NEW GAME! LEVEL UP!!   作:naogran

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ある日のイーグルジャンプの女子トイレ。

はじめ(AM10時、イーグルジャンプ社員業務開始。ムーンレンジャーファイナルライブ一般チケット販売・・・開始!!)

10時になったと同時にムーンレンジャーファイナルライブの一般チケット販売が開始された。はじめが女子トイレ内でスマホを操作してチケット入手を開始した。

はじめ(ぬお~!獲得してみせる~!)


17話「この・・・にぶちんめ!」

ムーンレンジャー。それは、女児向けとして始まったアニメだったが、その出来の良さから大人からの支持も獲得。劇中歌の評価も高く、ライブも盛況を収める程の大人気魔法少女アニメである。

 

はじめ(先行抽選は落ちてしまった・・・だからここで・・・ここで獲得しないともうチャンスが無い!)

 

しかしアクセス集中でサーバーが落ちてしまった。

 

はじめ(な~!チケット販売サイトが落ちた!最初の頃は小さい箱で平和だったのになぁ・・・それも1年半前の事か・・・2年半続いたムーンレンジャーも3月で終了。でも4月からは主人公の交代で新スタート。悲しい気持ちもあり嬉しい気持ちも・・・でも初代レジェンドを応援出来るのもこれが最後なんだ!だから繋がって!繋がってくれ~!)

 

 

 

 

 

 

それから30分後。ゆんがトイレから出ようとしたその時。

 

はじめ「な~!販売終了してる~!?」

 

突然のはじめの大声を聞いてびっくりした。はじめが個室のドアを開けた。

 

ゆん「サボってたん?」

 

はじめ「こ・・・これには事情が・・・」

 

ゆん「ふーん。やっぱりサボってたんや。皆は働いとるのに何考えとるん?」

 

はじめ「分かってるよ・・・その分お昼休みを削るつもりだったし・・・」

 

ゆん「なら良えけど。うちやのうて八神さんとかやったらもっと怒られとったんやで?」

 

はじめ「うん・・・」

 

ゆん「ほんま気い付けや〜。」

 

はじめ「ごめん・・・」

 

ゆんに怒られながら仕事へ戻る。先程の会話を聞いた人物が、はじめが入ってた個室の隣に居た。ひふみだった。

 

 

 

 

 

 

そしてお昼になった。

 

しずく「もずく、さぁランチタイムだ。遠慮無く食べたまえ。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

餌をパクパク食べるもずく。

 

 

 

 

 

 

その頃優斗はカフェで弁当を食べていた。大輝は今日外食すると言って居なかった。するとスマホが振動した。

 

優斗「ん?」

 

メールを見ると、優斗が唖然とした。

 

優斗「え?」

 

 

 

 

 

 

その頃キャラ班のブースには、はじめとひふみが残ってる仕事をしていた。

 

ひふみ「はじめちゃん。」

 

はじめ「ん?何ですかひふみ先輩?」

 

ひふみ「トイレでのゆんちゃんとの話聞いてたんだけど・・・」

 

はじめ「はっ!ごめんなさい!どうしても我慢出来なくて!」

 

ひふみ「いや・・・そうじゃなくて・・・実は私も同じ事してて・・・ソロ席だけど・・・取れたんだ。夜の部のチケット。」

 

あの時ひふみがトイレに居たのは、はじめと同じチケットを入手する為だった。チケットが取れた事を話した。するとはじめから、『いいないいないいな』のオーラが溢れ出た。

 

ひふみ「それでね・・・私よりムーンレンジャー好きそうだしチケット・・・譲って・・・あげようかなって・・・」

 

今度は『ほしいほしいほしい』のオーラが溢れ出た。

 

はじめ「い・・・いやダメです!ひふみ先輩が当てたんだからひふみ先輩が行くべきです!本当は凄く行きたいですけど・・・ひふみ先輩だって好きで取ったんですから・・・ムーンレンジャーを応援する気持ちは私と一緒ですよ!だから・・・私の分も応援してあげて下さい!」

