今回で後日談終わると思ったけど、おそらく終わらない()
まぁ、次からはEX編にしますけどね()
side Hakurei Reimu
──博麗神社
「はぁー......」
「どうしたの? ため息なんてついて。ため息をつくと、幸運が逃げるらしいから、やめた方がよくってよ?」
「あぁ、うん。そうらしいわね。でも、そのため息の原因に言われたくないんだけど? どうしてここにいるのよ」
朝早くから、前の異変で倒した妖怪が何故か従者を連れてやって来た。
全く、迷惑にも程があるわ。こいつらのせいで妖怪神社って言われちゃうわ......まぁ、ここに来る人間なんて最近見てないけど......。
「遊びに来ただけよ。ねぇ? 咲夜」
「えぇ、そうですね。霊夢、お嬢様も暇なので、許してやって下さい」
「嫌よ。この神社は妖怪に乗っ取られたって思われるじゃない」
「あら、こんな場所に人間が来るの? ここに来るまで、全然見なかったけど?」
「うっ、ま、まぁ、たまにはそんなこともあるわよ......」
やっぱり、ここに来るまでにも妖怪とか妖精とか居るしねぇ。ここに建てなくても、他にもいい場所があったと思うんだけど......まぁ、結界のこともあるからここになったんでしょうけど。
「そう、今日は偶然誰も来なかったってことね。......可哀想に。これから一週間の間は白黒の魔法使いと私達くらいしか来ないわよ?」
「うっ、嘘だとしても、それを言われると結構きついわね......。はぁー、ここ一ヶ月くらいは本当に参拝客来ないし、賽銭箱も貯まらないし、どうにかならないかしら」
「よかったら、うちで雇うわよ? 咲夜も居るし、家事とかは教えてくれると思うわよ」
「あぁ、うん。それは遠慮しとくわ。博麗の巫女が妖怪のところで働いているってなると、余計に人が来なくなるから」
「あー......それもそうね。それにしても残念だわ。折角面白そうな人間を雇えると思ったのに......」
え、もしかして、私この妖怪に気に入られたの? ......はぁー、どうして私は変な奴にばっかり気に入られるのかしら。
「......で、いつ帰るの?」
「んー......咲夜、夜まで居て大丈夫?」
「お嬢様のお好きなようにしてもらって大丈夫です」
「じゃ、夜まで居るわね」
ここに居ても何も面白いことなんてないと思うのに、どうしてずっと居ようとするのかしら?
こいつの考えていることが全く分からないわ。
「やめてくれない? ここに居ても何も面白いことは起きないわよ?」
「そうかしら? 貴女と言う人間自体が面白いわよ?」
「それだけ聞くと、なんだか馬鹿にされてるみたいね。とにかく、早く帰りなさい。迷惑だから」
「まぁまぁ、そう言わなくてもいいんじゃない? あ、そうだわ。霊夢、咲夜の料理食べてみたくない?」
「そう言えば、もう昼ね......うちにある食料を勝手に使わないなら、食べてみたいわ」
これでも一人で暮らしているから、料理の一つや二つくらい出来るけど、作るのもめんどくさいしね。
それに、作ってくれるなら、断ってもいいことないしね。
「と言うことらしいから、頼むわね、咲夜」
「はい。では、館から食料を持ってきましたので、それで作りますね」
「用意周到過ぎない? まぁ、そっちの方が私からしたら嬉しいんだけど」
「では、厨房を借りますね」
「えぇ、いいわよ。......まぁ、うちのはどっちかと言うと台所だと思うけど」
そう言って、咲夜は台所へと向かった。
「......ねぇねぇ、霊夢」
「何?」
「貴女って、いつもこんなぐうたらしているの? 巫女なんだし、修行とかしないの?」
「しないわよ。めんどくさいし」
......そう言えば、あいつは私と違って隠れて修行ばっかりしているわよねぇ。めんどくさいことをどうしてわざわざするのかしら? ......まぁ、私には一生分からないことね。
「ふーん......それなのに、そんなに強いのねぇ。やっぱり、変な人ね。貴女って」
「あんたに言われたくないわよ」
「あら、私って変な人かしら? 普通だと思うけど......」
「妖怪なのに人間の従者がいる時点で変な奴よ」
