 

うみこ「してなかったんですね。それは兎も角、プログラマー班内で緊急会議をするので桜さんも来て下さい。」

 

ねね「え〜?何ですか〜?」

 

うみこ「何でもです。」

 

会議に向かうねねとうみこ。するとコウが呟く。

 

コウ「頑張っていれば離れていても寂しくない、か。」

 

紅葉「?」

 

優斗「コウさん?どうしたんですか?」

 

コウ「何でもないよ。ん〜・・・十分休憩したし私達も仕事再開しよっか。」

 

紅葉「あの!八神さんに質問が。」

 

コウ「ん?」

 

紅葉「八神さんには先生や師匠って居るんですか?」

 

コウ「私?絵の事言ってるなら私にそう言う人居ないよ。でも皆からは色々学んでるつもりだけど。勿論紅葉からもね。」

 

紅葉「え?何をですか?」

 

コウ「えへへ〜内緒~。さ、ラストスパート頑張ろー!」

 

紅葉「あの、八神さん!何をですか?」

 

コウ「内緒内緒〜。」

 

あや「じゃあ大輝さん!優斗さん!ラストスパート頑張りましょうね!」

 

優斗「勿論だよ!」

 

大輝「おっしゃ!気合入れてやるで〜!」

 

 

 

 

外は雨が降り続いている。イーグルジャンプでは、クリスティーナがもずくを撫でながら電話していた。

 

クリスティーナ「・・・はい。・・・はい。では、その方向でお願いします。」

 

通話が終わったと同時にコウが来た。

 

コウ「あぁ大和さんこんな所に居た。ちょっと良いですか?」

 

クリスティーナ「何かご用ですか?」

 

コウ「・・・大和さんに頼みたい事があって。」

 

 

 

 

一方その頃プログラマー班ブースでは、異常事態が発生していた。

 

ねね「え~!なるっちの担当箇所がバグだらけ!?順調だったんじゃ・・・」

 

何とツバメの担当箇所が殆どバグだらけになっていた。

 

うみこ「しっかり通しでチェックしてなかったようで・・・」

 

ツバメ「彼処が動くならここもって確認を怠っていて・・・」

 

うみこ「異様に手が早かったのはその為だったんですね・・・」

 

ツバメ(確認作業を飛ばして手の早さの評価も足して合格を確実にしたかった・・・十分注意したつもりだったのに焦り過ぎたかな・・・)

 

評価だけを上げて合格したい事ばかりに気を取られてしまった自分を心の中で反省する。

 

ツバメ(終わった・・・今まで必死に頑張って来たのに儚い夢だったな・・・結局お母さんの言う通り私は家を継ぐ運命だったんだ・・・ごめんもも・・・あや・・・それに皆に迷惑まで掛けて・・・悔しいよ・・・悔しい・・・悔しい・・・悔しい!)

 

自分が悔しいと思った。しかしその時。

 

 

 

 

 

 

ねね「早く直さないと!」

 

 

 

 

 

 

ツバメ「!?」

 

ねね「諦めちゃダメだよ!」

 

ツバメ「桜さん・・・?」

 

ねね「なるっち言ってたじゃん!失敗はそのままにしないって!確認作業を省けばなるっち早いんでしょ!?手伝うから!これでもデバッグはプロ級だし今はプログラムの知識だってあるんだから任せてよね!」

 

泣いてるツバメに激励を送った。しかし。

 

うみこ「そうしたいんですが、スケジュールの都合上やはり鳴海さんのミニゲームを幾つか削るのが現実的で・・・」

 

ねね「え~!」

 

うみこ「しかし私の管理ミスでもあるので、可能な範囲で私も手伝います。兎に角これから指示する優先順に修正して行って下さい。その進行具合で判断します。ただしやはり現実的でないようならミニゲームをいくつか削ります。良いですね?」

 

ねね・ツバメ「はい!」

 

 

 

 

 

 

