NEW GAME! LEVEL UP!! 作:naogran
コウ『キャラリーダーの仕事は、まずADである私のグラフィックへの意図の理解。その上でキャラモデルのチェックと管理。後は各班との連携の為の会議かな?』
ひふみ『え!?』
コウ『まぁそこは私も居るし気楽にね。』
ひふみ『う・・・うん。』
以前にコウからそうアドバイスされた。
ひふみ「・・・よし!」
勇気を出して、ゆんに近寄る。
ひふみ「あ、あの・・・ゆんちゃん。」
ゆん「何ですか?」
ひふみ「進捗どうですか~!?」
突然の大声でびっくりしたゆん。ひふみは落ち着いてゆんに進捗を聞く。
ひふみ「明日締切りだと思うけど大丈夫そう・・・?」
ゆん「はい・・・大丈夫ですよ。」
ひふみ「分かった。頑張って・・・ね?」
ゆん「は、はぁ。」
次は青葉の進捗を聞く。
ひふみ「あ・・・青葉ちゃん。」
青葉「はい?」
ひふみ「進捗・・・」
青葉「えと・・・ごめんなさい・・・キャラデザに手間取ってたせいで、3D作業の方がそのまま遅れてて・・・2日程追加でお願い出来ませんか?」
ひふみ「分かった。じゃあ頑張ってね・・・」
青葉「・・・ごめんなさい!追加1日で良いです!」
ひふみ「え?」
青葉「いや・・・八神さんだとそのままじゃ許してくれないから鯖を読む癖が・・・なんて。」
ひふみ「そう、なんだ。」
青葉「ごめんなさい・・・」
ひふみ「ううん、良いよ。また遅れそうになったら言ってね。」
青葉「はい!」
ゆん(あかん・・・実はうちも明日じゃ終われそうにないんやけど・・・)
心の中で本音を言うゆん。
ゆん「あ、あの・・・」
コウ「ひふみ〜ん!会議の時間。」
ひふみ「う、うん。分かってる・・・行こ。」
コウ「青葉、さっきの会話聞こえてたからな。」
青葉「ええ!?い、いやだって、正直に言って通った試しないじゃないですか!」
コウ「あはは!まあそうだけど、新リーダーにはあんまり意地悪しないようにねん。」
そう言い残して会議に向かった。
青葉「分かってます!!」
その頃優斗は、大輝に社内メッセを送った。
優斗『俺今日残業して帰るから宜しく。』
大輝『何故故?』
優斗『いや、今やってる所のVFXをどう仕上げるか迷走中なんだ。』
大輝『珍しいな〜。お前が迷う事があるなんて。』
優斗『毎回俺が完璧の人間だと思ってんじゃねえぞ。』
ゆん「(あ~・・・言いそびれてしもた。どないしよ・・・間に合わんかったらひふみ先輩どないな顔するんやろ・・・これが八神さんやったら軽く叱ってくれて終わりやのに・・・)青葉ちゃん。ひふみ先輩がリーダーになってどう思う?」
青葉「え?どうって?」
ゆん「八神さんと比べてやりやすいとかそう言うの。」
青葉「あぁそうですね・・・八神さんと違って厳しくはなさそうだけど・・・」
ゆん「怒ってくれなさそうやろうな・・・」
青葉「もしかしてゆんさんも鯖読んでました?」
ゆん「し・・・仕方ないやん!もうあれが普通って言うかまかり通ってた訳やし・・・」
青葉「でも正直に言った方が良いですよ。ひふみ先輩泣いちゃうかも。」
ゆん「え!?」
泣いてるひふみを想像する。
ひふみ『私の・・・管理が・・・ダメダメだからだね・・・ごめんなさい・・・ううぅ・・・』
大輝『泣いてるひふみちゃん・・・良いかも〜。』
優斗『お前姦しいから黙っとけ。』
ゆん「あかんあかん!タイミング的にもう言えへんよ!間に合わせるしかない!あ~もうやりにくい~!」
