【凍結】Fate/Grand Order 特異点X 東方戦国魔城 日本 〜戦国の三英傑〜 作:餌屋
身が引き締まる思いです。
お…お手柔らかに…
※12/11誤字脱字等修正
一週間前の事だ。徳川幕府が開かれ治世に期待が高まっていた頃、突然江戸が襲撃された。
襲撃してきたのは鬼の面を被った武士達。数はそこまで多くはなかったんだがその面の通り鬼のような強さだった。
そして瞬く間に精鋭揃いの守備隊を壊滅させそのまま江戸城を攻め落としよった。
「お主が『徳川家康』か…何とも落ちぶれたものだな」
「の…信長公…バカな…」
儂は城門前に集められた徳川配下の生き残りだった。
儂らの他にも武将方や家康様も引きずり出されたが、その前にあの男『織田信長』が現れたんだ。
「お…織田信長…」
「信長公だと…!?」
「死んだはずでは…」
「というより、全盛期のお姿のままとはどういう…」
信長を目の当たりにすると周りの仲間たちがだんだん騒ぎ出した。
そりゃそうだ。
例え密かに生きていたとしてもここまで若さを保つなどあり得ない。
「黄泉の国より今帰還した…第六天魔としてな」
第六天魔。
その名は当時の話を知る誰もが恐れる名だった。
そして皆、徐々に理解した。
『織田信長』が真に『第六天魔』として蘇ったと。
そして信長が家康様に何やら話しかけた。
「さて…『家康』よ…一つだけ聞きたい事がある」
「な、何かな?」
「『徳川の秘宝』はどこだ?」
「…!!何故それを…」
「ふん、何故儂が知っているかなどどうでも良い。答えは?」
「…知らんな」
「そうか」
そこからは瞬く間だった…
信長の腕が動いたかと思うと一刀にして家康様の首が…
そこからはまた荒れた…
徳川兵たちが騒ぎ出し信長の鬼面達に襲い掛かり、返り討ちにされていき…
その中で武将のお一方が、儂を含めた何名かに声をかけ…そのお方の導きで何とか逃げ延びた、という訳だ。
***
「これが儂の知っている顛末だ」
平助さんが事情を説明してくれるのを最後まで聞いた俺達だったが、結果得たのは声も出ない位の驚きだけだった。
「つまり…徳川家康は既に殺された…?」
「家康公が…織田信長に?」
「嘘じゃろ…」
「最悪だな…」
「…」
『なんてこった…この時点で徳川家康が死亡すれば、その後の歴史に重大な齟齬が生まれてしまう!そうか、だから急激に特異点化が進んでいたのか!』
ドクターが通信先で狼狽えた声を上げている。
その通り、ここで徳川家康が死ぬと後の大坂冬の陣、夏の陣の史実に影響を及ぼすし、それ以前に江戸幕府という政府機構が無くなると歴史が完全に狂う事になる。
この深刻さはもはや洒落になってない。通常特異点と同レベルの深刻さだ。
いったん落ち着こう。俺達は一体どう動けばいい…
俺は混乱する思考を何とか落ち着かせ、整理する。
そしてまず確認しなければならない事があった。
「平助さん、その魔王『織田信長』は男性だったんですね?」
その質問に仲間たちがハッとする。
「ああ、当たり前じゃ。信長公はれっきとした男よ。がっしりとした体つきでな。昔は何だかんだ憧れていた兵も多かったと聞く。だが…あの時見た信長公は、人ではない…それこそ魔王の雰囲気が漂っていた」
「念のため聞きますが、彼女に似ていたりは?」
「はぁ?」
そうノッブを示しながら問う俺に平助さんは怪訝な顔を浮かべる。
これで一つはっきりした。
「魔王信長は…ノッブとは別人?」
「ええ、そして一度死んだはずという事は恐らくサーヴァントなのでしょう」
「平助氏らが件の男を『織田信長』と認識している事を考えれば、別側面、別可能性のサーヴァント『織田信長』である可能性が高いな」
「何だ、またノッブが何かやらかした訳じゃないんですね」
「うおい沖田!儂はそんなホイホイ事件など起こさんぞ!」
「どの口が…」
「なあ、あんたらが今言った『サーヴァント』って、超人たちの事か?」
俺達が若干話題がそれつつも話を整理している中、平助さんがそんな質問をした。
「サーヴァントの事を知っているんですか?」
「儂らは『超人』と呼んでいるがな。奴らは一人一人がとんでもない強さで、しかも皆死んだはずの人間なんだ」
「なるほど、確かに俺達がサーヴァントと呼んでいる存在と同じみたいですね」
「しかも今、儂らを指揮している方々も超人なんだよ」
ん、どういう事だ?