こうしてねねとツバメの共同作業が始まった。

 

ねね「はいバグシート。」

 

大量のバグシートを置いた。

 

ツバメ「もう!?こんなに!?」

 

ねね「結構穴だらけだね~。取り敢えず全部洗い出すから待ってて~。」

 

ツバメ「何で・・・何でそんなに付き合ってくれるの?」

 

ねね「え?」

 

ツバメ「嫌いじゃないの私の事!?私桜さんに何度も酷い事言ったのに・・・」

 

ねね「嫌いだったよ。でも何であんな事言ってたのか分かったから。紅葉ちゃんとあやちゃんから、なるっちの家の事聞いたんだ全部。」

 

ツバメ「っ!」

 

ねね「私単純だから。聞いたらなるっちの事応援したくなっちゃった!なるっちくらい本気でやってたら私の事気に入らないのも分かるし。ごめんねこんなんで。」

 

ツバメ「ううん・・・実は後ろでボードゲーム作ってるの見て頑張ってるなって見直してたんだ。でも私意地になっちゃって・・・ごめんなさい桜さん!」

 

ねね「えへへ。ねねっちで良いよもう~。」

 

ツバメ「うん!ねねっち!」

 

自分の意地っ張りを認めてねねに謝罪した。こうしてねねとツバメは共に和解した。その後も共同でバグを修正する。

 

 

 

 

 

 

共同作業が始まって翌日。

 

うみこ「次の作業の割り当てをします。鳴海さんはこの部分から。桜さんはこちらから。」

 

 

 

 

それからその後。

 

青葉「差し入れだよ〜!」

 

ねね「あ!ありがとうあおっち!」

 

青葉と紅葉とあやが差し入れのドーナッツを持って来た。

 

 

 

 

深夜になってもバグ修正は続く。

 

ツバメ「残りどれくらい?」

 

ねね「眠くて分かんない~・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数日が経った。殆どの社員達が寝泊まりしている。ねねとツバメも寝ている。

 

ツバメ「ん・・・」

 

すると横にあるレッドブルの空き缶がツバメに当たって、床に落ちる。

 

 

 

”カンッ”

 

 

 

ねね「も・・・もうバグありませ~ん!」

 

カンッと言う音を聞いて、起きて大声を上げた。

 

ねね「・・・はっ。夢か。」

 

今までは夢だと自分を納得させた。しかしうみこから。

 

 

 

うみこ「夢ではないようですよ。」

 

 

 

ねね「え?それじゃあ・・・」

 

うみこ「はい。」

 

全てのバグが修正出来た。これは夢ではなく現実だった。

 

ねね「なるっち!起きなよ!大丈夫だって!」

 

寝ているツバメを起こす。

 

うみこ「よく頑張りましたね。お疲れ様です。」

 

ツバメ「・・・っ!」

 

うみこ「鳴海ツバメさん。幾つか問題はありましたが合格です。鳴海さんが良ければ今後とも弊社で宜しくお願いします。」

 

遂に、ツバメの内定が決まった。

 

ねね「やった〜〜〜!!!」

 

嬉しくなったねねがツバメをギューっと抱き締めた。

 

ツバメ「ありがとう・・・ねねっちがいなかったらきっと駄目だったよ・・・ありがとう・・・ありがとう!」

 

ねね「そんな事ないよ!なるっちの実力だって!」

 

ツバメ「ねねっち・・・」

 

うみこ「そうですね。実力的に合格でした。脅かすような事言いましたが終わると思ってましたし。最悪私が何とか。」

 

ねね「ちょ!ぶち壊しだよ~!」

 

うみこ「冗談です。とは言えマスターまで後数日あります。気を引き締めて走り切りましょう。」

 

ねね・ツバメ「はい!」

 

ねね「あ、所で私はどうなりましたか・・・?」

 

うみこ「い、言わなくても分かるでしょう・・・」

 

ねね「お願いします!」

 

