NEW GAME! LEVEL UP!!   作:naogran

16 / 33
優斗と美佳の出会いから結婚までのお話。


オリジナル
0話「あなたに出会えて良かった」


これは、あの頃から始まった。

 

 

 

 

優斗と美佳夫妻が出会ったのは高校時代の頃だった。美佳が学校へ向かう途中に1人の中年男性にナンパされてた。

 

中年男性「お嬢ちゃ〜ん。私と一緒に遊ばない?」

 

美佳「止めて下さい。私これから学校へ行くんです。」

 

彼女は松田美佳。当時高校2年生。

 

中年男性「ええ〜?学校なんて休めば良いじゃん。良いから私と一緒に遊びましょう。」

 

すると中年男性が美佳の右腕を強引に掴んだ。

 

美佳「いや、止めて下さい・・・!」

 

???「待て!!」

 

すると1人の男子学生が割り込んだ。

 

美佳「あなたは・・・?」

 

中年男性「誰だお前は?私の邪魔をする気か?」

 

優斗「彼女が困ってるだろ。人の気持ちを考えろ。」

 

彼は相葉優斗。当時高校1年生。

 

中年男性「彼女が困ってる?いやいや、彼女は緊張してるんだ。」

 

優斗「何に?」

 

中年男性「私と遊ぶ事に緊張してるんだよ。」

 

優斗「うわぁ〜サイコだなぁあんた。これじゃあ詐欺師と同じだな。」

 

中年男性「何だと・・・!?」

 

すると美佳が隙を見て中年男性から逃れた。

 

優斗「大丈夫ですか先輩?」

 

美佳「私を知ってるの?」

 

優斗「ええ。松田美佳先輩ですよね?書道部の。」

 

美佳「え、ええ。」

 

優斗「俺の同級生が先輩と同じ書道部に入部してて、先輩を見て美しいって言ってましたよ。」

 

美佳「そんな・・・美しいだなんて・・・」

 

美しいと聞いて頬が赤くなった。

 

中年男性「何を呑気に話をしてるんだ!こうなったら力付くで!」

 

優斗「良いだろう。後悔させてやる!」

 

中年男性がダッシュしてパンチを繰り出すが、優斗が軽く避けて腕を掴んで背負い投げして、優斗が高速パンチで中年男性の顔すれすれに止めた。中年男性が冷や汗掻いた。

 

優斗「どうだ?まだやるか?」

 

中年男性「か、勘弁して下さい!私が悪かったです!許して下さい!」

 

優斗「最初からそうすれば良いのに。何故ナンパしたんだ?」

 

中年男性「実は、先週会社をリストラされて、その腹癒せでやってしまって・・・」

 

優斗「そう言う事か。リストラされたのは可哀想だが、腹癒せでそんな下らねえ事を考えてんじゃねえぞ。」

 

中年男性「はい・・・ごめんなさい・・・」

 

優斗「謝るなら、俺じゃなくて彼女に謝れ。」

 

中年男性「本当にごめんなさい!ナンパしてごめんなさい!」

 

美佳「良いですよ。今度は新しい職場を見付けて頑張って下さいね。」

 

中年男性「は・・・はい!頑張ります!」

 

激励された中年男性は走り去って行った。

 

美佳「ありがとう。助かったわ。」

 

優斗「いえいえ。無事で何よりで良かったです。早く学校へ行きましょ?」

 

美佳「ねぇ、名前教えてくれないかな?」

 

優斗「1年の相葉優斗です。」

 

これが2人の初めての出会いだった。

 

 

 

 

 

 

そして時が過ぎて2年後。美佳は高校を卒業して保育士養成学校で保育士になる勉強に勤しむ。

 

 

 

 

 

 

そしてその1年後、優斗は親友の秋山大輝と共に、大人気ゲーム・フェアリーズストーリーシリーズを製作しているゲーム会社の「EAGLE JAMP」に高卒で入社した。

 

優斗「相葉優斗です。宜しくお願いします。」

 

大輝「秋山大輝です!宜しくお願いします!」

 

2人は高校時代に映画同好会に入部しており、エフェクト班に配属された。優斗はVFX担当。大輝はCG担当になった。

 

 

 

 

