NEW GAME! LEVEL UP!!   作:naogran

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それは、青葉とはじめとゆん、更に優斗と大輝がイーグルジャンプに入社する前の事だった。イーグルジャンプでキャラコンペが開催されてた。

しずく「っ!」

ディレクターの葉月しずくが、1つの新規プロジェクトを見て驚いた。それと同時に、1人の女性社員もピクッと反応した。しずくは微笑んで企画書を拝見した。

しずく「これ、書いたの誰?」

すると、1人の女性社員が名乗り出た。

コウ「私です。」

当時新人だった八神コウだ。

しずく「先月入社したばかりの八神コウかぁ・・・うん。決めた。八神君に新作のキャラクターデザインを担当してもらうよ。」

彼女は入社僅か1ヶ月でキャラクターデザイナーに抜擢された。これが、八神コウがキャラクターデザイナーになった切っ掛けだった。


15話「これじゃあただのコスプレだにゃー!」

そして現在のイーグルジャンプでは、キャラコンペが開催間近になった。

 

青葉「とうとうキャラコンペなんですね!」

 

コウ「まずは、葉月さん達企画班が作った企画書を読んでからイメージを膨らませてね。」

 

はじめ「私のアイデアも入れてもらってるんだ~。ちょっとだけだけど。」

 

青葉「凄い!!」

 

大輝「はじめちゃん凄え!!」

 

ゆん「え?じゃあ企画班に?」

 

はじめ「ううん。モーションも続けるよ。どっちもやるんだ~。」

 

ゆん「へ、へぇ〜、凄いな〜。」

 

青葉「私も応援してます!」

 

はじめ「えへへ〜、ありがと!」

 

青葉「ダンジョンごとにステージをクリアして進行するアクションゲームかぁ・・・」

 

大輝「今回のジャンルはアクションゲームかぁ。面白そうだな!」

 

はじめ「ダンジョン内にいるモンスターや動物を吸収する事で、それぞれの特殊能力が発動するんだ!」

 

青葉「成る程〜!」

 

優斗「カービィ要素満載だな。」

 

青葉「火を囮に使って敵を一か所に集めて経験値稼ぎも出来る・・・」

 

はじめ「一網打尽の大技を繰り出す!」

 

青葉・はじめ「必殺!レッド・ファントーム!」

 

優斗「盛り上がってるなぁ・・・」

 

青葉「楽しそう!はじめさんらしいですね!」

 

ゆん「レッドファントーム?・・・あぁ!レッドファントムって熱帯魚の名前やん・・・」

 

優斗「はじめさん、ちょっと良い?」

 

はじめ「何ですか?」

 

優斗「世界観の設定が何処にも書いてないけど・・・」

 

はじめ「嘘!?」

 

ゆん「企画書の全容も把握しとらんのかぁ・・・」

 

コウ「今回は、この企画書に沿ったバトルが出来るデザインなら自由みたいだよ。」

 

青葉「それは所謂、丸投げって奴ですか!?」

 

コウ「私達を信頼してるんだよ・・・取り敢えず第一回コンペは一週間後。参加希望者は描いて来てね。」

 

青葉「はい!・・・あ・・・あの・・・八神さんもコンペに出るんですよね?」

 

コウ「勿論!」

 

意気込んで仕事へ戻って行った。

 

青葉「どんなのにしようかぁ〜?」

 

ゆん「青葉ちゃんやる気やな・・・」

 

大輝「まさかコウさんと対決とは。」

 

青葉「はい!キャラクターデザイナーはずっと憧れてたお仕事なので!」

 

優斗「目標があって良いね。」

 

ゆん「・・・でもやっぱり八神さんになるんと違う?めっちゃ上手いし。これは皆を納得させる為のコンペで・・・出来レースな気がするし・・・」

 

青葉「そうかもしれないですけど・・・駄目でも納得出来ればそれで良いですよ私は。」

 

そう意気込む青葉に、ゆんが落ち込んだ。

 

青葉「ゆんさんは出るんですか?」

 

ゆん「え?うち?うちはそんな上手くないし、落ちるの目に見えとるからやめとくわ・・・」

 

