【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく 作:PL.2G
今回、本編ではなく申し訳ございません。
ただ、少し書き上がっているものを箸休め的に投稿した次第です。
因みにこのIf storyは続けるかはわかりません。
では、短いですがどうぞ・・・
本編、もう暫くお待ちください。
やぁやぁ、皆様如何お過ごしでしょう。
俺は今、頗る機嫌が悪い。
神様から【全知全能】の力を貰い、
人生に飽きが来たので、この世界で楽しい生活をする為にはと自問自答したところ
【世界征服】と【アイドル】
この二つの道が示された。
今までの俺だったら間違いなく【アイドル】を選んでいただろうが
その時の俺は幾らか捻くれていたし、厨二病真っ盛りだった事もあって
【世界征服】の道を選んだんだ。
このアイドル至上主義の世界で・・・
そして3年たった現在・・・18歳。
俺は某『白い家』のやたら豪奢な部屋のやたらデカい椅子に座って居る。
既に世界の3分の2が俺の手中に墜ち、
残りをどう落としてやろうかと画策中である。
コンコンッ
扉をノックする音が聞こえる。
「入れ」
「失礼致します」
入って来た女は俺の秘書『和久井留美』
青髪の短髪、鋭い目付きと、隙も無駄も無い佇まいの見目麗しい女性だ。
「どうした?どっかの国からいい返事でも聞けたのか?」
「北のトップから通信です」
「よし、繋げ」
留美は手に持っていたリモコンを、俺はテーブルに組み込まれた機械を操作する。
天井からスクリーンが現れ、そこに一人の小太りな中年男性が映し出される。
「やぁやぁ暫くだったね。どうだ?国を渡す意志は固まったのかな?」
『・・・わ、我々は貴様に屈しない!!』
俺はニヤリと笑う。
「そうか、残念だ・・・非常に残念だよ。貴方はもう少し賢い方だと思っていたんだが・・・
今から、あぁー・・・そうだな・・・6時間、6時間だ。それが貴方達北の国民に与えられた北の国民としての最期の時間だ。その時間で未支配国と結託するも良し。自国だけで迎撃体制を取るも良し。今までの人生を省みて懺悔し、家族と共に過ごすのも良し。貴方の好きなようにしてくれ。通信が切れたちょうど6時間後・・・貴方の前に現れると約束しよう・・・」
そう言い放ち通信を切る。
俺は留美に向き直る。
「留美、今回は俺が一人で出る。最近部下に任せきりで暇をしていたんでな。余計な真似はするなよ?もう一度言っておくぞ?俺は一人で出る」
「畏まりました」
「聞こえたか?まゆ?」
後ろに並ぶ棚の影から突如姿を現す少女。
「うふふふ・・・流石は騎士さま。まゆの事をす~ぐ見つけてくれる。
まゆの運命の人」
小指についた紅いリボンを擦りそう言ったあと、頬に手を充てうっとりし始める。
俺はまゆの言った事を意に介さずにまゆを睨む。
「あ~んそんなお顔の騎士さまもス♡テ♡キ♡
は~い♡まゆは騎士さまが帰って来るのを静かに待っています。
いい女は殿方をどれだけタてられるか・・・ですから♡うふふふふ・・・」
舌舐めずりをし、再度悦に浸るまゆを尻目に俺は立ち上がる。
「支度をするから2人は下がれ。留美、他の奴等にもさっきの事を伝えておけ。それと俺が命令をするまでは余計な事は絶対にするなと釘も刺しておけ。諜報部隊の者にはそのまま偵察を続けさせ、重要な情報は逐一報告するよう」
「はい」
留美は頭を下げると、静かに部屋を後にした。
「まゆ、お前もさっさと部屋を出ろ」
「・・・少しくらい、まゆに構って頂いてもぉ、罰は当たりませんよ?」
「・・・俺は今機嫌が悪いんだ・・・何度も言わせるな・・・出ろ」
「はーい・・・では今晩も、楽しみにしていますね♡では、御武運を♡」
まゆはゆらゆらと、ゆったりとした雰囲気のまま退室する。
まゆが退室したのを見届け、数秒後、椅子に崩れ落ちる。
そして完全に誰も居なくなった事を確認し、大きく溜息を吐く。
「はぁぁ~、疲れる・・・ああ言う雰囲気は未だに慣れないんだよなぁ・・・」
先程までピリピリしていたが、実はあまり・・・
いや、凄くああ言った状況が嫌いなのだ。
じゃあ普段からそのままにしていれば良いのではないか?と思われるかもしれないが、