だがスペースが無くて、キャラ班のブースに移された。

 

大輝「何だか違うブースに入ると緊張するな・・・」

 

優斗「お前珍しいな。何時もはマイペースなのに。」

 

大輝「あ!でも馴染めば問題無しだ!」

 

優斗「おいさっきの緊張はどうした。」

 

???「新入社員の相葉君と秋山君ね。」

 

優斗・大輝「え?」

 

声がした方を見ると、優しい雰囲気を持った女性が声を掛けて来た。

 

優斗「はい。エフェクト班でVFX担当の相葉優斗です。」

 

大輝「同じくエフェクト班でCG担当の秋山大輝です。」

 

???「私は遠山りんよ。キャラ班でADを担当してるわ。」

 

女性の名は遠山りん。キャラ班でADを担当している。

 

優斗「宜しくお願いします。えっと、遠山さんで良いですか?」

 

りん「ええ。」

 

大輝「じゃありんさん!」

 

優斗「お前フレンド気分全開だな。じゃあ俺も、りんさんで良いですか?」

 

りん「うふふ。宜しくね。優斗君、大輝君。」

 

???「りん、この2人が新人?」

 

優斗・大輝「ん?」

 

今度は金髪の女性が来た。

 

優斗「あなたは?」

 

???「私は八神コウ。キャラクターデザイナーをやっている。」

 

大輝「八神コウ・・・もしかして、フェアリーズストーリーの?」

 

コウ「お?フェアリーズ知ってるの?」

 

大輝「それは勿論!あのゲームめっちゃ面白くて何回もプレイしてます!」

 

コウ「それは嬉しいね。2人共名前は?」

 

優斗「相葉優斗です。エフェクト班のVFX担当です。」

 

大輝「秋山大輝です。エフェクト班のCG担当です。」

 

優斗「でもエフェクト班ブースの席が無くて、ここに移されたんです。」

 

コウ「へぇ〜。まあリラックスしておけば良いよ。」

 

 

 

 

 

 

その日の昼。優斗と大輝がカフェで昼飯を食べる。

 

大輝「優斗優斗。」

 

優斗「何だ?」

 

大輝「噂によれば、俺達が配属されたチームには、女性しか居ないらしいぞ?」

 

優斗「ほんまか?俺別にそんな事考えてねえけど。」

 

大輝「これってもしかしたら・・・俺達天国に入られたとしか思えねえ!」

 

優斗「お前の頭の中に何が入ってんだよ。」

 

???「おや。ここに居たか。」

 

そこに、1人の女性が来た。猫を抱えてる。

 

大輝「お?またもや麗しいお方が。」

 

優斗「お前少し調子乗ってねえか?」

 

しずく「麗しい方とは嬉しいね。私はディレクターの葉月しずく。宜しく。」

 

優斗「相葉優斗です。」

 

大輝「秋山大輝です。」

 

優斗「ん?猫?」

 

しずく「ああ、この子はもずく。私の飼い猫だよ。」

 

大輝「もずくですか〜。もずくカモーン。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するともずくが跳んで、大輝の頭の上に乗っかった。

 

大輝「おっと!?結構重いな〜お前〜。」

 

優斗「お前大丈夫か?」

 

大輝「心配ご無用。バランスならお任せってね。」

 

しずく「秋山君が気に入ったみたいだね。」

 

大輝「俺に懐くとは、お前愛くるしいな。」

 

笑顔でもずくの顎下を撫でる。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

優斗「しずくさん、何故俺達は女性しか居ないチームに?」

 

しずく「そうだね〜・・・強いて言えば、私達のチームに欲しい男達と言おうか。」

 

優斗「欲しい?」

 

しずく「実はこの会社には君達の他に男が居るんだけど、別のチームのディレクターが全員持って行っちゃってね。」

 

優斗「はぁ。」

 

しずく「そのディレクターが君達を持って行こうとしたんだが、私が君達を欲しいと言ったんだ。そして今に至るって訳。」

 

大輝「成る程〜。」

 

優斗「それで、俺達を欲しがった理由は?」

 

しずく「中々クールで可愛いと思ってたからだよ。」

 

優斗・大輝「へ?可愛い?」

 