うみこ「・・・契約更新です。また3か月間頑張って下さい。」

 

女性社員「おめでとう!」

 

他の女性社員達がねねとツバメを祝った。

 

ねね・ツバメ「やった~!」

 

外は満開の快晴になった。

 

 

 

 

 

 

その頃りんは、もずくを撫でていた。

 

りん「もずくちゃんは何時ものんびりしてて良いわね~。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するとその時。

 

クリスティーナ「八神さん。例の件大丈夫でした。是非にと。」

 

コウ「本当ですか?良かった。助かります。」

 

クリスティーナ「でも紹介しておいてなんですが私は反対です。」

 

するとクリスティーナから、驚きの言葉が出た。

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「イーグルジャンプを離れるだなんて・・・」

 

 

 

 

 

 

りん「・・・!」

 

コウ「少し前から考えてたんです。寧ろ希望の会社へのツテがあって助かりました・・・」

 

すると後ろから物音が聞こえた。もずくが出て来た。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

コウ「何だもずくか~。驚かせんなよな。オ?まぁた重くなったのか〜?」

 

りん(コウちゃんが・・・居なくなる?)

 

イーグルジャンプからコウが居なくなる事を聞いたりんがショックした。

 

 

 

 

 

 

翌日。コウが近くのラーメン屋でラーメンを食べていた。

 

女性店員「いらっしゃいませー!」

 

店長「らっしゃーい!」

 

女性社員「そちらの席へどうぞー!」

 

するとコウがある人物とばったり出会った。

 

コウ・うみこ「あ。」

 

うみこだった。コウの隣の席に座る。

 

うみこ「真昼間からラーメンですか。体に悪いですよ。」

 

コウ「うみこもだろ!」

 

うみこ「ネギラーメン下さい。」

 

山田「ネギラーメンかしこまりー!」

 

店長「かしこまりー!」

 

コウ「そっちは新人2人も抱えてどうよ?」

 

うみこ「まぁまぁ可愛いものですよ。片方は猫を被ってましたし。もう片方は元気な犬のように落ち着きがないですし。犬と猫を同時に育ててる気分です。」

 

コウ「動物扱いかよ・・・」

 

うみこ「そちらは?」

 

コウ「う~ん・・・黙々とそつなく仕事をこなしてるよ。後あの青葉がいまいち距離を掴めてないみたいで何か笑える。」

 

うみこ「コウさんからは何かしてるんですか?」

 

コウ「いや・・・別に。だって直接はひふみんの部下だし私が口出すのもアレかなって・・・」

 

うみこ「ほんと面倒臭い性格してますね・・・」

 

コウ「何を~!」

 

そこにネギラーメンが来た。

 

山田「ネギラーメン出来上がりー!」

 

うみこ「どうも。」

 

店長「出来上がりー!」

 

うみこ「木崎さんの方はどうですか?」

 

コウ「結構良いCGが出来てるって優斗が言ってたよ。でも、大輝と一緒に居るとテンションがかなり高いと言うか・・・」

 

うみこ「そうですか。望月さんも涼風さん同様あなたに憧れて来たんでしょう。たまには声を掛けてあげるだけでも嬉しいでしょう。」

 

コウ「たまには声掛けてるよ・・・挨拶くらいだけど。それに喧嘩してる訳でもないし問題があるならここはひふみん達だけで何とかするべきだと思うんだよ。私に頼らないでさ。もし私が突然居なくなっちゃったりしたら大変でしょ?」

 

うみこ「まぁ確かに。グラフィックはあなたのワンマンめいた所がありますからね。そうだ。バグはまだ残ってますが、もうほぼマスターしてるんですよ。新人3人の頑張りもあって。午後から食堂でプログラマーの皆を集めてプレイする予定なんですが、そちらもどうですか?」

 

コウ「おー!行く行く!こっちもクオリティアップの調整ばっかだし!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、カフェから戻る途中だった。すると。

 

優斗「ん?」

 

廊下にりんが悲しそうに佇んでいた。

 

優斗(りんさん?どうしたんだろう?)