今まで見てきた妖怪の中で、人間の従者を雇っている奴なんていなかったしね。まぁ、これからも見ることがあるかもしれないけど。
「......そう言えば、どうして人間の従者が居るの?」
「ん? 気になる?」
「まぁ、気になるわね。人間なのに、妖怪に仕えるなんて、ここでも珍しいから」
「へぇー、そうなのね。......咲夜は、元々吸血鬼ハンターだったのよ。そして、私に負けた。でも、生かしたわ。特別な能力を持っていたからね」
特別な能力......あの急に出てきたり、消えたりするやつね。あれを相手にするのは本当に疲れたわ。まぁ、勝ったけど。
「ふーん、要するに、能力を持ってなかったら殺してたのね」
「ま、まぁ、そうなるわね。......でも、今だから言えるけど、持ってなくても殺さなくて正解だと思ったわ」
「え、どうして?」
「勿論、家事とか全部やってくれるからに決まってるじゃない」
「ふーん、そう、なるほどね」
......どうしてだろう。理由はそれだけじゃない気がするわね。まぁ、勘なんだけど。
「お嬢様、霊夢。食事の用意が出来ました」
「早いわね。それじゃあ、いただくわね」
「まぁ、私のメイドだしね。それじゃ、私もいただくわ」
そう言って、私は咲夜の料理をいただくことになった。
久しぶりに美味しい料理が食べれて良かったけど......やっぱり、妖怪が神社に来るのはどうかと思うわね。
なんてことを考えているうちに、今日も普段通りに一日が過ぎていった────
side Remilia Scarlet
──深夜 紅魔館(エントランス)
「ふぁ〜......吸血鬼なのに、夜に眠くなることなんてあるのね......」
神社には夜遅い時間まで居たが、流石にもう霊夢が寝るから、帰ってきたところだ。
それにしても、流石に無理し過ぎたかな? 夜の帝王である吸血鬼の私が、夜なのに眠くなってしまった。
「お嬢様、今日はもうお休み下さい。体に悪いです」
「大丈夫よ。吸血鬼だから、体は強いのよ。それよりも、妹達に会わないとね」
「......お嬢様は本当にレナ様とフラン様が好きなんですね」
「えぇ、唯一の家族だからってのもあるけど......単純に可愛いからってのもあるわね。容姿以外にも、仕草とか、色々ね」
「......そうですか。では、私は仕事に戻りますね」
「えぇ、分かったわ。貴女も働き過ぎないようにしなさいよ?」
「えぇ、勿論です。では、また明日会いましょう」
そうして、私は咲夜と別れ、レナとフランが居るであろう地下へと向かった──
──紅魔館(図書館)
「あ、お姉ちゃん。おかえりー」
「あら、ミア。もう復活したのね」
図書館を通ってフランの部屋に行こうとすると、図書館にミアが居て引き止められた。
レナったら、結構早く召喚したのね。魔力少ないはずなのに、大丈夫なのかしら?
「ミア、レナは魔力とか大丈夫なの?」
「うん、大丈夫だよ。魔理沙のお陰で魔力消費量を少なくして召喚出来るようになったからね」
「へぇー、そうなのね。......と言うことは、前にレナが言ってたみたいに、ずっと一緒に居れるようになったの?」
「うん、そうだよ。これからはずっと一緒だね、お姉ちゃん」
「えぇ、そうね。......改めて、ミア、これからもよろしくね」
「よろしく! あ、ちなみに、私は図書館の近くの部屋を借りることになったから、明日にでも遊びに来てね」
あら、レナの部屋じゃないのね。最近、ずっとフランの部屋に居るからほとんど空き部屋みたいなものなのに......。まぁ、妹の仲が良いのは見てて嬉しいから、いいんだけど。
「あ、お姉ちゃん、気を付けてね」
「え? 何を?」
「うふふ、それは秘密だよー」
「え、あ、ちょっと! ......行っちゃったわ」
そう言って、ミアは図書館から出て何処かに行ってしまった。おそらく、自分の部屋に戻ったのだろう。
それにしても、何に気を付ければいいのかしら......まぁ、いいわ。
そんなことを考えながら、フランの部屋へと向かった──
──紅魔館(フランの部屋)
「レナー、フラーン、入るわねー」
「レミリアオネー様!」
「え、ふ、フラン?」
部屋に入るなり、フランが抱き着いて来た。......あれ? 銀髪?