 

ひふみ「わ、分かった・・・」

 

はじめ「お気持ちだけ貰っておきます・・・すみません・・・」

 

チケットが欲しいと言う欲を抑えたはじめは、まさにファンの鑑である。

 

 

 

 

 

 

ゆん「はい。食べんと夜まで持たんやろ。腹に入れときや。」

 

コンビニのサンドイッチをはじめのデスクに置いた。

 

はじめ「ありがとう・・・」

 

ゆん「全く世話が掛かるんやから。子供みたいや。それとな・・・昼間開催の子供同伴のチケットもあるで。弟と妹のれんとみうもな、ムーンレンジャー好きでライブ取っておとんと4人で行くつもりやったんやけど、おとん元々そう言うのあんま興味ないから聞いてみたら譲ってくれるって。あの光る棒みたいなの?とか振っちゃあかんライブやけどそれで、良ければ行かへん?」

 

天の恵みが舞い降りた。

 

はじめ「ゆん大好き~!」

 

嬉しくなったはじめがゆんに抱き付いた。抱き付かれたゆんが顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

後日の東京ドームシティホール前。ゆんと弟と妹のれんとみうがはじめを待っていた。するとそこに。

 

はじめ「お待たせーー!!」

 

れん「あ!はじめお姉ちゃん!」

 

みう「久し振りー!」

 

久し振りに会えたみうを高い高いした。

 

はじめ「おう久し振りー!小学校入学おめでとー!」

 

れん「僕も僕も!」

 

はじめ「メガ粒子レクイエム〜・・・」

 

はじめ・れん・みう「シュート!!」

 

ゆん(子供が3人居る・・・)

 

???「あれ?ゆんちゃんはじめちゃん?」

 

はじめ「ん?あ!優斗さん美佳さん!奈々ちゃんも!」

 

そこに、優斗と美佳と奈々の相葉家一家が来た。

 

ゆん「奇遇ですね。」

 

美佳「何何?ゆんちゃん達もムーンレンジャーのファイナルライブ観に来たの?」

 

ゆん「そうなんです。弟と妹とはじめと一緒に。」

 

れん「優斗お兄ちゃん美佳お姉ちゃん久し振りー!」

 

みう「久し振りー!」

 

優斗「れん君久し振りだね。」

 

れんを持ち上げる優斗。

 

美佳「久し振り〜みうちゃん!お兄ちゃんとお姉ちゃんの結婚式以来だね。」

 

みうを撫でる美佳。

 

はじめ「優斗さんと美佳さんと奈々ちゃんもムーンレンジャーを?」

 

優斗「そうなんだよ。美佳さんが子供同伴のチケット取れたから観に行こうってメールが来たんだ。」

 

美佳「ラス1取れちゃったの。ラッキー!」

 

優斗「おっ、そろそろ始まるな。早く行こう?」

 

 

 

 

 

 

東京ドームシティホールに入る。れんとみうはパンフレットを見てる。はじめは興奮している。

 

ゆん「大人は立っちゃあかんのやからな?」

 

はじめ「うっ、分かってるって・・・」

 

美佳「奈々も思いっ切り応援しようね?」

 

するとステージのスポットライトが光った。

 

れん「あ!始まるよ!」

 

ゆん「あ、こら!」

 

ムーンレンジャー1「皆~!今日はありがと~!メガ粒子レクイエム〜・・・」

 

子供達「シュート!」

 

ムーンレンジャー2「皆ありがとう!それじゃ早速1曲目、いっちゃうよ!」

 

劇中歌や主題歌のライブは大盛り上がり。

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり、ライブが終了した。

 

はじめ「あぁ・・・1年ちょっと前はどきどきしながら歌ってたのに今はあんなに立派になって・・・そしてこうして次の世代にバトンを渡す所まで見られるなんて・・・感動~!」