しずく「うん。2人共結構可愛かったから欲しがったんだよ。」

 

優斗「まさか俺達を女性扱いですかい・・・」

 

しずく「ってのは冗談で、君達のような男が欲しいってだけ。君達なら私のチームを和ませてくれるだろうってね。」

 

優斗「和みねぇ〜。」

 

 

 

 

 

 

そして昼飯を食べ終えて、戻った時。

 

優斗「ん?」

 

キャラ班ブースに、1人の女性社員が居た。

 

優斗「あの。」

 

???「えっ!?」

 

優斗「おっと!ごめんなさい。脅かすつもりは無いです。」

 

???「あぁ、こっちこそ・・・ごめん。」

 

大輝「名前は何ですか?俺は秋山大輝です。」

 

???「滝本・・・ひふみ・・・」

 

優斗「ひふみさんか。俺は相葉優斗です。」

 

ひふみ「・・・・・・・・」

 

優斗「あのぉ、ひふみさん?」

 

ひふみ「ご、ごめん・・・私、人と接するの苦手で・・・」

 

優斗「あ〜そう言う事かぁ。」

 

2人が自分の席に座ると、社内メッセが来た。

 

優斗「社内メッセ?」

 

ひふみ『ごめんね。私人と話すのは苦手だけど、社内メッセなら会話出来るよ。』

 

優斗「成る程。」

 

大輝『安心したぁ〜。ひふみちゃんと会話出来るなんて光栄だよ\(^o^)/俺の事は大輝で良いよ。』

 

ひふみ『私もひふみで良いよ(*´ω`)p。優斗君もひふみで良いよ(*´ω`)p。』

 

優斗『じゃあ、ひふみさん。宜しくお願いします。』

 

ひふみ『あ、話す時は普通で良いよ(◍ ´꒳` ◍)b』

 

優斗(顔文字で会話とか、個性あるな・・・)

 

 

 

 

 

 

入社から1ヶ月後。優斗が高校時代に取得した自動二輪免許に続き、念願の自動車免許を取得した。両親からお祝いのCX-3をプレゼントされた。

 

優斗「マイカーゲット!」

 

 

 

 

 

 

そして2人はフェアリーズストーリー2制作スタッフに加わった。

 

優斗「遂に俺達もフェアリーズストーリー2の制作スタッフに加わるとは。」

 

大輝「こりゃあ忙しくなりそうだな。」

 

優斗と大輝は、高校時代に入部した映画同好会の実力と経験を活かし、ハイクオリティのVFXとCGを作り上げた。そのハイクオリティに葉月しずくや他の社員達から高評価を得た。

 

しずく(凄いなぁこの2人。素晴らしいよ。)

 

それから数ヶ月後、フェアリーズストーリー2が発売され大ヒットを記録した。

 

 

 

 

 

 

それから1年後、美佳は保育士養成学校を卒業して保育士の資格を取得して保育士となった。

 

美佳「はぁ〜い!それでは皆でお絵描きしましょうね〜。」

 

園児達「は〜い!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃イーグルジャンプでは、篠田はじめと飯島ゆんが入社した。2人はキャラ班に配属された。

 

大輝「遂に俺達に後輩が出来たのか〜。」

 

優斗「ああ。優しくしてあげなきゃな。」

 

 

 

 

その日の昼。優斗と大輝がはじめとゆんに近寄る。

 

大輝「篠田ちゃ〜ん、飯島ちゃ〜ん。初めまして〜。」

 

ゆん「ん?」

 

はじめ「お?先輩ですか?」

 

大輝「大正解!俺達と一緒に仲良くやろうぜ〜!」

 

優斗「ていっ!」

 

大輝「あばす!?」

 

言ってる途中に優斗から尻にタイキックされた。

 

優斗「ナンパ気分で仲良くなろうとすんな。ごめんね、大丈夫だった?」

 

ゆん「え、ええ。」

 

優斗「俺はエフェクト班でVFX担当の相葉優斗。隣で痛がってるバカは同じエフェクト班でCG担当の秋山大輝。俺の同期だ。宜しく。」

 

大輝「おいバカって何だよバカって!」

 

優斗「お前少し弁えろよ。」

 