【全知全能】がそれを許してはくれなかった。
と、言うよりは、この状態での世界征服は非常に面白くなくなる
因みに『~らしい』と言っているのは、【全知全能】の能力に、いくつかの制限を設けており、その内の一つ【予知】を使えなくしている為、結果を見れなくしている。
コレも【全知全能】の楽しく生きる為の重要なファクターらしい。
「さて・・・と、あと6時間、ゆ~っくりま~ったり準備しますか~・・・
しっかし・・・今夜もまゆちゃんの相手をすんのかぁ・・・気が重いなぁ・・・」
どんな相手をするのかはお察し。
肘掛に手を付き、再度椅子から立ち上がる。
そして左側にある本棚の方へ歩いて行き、並んでいる本の一冊に手を掛け手前に引く。
すると本棚は音も無く床に飲み込まれていく。
退いた本棚の後には、黒光りしたとても重厚な西洋甲冑が飾られている。
俺はその甲冑に手を掛け、一つ一つ身に着けていく。
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翼を模した黒いマントを羽織り残りは冑を被るのみの状態で「ふぅ・・・」と一息吐く。
直後、俺は左足を軸に右回し蹴りを放つ。
ゴゥと言う音と共に机の上に載っていた紙媒体の大量の資料が部屋中に舞う。
「いきなり背後に立つなんて・・・趣味が悪いな?あやめ」
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
俺の、甲冑を纏った右爪先のほんの数ミリ先に顔面蒼白の女の顔がある。
目を見開き、荒く息を吐き、冷や汗が頬を伝い床に垂れる。
『浜口あやめ』
少し派手目な色を所々に配った忍び装束に身を包んだ少女。
忍者に憧れ、そのまま
その【力】を有効活用し、諜報部隊として動いてもらっている。
「も・・・申し訳・・・ございませんっ・・・」
息も絶え絶えに返事をし、崩れるように跪く。
「何の用だ?もしくだらない用事だったら・・・」
俺は脚を上げた体勢のまま、あやめを睨みつける。
「いっいえ!!あ・・・あの、さっ・・・先程、
北の地よりの軍をこちらに向けると、情報を傍受しましたので・・・その、ご報告を・・・」
「ほう・・・攻撃に出るか、面白い。で、北のトップは一緒に向かってるのか?」
俺は脚を下ろし机の方へ向かう。
「いえ、奴は自国にて待機との事です」
「そうか、敵兵の数は?」
「凡そ20,000と推察されます」
俺は椅子に座る。
「ふむ・・・ヘレン!マキノ!千秋!」
部屋の中から名前を呼ぶ。
ノックも無しに扉が開き、3人が部屋に入ってくる。
へ「ハーイ、騎士様。私の出番?」
マ「出番でもないのに騎士様が呼ぶわけが無いでしょう?もっと良く考えてから発言してください」
千「ふふ、なにかしら?」
「あやめの情報によるとこれから北の軍がこちらに向かってくるそうだ。数は凡そ20,000」
マ「20,000?たった20,000?それだけで騎士様に歯向かうと?」
「俺は北のトップと6時間後に直接会う
こっちに向かっている奴らの相手を頼んだ。お前たち3人でどうにか出来るだろう?」
ヘ「3人?私1人でもどうにかできるって知ってるでしょ?私は何をさせても世界レベル。騎士様にがっかりなんてさせないわ」
「俺は3人でどうにかしろと言っているんだ。3人で話し合った結果ヘレン1人でどうにかするとなったのならそれも良いだろう」
千「だ、そうよ?ま、ここで話してたって騎士様の邪魔になるだけ。騎士様?用件は以上でよろしいですか?」
「ああ、正直相手に負けを認めさせられるなら、どんな結果でも構わない。お前達の好きにやれ」
マ「その言葉、痛み入ります」
ヘ「さっすが騎士様。暴れちゃうわよー」
千「さ、行きましょ。では、失礼します」
3人は踵を返し部屋を後にする。
「では、私もこれにて!!」
あやめの身体の周りに小さな旋風が発生したかと思うと忽然とその場から消え去った。
「ふぅ・・・」
約束の時間まで、後5時間――――
最後まで読んで頂きありがとうございます。
本編の方、がんばります。
では失礼致します。
※加筆及び修正を行いました。2018/12/23