はじめ「ダメだ~!何も思い浮かばない~!」
青葉「企画のお仕事も大変そうですね・・・」
はじめ「うん、アイディアが中々思い浮かばなくて・・・」
青葉「何か相談に乗れる事があれば何でも乗りますよ?」
はじめ「ありがとう・・・でももう少し1人で考えてみるよ。」
この日は、ゆん、はじめ、そして優斗が煮詰まっていた。
その日の夜。ゆんと優斗が残業していた。
ゆん「こないな遅くまで残ったの新人以来かも・・・」
するとゆんのスマホが振動した。
ゆん「はいもしもし。あ、お母さん?うん。今日は泊まろうかなって・・・みうとれんの朝食?明日お母さんが作る番やろ?仕事って・・・あぁ分かった分かった。帰ります。もぉ。仕方あらへん・・・」
優斗「あ〜終わったぁ〜!やっと出来たぁ〜!ん?ゆんさん、帰るの?」
ゆん「はい。明日弟と妹の朝食を作らないといけませんし。」
優斗「そうか。ゆんさんも大変だね。」
ゆん「優斗さんはどうですか?」
優斗「俺も丁度終わったよ。」
ゆん「そうですか。」
優斗「ねぇ、良かったら送ってあげようか?」
ゆん「え?」
優斗「予備のヘルメットがあるし、1人で帰るのは危険だと思うから。」
ゆん「すみません・・・お願いします。」
その夜、ゆんは優斗のバイクで家まで送って貰った。
翌朝、ゆんが家で朝食を作っている。
みう「ギューーーー!」
突然妹のみうが後ろから抱き付いて来た。
ゆん「あ、危ないやろ!?」
みう「えへへへ〜。」
ゆん「ほら、さっさと着替えや。」
れん「ゆんねえちゃん~。筆箱がない・・・」
ゆん「昨日の内に用意せんから。」
れん「用意してたもん・でも・・・お絵描きしたかった・・・」
みう「ああ、ゆん姉ちゃん泣かした!」
ゆん「ああもお!」
飯島家はとても大変だった。
その後イーグルジャンプに出社した。駐輪場から優斗が顔を出した。
優斗「あ、ゆんさんおはよう。」
ゆん「優斗さん、おはようございます。」
2人はエレベーターに乗る。
ゆん「昨日はありがとうございました。」
優斗「いえいえ。昨日帰ったらね。」
ゆん「?」
優斗「帰ったら美佳さんに、『無理し過ぎると体壊しちゃうよ。』って注意されてね。」
ゆん「美佳さん優しいですね。」
優斗「そうだね。何時も俺の事を心配してくれてるから毎日頑張れるよ。奈々に『ぱぱ、めっ。』って怒られちゃって。」
ゆん「あはは。あんまり無理しないで下さいね。」
優斗「勿論そのつもり。ゆんさんの方はどう?」
ゆん「今日の朝、とても大変でしたよ。」
優斗「やっぱり、れん君とみうちゃんの世話って大変?」
ゆん「はい・・・」
優斗「分かるよその気持ち。俺も子育てしてる身だからね。」
エレベーターから降りた。
ゆん「優斗さんも後に苦労するかもですよ?」
優斗「苦労?もしかして、奈々のイヤイヤ期?」
ゆん「はい。」
優斗「そう言えばそうだった・・・でも美佳さん、この前からイヤイヤ期に備えて色々考えてるしね。」
ゆん「そうなんですか?」
社員証をパスしてオフィスに入る。
オフィス内。
優斗「美佳さん、奈々の事を考えてるからね。」
ゆん「本当に良い奥さん持ちましたね。優斗さん。」
優斗「ありがとうゆんさん。それと、れん君とみうちゃんの世話は無理しないようにね。休息取らないと体がしんどくなるから。」
ゆん「おおきに。ありがとうございます。」
