小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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タイトル通りのまんま下ネタです。
苦手な方はブラウザバックしてください。


セクハラしたいお年頃 前編

 恥の多い人生を送ってきました。

 

 実は俺、セクハラ魔なんです。

 

 反省はしてるけど止められない。

 

 だって気持ちいいから!!!!!

 

 

 ある日、俺とぐだ子はちょっとしたお使いを頼まれていた。

 切れた蛍光灯の交換だ。

 たまたま資材スタッフの近くに俺たちが居たのでついでで引き受けたわけだ。

 交換するには脚立に乗る必要がある。

 

「じゃあ俺が抑えるからぐだ子登って」

「やだよ」

 

 当然の反応が返って来た。

 もちろんこのぐだ男、この程度では止まらない。

 

「なんで?」

「スカートの中覗く気だろ。この変態」

 

 まったく。人を変態扱いして。

 いや、そうだけどさ。

 

「何言ってんだよ。俺の方が体格いいんだから俺が抑えたほうがいいに決まってるじゃん。

お前は安全に作業できて俺はオカズが手に入るし、ウィンウィンだろ?ふふふ……今日はどんなパンツ履いてるのかな?

……痛い!痛い!ごめんなさい!調子にのりました!黒鍵で殴らないで!死んじゃう!死んじゃう!

僕が脚立に登りますぅぅぅぅ!!!」

 

 いつものやり取りだ。

 

 話変わるが。今年バレンタインデーで女性サーヴァントたちからチョコをもらった。

 俺も上げたし、お返しもした。

 

 みんな用意してくれていたが、モーさんこと円卓の騎士モードレッドだけは用意してなかった。

 彼女は少し考えると「食いかけだけどこれやるよ」と食べかけのブラック●ンダーをくれた。

 「一目で義理とわかるチョコです」のアレだ。

 

 モーさんの食べかけ……俺が何を考えたか、男性諸氏なら容易に想像がつくことだろう。 

 

「……間接キス」

 

 真顔でモーさんの顔を見つめながら俺はぬるっとした勢いでモーさん食べかけのブ●ックサンダーを齧った。

 モーさんは唖然として俺を見ていた。

 

「ふう……モーさんの唾液おいしいなあ」

 

 勘違いの無いように言っておくが、俺とモーさんは良好な関係を築いている。

 「オレの剣を預け、名誉を預け、命を捧げる」と言ってくれたぐらいだ。

 モーさんは女扱いされると怒るし、男扱いしても怒るので褒めるときは「モーさん、かっこかわいい」と言って褒めている。

 この褒め方気に入ってくれたらしい。

 だからこれはじゃれあいなのだ。ちょっとしたじゃれあいなのだ。

 ホントだよ。

 

「……痛い!痛い!ごめんなさい!調子に乗りました!

素手で殴ってくれる優しさは嬉しいけど普通に痛いよ!!モーさん!!!!」

「優しさじゃねえ!お前みたいな変態殴ったらクラレントが汚れるだろうが!」

 

 

 話は変わるがカルデアには魅力的な女性が多くいる。

 でも一番かわいいのはマシュ。

 異論は認めない。

 

 俺は一日一回マシュでオ●ニーしないと体調が悪くなる。

 羅生門の時などビーストと化したマシュのおかげでテクノブレイク寸前になったぐらいだ。

 同行した金時に本気で心配されるぐらいやばい状態だった。

 

 懲りない俺は「マシュ!マシュ!」と絶叫しながらある日も日課をこなしていた。

 だが、どうも施錠が緩かったらしく部屋の外に声が漏れていたらしい。

 通りすがりのアステリオスに声を聞かれてしまった。

 

「ぐだお……いき、あらいけどだいじょうぶ?……ましゅにきてほしいの?ましゅならさっきぐだこといっしょにいたよ?」

 

 心配されてしまった。

 アステリオスいい子すぎ。

 

「ゆ……夢だよ。怖い夢を見たんだ。おどかしてごめんね、アステリオス」

 

 と俺は誤魔化した。

 

「ぐだお……ごめん、ぼくゆめのなかじゃぐだおのことまもれない……う……」

 

 なんだこの子。天使か?

