【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく 作:PL.2G
サイドストーリー2作目になります。
空港での1幕です。
若干文字数多めです。
綺麗にまとめられる様になりたい。
ふと見たら☆10の評価が付いて居て、
ブラウザを1度閉じてからまた再度起ち上げ、評価を見直すと言う
良く解らない2度見を行ってしまう程度にはテンパってしまいました。
このような作品にそのような素晴らしい評価を付けて頂けて大変恐縮に存じます。
もっと納得のいける作品に出来たら良いなと思ってはいるのですが、
『小説と呼べるものにすらなっていない』
と言うのが現状の自分なりの評価になっております。
少しでも頂いた評価に値する作品に出来るよう、
もっと、いろいろな人達から様々な評価を頂けるように、
日々研鑽を続けて行きますので、
これからも、どうぞ宜しくお願い致します。
追記分:)ルビ振りがおかしくなっておりました。
いくつか文章の訂正を行いました。
申し訳ございません。
飛行機に揺られること数十時間。
日本の空港に到着した俺達は、迎えが到着するまでの間、兄妹2人で空港内のモールで適当に時間を潰す事にした。
今回、空港までの迎えを買って出てくれた人がいる。他プロダクションであるが、同業者の川島瑞樹さん。
正直、空港までわざわざ迎えに来ていただくなんて非常に申し訳ないと、丁重にお断りをしたわけなのだが、何を言っても首を縦には振ってくれず、結局24分にも及ぶ静かな争いの後、俺が折れる事となった。
「お兄様とデッェトッ~♪にゃはは~」
「あんまりはしゃぐなよ?他のお客さんの迷惑になるからな。それになにより恥ずかしい」
「ぶ~。イイじゃん別に~。私は今っ!!お兄様とのたまさかの逢瀬を全身全霊で楽しまなければならないと言う使命感に駆られているの~っ!!」
頬を膨らませムスッとした顔をする。
その顔とは裏腹に、半ば強引に繋いできた腕を、喜ぶ犬の尻尾のように必要以上にブンブンと激しく揺すっている。
そんな感じでテンションが非常に高めになっている志希をヨシヨシと宥める。
──かく言う俺も・・・実はテンションが上がっているので、志希に悟られない様に己の心も宥める。
何故、今の俺はこのようにテンションが上がっているのか。
──それは、
いかんせんトップアイドルともなると、当然のように
だから今回のような
そして何より、この空港のショッピングモールは色々と話題性があり、現状、時間があまり無いにしろ見て回れるのはやはり心が躍ると言うものなのだ。
空港自体は良く使っていたが、ショッピングモールの方となると仕事の時に来て以来だ。
だから志希を宥める事をダシに使い、己の冷静さを保つ。
【全知全能】が何を言ってるのかと思うかもしれないが、俺の楽しみは唯一では無くいくつかあるのだ。
その一つである『食事』
今回このモールで至る都道府県の、果ては至る国の食事をここで楽しめるのだから、
冷静を保つというのは【全知全能】を持ってしても難しい話だ。
今の状態を例えるなら、
1週間水のみで生活した後、目の前に大好物を置かれ、逆らえないモノから『待て』と言われている様なものだ。
冷静でいられるだろうか?