はじめ「面白い先輩達ですね。私はモーション班の篠田はじめです。」

 

ゆん「うちはキャラ班の飯島ゆんです。」

 

優斗「宜しく。はじめさん、ゆんさん。」

 

大輝「そう言えばはじめちゃん、モーション班なのに何でキャラ班に居るの?」

 

はじめ「実は・・・モーション班の席が無くて・・・」

 

優斗「それ、俺達も同じだよ。エフェクト班の席が無くて、キャラ班のブースに移されちゃったんだよ・・・」

 

はじめ「そうだったんですか・・・私達同じですね・・・」

 

大輝「ま、まあまあ。気楽で居れば大丈夫だよ。落ち込んでたら何も始まらないから。ホラ!俺みたいに元気いっぱいに!」

 

元気にガッツポーズ。

 

はじめ「そうですね!」

 

大輝「はじめちゃんって、何か趣味とかある?」

 

はじめ「私、ヒーロー物が好きなんです!」

 

大輝「マジか!?今度ヒーロー物トークでもしようよ!俺そう言うの詳しいんだ!」

 

はじめ「本当ですか!?いやぁ〜楽しくなりそうだな〜!」

 

意気投合してる2人を優斗とゆんが見ていた。

 

ゆん「完全に意気投合しとるな・・・」

 

優斗「そうだね・・・ゆんさん、俺と大輝はエフェクト班だけど、同じ社員として宜しくね。」

 

ゆん「はい。宜しくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数ヶ月が流れて冬頃、優斗と大輝の高校時代の先輩だった美佳は、父親と一緒にショッピングモールに来ていた。

 

美佳「パパー。今日は久し振りにパパと一緒に買い物に来たから楽しもうよ〜。」

 

美佳の父「そうだな。最近仕事が多かったから息抜きも大事だしな。」

 

その後美佳は父親と一緒に服を選んでた。色々服を試着したりなど楽しんだ。

 

 

 

 

その後ベンチに座って休憩する。

 

美佳の父「ふぅ〜、疲れたな。」

 

美佳「でも楽しかった〜。パパのお陰で可愛い服が買えたし。」

 

美佳の父「っ!?ぐ!!」

 

すると美佳の父が突然苦しんだ。

 

美佳「パパ?どうしたの?」

 

美佳の父「ぐっ・・・!腹が・・・!」

 

美佳「お腹痛いの!?(どうしよう!病院へ連れて行かなきゃ!でも遠いし、救急車呼んでも時間掛かるし・・・どうしよう・・・)」

 

突然の出来事に美佳が戸惑う。するとそこに。

 

優斗「松田先輩?」

 

美佳「あ、優斗君!」

 

偶然にも優斗と出会った。

 

優斗「お久し振りです。どうしたんですか?」

 

美佳「パパが苦しんでるの!どうしよう!」

 

優斗「え!?あ、でしたら病院へ連れて行きましょう!」

 

美佳「でもどうやって!?」

 

優斗「実は俺車持ってるんです!駐車場にあります!俺の背中に乗せて下さい!」

 

美佳「ありがとう優斗君!さあパパ!」

 

そして父親を優斗の背中に乗せて、優斗の車へ向かう。美佳と父親は後部座席に乗り、優斗が運転席に乗って病院へ直行する。

 

 

 

 

 

 

病院に到着して父親が手術を受ける。その後手術が終わった。

 

美佳「父はどうですか・・・?」

 

医者「手術の結果、胃癌を発見しました。」

 

美佳「癌が・・・!?」

 

医者「でも早期発見でした。癌を摘出したので手術は成功しました。もう大丈夫です。」

 

美佳「あ・・・!良かった・・・」

 

成功を聞いた美佳は安心したかのように涙を流した。優斗が慰める。

 

優斗「先輩、良かったですね。」

 

美佳「優斗君ありがとう・・・」

 

 

 

 

その後優斗と美佳は病室で父親と話した。

 

美佳「パパ、大丈夫?」

 

美佳の父「すまないな美佳。折角の楽しみを癌で台無しにしてしまって。」

 

美佳「ううん、パパが無事で良かった・・・」

 

美佳の父「君が相葉優斗君だね。助けてくれてありがとう。」

 