青葉「そうですか・・・ひふみ先輩は?」

 

ひふみ「私は3Dに専念したいから・・・だから・・・青葉ちゃんのデザイン、楽しみにしてる!」

 

青葉「頑張ります・・・」

 

優斗「大輝はどうすんだ?」

 

大輝「勿論参加するぜ!優斗は?」

 

優斗「俺は今回リタイアしとく。」

 

大輝「え?何でだ?」

 

優斗「今回は、青葉さんに期待してるからな。」

 

大輝「そっか。」

 

 

 

 

 

 

青葉「敵を吸収・・・動物を吸収か・・・」

 

吸収した自分を想像する。

 

犬青葉『犬を吸収して、ワンワン!』

 

牛青葉『牛を吸収して、モ〜モ〜!』

 

猫青葉『猫を吸収して、ニャンニャン!』

 

想像終了。

 

 

 

 

 

 

青葉「違〜う!これじゃあただのコスプレだにゃー!」

 

ゆん・はじめ(大丈夫だろうか・・・)

 

青葉「何も思い付かない・・・ちょっと、敵情視察して来よう!」

 

コウの様子を見に行く。

 

青葉「八神さん。調子はどうです・・・」

 

コウ「ん?」

 

デスクの上には、出来上がったデザインが大量にあった。

 

青葉「(早い・・・!)す、凄いですね・・・もうこんなに・・・」

 

コウ「伊達にずっとキャラデザしてないよ〜。」

 

青葉「ちょっと、見せてもらっても良いですか?」

 

コウ「うん。良いよ。」

 

出来上がったデザインを見る。

 

青葉(やっぱり凄いなぁ。でも今までずっと好きだったのに・・・何だろ・・・この気持ち・・・悔しい・・・)

 

悔しい気持ちが湧いてしまった。コウは不機嫌そうな顔をしていた。

 

青葉「(やっぱ、出来レースなのかな・・・ダメだ!楽しまなくっちゃ!)ありがとうございました!私も頑張らないと!」

 

コウ「お、おう・・・」

 

すると大輝が、優斗に社内メッセを送った。

 

大輝『青葉ちゃん張り切ってるようだな。』

 

優斗『そうだな。お前はどうなんだ?デザインの方は。』

 

大輝『完成したら見せてやるから待っとれや!』

 

もずく「にゃ〜お。」

 

 

 

 

 

 

翌朝。青葉と優斗がエレベーターを待ってると。

 

はじめ「おはようございます青葉ちゃん・・・優斗さん・・・」

 

眠そうなはじめが到着した。

 

優斗「お、おはようはじめさん。」

 

青葉「どうしたんですか?」

 

はじめ「・・・ああ!大丈夫!昨日ちょっと無理しちゃって・・・」

 

青葉(はじめさん、初めての企画の仕事で睡眠時間を削って・・・!)

 

大欠伸するはじめ。

 

青葉(やっぱり!)

 

はじめ(昨日、帰ってきたダンディマックス見始めたら徹夜になっちゃったんだよね~・・・)

 

 

 

 

 

 

昨日の夜、はじめが家で『帰ってきたダンディマックス』全話観ていた。

 

ダンディマックス『帰って来たぜ!皆!俺に付いて来い!』

 

 

 

 

 

 

そしてオフィスに入る。

 

はじめ(やっぱり、ダンディは情けなくて熱い所が最高なんだよな~。)

 

しかし他の皆は企画の仕事だと勘違いしてた。

 

青葉「企画の仕事で疲れてるみたいですね・・・」

 

コウ「のめり込むタイプだとは思ってたけど・・・」

 

ひふみ「はじめちゃん、企画の遅れを、頑張ってる・・・」

 

ゆん「そんな責任感あるタイプやないと思ってはいたんですけど・・・」

 

大輝「流石だよはじめちゃん。会社の鑑だ。」

 

優斗「・・・」

 

はじめ「取り敢えず、今日は乗り切ろう。」

 

すると優斗を除いた皆が驚いた。

 

 

 

 

 

 

仕事中に、はじめが寝てしまった。するとそこに。

 

コウ「はじめ。」

 

はじめ「うわああ!!はい!すいません!」

 