2人はキャラ班ブースに来た。
ゆん「おはようございます。」
ひふみ「お、おはよう。モデルの提出大丈夫そう・・・?」
ゆん「・・・ごめんなさい!無理そうです!」
ひふみ「え?」
ゆん「いや!ほんまははよ出社しようと思ってたんですけど色々用事もあって・・・その・・・」
ひふみ「ううん。怠けてるなんて思ってないよ。でも遅れの原因も一緒に考えようか。」
ゆん「っ!」
優斗(大丈夫みたいだな。)
安心して仕事に向かう優斗。
ひふみ「クオリティは問題ないけど・・・単純に時間掛かっちゃった?」
ゆん「はい・・・まぁ・・・(そもそも初めから終わらんと思っとったし・・・)」
ひふみ「分かった!」
ゆん「え?」
ひふみ「画面見てて思ったけど、あんまり便利なショートカット持ってないでしょ?私がよく使ってるのあげるね。」
ゆん「は、はぁ。ありがとうございます・・・(何やひふみ先輩・・・凹む所か真っ直ぐうちの事見てくれて・・・それやのにうちは一方的な想像で・・・)ほんまは最初から1日遅れるって分かってたんです!」
ひふみ「え?」
ゆん「せやのにうちひふみ先輩に嘘付いてもうて・・・うちを叱って下さい!」
優斗(っ!?)
ひふみ「別に・・・気にしてないよ・・・」
ゆん「うちが気になります!それでスッキリするんです・・・」
優斗(ゆんさんどうした!?)
ひふみ(叱るって・・・どうしよう・・・でも・・・そうだ!コスプレする時みたいにキャラになりきれば・・・)
キャラになりきって叱る。
ひふみ「嘘を付くなんて悪い子ね。ダメでしょ?」
そして、ゆんに顎クイをする。
ひふみ「ごめんなさいは?」
ゆん「ご・・・ごめんなひゃい・・・」
ひふみ「どうして嘘付いたの?言ってみなさい?」
ゆん「そ、それは・・・」
するとそこに。
青葉「おはようございま〜・・・え?」
大輝「おっはよー・・・ほえ?」
青葉と大輝に見られた2人はすぐに距離を取った。
ひふみ「調子に乗り過ぎた〜!」
ゆん「ただ叱ってもらってただけで~!」
大輝「いえいえお2人さん。続けてどうぞ。」
優斗「おい大輝、続けさせんな。」
その頃はじめは、しずくにアイディアを見せた。
しずく「水中では魚人の着ぐるみ、か。」
はじめ「そうです!それを着る事で水中では自由に動けて地上では動きが鈍くなる~、みたいな。」
しずく「もう少し、水の中ならではの変化は付けられないかな?」
はじめ「ですよね~・・・」
しずく「息が出来ない、動きが鈍くなる。よくある水中のハンデだよね。」
はじめ「それで魚人を出したんですよ。」
しずく「ただ、ハンデを解消してる最中にも代償がいるものだよ。」
はじめ「代償ですか?」
しずく「眼鏡で私の可愛さ半減!とかね。」
はじめ「あ!河童なら頭の皿が弱点になりますよね!」
スルーされた。
しずく「そうだね・・・でももう一押しかな?こんな風に話してると不思議とアイデアが出て来るものだよ。誰かと相談してみた?」
はじめ「いえ。これは私の仕事だし・・・」
しずく「もぉ、変な所でプライド高いなぁ。涼風君はキャラデザだし、飯島君はモンスターや動物に詳しいし、相葉君はVFXだし、秋山君はCGだし、頼る事は恥でも何でもないよ。」
そうアドバイスされたはじめは、仕事に戻る。
はじめ「でもなぁ・・・ゆんに頼っちゃうとダメな奴って思われそうだし・・・青葉ちゃんの前で頼りないとこ見せるのも・・・」
青葉「私が何か?」