いや無理だ絶対無理だ俺は耐えられない。
そんなこと考えなきゃ良かった・・・別の例えにすれば良かった。
【全知全能】がやたらリアルな想像を俺に植え付けてきやがった。
うぐぐ、何か食したい・・・
「これこれ志希さんや」
「お兄様が・・・壊れ、た・・・?」
「何か食べませぬか?」
「あぁ、な~る~、そう言う事ぉ・・・、お兄様とならなんでもオッケ~ん。
・・ん?ちょっと待って・・・クンカクンカ、ハスハス・・・
お兄様、あっちから珍しい匂いがするからそっち行こ~」
志希が腕を引っ張ろうとしたが、既にそこには俺の腕は無かった。
「おろ?」
「あ、すみません、この肉まん3つ下さい」
「はい、3つで1200円になります」
「にゃ~!?いつの間にか肉まん買ってる~!?」
「我慢できなかった。ほら、志希にも1個」
志希にほかほかの肉まんを一つ手渡した。
「うんうん、ありがと~、じゃあ行こうね~」
そんなこんなで志希に腕を引っ張られ、
肉まんを食べつつ志希が(匂いが)気になっていると言う方へ向かって歩く。
さてさて、この辺りで皆様の疑問に思っているかもしれない事にお答えしておこうと思う。
何故トップアイドルである俺がこんなに堂々と、人口密度の高い空港内の、しかもそのショッピングモール内でこんなに悠悠自適で堂々としていられるのか・・・
それは・・・
察しの良い方はご明察、【全知全能】の賜物である。
【変装の極意】と【
なんか、別の世界線でとんでもルビが振られている気がするが気にしないでおこう・・・
変装と言っても帽子をかぶり伊達眼鏡をかけてるだけで、実際ばれないのは後者の能力の恩恵が殆どである。
やり方とか仕組みとかは、説明がやたら面倒なので省かせて頂くとして、知人友人各位には後者の能力に関しては一切言って居ない。
『変装すると何故かバレない』で全てを通している。
実際目の前で帽子と眼鏡を着け実証したりしているので信じて貰えている。
ただし、効き目があまり出ない人も居るらしく普通に気付かれることがある。
余談だが、効き目が悪い(全く無い)第一号は、絶賛目の前に居る妹の志希である。
閑話休題 8X―・・・・・・・・
「ここ?」
「くんくん、ん~、お目当てのものはここだね~」
「いらっしゃいませー、2名様ですか?」
「は~い、あんまり立ち止まってるとあれなので~
可及的速やかに席にお通し願いま~す」
「こら、店員さんを困らせるんじゃない、すみません」
軽く会釈する
「・・・は、はぁ・・・2名様ご来店で~すっ、ん・・・あっ!きsモガグッ・・・」
俺の名前を叫びそうになったのでこちらも可及的速やかに店員さんの口を押さえる。
そして人差し指を立てて、自分の鼻の前に持っていき、
「シー・・・」
コクコクと頷くので手を外す。
そうか、この子も効きにくいタイプか・・・
「はぁ~、んっ、大変失礼致しました・・・」
大きく息を吐いた後、呼吸を整えつつ深々と頭を下げる店員さん。
そして淡々と席の案内を始めた。
「こちらの席になります」
完全個室の席に案内して貰えた。
色々な人間が行交う空港にある喫茶店、
様々なニーズに応えられる様になっていてもおかしくない。
「先程は大変失礼致しました・・・」
また頭を下げる。
「いえいえ、大丈夫です。こちらこそ急に口を塞いでしまい申し訳ありません。
寧ろ一般的に考えたら世界的に抹殺されるレベルの事をしてるのは僕ですから、
ですので後日、言い方が非常に悪いですが口止め料的なモノを事務所からお「あのっ!!」・・ほっ?」
突然、店員さんの声の音量が上がったので
素っ頓狂な声が出てしまった
横では左手で両目を隠し、頬を染め、
テーブルに突っ伏し、右手でテーブルをドンドン叩きながら、
小さく身悶えしている志希・・・は、今は放っておこう。
「あのっ!!それでしたら・・・あっ握手を!!握手をして頂けませんかっ!?」
顔を朱に染め、俺を見つめながら興奮気味に言いだした。
「えーっと・・・それだけでいいんですか?」
「ふぇっ!?」
店員さんも素っ頓狂な声をだし、
元々赤かった顔に更に赤みが差した。
ボンッっと、頭から蒸気が出た様に見えた気がした。
「あぁっと、誤解を生みそうな言い方をしてごめんなさい。えぇっと・・・事務所からの謝礼はいらないから握手してくれって解釈で大丈夫ですか?」
「はっ・・・はいっ!!」
首が取れるのではないかと言う位の速度で何度も頷きとても元気よく返事をする店員さん。
「僕なんかで宜しければ・・・」
「はいっ」と、右手を差し出す
すると大きな花が咲いたように満面な笑顔をする店員さん。
この子はコロコロと表情が変わって、見ていて楽しくなる。
そして両手で俺の右手をがっしり掴んで来た。
「大大大大大大大大大っファンですっ!いつも応援してますっ!大感激ですっ!頑張ってください!あ、あとドラマの主役抜擢おめでとうございます。絶対見ます!録ります!あとあと新曲とか出さないんですか!?あっいつも神曲でしたね!!あと、一生手を洗いません!!」