 

優斗「はじめさんご機嫌上昇だね。」

 

ゆん「そんなに喜んでくれたなら誘った甲斐もあったわ。」

 

はじめ「ありがとう!やっぱりゆん大好き!」

 

ゆん「っ!?・・・か、感謝しいや!」

 

美佳「あの2人、結構良い雰囲気あるね〜。」

 

優斗「美佳さん百合に目覚めたの?」

 

 

 

 

 

 

そしてファイナルライブ夜の部。

 

ひふみ「よし!やったるで!」

 

今日のひふみはガチモード。するとその時。

 

???「あれ?ひふみ先輩?」

 

ひふみ「っ!?・・・青葉ちゃん!?ねねちゃん!?大輝君!?」

 

偶然にも青葉とねねと大輝とばったり会った。

 

大輝「ヤッホーひふみちゃん!」

 

青葉「偶然ですね!」

 

ねね「当てたんですか!?あの熾烈な争いを!」

 

 

 

 

 

 

ライブの客席に座る。しかも4人全員隣同士。

 

青葉「ってごめんなさい・・・プライベートの邪魔しちゃって・・・しかも席まで隣なんて。」

 

大輝「ごめんねひふみちゃん。」

 

ひふみ「そ、そんな事無いけど・・・」

 

ねね「でもせっかくだし一緒に楽しみましょう。おー!」

 

大輝「おー!!」

 

ひふみ「お、おー!」

 

 

 

 

 

 

そして翌日のイーグルジャンプ。青葉達がカフェで昼食を食べていた。

 

はじめ「いやぁ〜楽しかった〜!ライブ最高だった〜!」

 

大輝「はじめちゃん元気になったね〜。」

 

青葉「私も楽しかったです!ねねっちが誘ってくれたお陰です!」

 

はじめ「私はゆんのお陰!ね〜!」

 

ゆんの頬をスリスリするはじめ。

 

優斗「ちょっとはじめさん・・・」

 

ゆん「もうええって・・・ライブの時はひふみ先輩盛り上がってたん?」

 

青葉「そうですね〜・・・はい!結構盛り上がってました!」

 

ゆん・はじめ「へ〜。」

 

大輝「あんなに盛り上がるひふみちゃん初めて見たな〜。」

 

優斗「にしてもお前、何時の間にチケット取れたんだ?サーバー落ちたはずだろ?」

 

大輝「サーバー落ちたけど、回復したらラス1で取れたんだ。幸運の女神が俺に味方してくれたんだ。」

 

 

 

 

 

 

その頃キャラ班のブースでは。

 

コウ「く~まくまくまくまったな~♪」

 

謎の歌を歌いながらコウが仕事をしていた。すると後ろに立ってるひふみに気付いた。

 

ひふみ「あっ!」

 

びっくりして持ち場に戻った。

 

コウ(まぁひふみんの事だ・・・目が合った事にびっくりして目を逸らしただけだろ・・・)

 

ひふみ(どうしよう・・・変に・・・思われてしまったかも・・・)

 

時間を見ると、まだ昼休憩。コウとひふみは黙々と作業を進める。

 

ひふみ・コウ(話し掛けづらい。)

 

元コミュ障とコミュ障の2人。

 

コウ(でもな~・・・なんで笑ってたんだろ。気になる~・・・あ、メッセなら!)

 

早速社内メッセをひふみに送信した。

 

コウ『なに?』

 

ひふみ(お・・・怒ってる!?)

