東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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三ボス出てきた後の二ボスのお話です()

後、前回もそうでしたが、戦闘描写を飛ばしています。かなり下手だしね()
下手でもいいから、なんか解説のような戦闘描写を入れて欲しい人が多ければ、入れますけどね()


8、「迷い家の黒猫」

 side Kirisame Marisa

 

 ──妖怪の山(迷い家)

 

「はて。こんなところに家があったっけ?」

 

 雪が吹き付ける中、しばらく飛び続けていると、見慣れない場所に家を見つけた。

 

「無かったと思うぜ。それにしても、ここは人間の様な何かが棲みそうな所だな。猫とか、犬とか、狐とか」

「呼ばれて飛び出て......」

「......出る杭は打たれる、か?」

「どっちかと言うと、出る杭を打つ、の方が正しいと思うわよ。勿論、打つのは私達ね」

 

 そう言って出てきたのは、猫みみに猫のしっぽを二本持つ、化け猫だった。

 容姿は赤いベストに赤いスカート。首元にピンク色の蝶結びのリボンをつけて、頭には緑の帽子を被っている。

 

「で、何の用?」

「四本足の生き物に用などないぜ」

「迷い家にやってきたって事は、道に迷ったんでしょ〜?」

「道なんて無かったけどな」

「そうね。で、たしか、迷い家ってここにあるもの、持ち帰れば幸運になれるって......」

「なれるわよ」

 

 マジかよ......それなら、やることは決まりだな。この妖怪には悪いけどな。

 

「霊夢、少し寄り道していいか?」

「えぇ、勿論いいわよ。じゃぁ、略奪開始ー」

「なんだって? ここは私達の里よ。人間は出てってくれる?」

「迷い家って二度と戻れないとか聞いたことあるぜ」

「まぁ、合ってるよ。じゃ、力尽くでも帰ってもらうしかないようね!」

「あぁ、力尽くでも奪うしかないな。霊夢、ここは任せてくれないか?」

「いいわよ。その間に、私は軽くて身近な日常品でも探しておくわ」

 

 そう言って、霊夢は先ほど見つけた家へと入っていった。

 

「あ、待てー!」

「おっと、お前の相手は私だぜ? さぁ、早めに倒されて、ここにあるものを渡してもらおうか!」

「くっ、化け猫の恐ろしさを味わってもらうわ!」

 

 こうして、私は化け猫と弾幕ごっこをすることになった────

 

 

 

 

 

 side Renata Scarlet

 

 ──妖怪の山近く(上空)

 

「オネー様、桜あった」

「はい、ありがとうございますね。......結構集めましたね。このまま集めていたら、異変の黒幕のところまで行けるのでしょうか......」

「ま、これ以外の方法なんて霊夢や魔理沙を見つけるしかないし、こうするしかないと思うよ」

「まぁ、それもそうですね」

 

 アリスと会ってから、私達は桜の花びら......いや、春度を集めている。

 森の上だというのに桜の花びらが飛んでいるし、やっぱりこれは普通の桜じゃないんだなぁ。......いや、森の上でも風次第では翔んでいるのかな? よく分からないけど。

 

「お姉様、どうしたの?」

「ん、いえ、何でもありませんよ。それよりも、先ほどから吹雪が凄いですけど、大丈夫ですか?」

「それくらい大丈夫よ。それほど強いとも思ってないしね」

「うん、私も」

 

 んー、結構強いと思うんだけどなぁ。やっぱり、これ以上強い時に外で遊んだせいでもあるのかな?

 あの時はお姉様に怒られたくらい酷かったし......。まぁ、フランもルナも楽しそうだったし、元気だったけどね。

 

「......お姉様、ちょっと寒いわ」

「え? あ、ちょっ......」

 

 フランがそう言って、私の腕にしがみついてきた。......うん、ちょっと暖かいね。

 

「あ、フランずるい。オネー様、私も!」

「え、二人だと......はぁー......」

 

 ルナも同じように片方の腕にしがみついてきた。

 流石に笑ってちょっと飛びにくいんだけどなぁ。まぁ、フランとルナが嬉しそうだからいいけど......。

 

「オネー様、暖かい」

「うん、そうだね。三人だともっと暖かいねー」

「飛びにくいですけどね......」

「でも、暖かい方がいいでしょ?」

「まぁ、そうですけど......吸血鬼ですし、人間よりはマシだと思いますけどね......」

「お姉様、いつも人間と比べるけどさ、霊夢とか魔理沙とかそんなに寒いと思ってないと思うよ?」

「いえ、あれは人間と言う名の別物ですよ、絶対に」

 

 まぁ、私の前世の時と今世の人間はちょっと違うからね。フランがおかしく思うのも仕方ないね。......いやまぁ、ちょっとどころか、結構違うけど。こっちは空飛んだり、弾幕撃ったりするし。

 

「ふーん......やっぱり、霊夢や魔理沙は普通とは違うのね。......お姉様、私達は普通?」

「え? ......はい、普通ですよ。全く以て普通の、私の可愛い妹です」

「......うん、そう言ってもらうだけでも嬉しいよ。ね、ルナ」

「うん、私もそう思う」

「......おや、雲の上から桜の花びらが落ちてきてますね」

 

 吹雪で気づきにくいが、よく見ると雲の上から桜の花びらが落ちてきているのが見えた。

 もしかして、冥界って雲の上にあるのかな? ......行ってみるしかないか。

 