 

りん「・・・・」

 

佇んでるりんに寄る。

 

優斗「りんさん。」

 

りん「・・・優斗君?」

 

優斗「どうしたんですか?ここに立って。」

 

りん「・・・・・」

 

優斗「・・・何か悩みがあったら言って下さい。後輩の俺ですが、出来る事なら何でも。」

 

りん「ありがとう・・・実は・・・」

 

この前のコウとクリスティーナの会話を聞いた事を話した。

 

優斗「え!?それ本当なんですか!?」

 

りん「ええ・・・」

 

優斗「コウさん・・・まさか・・・」

 

りんはあの会話を思い出してまた黙った。

 

優斗「りんさん、この話は内緒にしておきます。皆には黙っておきますので。」

 

りん「うん・・・ありがとう・・・本当に優斗君は優しいね・・・」

 

優斗「困ってる人を見過ごす訳にはいきませんよ。」

 

 

 

 

その後コウがキャラ班の皆を誘う。

 

コウ「と言う訳で行こう!」

 

はじめ「え〜?めっちゃ忙しいんですけど。調整調整で。」

 

青葉「あはは・・・」

 

コウ「そうだ~はじめは企画だった・・・」

 

青葉「でもはじめさん、やりたいんじゃないですか?」

 

はじめ「そ、そうだけどさ・・・青葉ちゃんは?」

 

青葉「私も、グラフィックの調整が・・・ゆんさん行きますか?」

 

ゆん「う〜ん・・・どないしようかな・・・」

 

紅葉は作業に集中していた。

 

コウ「(面倒臭い性格か・・・)紅葉。」

 

紅葉「ひゃ!」

 

急に呼ばれてびっくりした。

 

コウ「紅葉もゲームのデモプレイ見に行かない?ちょっとした息抜きにでもなるし、これも勉強だと思えば。どうかな?」

 

紅葉「い・・・行かせていただきます!」

 

コウ「ほらほら!紅葉も行くんだから皆も行った行った!」

 

はじめ「もぉ〜、理由になってませんって〜。」

 

優斗(コウさん楽しんでるな〜。)

 

コウ「優斗〜!優斗も行こうよ〜!」

 

優斗「俺もですか?・・・まあ良いですけど。(マスターまで後10日しか無えのに・・・)」

 

 

 

 

 

 

カフェに集まった。

 

ねね「プレイしたい人~じゃんけん!」

 

はじめ「はーい!はいはいはいはい!」

 

ゆん「何やノリノリやん・・・」

 

ツバメ「私も!」

 

あや「私も私も!」

 

大輝「俺も俺も!」

 

優斗「テンション高え・・・じゃあ念の為俺も。」

 

コウ「2人はいいの?」

 

青葉「え〜?何だか恥ずかしいし・・・」

 

紅葉「私もです。」

 

コウ「はいはーい!この2人も!」

 

強制的に参加させた。

 

青葉「や、八神さん!?」

 

コウ「ほ〜ら行った行った〜!」

 

ねね「じゃあ私を含んで8人でじゃんけんだね〜!」

 

青葉「仕方無いな〜。」

 

はじめ「勝つぞ〜!」

 

大輝「勝っちゃるぜ〜!」

 

青葉「ん?どうかした?」

 

紅葉「え?いや・・・(こんな大勢の前で恥ずかしい・・・負けたい負けたい負けたい・・・)」

 

青葉(緊張してる・・・?)