 

怒られてると勘違いした。

 

ひふみ『いやいや〜、たまたま目が合っただけでござるよ!すみませぬ〜(;^_^A』

 

コウ『ならいいんだけど・・・なんか笑ってたから気になって』

 

ひふみ『あ〜!それは、コウちゃんが笑顔でお仕事してたからだよ〜』

 

コウ『え?笑ってた私?』

 

ひふみ『うん、キュートスマイルであった╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ!』

 

それを見たコウが吹いた。

 

コウ「ひふみん!」

 

ひふみ「な、何!?」

 

コウ「いや、何って訳じゃないんだけど、珍しかった?笑ってるの・・・」

 

ひふみ「ううん・・・最近はよく笑ってるよ。コウちゃん昔は仕事中ずっと真剣な顔で仕事してたから安心する。」

 

コウ「別に昔だって笑う事あったって~!」

 

ひふみ「ええ〜!?」

 

コウ「でもさっきはひふみん達から上がってきたキャラモデルが良さげだったからそれで笑ってたのかもね・・・」

 

ひふみ「ありがとう・・・」

 

笑顔でお礼を言う。

 

コウ「あ~!ひふみんだって笑うようになったじゃん!表情筋が柔らかくなったんじゃないの~?」

 

ひふみの頬を引っ張る。

 

 

 

 

そんな2人を覗いてる人物が居た。りんだった。

 

りん(何事!?)

 

優斗「〜♪ん?」

 

口笛吹きながらカフェから戻ろうとした優斗が見たのは、コウとひふみの話し合いを見て戸惑ってるりんだった。

 

りん(いやいや待って!ただお話してるだけだわ!でもこの間ひふみちゃんの肉じゃが美味しいって言ってたしコウちゃん・・・あ~!コウちゃんが周りと仲良くなれるようになってきた事が素直に喜べない私が悲しい!)

 

優斗「りんさん?」

 

りん「っ!?ゆ、優斗君?」

 

優斗「何やってるんですか?こんな所で。険しい顔してましたけど。」

 

りん「い、いえ、何も無いわよ〜?」

 

優斗「?」

 

目を逸らしながらキャラ班ブースへ向かった。優斗も向かった。

 

 

 

 

りん「あら~。2人だけで話してるなんて珍しいわね。どうしたの?」

 

コウ「え〜?いいじゃん何だって~。2人だけの秘密だよ。ね?ひふみん。」

 

ひふみ「え?う、うん・・・」

 

りん「あらあら。それは妬けちゃうわ。お邪魔だったみたいね~。」

 

ひふみ(何かまずい空気を感じる・・・人の顔色を伺うひふみの鋭い観察眼が自身に訴え掛けた!)

 

その空気を感じた人物はもう1人居た。

 

優斗(りんさんから邪悪、もしくは嫉妬のオーラを感じた優斗だった・・・)

 

りん「私は退散するから続けてどうぞ。」

 

優斗は戻る途中こっそりひふみに頷いた。ひふみも優斗を見てこっそり頷いた。

 

コウ「もぉ、何怒ってるんだか。」

 

ひふみ(そうそう気付いてコウちゃん!りんちゃんの気持ちに・・・)

 

コウ「そうだ!この間の肉じゃが本当に美味しかったんだけどもう作らないの?」

 

ひふみ「っ!(ひふみは知っていた・・・長年2人の関係が全く進展しない理由を・・・コウの鈍感さを・・・)りんちゃんに・・・作って・・・もらえば?」

 

コウ「まぁ確かにりんの肉じゃがは美味しいよ。」

 

ひふみ「うんうん!」

 

優斗(りんさんが元気になった。)

 

コウ「でもやっぱりひふみんのも美味しかったから忘れられなくて。」

 

優斗(りんさんからどす黒いオーラが・・・!!)

 

ひふみ・優斗(この・・・にぶちんめ!)