はじめ「うわ~!何でもない何でもないよ~!」
青葉「そうですか。なら良いんですけど。」
はじめ「・・・あの、青葉ちゃん!後ゆん。ちょっと相談に乗ってもらって良いかな・・・」
ゆん「後ってうちはついでなん?」
はじめ「もぉ、ごめんってば。優斗さんと大輝さんもちょっと相談に乗ってもらえませんか?」
優斗「俺達にも相談?良いけど。」
大輝「良いぞはじめちゃん!力になるぜ!」
5人でアイディアを話し合う。
青葉「水の中での仕様・・・ですか。」
はじめ「うん。」
青葉「種類によっては特徴を生かしたデザインにしようかなって思ってて・・・」
魚の口から顔を出してるペコを描いた。
はじめ「な、何これ・・・」
青葉「仮ですよ仮。」
優斗「カインに入ってるカービィっぽいな。」
はじめ「でもこれじゃ手足がなくて攻撃出来ないしな・・・」
ゆん「ならシュモクザメみたいなんは?あれ目なんやけどナイフにすれば良えかも。」
青葉「成る程!強そう!そしたらフグみたいなトゲトゲも良いかもですね!」
優斗「カジキマグロの上顎を付けて、それをドリルにするのも良いかもな。」
大輝「どうせだったら背鰭を全部ノコギリにしたらどうだろう!」
優斗「ガイガンみたいだな。」
はじめ(本当だ・・・どんどんアイディアが出て来る。)
青葉「じゃあ後は巨大な鯨とか。」
クジラの絵を描いた。
ゆん「青葉ちゃん、鯨の尾ヒレは縦やのうて横やで?」
青葉「あ、そう言えば。」
はじめ「ゆんってそう言うの詳しいよね。」
ゆん「あ・・・当たり前やろ。伊達にずっとモンスターとか作ってへんし・・・」
大輝「あら^~。」
優斗「おいそこ。」
ゆん「でも代償って何やろな?」
青葉「そうですよね。攻撃方法変えただけで、意味としては魚人と変わらない気が・・・」
5人「う〜ん・・・」
はじめ「・・・あ!最初ので良かったんだよ!」
4人「え?」
はじめ「これ。」
ゆん「でもそれじゃ戦えへんやん。」
はじめ「戦わなくたって、隠れながら進むのもこのゲームスタイルじゃん?それに戦いたければ着ぐるみを脱げば良いんだよ。」
大輝「メタルギアの段ボール的な?」
はじめ「でもそうすると動きが鈍くなるし息も出来ない。一匹となら戦えてももし敵の中で囲まれてしまったら・・・」
青葉「成る程!スリルが出ますね!」
優斗「難易度高え・・・」
はじめ「そう!水の中のスリル!凄いや!こんなにすぐ解決するなんて・・・実は相談するのって格好悪いな~って思ってたんだけど。助かったよ。ありがとう!」
ゆん「何や水臭いな。」
青葉「そうですよ。」
ゆん「でも、手柄は山分けな。」
はじめ「そんな!」
青葉「うふふ。」
ゆん「冗談。冗談や。」
優斗「かなりアイディアが続出したな。」
大輝「ナイス俺達!」
早速しずくにアイディアを持って行った。
しずく「成る程!スリルが出て良いね!結構早かったね。」
はじめ「相談したらすいすいアイデアが出て来て!これなら次もやれるっすよ!」
しずく「調子に乗らなければもっと良いんだけど・・・」
数日後、青葉が悩んでいた。
青葉「う〜〜ん・・・・」
ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・そろそろ新しいデザイン来ないとキャラ班の手が空いちゃうんだけど大丈夫そう・・・?」
青葉「ごめんなさい!もう少しだけ待って下さい!」