 

 

 

 

 

 

じゃんけんの結果、青葉と紅葉が勝った。

 

紅葉(勝っちゃった・・・)

 

大輝「負けだーーーー!!!」

 

優斗「敗者は退場な〜。」

 

大輝を引っ張る。

 

紅葉「良いんですか?私なんかで・・・」

 

青葉「あはは、あんまり気にする事ないよ・・・」

 

紅葉「はい・・・」

 

コウ「ん?」

 

紅葉「あっ!(八神さんも見てる八神さんも見てる八神さんも見てる・・・!!)」

 

 

 

 

 

 

早速PECOをプレイする。

 

ねね「デバッグモードだから好きなステージ選べるよ!」

 

紅葉「はい!」

 

はじめ「このステージのBGM良いですよね~。街と雰囲気も合ってて。」

 

ゆん「ほんまに!こんなメルヘンなイメージやったんやね!」

 

優斗「タイトル画面が結構可愛かったな。」

 

大輝「良いな〜。俺がじゃんけん勝ったらノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

優斗「エグゼイドか。ってかお前負けたろ?俺もだけど。」

 

青葉「そんなに囲まれたらやられちゃうよ~!」

 

紅葉「分かってますよ!」

 

ねね「藁!藁があるのに~!」

 

藁の中に隠れた。

 

紅葉「あ。隠れられた。」

 

青葉「そんな仕様が・・・?」

 

ねね「何で知らないの!?」

 

うみこ「グラフィッカーはそこまで仕様を把握してませんからね。」

 

優斗「藁に隠れるって、アサシンクリードみたいだな。」

 

大輝「確かに。」

 

クマが謎の歌を歌ってる儀式をやってるステージに入った。

 

コウ「音が入るとさらに物騒だよな・・・誰だよこれ考えたの。」

 

青葉「あぁ私です!熊食い族!葉月さんにふざけて見せたら面白いねって。結構気に入ってます。」

 

コウ「青葉は心になにか抱えてるのか・・・?」

 

青葉「え?」

 

コウ「でもこれ、紅葉の最初の力作だもんね。良く出来てるよ。」

 

紅葉「あ・・・ありがとうございます!」

 

ねね「ラスボスも迫力満点だよ!」

 

ゆん「ほんま?見たい見たい!」

 

遂にラスボスまで来た。

 

女王様『覚悟しろ〜!』

 

ラスボスの女王様を見て、ゆんが感動した。

 

青葉「こっちはゆんさんの力作ですもんね。」

 

ゆん「青葉ちゃんのデザインが良かったからやって。」

 

青葉「そう言って貰えると嬉しいです!」

 

ひふみ「皆、凄く上手くなったよ。」

 

コウ「どう?初キャラクターデザインの感想は?」

 

青葉「あまり実感は湧かないですけど・・あの時思い付きで描いた落書きから何度も修正して・・・こうして皆の力で生きてるみたいに動き出して。描けて良かったです!」

 

コウは青葉を見て微笑む。紅葉は青葉を見て少し不機嫌になった。まだライバル心を抱えている。

 

ペコ『やられたクマ~・・・』

 

ゲームオーバーになってしまった。

 

青葉「ああ!やられちゃった!」

 

紅葉「ごめんなさい良い所で・・・わざとじゃないんです!」

 

青葉「ううん。気にしないで・・・」

 

優斗「いやぁ〜中々面白そうだな。」

 

大輝「発売したら即購入確定だな。」

 

コウ「紅葉も目指してるんでしょ?キャラクターデザイン。」

 

紅葉「はい!」

 

コウ「何時か叶うと良いね。」

 

青葉「でも私も負けませんから!」

 

紅葉「わ、私だって!」

 

その中にはりんも居た。彼女は楽しんでるコウを見て喜ばなかった。

 

りん(・・・コウちゃん・・・)

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
クリスティーナ・和子:名塚佳織
       もずく:喜多村英梨
        山田:藤田咲
        店長:内野孝聡
    プログラマー:川上千尋

コウ「青葉、りん、皆、ごめん。・・・でも私決めたんだ!私の夢の・・・いや、目標の為に。」

青葉「八神さん・・・?八神さん・・・私は!」

次回最終回「ぜひ買ってくださいね!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。

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