「あ、ルナ! 私が先にやりたかったのに!」
「早い者勝ちだからネ。仕方ないネ」
「え? フランが二人? ......レナ、説明しなさい」
「私がするのですか? ......まぁ、いいですけど。実は──」
こうして、私はどうしてこうなったかをレナに説明してもらった──
──数分後 紅魔館(フランの部屋)
「ふーん、そう言うことね」
「はい、そう言うことです」
「うふふー、オネー様が二人ー」
それにしても、ルナったら、まだ抱き着いて......あら、とても嬉しそうね。
......まぁ、今までちゃんとした愛を貰えなかったんだから、嬉しいのは当たり前なのかしら?
「......ルナ、私と居るのは嬉しいかしら?」
「うん、とっても嬉しい! 今まではフランに独り占めにされてた気分だけど、今はオネー様達と一緒に居れるからネ!」
「そう......でも、ルナ、フランとは仲良くしなさいよ。じゃないと、一緒に居られなくなるからね」
「えぇー! ......分かった。フランとは仲良くする。でも、レミリアオネー様も約束してネ? ずっと一緒に居るって」
「えぇ、約束するわよ。フランも貴女も、どっちも私の可愛い妹なんだから」
「レミリアオネー様......うん、分かった! 大好き!」
そう言って、ルナの抱き締める力が強くなった。
あぁ、うん。これがデジャヴってやつね。
「ルナ、痛いから緩めてくれない? ちょっと痛いわ」
「あ、ごめんネ」
「......レミリアお姉様、次は私がギュってしていい?」
「それを貴女が言うとシャレにならない気がするわね。まぁ、いいわよ」
「ありがと!」
そう言って、フランが抱き着いてきた。しかし、ルナは離れようとしない。というか、逆に抱き締める力が強くなってる気がする。
「......ちょっと、ルナ。次は私なんだけど?」
「いいじゃん。フランは今までずっと表に出てたでしょ? 次は私の番だヨ」
「うっ......そ、それもそうだね......」
「......いや、やっぱりいいや。フランと喧嘩したらレミリアオネー様達に嫌われそうだしネ」
そう言って、ルナが私から離れた。そして、何故かフランも同じように離れ、ルナと真正面から向かい合った。
「......ルナ、お姉様達はルナのことを嫌いにはならないと思うよ」
「え? どうして?」
「お姉様達は貴女のことを愛しているから。私と同じくらいね。だから、絶対に嫌いにならないと思う。お姉様達は私が何をしても許してた。それは貴女も知ってるでしょ?」
「......うん。でも、それは貴女であって、私じゃないヨ?」
「ううん、私も貴女も一緒だと思うよ。今は別れているけど、元は一緒だったから。絶対に同じように愛されているよ。
だからね......遠慮なんてせずに、さっきはずっと抱きしめててもよかったんだよ?」
......なんだろう、嫌な予感しかしない。なにこれ。いい話に聴こえてたけど、これ最終的に私に悪いことが起きそうな気が......。
「そうなの? じゃ、レミリアオネー様、そう言うことらしいから、痛くてもいいよネ?」
「え......レナ! た、助け──」
「あ、お姉様、ごめんなさい! 私の代わりになって下さい!」
「レナ!? あ......」
この後、しばらく動けなくなったのは言うまでもないだろう。
ちなみに、レナも私の後に同じような目にあったらしい────
次回は金曜日。特に遅れる要素は無いはず()
因みに、リクエストとかアイデア募集中です。詳しくは活動報告で()