ひふみ「何日くらい?」
青葉「それも分からなくて・・・」
キラキラした目でひふみに言う。
ひふみ「ううん。良いの。」
チョロいひふみであった。
ゆん「待て待て~!」
その後、コウに相談しに行った。
コウ「う~ん・・・確かに意地悪なおばさんだけど、ラスボスの女王様にはなぁ。」
青葉「ですよね~・・・」
コウ「青葉の中でしっかり女王様の事見えてる?描き手が一番理解してないといけない所。」
青葉「うぅ・・・」
コウ「例えばさ。こう言う感じでも・・・」
描いてる途中に止まってしまった。
コウ「止めた。私が描いて答えを出すと描けちゃうから。もうちょっと悩みな。」
青葉「分かりました・・・でも早く上げないとキャラ班のスケジュールが・・・」
コウ「なら私がモブキャラのデザインして仕事回しとくから。その間に何とかしてよ。」
青葉「え~!八神さんにそんな雑用みたいな事!」
コウ「まぁ私も初心に戻ったみたいで楽しいし良いよ。だから時間あげた分きっちり良いの上げて来いよ~。」
青葉「う・・・変なプレッシャーを・・・」
社内メッセで優斗と会話する大輝。
大輝『コウさん、青葉ちゃんを悩ませてるな。』
優斗『あれがコウさんの良い所だ。ああやって後輩に悩ませてあげるのも教育の1つだからな。良い上司だよ。』
青葉「う〜〜ん・・・・」
りん「調子はどう?」
青葉「遠山さん。」
りん「あ、この下の女王様これから会う取引先の人にちょっと似てるわ。」
青葉「え!?怖い人なんですか?」
りん「ちょっとね。でも話してると案外良い人だったりするのよ。」
青葉「へぇ〜。」
りん「青葉ちゃんはこの女王様の事好き?」
青葉「そうですね・・・主人公のペコ以外で唯一の人間のキャラでぬいぐるみ達に恐怖政治を敷いてるんですよね。何でそんな事をするんだろうって・・・あ!良さが分からないからデザインも中々固まらないのかも!」
りん「そうかもね。」
青葉「私なりに楽しめる好きなポイントを見付けたいと思います!まずは女王様の事をよく知ろう!」
最初にしずくに相談する。
青葉「葉月さん、お疲れ様です。」
しずく「お疲れ様。どうしたんだい?」
青葉「ラスボスの女王様の事をもっとよく知りたくて・・・今ってお時間大丈夫ですか?」
しずく「構わないよ。」
青葉「この女王様って生まれはやっぱり人間の世界なんですか?」
しずく「そうだね・・・ペコと同じ現代のヨーロッパ地方の人かな。」
青葉「ペコと同じでぬいぐるみの世界へ1人で?」
しずく「今考えてる途中なんだけど、案外この女王様が作り出した世界なのかも。辛い事があったのか、女王様は自分の殻に閉じこもって自分だけ人間と言う状況の中で孤独を感じてるはずさ。」
青葉「孤独・・・寂しくて周りにつらく当たってるって事ですか?」
しずく「人に優しくする余裕がないのは確かだね。お城に閉じこもって逆らえないぬいぐるみ達に、ああでもないこうでもないと我儘の毎日さ。」
青葉「同じ人間のペコに出会って、仲良くしたいとは思うんですかね?」
しずく「でも仲良くなる方法が分からなくて意地悪しちゃうのかも。」
青葉「何だか子供みたいですね。」
しずく「おお良いね!いっそ子供にしちゃおうか。」
青葉「え!?大人じゃなくても良かったんですか?」
しずく「うん。良い案なら合わせるよ。そうだな・・・女王様はとある街に住む病弱な女の子。部屋の中は大好きなぬいぐるみだらけ。そんな彼女の作り出した世界にペコは迷い込んでしまう。」