コウ「疲れてるなら少し仮眠とったほうが効率良いよ。」

 

はじめ「え?あ、はい・・・」

 

気遣ってくれた。今度は。

 

ひふみ「はじめちゃん。」

 

はじめ「はい?」

 

ひふみ「甘い物、食べる?」

 

はじめ「あ!ありがとうござい、うわわわわわわ!」

 

大量のチョコを貰った。

 

はじめ「ど・・・どうも・・・」

 

大輝「はじめちゃん!」

 

はじめ「はい?」

 

大輝「今日買ったプリンもあげる!栄養たっぷりだからしっかり食えよ!」

 

はじめ「あ、ありがとうございます・・・」

 

ひふみから貰ったチョコを食べる。

 

はじめ(何だか、皆が優しい・・・・はっ!わ、私の人徳パワーか!?)

 

 

 

 

 

 

そして昼になり、青葉達がエレベーターに乗る。

 

青葉「今日のお昼、何にしましょう?」

 

はじめ(なんとか午前中を乗り切った〜・・・)

 

ゆん「せやなぁ〜、今日は景気付けにトンカツ屋でも行こうか?誰かさんがお疲れみたいやし。」

 

はじめ(何時もヘルシーだのカロリーだの乙女みたいな事言ってるゆんがトンカツ屋!?)

 

青葉「一からものを作り出すのって難しいですね。使う脳みそが違うと言うか・・・何から手を付けて良いのか・・・」

 

ひふみ「新しい事に挑戦するのは大変・・・」

 

はじめ(っ!?)

 

完全に勘違いされてると確信したはじめが、顔を青くした。

 

ゆん「応援しとるで〜。」

 

そしてエレベーターが1階に着いたと同時に。

 

はじめ「あ・・・あのですね・・・今日体調悪そうに見えたのはダンディを見返し始めてしまってですね・・・寝不足なだけでして・・・あの・・・頑張ります・・・」

 

そのままエレベーターのドアが閉まった。5階に到着すると。

 

コウ「おっ!はじめ!」

 

はじめ「!?」

 

コウ「丁度はじめの話をしてた所でさ。」

 

するとりんが、はじめの方に手を置いた。

 

はじめ「ヒィッ!?」

 

りん「楽しみにしてるからね。」

 

はじめ「は・・・はい・・・頑張ります・・・」

 

その後、昼飯を食べてオフィスに戻ると。

 

大輝「はじめちゃん!」

 

はじめ「!?」

 

大輝「何時も仕事お疲れ様!これ朝に買った鮭おにぎり!遠慮せずに食ってくれ!」

 

鮭おにぎりを貰った。

 

はじめ「あ・・・ありがとう・・・ございます・・・」

 

 

 

 

 

 

終業時間になって、駐輪場に向かう途中。

 

優斗「はじめさん。」

 

はじめ「っ!?」

 

今度は優斗が話掛けて来た。

 

はじめ「あの・・・頑張ります・・・」

 

優斗「今日のはじめさん、寝不足になってたけど、何かあったの?」

 

はじめ「え、いや・・・これは・・・その・・・」

 

優斗「正直に言ってくれ。俺怒ったりしないから。」

 

はじめ「は・・・はい・・・実は・・・」

 

昨日ダンディマックスを徹夜で観た事を話した。

 

優斗「そうかぁ。はじめさんダンディマックス好きだからそうかなって思ってたんだ。」

 

はじめ「でも他の皆が勘違いしてしまって・・・」

 

優斗「勘違いは誰にだってあるよ。これは俺とはじめさんだけの秘密にしとこう?」

 

はじめ「ありがとうございます優斗さん。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、青葉が残業していた。キャラコンペの締切が明日である為だった。

 

青葉「明日は締切日~。」

 

すると青葉のテンションが可笑しくなった。

 

鉛筆君「おい消しゴム君!何か良いアイデアはないのかね?」

 

消しゴム君「鉛筆君。僕にそれを期待するのはお門違いだよ。君はアイデアを生み出しそれを修正・消す事が僕の仕事じゃないか。」

 