優斗「無事で良かったです。」

 

美佳の父「それと、あの時娘を助けてくれてありがとう。」

 

優斗「あの時?・・・あ!高校の時に中年男性のナンパから助けた時ですか?」

 

美佳の父「覚えてていたんだね。実はあの時、美佳から話を聞いたんだ。娘を助けてくれてありがとう。」

 

優斗「いえいえ、どう致しまして。」

 

そして1週間後に父親が退院した。

 

 

 

 

 

父親が退院して数ヶ月後の春。

 

美佳「ねえパパ、ちょっと相談があるの。」

 

美佳の父「何だ?」

 

美佳「多分これ反対するかも知れないけど・・・その・・・優斗君との結婚を考えてるの・・・それを言いたかったけど言い出せなくて・・・」

 

美佳の父「う〜ん・・・」

 

美佳「パパ・・・どうかな・・・?」

 

美佳の父「・・・美佳もそろそろ結婚しても良い年頃だからな〜。確かに優斗君は私達を助けてくれた良い男だ。彼は美佳に相応しい男だ。」

 

美佳「それじゃあ!」

 

美佳の父「うむ!そうと決まれば娘の結婚式を盛大に祝おう!」

 

美佳「っ!ありがとうパパ!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗はイーグルジャンプで作業をしていた。するとスマホが振動した。

 

優斗「ん?誰だ?」

 

メールを見ると。

 

優斗(松田先輩からか?えっと?)

 

メールの内容は『明日はお休み?もし休みだったらうちに来てくれる?お話があるの。』だった。

 

優斗(話?何のだ?まあメールしとくか。)

 

そして優斗は『明日休日だから丁度良いですね。ではまた明日。』と打って返信した。

 

 

 

 

 

 

翌日になり、優斗は美佳の家にお邪魔した。リビングには優斗と美佳が居た。

 

優斗「松田先輩、お話って何ですか?」

 

美佳「ちょっとね。」

 

するとそこに美佳の父親が来た。

 

美佳「あ!パパ!」

 

優斗「え?親父さん?」

 

美佳の父「やあ優斗君。」

 

優斗「体は大丈夫ですか?癌とか。」

 

美佳の父「ああ。あの時以降癌は再発されてない。君のお陰だよ。」

 

優斗「良かったです。」

 

美佳の父「それで優斗君。君に話がある。」

 

優斗「何ですか?」

 

美佳の父「娘を君が貰ってくれないか?」

 

優斗「娘さんを貰う・・・え?それって結婚!?先輩と!?いきなり!?」

 

美佳の父「そうだ。君は娘と私を助けてくれたからな。実は美佳が昨日私に優斗君と結婚したいと相談したんだ。君は美佳に相応しい男だ。頼む。娘を幸せにしてやってくれ。」

 

深く頭を下げる。

 

優斗「まさかの結婚の話ですか・・・そうですね・・・分かりました!結婚して、俺が先輩を幸せにします!」

 

すると美佳の父が優斗の両手を握った。

 

美佳の父「そうか!ありがとう!」

 

優斗「いえいえ。あ、それと親父さん。癌を予防ならニンニクとキノコ類とナッツが最適ですよ?」

 

美佳の父「本当か!ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

そして数日後のイーグルジャンプ。就業時間が終わった直後。

 

優斗「りんさん、コウさん。」

 

りん「何?」

 

コウ「どうした優斗?そんなに笑顔になって。」

 

優斗「これ受け取って下さい。」

 

今日の優斗はご機嫌上昇だった。2人に手紙が入った封筒2枚を差し出した。

 

 

 

 

今度はゆん達にも手紙を渡す。

 

優斗「ひふみさん、ゆんさん、はじめさん。これ受け取って。」

 

ひふみ「これは?」

 

ゆん「手紙ですか?」

 

はじめ「優斗さん、これは?」

 

優斗「帰ってから見てね。」

 

 

 

 

次はしずくに2枚の手紙を渡した。

 

優斗「しずくさん。受け取って下さい。」

 

しずく「相葉君、この手紙は?」

 

優斗「帰ってから見て下さい。もう1枚はうみこさんに渡して下さいね。」

 

その後優斗はスタッフ達に手紙を渡す。

 

