【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく   作:PL.2G

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毎々お世話になております。

あけましておめでとうございます。
喪中の方が居りましたら大変申し訳ございません。

皆さまは如何お過ごしでしょうか?
私と言えば、実家にも帰れず、
黙々と引っ越しの片付けを今も行っている状態です。

今回は初のエクストラストーリーになります。
完全に蛇足作品となっております。

サイドストーリーは本編に多少なりとも補足がされるストーリー。
エクストラは本編に一切補足も何も関係ないストーリーとなっております。

今作は空港編のその2を書いているとき手前に書いてあったものを、
文章が長くなりすぎてしまったため切り取った部分になります。

※こちらを投稿するにあたり、空港編その2の冒頭を改訂致しました。



EXTRA Story 1 - 屋台とコートとたこ焼き -

 心とお腹が少し満たされている。

 先程の喫茶店を出た後、何やらモール内で屋台のようなものが開けた所に幾つも出ているのが目についた。

 いい匂いもしているので志希と共にそこに向かい歩を進めることにした。

 

「やっぱり屋台だな」

 

「うん、屋台だね~」

 

 空港内モールの開けた所・・・屋外ではないのに屋台がやっている

 しかも、普通にたこ焼きとかがあるのだが・・・

 遠目ではわからないので不思議な光景にワクワクせざるを得ない。

 

「どうなってるんだ?」

 

「室内で屋台ってやって良いのかな?燃焼生成ガスとか他にも色々問題あってダメなんじゃないの?」

 

「もう少し近付いてみよう。たこ焼き食べよう、食べたい、食べる」

 

「お兄様、待って待って早い早いよ~」

 

 湧き出る二つの欲求を満たすべく、若干志希を引き摺りながらも足早に屋台に近付いて行く。

 

「おぉ!?たこ焼きだ!たこ焼きだぞ志希っ!!」

 

「はい、いらっしゃい!!」

 

 非常に快活な店員さんだ。

 

「あの、不躾で申し訳ないですが、この屋台ってどう言った仕組みで・・・」

 

 気になった事を店員さんに尋ねる。

 

「兄ちゃん、ソコの看板見てないんか?ここにある屋台群はみーんな電気で動いてんだ。火は一切使わず、電気だけのエコ屋台なのさ。ある種の展示会みたいなもんだ。俺も電気でたこ焼きを作れって言われた時はバカヤロウって思ったが、実際使ってみたらどうだい。火力は申し分無いし、機材は少ないし軽いで良い事ずくめさ」

 

 途中、たこ焼きの屋台しか目に入っておらず、屋台群の至る所に『エコ屋台出店中』と書かれた看板が置いてある事に店員さんの言葉で今更ながら気づいた。

 

「なるほど、それは大変素晴らしいですね」

 

 小学生並みの感想である。

 

「おうよ!!」

 

 それに対し非常に元気に簡潔に返事をしてくれる。

 さて、一つの欲求は難なく満たされたので本命である欲求を満たすとしよう。

 匂いの誘惑が凄過ぎてソロソロ理性が保っていられない。

 

「たこ焼き30個下さい」

 

「おっ、兄ちゃんそんなに食うのかい?」

 

 特に驚いた様子も見せる事無く普通に元気に返してきた。

 

「はい、俗に言う痩せの大食いって奴です」

 

「兄ちゃん、そんなに買って俺のたこ焼きが不味かったらどうすんだい?」

 

 店員さんがそんな質問をしてきた。

 

「はははっ。それはありえないですね」

 

 俺は言い切った。

 

「だって、店員さんの作ったたこ焼きを持ってるお客さんはみんなあんなにいい笑顔になってるじゃないですか。それが美味しくないなんて到底考えられないですよ」

 

「言ってくれるねぇ、兄ちゃん。気に入った、よしっおまけしたる!!」

 

「いやいや、良いですよ、店員さんのたこ焼きを食べられる人が少なくなっちゃいますよ」

 

「なんだよ兄ちゃん、ますます気に入った!!絶対おまけしたる!!」

 

 もう絶対折れそうにない、なので素直に好意に甘える事にした。

 

「では、ありがたくお受けしますよ」

 

「そうそう、それで良いんだよ。しっかし、彼女さんも大変だねぇ。こんな外も中もイケメンだとライバルが多くて気が気じゃないだろうに」

 

 志希に話を振り始める

 

「そうなんですよ~、もう目ぇ離した隙にすぐ別の女が寄って来ちゃって~・・・」

 

 ふむ・・・もう少し耳を傾けていよう。

 

「まぁ、お兄様が格好いいのは、事実だからしょうがないよね~♪」

 

 と、言って腰に手を当てまるで自分の事のように自慢げになる志希

 

「なんだ、お兄様って・・・嬢ちゃんたち兄妹なのか?」

 

「にゃ~~~!!自分で語るに落ちた~~~!!!」

 

 頭を抱え床をゴロゴロ右往左往する志希

 

「おい、恥ずかしい。あと服が汚れるから・・・って言うか今気づいた、それ俺のコートだっ!!」

 

「あ、バレた?てへぺろ~♡」

 

 てぃっと志希の頭にチョップする

 

「ふにゃ~ん♡」

 

 自分を抱き締めるようなポーズになり身を捩りだす

 しまったついやっちまった・・・

 

「はっはっはっはっ、兄ちゃんたちは面白いな」

 

 俺たちの一連の流れを一通り見つつも店員さんの手は止まる事無くたこ焼きを精製し続けている。

 見惚れるほど素晴らしい技術だった。

 いったいこの技術を身に付けるのにどれ程の修練を、研鑽を続けて来たのだろうか?