 

そこでひふみはある行動を取った。

 

ひふみ「えっと・・・その・・・作り方のメモ、無くしちゃって・・・もう・・・無理・・・」

 

コウ「そっか〜残念・・・美味しかったのにな〜。」

 

仕事場へ戻って行った。

 

ひふみ(りんちゃんに肉じゃがのレシピを教えておこう・・・)

 

社内メッセを送った。するとすぐに返信が来た。

 

りん『気にしてないわよ別に?』

 

ひふみが暗い顔をした。

 

りん『でも、参考にさせてもらうわありがとう。』

 

ひふみ『はい、是非に〜ヽ(◯´w`◯)ノ愛情がこもってた方が絶対に美味しいですよ!!』

 

りん『そうね。あ、ところで・・・さっき何の話をしてたの?』

 

ひふみ(何もしてないよ~!)『お互いに表情筋が柔らかくなってきたね〜って話してましたヽ( ゚ω ゚)ノ』(そのままだけど、大丈夫かな?)

 

りん『そうよね〜。2人とも頑張ってると思うわ。応援してるね!』

 

ひふみ(あ~・・・解決した・・・やった~・・・)

 

ようやく解決した。引き出しに仕舞ってあった枕を取り出す。

 

ひふみ(人付き合いってなんて大変なんだ・・・それでも今日は頑張れたぞ私・・・でもその分疲れちゃった・・・少し寝よう・・・)

 

そして寝始めた。だがしかし。

 

うみこ「滝本さん。」

 

ひふみ「はっ!ごごごごめんなさい寝てて・・・」

 

うみこ「いえ・・・まだ昼休みが終わるまで5分あるので良いんじゃないでしょうか。こちらこそ起こしてすいません。携帯が落ちてましたよ。」

 

落ちてたひふみのスマホを渡した。

 

ひふみ「あ、ありがとうございます・・・」

 

うみこ「寝不足ですか?睡眠はとても大事です。寝不足は仕事にも影響しますし、何より健康に良くありません。」

 

ひふみ(うあ~!1人になりたい~!)

 

その後昼休みが終わるまでうみこの話を聞いてしまったひふみであった。

 

 

 

 

 

 

数日後、青葉がプロトタイプをプレイしている。

 

青葉『不思議の国に迷い込んでしまった少女。そこに住む生き物はなんとぬいぐるみ!生きねば!後ろから忍び寄りえいっ!ちょっきんちょっきん!ぬいぐるみは着ぐるみに!それを着た少女はぬいぐるみの中へ紛れ込んでしまう。隠れながら邪魔な敵を倒しこの世界の謎を解き明かそう!』

 

敵のぬいぐるみを脅かして、すぐにぬいぐるみに姿を変える。

 

青葉「これ繰り返してるだけで楽しー!」

 

コウ「呑気そうだけど、今日プロトタイプ版の提出日だからな。」

 

青葉「分かってますよ・・・」

 

大輝「遂に今日プロトタイプの提出日か〜。やっとここまで来れたな〜。」

 

優斗「しかしさっきのぬいぐるみめっちゃ可哀想だったな。カービィでもあんなサイコ的な事しねえと思うが。ってか可愛い絵なのに中身バイオレンスだな。」

 

大輝「これぞまさに、あクマ!」

 

優斗「・・・・・・・・」

 

大輝「どうした優斗?」

 

優斗「お前もう黙っとけ。」

 

青葉「でもこれが通らなかったら開発も中止なんですよね・・・」

 

コウ「まぁ出資元から資金が止まる訳だからね。」

 

青葉「良かったんでしょうか・・・私がキャラデザで・・・やっぱり八神さんの方が有名だし、実力も・・・」

 

ゆん「なんや青葉ちゃんがそんな弱気やったら付き合ってるうちらばかみたいやん。冗談半分やけど・・・せやから気持ち分かるけど自信持ちや!」

 

青葉「ゆんさん・・・!」

 

ひふみ「私も・・・大丈夫だと思うよ!」

 

青葉「ひふみ先輩・・・!」

 

優斗「だから青葉さん、自信を持てば勇気が付くよ。俺達はエフェクト班だけど、応援してるよ。」

 

大輝「俺も応援してるから頑張って青葉ちゃん!」

 

青葉「優斗さん・・・大輝さん・・・」

 