鉛筆君「むむむ?融通が利かない消しゴム君なんて角が取れて丸くなってしまえば良い!」

 

顔が書かれた鉛筆と消しゴムを1人2役で喋ってた。

 

消しゴム君「うわ~!やめてくれ~!こんのぉぉぉ!やめてぇぇ!」

 

そして消しゴムを擦る。すると途中で止まった。

 

青葉「・・・こんな事してる場合ではない。」

 

我々はこう思った「当たり前だ!」だと。

 

青葉「はぁ・・・明日のコンペに備えて泊まりもありかな~・・・」

 

傍にあるくまさん寝袋を見る。すると何かが閃いた。

 

 

 

 

 

 

そして後日。遂に第1回キャラコンペが開催した。

 

しずく「それじゃデザインのコンペを始めるよ。まずは八神からいってみようか。」

 

コウ「はい!」

 

青葉「こんな大勢の前でプレゼンするんですか・・・?」

 

ゆん「せやで。チームの人は参加自由やし。」

 

最初はコウがプレゼンする。

 

コウ「武器、防具に変化。成長、進化と幅を持たせ、自由度の高いアクションが出来るようファンタジー寄りにしてみました。」

 

しずく「相変わらず素晴らしいね八神の絵は。大好き。でもね、これだとフェアリーズと世界は同じだよ。八神にはもっと自分の世界を広げて欲しい。」

 

コウ「じゃあ・・・全部ダメ・・・?」

 

しずく「勿体無いけど、自由に描いてもらってるからこそもっと遊んで欲しいんだ。」

 

優斗「コウさんが駄目出しされた・・・!?」

 

青葉「あれでダメって・・・厳しいですね・・・」

 

ゆん「ほんまに・・・でも八神さんに期待してるっぽいな・・・」

 

しずく「次は涼風君。」

 

青葉「あ、はい!」

 

優斗「頑張って青葉さん。」

 

青葉が書いたデザインを拝見する。

 

しずく(涼風君もフェアリーズっぽい・・・八神を意識し過ぎたかな・・・)

 

途中でクマの着ぐるみを来たキャラが出て来た。

 

しずく(な・・・何これ・・・?)

 

後ろのスクリーンに映されてるクマのキャラを見て青葉がビビった。

 

青葉「わ~!すみません!これは私の寝袋を元に描いたもので落書きと言うか・・・」

 

あの時閃いたのは、くまさん寝袋を元にした落書きだった。

 

青葉「でも、面白いかなって・・・」

 

しずく「成る程ね。確かに面白い。て言うかこれじゃあキャラが吸収されてるよね。」

 

青葉「ですよね、あはは・・・」

 

しずく「・・・うん!決めた!」

 

青葉「ですよね〜・・・って、嘘?」

 

しずく「勿論このままでは使えないから、次のコンペまでにブラッシュアップしてくれるかな?それ次第!」

 

青葉「・・・は、はい!」

 

まさかの落書きが採用された。

 

はじめ「青葉ちゃんやったじゃん!」

 

ひふみ「おめでとう。」

 

優斗「凄いよ青葉さん!」

 

青葉「いやいやまだ決まった訳では・・・でも頑張ります!」

 

 

 

 

第1回キャラコンペが終了した。

 

しずく「第1回コンペは終了。それじゃあ第2回は来週。私から指示があった者はそれを、新たに参加したくなった者も自由だから宜しく。」

 

青葉「あ。八神さ・・・」

 

するとコウが静かに去って行こうとした。

 

コウ「・・・ん?何?」

 

青葉「いや・・・なんでも・・・」

 

 

 

 

 

 

オフィスに戻った。

 

優斗「くふふふふ・・・」

 

何故か優斗が笑い堪えようとしていた。

 

大輝「な、何だよ優斗?」

 

優斗「お前・・・これが通ると思ってたのか・・・?」

 

笑い堪えてる理由は、大輝が書いたデザインを見たからだった。

 

優斗「お前これ・・・完全ワドルディじゃん・・・!」

 

デザインはワドルディに似ていた。

 

大輝「これしか思い浮かばなかったんだよ!」

 

優斗「ってか何でワドルディ?コピー能力出来んのカービィじゃねえの?」

 