 一つの事に集中し研鑽を続けられる・・・なんて美徳、ひどく羨ましく美しいのだろう。

 俺はそれが欲しい。まったくなにが【全知全能】か・・・

 

「ほいお待ち!30個+おまけね!!」

 

 などと考えていたら非常に美味しそうな、いや絶対美味しい出来立てのたこ焼きが入ったパックを目の前に5つ出された。

 

「いただきま「すた~~っぷ!!」・・・っ!?」

 

「お兄様、お金。お♪か♪ね♪」

 

 おっと俺うっかり。

 

「えーと・・・すみません、余りに美味しそうなたこ焼きが目の前にあったもので、我を忘れました」

 

「お、おう、なんだ兄ちゃんなかなかどうして抜けてんだな」

 

「そこも私的にはポイント高いところ~♪」

 

 志希が割って入ってきた。

 が、今回()志希には助けられたな。

 

「志希、スマン。本当助かったよ」

 

「じゃあ、コートの事は不問でお願いしま~す♪」

 

「了解」

 

 支払いを済ませ、たこ焼きを貰って空いている席に座る。

 

 爪楊枝と呼ぶには少々大きい楊枝を、女性の口でも一口でいけそうなサイズのたこ焼きに刺し一気に口に運ぶ。

 猫舌では無いしむしろ【全知全能】でその辺の傷からは守られているので火傷する事なく、しかし少々ハフハフしてからよく噛んで味わい飲み込む。

 

「んまー!!」

 

 少しカリカリの生地とトロトロの中身、決して小さくない弾力を持つたこ。

 今まで食べて来たたこ焼きの中でも1・2を争う美味さだ。

 冷めないうちにと2個3個と口に頬張っていく。

 

「・・・」

 

 志希がこちらをジーと見ているのでたこ焼きを楊枝に刺し、志希に差し出す。

 

「すっごい美味いぞ。ほら食べてみろ」

 

「うん、美味しいのはお兄様の顔と行動を見てれば一目瞭然♪でも~、フーフーしてくれなきゃヤダ」

 

 そう言ってそっぽを向く。志希は結構に甘えん坊だ。

 こうなると実行しない限り梃子でも動かない。

 

 放置しても良いのだが、折角の美味しい物を食べれないのも勿体無い。

 しょうがないのでふーふーとたこ焼きを冷まし、そのまま志希の前に差し出す。

 

「あ~ん♡」

 

 エサを待つ鯉のように大きく口を開閉する志希。

 

「・・・」

 

「あ~ん♡」

 

 はぁ・・・と一つ溜息を吐いてから志希の口にたこ焼きを運ぶ。

 

「あむ・・・モムモム・・・ん~~~美味しぃ~♡お兄様が食べさせてくれた♪食べさせてくれた!!相乗効果で志希ちゃんの中で美味しさが3穣倍されました~♪」

 

「なんで基の味を知らないお前が3穣倍の値を出せるんだよ」

 

「匂いで何となく基準がわかる」

 

 志希ならあり得ると思ってしまった。むしろあり得るんだろう。

 

「しかし、このたこ焼きの美味さが3穣倍にもされたら、あまりの美味さに俺は天に召される自信があるな」

 

「お兄様ならあり得る・・・」

 

 この一連の流れ・・・やはり血は繋がって居なくても兄妹、流石と言うべきだった。

 

「さて、美味いたこ焼きも食べたし他も見てみよう」

 

「え!?たこ焼きは?」

 

「ん?もう食い終わったけど?」

 

「はやいよお兄様ぁ、せめてもう一個位あ~んの権利を・・・」

 

「よーし、行くぞぉ!!」

 

 志希の言葉を軽ーく往なし席を立つ。

 いつの間にか俺の腕にしがみ付いてきていた志希が、口を尖らせながらブーブー言っているがいつもの事なので気にしない事にしよう。

 そうしよう。

 さてと、お次は何があるかな?

 




最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

本年は皆さまにとって良い年になりますようお祈りしております。

私事ですが、デレステにて限定の小早川紗枝が当たりまして、
夜な夜な小躍りしてしまいました。
これをきっかけに私も今年は良い年になればと思っております。

では失礼致します。


2020/1/21 文章整形

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