コウ「じゃあちょうど良いし、プロトタイプ版前最後のキャラ班会議やっちゃうか!」

 

青葉・ゆん・ひふみ「はい!」

 

はじめ「は~・・・なんで私キャラ班じゃなかったんだろう・・・」

 

青葉「いや別に仲間外れとか思わないで下さい!」

 

はじめ「うん分かってる続けて続けて。」

 

青葉「はい・・・」

 

優斗「じゃあ大輝、仕事に戻るか。」

 

大輝「よっしゃ!」

 

青葉「え~進捗ですが、提出用の資料画像の修正やレタッチも後少しで終わりそうなので大丈夫です。」

 

ゆん「モデルのエラー系統も概ね取り除いてあります。」

 

ひふみ「今出来る範囲でモデルのクオリティを上げ続けてます。」

 

しずく「キャラ班は順調そうだね。」

 

そこにしずくが顔を出した。

 

青葉「葉月さん・・・ってどうしたんですか!?」

 

額に包帯が巻かれてあった。

 

しずく「これ?名誉の負傷・・・と言った所かな?」

 

優斗(名誉の負傷って・・・デコピン喰らったのか・・・)

 

大輝(うみこさんのデコピンがそんなに痛いのか・・・?)

 

じずく「これでゲームが良くなるなら安い物だよってね。そうそう八神。」

 

コウ「はい?」

 

じずく「終わったらちょっと滝本君とちょっと会議室まで来てくれるかな?例の件。」

 

コウ「ああ、はい。」

 

 

 

 

 

 

そしてその数分後。汗だくのうみこが来た。

 

うみこ「お疲れ様です・・・葉月さん見ませんでしたか・・・?」

 

青葉「さっき会議室に・・・ってお疲れですね。」

 

うみこ「ええ・・・仕様変更をデコピン程度で許した私が甘かったのです!」

 

青葉「あ、成る程・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃会議室では。

 

しずく「忙しい時にすまないね。滝本君に1つお願いがあって。」

 

ひふみ「は、はぁ・・・」

 

しずく「以前にも一度聞いたけど八神に代わってキャラリーダーやってみる気はないかい?」

 

ひふみ「私が・・・ですか?」

 

しずく「良かった・・・取り敢えず固まらないでくれて。」

 

コウ「前回何があったんですか!」

 

この前の開発の感想で、ひふみにキャラリーダーを指名したが、ひふみが固まってしまった事に不安を持っていた。

 

ひふみ「私なんかがやって・・・良いんでしょうか・・・」

 

しずく「実力は十分だよ。現に今メインのキャラモデルを作っているのは滝本君だろ?それに現状の困った時は何でも八神に任せてしまっている部分は直していきたいんだ。将来のチームの為にもね。そして滝本君が、コミュニケーションに苦手意識を持っている事もそれが日々良くなっている事も分かっている。」

 

ひふみ「・・・私青葉ちゃんみたいに大きな夢を持っている訳でもないしゆんちゃんみたいにしっかりしてないし。でも2人共優しいから付いて来てくれるとは・・・思います。だけどそんな不甲斐ないリーダーじゃ何と言うか・・・皆をがっかりさせて・・・しまいます・・・」

 

コウ「私だって自分の事何時も、駄目だな~って思ってるよ。それにひふみんも見てるでしょ?前に私がADを降りた時の・・・皆をがっかりさせちゃった時の事・・・だから今皆が付いて来てくれる事がそれだけで嬉しくて・・・その分皆の事も信じようと思ってるんだ・・・私はひふみんに何があってもがっかりしないよ!私を・・・信じてほしい!」

 

ひふみ「・・・・・・」

 

コウ「ってごめん・・・嫌なのに無理強いしちゃダメだよね・・・」

 

ひふみ「ううん・・・コウちゃんが頑張って来たのは知ってるよ。これでもずっと傍で見て来たから。だから・・・分かった!コウちゃんの言葉を信じてみようと思う!」

 