 

 ある日。

 ダヴィンチちゃんに呼ばれて、俺とぐだ子はブリーフィングをしていた。

 その帰り、廊下でマシュとすれ違った。

 

 マシュは俺たちに気づき、気を取られてしまったのだろう。

 「あっ」と短く叫んで、手から書類がこぼれた。

 彼女が屈んで資料を拾い始めたので俺たちも屈んで手伝ったのだが……

 

「お、おおう……」

 

 知っての通り、カルデアの制服は地味にスカートが短い。

 何が起きたかは言うまでもないだろう。

 屈んだままの姿勢でよかった。前かがみ状態を不審がられるところだった。

 

「ありがとうございます」

「水玉……かわいいの履いてるんだね。ごちそうさまでした(マシュ、大丈夫?運ぶならいつでも手伝うからね)」

 

 しまった。本音と建て前逆だった。

 

「……痛い!痛い!ぐだ子さん!ツッコミの度に新しい礼装試すの止めて!それ、マルタさんのホーリー・ナックル!!

死んじゃう!!!死んじゃうよ!!!」

 

 マシュは……俺たちのやり取りを見ながら顔を真っ赤にして

 

「……粗末なものをお見せしてすいません」

 

 と言っていた。

 マシュかわいい。

 

 

 俺たちはサーヴァントとこまめにコミュニケーションを取っている。

 マイルームの呼び出しは日替わりで、今日はジャンヌの番だった。

 

 ジャンヌは聖人だ。精神的、完全に本物の聖人だ。

 敵の命か自分の命。どちらかしか助からないなら迷うことなく自分の命を捨てる。

 狂気とも言えるけど、そんな彼女に俺は最大限の敬意を払っている。

 もちろん、ぐだ子もマシュも。

 

 でも、イタズラしたくなるが俺の悪い癖。

 

「ジャンヌが異端審問にかけられた本当の理由、俺わかったよ。

――それだ」

 

 俺が指さした先には、聖女の聖パイがあった。

 

「胸……ですか?」

 

 ジャンヌは真剣な眼差しで聞いている。

 マシュは困った顔をしている。

 ぐだ子がパーフェクトに呆れている。

 そろそろぐだ子のツッコミが飛んでくるかもしれないがその程度でこのぐだ男が止まるはずもない。

 

「ジャンヌ。そんなおっぱい持ってたらそれ自体が罪だよ。

『なんとけしからんおっぱいだ!』ってサムエル記にも書いてあるでしょ?」

「そんな記述は知りませんが……成程。それは盲点でした。

よくわかりませんが、分かりました」

 

 ジャンヌは真面目だ。

 真面目すぎてよく騙される。

 ある時など、俺たちのやり取りをたまたま聞いていた天草が思わず「ブフォ!」と勢いよく吹き出していた。

 

「ガウェインも『あの清廉な佇まいと対照的に豊かに実った果実!あれはまさに犯罪です!』って言ってたよ」

 

 ジャンヌは変わらず真面目に聞いている。

 ついにマシュの倫理コードに引っかかった。

 

「はい。私もよくわかりました。ぐだ男先輩とガウェインさんには後でお話があります」

「俺もマシュに話がある。マシュ、デートしようよ」

「え……そ、それは嬉しいですが///今は関係ありません!もう!先輩のバカ!」

 

 ああマシュかわいいよ……

 

「マシュ、ぐだ男には私からよく言い聞かせておくから。物理で」

「はい。お願いします」

 

 というぐだ子とマシュの不穏なやり取りがあったがきっと冗談だろう。

 

 ジャンヌは不思議そうに俺たちのやり取りを聞いていたが、彼女の方も聞きたいことがあったようだ。

 礼儀正しく挙手して発言した。

 

「オルタが相変わらず私を避けているのですが、どうしたら仲良くできるでしょうか?」

 

 オルタちゃんことジャンヌ・ダルク・オルタはその出自故にジャンヌのことを嫌っているが、ジャンヌはオルタちゃんと仲良くしたがっている。

 オルタちゃんはからかうと面白い。

そういえば昨日、エミヤお手製のカヌレ、オルタちゃんがジャンヌの分までもしゃもしゃ食べてたな。

 

 よろしい、ではこれはイタズラではなく誅罰だ。

 俺とぐだ子はニヤリと笑って顔を見合わせた。

 

「そうだね。『刀剣●舞』の兼定と国広はどっちが攻めでどっちが受けか聞いてごらん」

 

 ぐだ子は真剣を精一杯繕いながら最低のアドバイス(笑)をした。

 

「攻めと受け?攻めの反対は守りではないのですか?」

 

 俺は勿論、援護射撃だ。

 

「攻めと受けでいいんだよ。そう言えばオルタちゃんには通じるから。あと『袖くる』してあげると喜ぶよ」

 

 ジャンヌは邪心の欠片もない満面の笑顔で礼を返した。

 

「よくわかりませんがわかりました!ありがとうございます!」

 

 後日、もちろんオルタちゃんと追いかけっこする羽目になった。

 

 




このぐだ男最低だなwww
後編に続きます。

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