大輝「ワドルディが吸収能力取り入れたらおもろいかなって。」

 

優斗「ってかワドルディ出てる時点で完全パクリじゃん。任天堂からクレーム来るぞ。」

 

大輝「あっ。」

 

優斗「把握してなかったんかい!」

 

 

 

 

その頃青葉は苦戦中。

 

青葉「う~ん。難しいよ~。どうやったら良くなるんだろう・・・・・・大丈夫だよ!八神さん優しい人だし・・・」

 

勇気を出して、コウにアドバイスを貰いに行った。

 

青葉「あの~・・・八神さん。」

 

コウ「ん?」

 

青葉「デザインで悩んでて・・・何かアドバイスを貰いたくて・・・って八神さんもまだ何も描けてないんですね。」

 

コウ「まだ・・・」

 

青葉「ん?」

 

コウ「・・・さっき全否定されたんだ・・・そうそう新しいの思い付く訳ないじゃん!」

 

青葉「っ!」

 

あの時の事が原因で怒りがいっぱいだった。怒って青葉に八つ当たりしてしまった。

 

コウ「・・・ごめん。」

 

青葉「い・・・いえ・・・私も悪かったです。もう少し自分で考えてみます!」

 

走って自分のデスクへ行った。コウが止めようとしたが、言葉が出なかった。コウはそのままデザインを描き続ける。

 

 

 

 

 

 

青葉(決定ではないけどデザインが通って嬉しい・・・でも、もしこのまま私のが通ってしまったら・・・八神さんが・・・私が思い描いてた夢ってこう言う事だったのかな・・・)

 

ゆん「青葉ちゃん!さっきはおめでとう!頑張ってや!」

 

青葉「え?あ、ありがとうございます。」

 

ゆん「・・・うちな・・・ほんまは正直落ちるの分かってて頑張ってる青葉ちゃん見てて格好悪いなって思ってて・・・はじめの事もそう。企画なんか通る訳ないのに企画書作って格好悪いなって・・・気付いたらうちだけ何も進んでへん。うちが一番格好悪い!」

 

青葉「ゆんさん・・・」

 

ゆん「ちょっと出遅れてしもうたけどうちも次のコンペ出ようと思うんや!プランから努力して来やんかったから駄目やと思うけど・・・でも頑張ってみる!せやから格好悪いと思っとったこと堪忍な~!」

 

青葉「そ・・・そんな!気にしないで下さい・・・」

 

ゆん「でもはじめには内緒やで。なんや癪やから・・・」

 

青葉「素直になれば良いのに・・・でもそうですよね・・・これで良かったはずなのに・・・私八神さんに憧れてこの会社に入って八神さんの下で働けて・・・それで・・・満足だったのに・・・」

 

彼女は泣いてしまった。

 

青葉「八神さんのあんな顔・・・見たくなかった・・・」

 

ゆん「ちょ!青葉ちゃん・・・優斗さん!大輝さん!」

 

優斗「ゆんさんどうしたの?」

 

大輝「何かあった?」

 

ゆん「青葉ちゃんが・・・」

 

泣いてる青葉を見た。

 

大輝「青葉ちゃん!?大丈夫!?おい優斗!どうしよう!ん?」

 

青葉の前に止まってしゃがんだ優斗がハンカチを差し出した。

 

優斗「青葉さん。」

 

青葉「・・・?」

 

優斗「辛い事があったら、俺達が力になるよ。だから困ったら、俺達の誰でも良いから相談して良いよ。」

 

青葉「優斗・・・さん・・・」

 

ハンカチを貰って涙を拭いた。優斗は青葉を優しく撫でる。

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプの屋上では、コウが1人で黄昏てた。

 

???「こんな所に居た。」

 

そこに、りんがコウを発見して歩み寄った。

 

コウ「私さ・・・青葉に八つ当たりしちゃった。」

 

りん「うん。見てた。」

 

コウ「コンペの事よりそっちの方がショックでさ・・・自分が情けないよ・・・」

 

りん「・・・私達が入社した頃ちょうどコンペがあって、コウちゃんがキャラデザ決まったじゃない?」

 