 

 

 

そして最後は大輝に手紙を渡す。

 

優斗「大輝もこれ受け取ってくれ。」

 

大輝「なあ優斗、これ何だ?」

 

優斗「帰ってから見ろよ。では皆さん、お疲れ様〜。」

 

彼は一足先に帰って行った。

 

りん「優斗君どうしたんだろう?」

 

コウ「何か終始凄く機嫌が良かったよな?大輝、優斗に何かあったのか?」

 

大輝「いえ、俺もあんな優斗初めて見ました。何時もはクールで俺に容赦無くツッコミを入れて来るんですが。そうだ、ゆんちゃん達は何か知ってる?」

 

ゆん「いえ、うちも分かりません。」

 

はじめ「私も分かりません。」

 

ひふみ「私も。」

 

 

 

 

それぞれ帰って、手紙を見ると全員が驚いた。

 

りん「え!?」

 

コウ「嘘!?」

 

ひふみ「っ!?」

 

はじめ・ゆん「ええ!?」

 

しずく「ん?」

 

うみこ「え?」

 

大輝「マジで!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして更に数日後。遂に優斗と美佳の結婚式の日が来た。

 

 

 

結婚式会場の教会の新婦控え室では、美佳がウェディングドレスを着ていた。そこにりん達が入って来た。

 

はじめ「わぁ〜!綺麗な人だ〜!」

 

ゆん「はじめ少々静かに!」

 

はじめ「ごめんごめん。」

 

美佳「あ、皆さん初めまして。松田美佳と申します。」

 

りん「こちらこそ初めまして。遠山りんです。」

 

美佳「まぁ!あなたが遠山りんさんですね!優斗君から聞いてます。そして八神コウさんと、飯島ゆんちゃんと、篠田はじめちゃんと、滝本ひふみちゃんね。」

 

ひふみ「は、初めまして・・・た、滝本ひふみです・・・」

 

ゆん「初めまして。飯島ゆんです。」

 

はじめ「篠田はじめです。」

 

コウ「八神コウです。」

 

美佳「此方こそ。皆さん、優斗君から手紙を貰いました?」

 

りん「貰いました。まさか招待状だったとは驚きました。」

 

数日前に優斗から渡されたのは、優斗と美佳の結婚式の招待状だった。そこに2人の女性が入って来た。

 

美佳「あら!みさとちゃんにいおりちゃん!」

 

みさと「美佳先輩!お久し振りです!」

 

いおり「結婚おめでとうございます!」

 

この2人の女性は「野々崎みさと」と「大空いおり」。優斗の幼馴染みで大輝の中学時代からの同級生。

 

 

 

 

 

 

そしてその頃新郎控え室では。白いスーツ姿に着替えた優斗が大輝と会話していた。優斗の幼馴染みである「栗谷えいすけ」も来ていた。

 

大輝「いやぁ〜まさかお前が結婚するなんてなぁ!びっくりしたぜ!しかも相手は、学園のマドンナと呼ばれた松田美佳先輩だとはな〜。」

 

えいすけ「優斗羨ましいなぁ〜。学園のマドンナの先輩と結婚だなんて。結婚の切っ掛けを教えてくれるか?」

 

優斗「先輩の親父さんが結婚して幸せにしてやってくれって言われて勧められたんだ。俺の両親も賛成してくれたからな。」

 

大輝「めでたいな〜。結婚おめでとう!」

 

えいすけ「おめっとさん!優斗!」

 

優斗「ありがとな大輝。えいすけ。」

 

大輝「じゃあ俺、会場行ってるぜ。良い式を期待してるぜ。」

 

優斗「OK。期待に応えてやるから待っとれよ。」

 

えいすけ「俺が精魂込めて、お前と先輩の結婚式を綺麗に撮ってやるからな!」

 

優斗「頼んだぜえいすけ。良い写真期待してるぜ。」

 

 

 

 

 

 

そして時間になり、結婚式が開かれた。りん達は教会の席に座ってる。

 

司会「まずは、新郎相葉優斗の登場です。」

 

会場に優斗が登場して、牧師の前に立つ。

 

優斗「ふぅ・・・」

 

少し緊張してる優斗。外では、美佳と父親が待っていた。

 