「フラン、ルナ。雲の上に行こうと思いますので、フードをしっかりと被ってくださいね。多分、そうしないと日光に焼かれるので」

「うん、分かった。......ほんと、太陽って嫌い」

「そうだね。まぁ、太陽がないと、月が見えないし、ちょっとくらいは我慢してあげるけどね」

「フラン、上から目線過ぎません? まぁ、別にいいですけど......。ではまぁ、行きましょうか」

「うん、準備はいいよ。あ、手は離さないでね?」

「え、ま、まぁ、いいですよ。......まぁ、もしもの時は何とかすればいいですよね......」

 

 こうして、私達は雲の上へと登って行くことにしたのであった────

 

 

 

 

 

 side Kirisame Marisa

 

 ──妖怪の山(迷い家)

 

「よし、これくらいでいいわね。さ、行くわよ」

「あぁ、そうだな」

「うぅ......強い......」

 

 あの後、スペルカードを使って化け猫を倒し、家から幾つか役に立ちそうな物を奪って......いや、借りてきた。

 まぁ、これから異変を解決しに行く、ということもあり、借りたのは少なめだけどな。

 

「さて......あら? ちょっと魔理沙、桜の花びら......雲の上から落ちてきてない?」

「......はぁ? 何を言ってるんだ?」

「だから、雲の上から落ちてるのよ。桜の花びらがね」

 

 桜の花びらが雲の上から? そんなの、有り得るわけ......いや、霊夢が言ってるんだし、本当のことか。

 

「......行ってみるか?」

「行くしかないわよ。異変を解決する為にもね」

「まぁ、そうだな。じゃぁ、行くとするか」

 

 雲の上でも桜が舞い散る......一体、どうなってるんだろうな。まぁ、私は異変が解決さえすればいいんだけどな。

 

「......あら、別に何ともないわね。でも、桜の花びらはあるのね」

 

 雲の上を抜けると、当然のごとく吹雪は止んでいて、特に変わった様子はなかった。が、桜の花びらが舞っているという、不思議な光景が広がっていた。

 

「やっぱり、お前の言った通りかもな。......行くか」

「えぇ、そうね。......あら、あれは何かしら?」

 

 霊夢が指差した方向には、何か人型のものが三つほど浮かんでいた。

 あれは......フードを被っているのか? それに、何か背中に生えている気がするな。

 

「......あぁ、めんどくさい奴の妹達だわ。こんなところでどうしたのかしら?」

「え? めんどくさい奴って誰だ? それに、妹達って......」

「貴方も知ってる奴よ。確か、れ......レプリカ?」

「あぁ、レミリアだな。と言うか、どうして間違えてるんだ? 毎日のように会うだろ?」

「めんどくさい奴の名前は憶えようとは思わないのよ」

「あぁ、うん、なるほどな......」

 

 やっぱり、妖怪に対しては......いや、これはレミリアだからか? ......まぁ、別に気にしなくてもいいか。

 

「まぁ、取り敢えず、話しかけるか」

「えぇ、そうね。......特に嫌な予感はしないし、黒幕に関係あるとは思わないわよ」

「そうか......霊夢がそう言うなら大丈夫そうだな」

 

 こいつの勘は凄く当たるし、レミリアの妹......レナ達も悪い奴ではないから大丈夫だよな。

 まぁ、どれだけいい奴でも、妖怪は妖怪だから、一応警戒はするけどな。

 

「おーい! レナー! フラーン! ルナー!」

「ん、あ、魔理沙ー!」

「え、ちょっ、うわっ!」

 

 そう言って、フランがかなり速いスピードで突進してきた。

 太陽があるせいか、そこまで勢いはなかったけど......やはり、少し痛いな。

 

「あ、フラン! すいません、魔理沙」

「いや、大丈夫だぜ」

「魔理沙......と霊夢だよね? ようやく会えたね」

「......フラン、そろそろ離れてあげて下さい」

「ん、あ、ごめんなさいね」

「フランは気に入った人を抱きしめる癖がありますからね......えぇ、癖ですよね......」

 

 なんかそんなに羨ましそうな顔で見られてもなぁ。

 

「お姉様、羨ましいの? 後でしてあげるから我慢してね?」

「......はい、それなら我慢しますね」

「......オネー様、私もしてあげようか?」

「はい、喜んで」

「......もういいかしら?」

「え、あ、す、すいません。何ですか?」

 

 ......やっぱり、こいつらはちょっとズレてるんだろうな。色々と。

 

「貴方達はここで何をしてたの?」

「え? 異変解決しに来たのよ?」

「そう、異変を......って、えぇ!? ......まぁ、そう言うこともあるか」

「いやいや、意外と軽いな!?」

「だって、妖怪が異変を解決してはいけない、っていうルールは無かったでしょ? と言うか、作らなかったはずよ......多分」

 

 ま、まぁ、確かにそうか。......それに、悪い奴ではないし、異変を一緒に解決してくれるってなら、それはそれで嬉しいしな。

 

「と言うか、そこは多分なのね。ま、別にいいけど」

「さ、それよりも、早く行きましょう。おそらくですが、咲夜が先に言ってるので......心配ですし」

「え、あいつも来てるのか? お前らって結構異変を積極的に解決する奴らなんだな。異変を起こす側だったのに」

「ま、異変を起こしたのはレミリアお姉様だしね。私とお姉様は地下にずっと居たし」

「私も、その時はまだフランと一緒だったしね」

 

 おっと......これは言わない方がよかったのか? ......いや、大丈夫そうだな。まぁ、出来るだけ言わないようにするか。

 

「......あぁ、そうだったな」

「一緒? どう言うこと?」

「前も話したと思うが......まぁ、帰ってから話すぜ。さ、行こうぜ」

「うん、そうね。行こっか。春度を追いに.....ね」

 

 こうして、私達は桜の花びらを集めながら、先へと進んでいった────




次回は水曜日の予定です。......あまり進んでない気がするなぁ()

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