コウ「あの時と同じだって?確かに・・・私は意地悪な先輩役だね・・・」

 

りん「だからだよ。だから今の青葉ちゃんにどうしてあげるべきか一番分かってるのは、コウちゃんなんだよ。青葉ちゃんにどうなって欲しい?これはコウちゃんが決める事なんだよ。」

 

コウ「それこそ丸投げじゃん・・・」

 

りん「ううん。私の知ってるコウちゃんは正しい選択が出来る人だよ。」

 

近くに居たもずくが静かに去って行った。

 

 

 

 

 

 

その頃青葉は、黙々とデザインを描いていた。

 

青葉「はぁ・・・」

 

コウ「あーおば。」

 

突然呼ばれた事にびっくりした。

 

青葉「お・・・お疲れ様です・・・」

 

コウ「さっきデザインが分からないって言ってたな。見せて。」

 

青葉「え?・・・あ、はい!」

 

迷走中のデザインを見せる。

 

コウ「ゲッ!本当に・・・迷ってるな・・・」

 

くまがかなり筋肉モリモリになっていた。

 

コウ「まずさ、あ、ここに描いて良い?」

 

青葉「あ、はい!大丈夫です。」

 

迷走中のデザインに描き足した。

 

コウ「この辺が良かったんだからさ。」

 

アドバイスしてくれてるコウを見て、青葉に笑顔が戻った。

 

コウ「・・・なんだよ。私の顔に何か付いてる?」

 

青葉「い・・・いえ・・・なんでもないです。」

 

コウ「これは青葉のデザインなんだから、全部描かせようとすんなよ?」

 

青葉「分かってますよ!」

 

2人を見たゆんと優斗と大輝が密かに微笑んだ。

 

優斗「良かった。2人が元気になって。」

 

大輝「でもあの2人、結構良い雰囲気〜。」

 

優斗「お前な・・・」

 

 

 

 

 

 

そして1週間後。第2回キャラコンペが開催した。スクリーンに、青葉とコウが共同でデザインしたキャラが映し出された。

 

しずく「・・・どっちが描いたの?」

 

青葉「・・・八神さんにアドバイスを貰ったり、どうしてもバランスが取れない所は描いてもらったり。」

 

コウ「でも基本青葉に。」

 

青葉「いやでも八神さんが居なかったら描けてないし・・・」

 

コウ「私も自分のアイデアだけでは・・・」

 

しずく「分かった分かった。面白いね本当に。うん。とても良いと思うよ。プロトタイプはこれで行こう。キャラデザは2人で調整して行う事。ただし決定などの責任はADの八神に負ってもらう。プロデューサーの2人も良いかな?」

 

りん・和子「はい。」

 

2人がキャラクターデザイナーに抜擢された。

 

しずく「それじゃ八神コウと涼風青葉君、今後キャラクターデザインを宜しくね。」

 

青葉・コウ「はい!」

 

2人はハイタッチした。

 

 

 

 

 

 

その後、終業時間になり、青葉が帰ろうとすると。

 

優斗「青葉さん。キャラデザ抜擢おめでとう。」

 

青葉「優斗さん、ありがとうございます!」

 

優斗「まさかコウさんと共同とは前代未聞だよ。」

 

青葉「私、今後キャラクターデザイナーとして頑張っていきます!」

 

優斗「期待してるよ。」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
     葉月しずく:喜多村英梨
クリスティーナ・和子:名塚佳織
 ダンディーマックス:三宅健太

  コンペ会場の人々:鈴木亜理沙
           篠原侑
           三宅晴佳
           岩井映美里

ねね「タタッツッタタッタタタッターン!どうですか?」

うみこ「どうですかとは・・・?」

ねね「プロののプログラマーっぽかったでしょ!」

うみこ「はぁ・・・先が思いやられますね・・・それに、プロだったらこうですよ。タタタタタタタタタタタタッタン!どうですか?」

ねね「凄〜い!プロっぽい!」

うみこ「そうでしょ?」

次回「・・・うー、恥ずかしい!」

ねね「タータタタタタタッターン!うお!?あーーーー!!!止まったーーーー!!」

うみこ「まだまだですね。」

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