司会「それでは、新婦松田美佳の登場です。皆様、拍手でお出迎え下さい。」

 

 

 

 

美佳の父「美佳、行こうか。」

 

美佳「うん。」

 

 

 

 

ドアが開き、美佳が父親と共にバージンロードを歩き出し、招待客が拍手を送った。2人が教会の奥に着くと、美佳の父親は近くの席に座った。

 

牧師「汝、相葉優斗は。何時如何なる時も、松田美佳と永遠に愛し合う事を誓いますか?」

 

優斗「誓います。」

 

牧師「汝、松田美佳。何時如何なる時も、相葉優斗と永遠に愛し合う事を誓いますか?」

 

美佳「はい、誓います。」

 

牧師「それでは、誓いの接吻を。」

 

指輪を交換し、優斗が美佳のベールを捲り、唇と唇を重ね、優斗と美佳は夫婦となった。

 

 

 

 

 

 

その後、優斗と美佳が教会の外に出ると、フラワーシャワーが舞い上がった。えいすけがカメラで撮影していた。

 

りん「優斗君、美佳さん、おめでとー!」

 

優斗「ありがとうございます皆さん!」

 

大輝「優斗ー!おめでとー!」

 

えいすけ「おめでとう優斗ー!」

 

みさと「優斗おめでとー!」

 

いおり「おめでとうございます!優斗!」

 

美佳「皆さんありがとうございます!それじゃ、ブーケトスを始めましょうか。」

 

はじめ「よーし!取るぞー!」

 

ゆん「はじめ気合い入っとるな。」

 

ブーケトスが始まる直前には、りん達を含んだ女性達が集まっていた。

 

美佳「それじゃあ行きますよー!それ!」

 

後ろ向きになってブーケを投げる。投げたブーケは、りんの手元に渡った。

 

りん「あら?」

 

大輝「お!りんさんがキャッチした!」

 

りん「何だか恥ずかしいわね〜。」

 

次にウエディングケーキの入刀が行われ、ファーストバイトも行われた。

 

 

 

 

 

 

その次はビュッフェタイプの宴席が行われ、食事をする者や、優斗と美佳を祝福する者と様々だった。

 

りん「優斗君、結婚おめでとう!」

 

コウ「おめでとう優斗!」

 

優斗「ありがとうございますりんさん、コウさん。」

 

ゆん「優斗さんおめでとうございます〜!」

 

はじめ「お幸せに優斗さん!」

 

ひふみ「おめでとう、優斗君。」

 

優斗「ゆんさん、はじめさん、ひふみさんもありがとう。」

 

しずく「まさか相葉君が結婚するなんて急展開だね。」

 

優斗「あ、しずくさん。どうも。」

 

うみこ「相葉さん、ご結婚おめでとうございます。」

 

優斗「うみこさんもありがとうございます。皆さん、祝福のお言葉ありがとうございます。」

 

美佳「私からも言わせて下さい。皆さん祝福してくれてありがとうございます。」

 

りん「いえいえ。美佳さん、優斗君とお幸せにして下さい。」

 

美佳「りんさんありがとうございます。」

 

えいすけ「いやぁ〜まさかお前が結婚するとは最初思ってなかったぜ。優斗は幸せ者だな〜。」

 

みさと「何言ってんのよえいすけ。盛大に祝いなさいよ。」

 

いおり「そうですよ。おめでとうございます優斗。」

 

優斗「ありがとな、いおり。みさとにえいすけも。あれ?大輝は何処だ?」

 

コウ「大輝なら彼処に。」

 

 

 

 

大輝「こんなにご馳走たっぷり!美味い美味い!」

 

ご馳走たっぷり食べてる。

 

 

 

 

優斗「相変わらずだなぁ彼奴・・・」

 

えいすけ「おーい大輝ー!呑気に何やってんじゃー?」

 

大輝「おっと、食ってる場合じゃねえ。」

 

食べるのを中断し、優斗の方に寄った。

 

大輝「お〜い優斗〜!結婚おめでとう!」

 

優斗「ありがとな大輝。」

 

大輝「美佳先輩も、おめでとうございます!」

 

美佳「大輝君、ありがとう。」

 