「魔王が復活してからというもの江戸周辺では超人となった死んだはずの武将方が何名も現れてな。今やここら一帯は魔王とそれ以外の二つに分かれた戦場となっているんだ。そして儂らは落ち延びて以来、その打倒魔王を掲げた武将方の軍に入っているのさ」
「サーヴァント達は、全員武将なんですか」
「いや、まあ皆という訳じゃないんだが。名の知れた方である事は間違いない」
「そして、信長様に敵対する陣営の名はその名の通り『反信長同盟』。でしたね?」
「くそっ!追いつかれたか!」
「何っ!?」
突然声が聞こえてきた事に驚きつつ警戒を強めると、周りを巫女服姿の女性たちが包囲しているのに気が付いた。
彼女たちから俺達に浴びせられるのは、純粋な殺気。
「…ドクター、今の今まで分からなかったのって」
『ああ、高ランクの『気配遮断』が働いていたと考えてまず間違いない!それに彼女たちからはサーヴァント反応が出ている!』
「お初にお目にかかります。未来からやって来た魔術師どの。私はサーヴァントアサシン、真名を望月千代女と申します」
望月千代女、巫女たちから一歩前にでてきた女性がそう名乗る。
黒髪をポニーテールに纏め凛とした顔を浮かべる綺麗な人だった。
『望月千代女…?もしかして武田信玄に仕えたという!』
「ロマンも良く知っとるのう。その通り、あ奴は武田の忍びじゃ」
望月千代女。
甲賀流上忍の出身で、武田信玄に仕え「歩き巫女」というくノ一衆を育成したとされている。
「江戸周辺警戒でそこの兵達をわざと泳がしてみれば…とんでもない大物が釣れました。感謝しますよ」
「…まさか、儂らから死人が出なかったのは…」
「当たり前でしょう?我々が何の力のない人間を、万が一にも取り逃がすわけがないでしょう」
なるほど、どうやら平助さんの返り血は彼女たちとの戦闘によるものだったようだ。
わざわざそこまでの出血をさせてまで騙したというのか。
「いやそんなんで騙される訳ないでしょ…」
沖田余計な事は言うな!
しかし先ほどの千代女の発言。俺を未来から来た魔術師と言った。
つまりこっちの事はお見通し、自分たちが人理崩壊の手助けをしているというのは理解しているという事か?
「ふふっ」
「何がおかしい?」
「いえ、とんでもない。嬉しいのですよ。たった少しの発言で様々な事実まで思考が行くその洞察力と、あなたを信じ独断で動かず指示があるまで手を出そうとしないお連れのサーヴァントの方々…正直予想以上のお方でして」
「あんた…」
「……さて、それではあなた方を信長公のお連れしましょうか。といってもこの時代の歪みを直しに来た方々ですからね…歪みを作った原因である私たちの願いに素直に応じてはくれないでしょう」
「良く俺達の事がわかっているようだな」
「ええ。あなた方の事は信長公から良く聞いております。なので…」
「危険な芽はここで摘み取るとしましょう」
そして千代女の殺気が一段と強まる。
「平助さん!皆さんを連れて下がっていてください!」
「す、すまん助かる!」
ここからはただの一般人の平助さん達には危険すぎる。
『アサシン望月千代女と他巫女サーヴァント達戦闘態勢に入った!状況は完全に包囲されている!気を付けるんだ!』
「マスター、斬っていいですよね?ね?」
「ふん、忍風情が儂によう歯向かうわ」
「何人たりとも、私の息子に手出しはさせません…!」
「マスター、指示を!」
皆が戦闘態勢に入り俺の指示を待ってくれる。
「よし…早速だけどこの時代最初のサーヴァント戦だ。何とか切り抜けて状況を打破するぞ!」
『応!』
「さあ、では始めましょうか。歩き巫女と言えど一人前の忍。我らの神髄、とく味わっていただきましょう」
作者「第七特異点クリアしたぞー!面白かった!それしか言えない!」
ちゃりん娘「色々言いたい事はあるのですが完全なネタバレですしね」
作者「まだ第七特異点到達していない方はぜひ急いで!」
おき太「ところでノッブ。ノッブを使用した際の致命的な進行不能バグについて一言」
ノッブ「儂が何をしたんじゃああああああああああああ!!!!」
作者「詫びぐだイベ待ったなし」
初めて不具合報告見た時、目を疑いました。
今は修正されたようですが。
本家EXP様の方でもネタにされそうです。
第七特異点は非常に楽しめました。
バトルは結構面倒だった印象←
まだクリアしてない方に一つだけ言うならラスト近くはなるべく???のゲストサーヴァント使うと良いと思います。
取りあえず鯖育成と絆上げを最終決戦実装まで頑張ります。
俺に歯車をくれ。
それではまた次回。