とても嬉しそうに腕をブンブン上下させる店員さん。
テンションが頗る上がって居るのか凄いまくし立てて色々話しかけてくる。
ただ流石に一生手を洗わないのはどうかと・・・
「さ~て、そろそろ終わりにしてもらおうかにゃ~・・・」
そう言って店員さんの手首を掴む志希。
あの謎の状態から復活していたのか。
そして我に返ったのかアワワワワワと言い始める店員さん。
ホントにこの子は面白いな。
名前は・・・残念、名札には「研修中」の文字が。
「お兄様、私たちは食事をしに来たんだよ~、時間もあんまり無いんだし~、ファンサービスも良いけど、私の事もかまってくれなきゃやだやだ~」
頬を膨らませジタバタする志希。
そうだった、当初の目的から大分逸れてしまった。
半ば2つも肉まんを食べた事で余裕が出来てしまったのが裏目に出たな。
「重ねて大変申し訳ありませんでしたぁ~~っ!!」
またまた頭を下げる店員さん・・・
もう膝に頭がついてるよ・・・
「僕も悪いんです、仕事の邪魔をしてしまい申し訳ありませんでした」
「はっ、そうだ!ご注文がお決まりになりましたらそちらのボタンを押してください」
「はい」
「では、大変失礼致しました!!」
ピシャリと礼儀正しく出て行く店員さん。
そして志希に視線を向け話しかける。
「んで、この店に決めた理由とは?」
「ぶ~、お詫びは無いの~?」
「ん、ごめんな」
頭の上にぽふっと手を乗せ謝る
「にゃ~~~♪」
手を乗せた瞬間から、
表現がおかしいかも知れないが、
変な声を上げながら志希が
「心の広い志希ちゃんはこれで許してしんぜよう」
「寛大な処置、ありがとうございます」
「うむ、苦しゅうない。それで~、このお店から珍しい蜂蜜の匂いがしてきたんだよね~。あ、ボタン押すね」
「ハチミツ?まぁ、志希と同じもの食べようと思ってたから良いよって言う前に押してるしな。まあ分かってた」
ボタンを押して数秒で部屋にノックがされる
「失礼致します、ご注文はお決まりですか?」
先程の店員さんが先程とは打って変わって
しっかりとした態度で接客を熟している。
が、チラチラとこちらを見ながら、
俺と目が合うと目を逸らす、と言った感じである。
そんな中、志希は
「店員さん、アボカドの蜂蜜を使った料理くーださい」
なるほど、アボカドの蜂蜜か。確かに日本では珍しいかもしれない。
しかし相変わらず匂いに敏感な奴だ。
肉まんが売ってた店からここまでの距離とか、
他の料理の匂いとかある中から蜂蜜の、しかもその種類までも嗅ぎ分けるとか、正直此処まで行くと本気でミツバチよりもすごい嗅覚を持ってるんじゃなかろうかとも思えてくる。
余談だがもちろん俺も出来ない事は無いが目の前の匂いだけで十分なので本気は出す必要性が無い。
「ってか、品名言えよ」
「だって何に使ってるかわかんないんだもん」
たしかに、それもそうか・・・
「ハチミツを使った料理・・・ですか・・・?
多分ですがパンケーキかと思いますが・・・
一応確認してからもう一度お伺いいたしますね」
「なら、もしパンケーキだったらそのままオーダー通してもらって良いですか?
ご足労掛けてしまうけど、違ってた時だけまた来てもらうって形で・・・」
「はい!わかりました。パンケーキ1つと「2つで」あ、はい」
「あとホットコーヒー2つ「ミルクと砂糖いっぱい持ってきてー」おいっ!」
「かしこまりました。ご注文が変更される可能性がございますので、
復唱は省かさせて頂きます。それではごゆっくりどうぞ」
「あと、店員さん。申し訳ないんですけど、僕がこの店に居る間だけは、
ここに僕が居る事を誰にも言わないで下さい」
「当然です。誰にも言うつもりはありませんのでご心配なく!!では失礼しました」
何故かビシッと敬礼をして出て行く店員さん。やっぱりあの子は面白い。
ちょっと
ちなみに『英雄』と言うのは・・・面倒だから今度説明しよう。
8X―・・・・・・・・
そして、その後運ばれてきたパンケーキに舌鼓を打ち、お気に入りの店にサイン色紙を置いて行くと言う恒例行事を済ました俺たちは、喫茶店を満面の顔で後にするのだった。
さて、まだ川島さんの到着予定時刻まで結構時間があるし、次の出会いも素晴らしい物になると良いなと思う俺だった。
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。
2話冒頭で書いていた内のデートの方が今回になります。
ロシアガールはしばしお待ちください。
今回の店員さんはどうしようか悩んでいます。
完全に勢いで書いた感は否めないので・・・
補足説明:)志希の身悶えシーンですが、
『騎士が素っ頓狂な声を出した事に萌えている』
を表現した結果となります。
わかり辛くて申し訳ありません。
ではこの辺りで失礼致します。
※全体的に文章を修正 2017/01/26