青葉「どうして迷い込んだんですか?」
しずく「女の子を心配した一匹のぬいぐるみが手引きしたのかも。ぬいぐるみ達は女王様が大好きだけど同時に心配もしている。でも自分達じゃ女王様の孤独は癒せない。ぬいぐるみだから・・・」
青葉「ペコに友達になって欲しい!」
しずく「そう!そしてペコは女王様の心を癒す存在になるんだ。」
青葉「成る程!ありがとうございます!」
しずく「八神は1人でデザインしてしまうけど涼風君は涼風君なりに答えの導き方を模索していけば良いんだよ。」
戻って再び考える。
青葉「う~ん。病弱な女の子か・・・寂しくていじけてるなんて助けてあげたいなぁ・・・この子割と好きかも!」
アイディアが浮かんだ。
そして後日。
青葉「出来ました!」
コウ「結構時間掛かったなぁ・・・」
青葉「ほんとごめんなさい・・・」
コウ「でも、良いの描けたじゃん!」
高評価を得た青葉。
青葉「ありがとうございます!所で八神さんだったらどんなのにしてたんですか?」
コウ「私?そうだな・・・私だったら・・・こんな感じ?」
あっさり描き上げた。
青葉「な・・・なんでそんなさらさらっと一瞬で良いの描くんですか・・・嫌味ですか?」
コウ「そっちが聞いて来たんだろ!」
大輝「コウさんも相変わらずですね。」
コウ「大輝!!」
優斗「お前少し弁えろボケ。」
大輝「あばす!」
戻った青葉はがっかりしていた。
青葉「やっぱり八神さんにはまだまだ敵わないなぁ・・・」
するとスマホが振動した。LINEを見ると、1人の少女の写真とメールが来ていた。
青葉「ほたるん!」
ほたるんとは、本名『星川ほたる』。青葉の高校時代の親友である。
りん「ただいま~。あら。嬉しそうだけどデザイン通ったの?」
青葉「ああいえ、デザインもですけど同じ高校だった友達が留学から帰って来るみたいで。」
りん「留学?凄いわね!何処?」
青葉「フランスです!そうだ、写真もあって・・・これ!卒業式の写真です!」
その写真には、青葉とねねとほたると先生が写っていた。
りん「あら!皆可愛い!」
青葉「凄く絵が上手いんですよ。私に絵の基礎とか色々教えてくれた友達の・・・」
中には、ほたるが青葉の頬にキスしてる写真もあった。
青葉「わ~違います!フランスの挨拶みたいでその時巫山戯て撮ってしまって~!」
数日後の休日、青葉はねねとほたると一緒に旅館に来て、露天風呂に入ってる。青葉はほたるにこの前の事を話した。
青葉「・・・と言った感じで上司にキスされてる写真を見られてしまってさ~・・・はぁ・・・」
ほたる「恥ずかしくないし慣れれば普通だよ。こんな風に〜。」
そう言って、青葉の頬にキスした。
青葉「突然止めてよ!!」
ほたる「えへへへ。ん?ねねっち大人しいね。」
ねね「え?いや・・・だって・・・」
すると今度は、ねねにもキスした。
ねね「お・・・面白がってるでしょ!」
ほたる「異文化コミュニケーションだよ~。」
ねね「でも、裸でキスって~・・・」
ほたる「そ・・・そうだったね。ごめん・・・」
それを見ていた青葉に、また小悪魔モードが発動した。
青葉「あ~。裸だとほたるん恥ずかしいんだ~。」
ほたる「え?」
青葉「仕返し!!」
ほたる「きゃああああああ!!!」
ねね(凄い・・・相手の弱みを見付けるや否や攻めに回るあおっち・・・恐ろしい子!)