コウ「良かった・・・ありがとう。」

 

遂にひふみは、キャラリーダーになる事を決意したのだった。

 

しずく「別に私はここに居なくても良かったくらいだったね。さぁ、まずは滝本君の決断を無駄にしない為にもまずはプロトタイプ版を通さないと。」

 

コウ「まぁ実際やってみてもしきつかったら変わってあげるから。」

 

しずく「心配しなくても立場が人を変えるって事もあるものだよ。」

 

ドアを開けて会議室から出ようとしたが。

 

 

 

 

うみこ「立場?まず自分が弁えては?」

 

 

 

 

しずく「うわああ!?」

 

待ち伏せしていたうみこに見付かってしまった。

 

しずく「やぁうみこ君・・・どうしたのかな?あは、あはは・・・」

 

動揺するしずくの腕を強く掴んだ。

 

うみこ「どうしたのかな?ふっ、分かってるでしょ?プログラマーの皆が待ってます。早く来て下さい。」

 

しずく「ちょ・・・!もうデコピンは許して~!」

 

ひふみ「うみこさんとも・・・会議とかで・・・話すの・・・?」

 

コウ「ま、まぁね・・・でも真面目な人には優しいよ?」

 

その後強烈なデコピンを喰らったしずくであった。

 

ひふみ「どどどどどうしよう・・・・・・」

 

コウ「大丈夫だって。」

 

 

 

 

 

 

それから数日後。

 

クリスティーナ「大和です。皆さんプロトタイプ版の制作お疲れ様でした。」

 

青葉「あの人たまに見ますけど・・・」

 

ゆん「出資会社のプロデューサーや。」

 

優斗「名前は大和・クリスティーナ・和子さん。」

 

大輝「チームで1番偉いお方だ。」

 

クリスティーナ「弊社で製品を評価した結果ですが・・・」

 

全員に緊張が走る。評価の結果は。

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「とても高評価でした。」

 

 

 

 

 

 

高評価を得た。

 

クリスティーナ「この調子で気を引き締めてまずはα版まで頑張りましょう。」

 

はじめ「ふぅ〜・・・」

 

コウ「取り敢えずはホッとしたな。」

 

大輝「よっしゃラッキー!」

 

優斗「あ〜緊張した〜・・・」

 

青葉「やったー!」

 

ゆん「まあ当然やって!」

 

ひふみ「青葉ちゃん、ゆんちゃん!これからキャラリーダーとしても宜しく・・・」

 

青葉「勿論です!」

 

ゆん「はい!宜しくお願いします!」

 

ひふみ「うん!」

 

こうしてプロトタイプが高評価を得た。そしてひふみはキャラリーダーとして頑張っていくのであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
クリスティーナ・和子:名塚佳織
        れん:松田利冴
        みう:川上千尋
 ムーンレンジャー1:山村響
 ムーンレンジャー2:藤田咲

はじめ「う〜〜ん・・・・」

ゆん「何やはじめ?企画の仕事をやるようになってから頭抱えてる事多いな。」

はじめ「そうなんだよ〜、アイディア業なんだからね〜・・・思い付かないと始まらないし遅れっ放しだよ〜・・・」

ゆん「お疲れさん。まぁうちも遅れ気味やけど・・・」

はじめ「でも、キャラ班のリーダーってひふみ先輩になったんでしょ?優しそうで羨ましいよ〜!」

ゆん「逆に何しても遅れても怒ってくれなさそうで、ひふみ先輩大丈夫なんかな〜?」

はじめ「そうかな〜?普段怒らない人程、怒る時怖いって言うから〜。案外ひふみ先輩も〜!」

ゆん「そ、それはそれで嫌やな・・・」

はじめ「我儘だな〜!」

次回「や、変なとこ触らないでよ!」

はじめ「体に教え込むタイプ?」

ゆん「それはちょっとゾクゾクするな・・・」

はじめ「え?」

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