りん「ねぇ優斗君。」

 

優斗「はい?」

 

りん「聞かせて?」

 

優斗「何をですか?」

 

りん「美佳さんとの出会いを。」

 

ゆん「うちも聞きたいです!」

 

はじめ「私も!」

 

優斗「分かった分かった、押し寄せないで・・・出会った切っ掛けは、高校時代に先輩が中年男性がナンパから助けた事が始まりでした。」

 

美佳「そうなんです。優斗君が助けてくれたんです。それと父を助けてくれたのも優斗君なんです。父が癌で苦しんでる所に、優斗君と偶然会って病院へ運んでくれたんです。」

 

コウ「へぇ〜、優斗お前男気あるな〜。」

 

優斗「そしてあの時以降、親父さんの癌は再発は出てないんです。」

 

美佳「本当にありがとうね。そうだ!ねえ優斗君、これから名前で呼んでね。」

 

優斗「え?先輩を名前で?」

 

美佳「こら!先輩じゃなくて名前で。」

 

優斗「え、じゃあ・・・美佳さんで。」

 

美佳「宜しい!」

 

大輝「美佳先輩、末長く優斗の事を宜しくお願いします!」

 

美佳「勿論よ!」

 

大輝「優斗!美佳先輩を幸せに出来なかったら、ただじゃおかねえぞ?」

 

優斗「その時になったら容赦無く本気で成敗してくれ。」

 

えいすけ「はいはいお2人さん!こっち向いて!」

 

カメラを優斗と美佳に向けた。

 

美佳「優斗君。」

 

優斗「ああ。えいすけ、良いぞ!」

 

えいすけ「おう!はい撮りまーす!」

 

シャッターを切った。

 

 

 

 

その後優斗は、美佳の父と会話をする。

 

優斗「まさか俺が美佳さんと結婚する日が来るとは思ってませんでした。」

 

美佳の父「そうかい?美佳と優斗君は結婚しても良い年頃だからな。」

 

優斗「でも本当に良かったんですか?俺で。」

 

美佳の父「ああ。君は高校時代にナンパを受けていた美佳と、以前に胃癌になった私を助けてくれた。本当に感謝してるよ。君は私達の恩人だ。」

 

優斗「そんな、当然の事をしただけですから。」

 

美佳の父「そんなに謙遜しないでくれ。君のお陰で美佳は幸せを手に入れたんだ。」

 

りん達と会話してる美佳を見る。

 

美佳の父「優斗君。」

 

優斗「はい?」

 

美佳の父「末長く、娘を宜しくお願いします。」

 

優斗「はい。お義父さん。」

 

その後もビュッフェタイプは続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、優斗と美佳は新しい新居で暮らす。場所は原宿にある一戸建て。

 

優斗「良い家だね。居心地が良い。」

 

美佳「そうでしょ〜?私とお母さんが選んだ新居だよ〜。」

 

優斗「日当たりも良いね。アイランド型のキッチンもあるな。後で今日の夕飯の材料でも買いに行こうか。」

 

美佳「うん。・・・ねえ優斗君。」

 

優斗「何?」

 

美佳「私、あなたに出会えて良かった。」

 

優斗「え?急にどうしたの?」

 

美佳「えへへ。私、優斗君と会ってなかったらここまで来れなかったかも知れない。ありがとう優斗君。」

 

笑顔で優斗を見る。優斗は少し顔を赤くした。

 

優斗「・・・美佳さん。」

 

美佳「何?優斗君。」

 

優斗「改めて宜しくお願いします!」

 

美佳「うふ。こちらこそ宜しくお願いします!」

 

優斗「そうだ、新婚旅行何処に行きたい?」

 

美佳「大阪行きたい!」

 

こうして優斗と美佳の夫婦生活が始まったのであった。そして1ヶ月後、新婚旅行は大阪であった。

 

「END」




         キャスト

      相葉優斗:石井マーク

      松田美佳:榎本温子

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

    栗谷えいすけ:鈴木達央
    野々崎みさと:鬼頭明里
     大空いおり:茜屋日海夏

      中年男性:木内太郎
        医者:濱野大輝
        牧師:内野孝聡

      美佳の父:谷昌樹

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。