小悪魔青葉を見て、恐ろしい子と確信したねねだった。
青葉「ねねっちぃ〜?」
ねね「そ・・・そう言う事って無理矢理するのは犯罪なんだよ!」
青葉「挨拶だから良いんだよ!」
ねね「きゃあああ!!そ・・・そしたら私だって~!」
青葉「や、変なとこ触らないでよ!」
ねね「スキンシップです~!」
そしてほたるは逆上せてしまっていた。
ねね「ん?」
青葉「え?」
逆上せたほたるが湯の中に沈んでしまった。
青葉・ねね「ああ!!ほたるん逆上せる〜〜〜!!」
すぐに上がって、ほたるを部屋まで運んだ。ねねは買い物に出掛けてる。
青葉「大丈夫?」
ほたる「相変わらずだね私・・・」
青葉「ごめんね、調子に乗って。」
ほたる「変わらないね。2人の笑顔を見てると高校の頃思い出すよ。」
青葉「もう1年だもんね・・・色んな事があったなぁ。」
ほたる「ねねっちは今もあおっちの会社でアルバイトしてるの?」
青葉「もうやってないよ。でもねねっちは自分のやりたい事を見付けるべきだと思う。私の心配じゃなく・・・」
ほたる「大丈夫だよ。ねねっちなら。」
青葉「そうかなぁ?」
ほたる「会社は楽しい?」
青葉「楽しいよ。会社の人達は皆良い人だし大変な事も沢山あるけどそれも含めて楽しいよ。ほたるんと美大に行ってても楽しかったかもしれないけど。」
ほたる「何言ってんだか。絶対後悔してたよあおっち。」
青葉「うん。そうかも。」
ほたる「安心した。あおっちが後悔してなくて。前に進めて。」
青葉「ほたるんは何時も優しいね~。私がほたるんだったら素直に応援出来てないかも。」
ほたる「そんな事ないよ。」
青葉「私・・・私ね。高校の時の夢叶ったんだ。でもその夢が叶ったと思ったら、そこから階段がまだまだ続いてて。」
ほたる「上れそう?」
青葉「上るよ。でも前に見てたものは憧れだけでもっと朧気で。それこそ夢って感じだったんだけど・・・今ははっきりしてるんだ。」
ほたる「目標って感じ?」
青葉「そう!そんな感じ!まあ、私の上司を見ていると、その目標が遠くなるって感じで・・・」
するとそこに、買い物に出掛けたねねが戻って来た。
ねね「ただいま~。じゃ~ん。コンビニでアイス買って来たよ!」
青葉「さっき食べたばっかじゃん。太るよ~。」
ねね「だって美味しそう・・・あ!ほたるんさっきまで逆上せてたから冷たい物が欲しいかな~って思って。」
青葉「え〜?怪しい。後付けでしょそれ。」
ねね「後付けじゃないし!」
ほたる「うふふふふ。あはははは!」
青葉「ちょっとほたるん!?」
ほたる「丁度食べたいと思ってたんだ。」
ねね「ほたるん優しい!はいどうぞ。」
ほたる「ありがとう。」
ねね「じゃああおっちは太るからいらないね~。」
青葉「え!ちょそれはずるい!」
ねね「ずるくないです〜!」
この3人は今でもとっても仲良しであった。
「END」
キャスト
涼風青葉:高田憂希
相葉優斗:石井マーク
秋山大輝:下野紘
八神コウ:日笠陽子
遠山りん:茅野愛衣
滝本ひふみ:山口愛
篠田はじめ:戸田めぐみ
飯島ゆん:竹尾歩美
桜ねね:朝日奈丸佳
葉月しずく:喜多村英梨
星川ほたる:石見舞菜香
れん:松田利冴
みう:川上千尋
ほたる「憧れは夢に、夢は目標に。あおっちの次の目標は何?」
青葉「今のゲームで、沢山良いデザインを描く事かな?そして、今の八神さんみたいに立派なキャラクターデザイナーになる事が、今の私の夢。」
ほたる「あおっちなら、きっとそれも目標に出来るよ!そして何時か叶う。」
青葉「うん!私頑張るよ!」
次回「あぁ・・・すごいなあ・・・」
感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。