東方世界録   作:猫のみこ

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こんにちはのみこです!!

実は一昨日、不思議の幻想郷というゲームを買ってしまって編集を少しさぼってしまいましたのみこです!

原作以外の東方のゲームはあまり手を出していなかったのですがこれがもう面白くて面白くて……汗

それではごゆっくり!





それから ~完結話 ~

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

――――――香霖堂

 

 

嵐のような騒ぎが去ってからも店内にはには賑やかな話し声が響き渡る―――

 

 

 

 

『―――――という事があったんだ』

「ハハ、それは災難だったね」

『さすがの私でも寿命が縮まってしまったぞ』

「………………君に寿命はあったのかい?」

『野暮というものだ 聞かないでくれ』

「君のボケ、シュールで僕は好きだが……。万人受けはしないと思うよ?」

『それならもう少し学ぶ必要があるな 私も精進しよう』

「そんなことに力をいれなくてもいい気はするが……」

 

 

普段は物静かな店の雰囲気がお気に入りなのだが、たまにはこういうのも悪くない。近頃は話すと疲れる客ばかりがくるのでむしろ良いストレス解消になっているよ……。

話が一段落ついた所で先程から気になっていた事をレプリカに問う、

 

 

「そんなことより――あの子達は大丈夫なのか?二人がここを出でから随分と時間が過ぎたと思うが……」

 

 

 

時刻は3時、魔理沙達がここを出てから軽く一時間は経過しただろう。唯斗を探す時間を含めても十分な時間は過ぎた。

 

 

『心配は無用だ もうじきここに到着する』

「そうかい……」

 

 

レプリカの言い方だと既に唯斗達は合流し、ここに帰っている途中ということになる。つまり二人は唯斗を探し出し、何かしらの行動が終わったという事だ。

霊夢はああ見えてしっかりしているから大丈夫だと思っている、そう問題は―――

 

 

 

(魔理沙が余計なことをしてないか、だな……)

 

 

 

あの子は小さい時から何をするか分からない、自由奔放な子だ。 デリカシーという面に置いてはほとんど無いと言っても過言ではない。唯斗に何か変なことを言ってないと良いが………

 

 

 

(……いや根は優しくて真面目な子だ。心配はいらないか)

 

 

「そうよ、心配はいらないわ。」

またどこからか聞こえてくる声

本日二度目になるだろう厄介で面倒な客第一位の声だ。

 

 

 

「よっこらせ」

 

その間の抜けた声と共に空間が裂け、中からは紫がご満悦の顔で出てきた。

 

 

「また君か……全く今日はご来客が多い日だ」

「繁盛してるというのに何でそんな嫌そうな顔をするのかしら~?」

「商品を一つも買ってくれない客なんて商人すれば冷やかしも同然だろう? その上無償で物を提供したんだ、このままでは出費しかない一日で終わってしまう」

「ふ~ん……なるほどね~…」

 

すると紫は店の中を歩き回り商品を物色し始めた。少しした後にレプリカを手の上に乗せて、

 

「ならこれを買いましょう、これはおいくらなの?」

『私は売り物ではないー 買い取り不可能だ』

「あらそれは残念ですわ、じゃあお買い物はまた今度ね」

 

「はいはい、それで何の用だい?紫」

 

 

僕がそう問うと紫は手に顎を乗せて考える素振りをする。 あの歳になると本来の目的をもすぐに忘れてしまうのだろうか。僕もボケには気をつけきゃな。

 

 

「あなた今凄く失礼なこと考えてない?」

「考えてるわけ無いじゃないか、君は立派な“お客様“なんだからね」

「本当の本当に?」

「本当の本当さ」

「………まぁそういう事にしておきましょうか。 それでここに来た理由よね? ここに結界が緩んでいるのを感じたの。幻想郷の管理者として見過ごせないわ。」

「ふむ、それは危険だな。早急に修復を頼むよ」

 

『本当のところはどうなんだ 紫』

 

「暇だからに決まってるでしょ!」ニッコリ

 

 

「………………………」

 

 

 

僕は紫の言葉を聞き一旦店の奥へと戻る。

 

 

 

「? どうしたのかしら霖之助さんったら。 お花でもつみにいったのかしら?」

 

『明らかにそんな雰囲気では無かったと思うが』

 

 

 

押し入れからそれはそれは大きな刀を取りだし、僕はゆっくりと店内に近付いていく。

 

 

「ごめんなさい霖之助さん!だから! その物騒な物を置いて! ほらレプリカも早く謝りなさい!」

 

『私が謝る理由が見つからないぞ』

 

「こういうのは形だけ見せておけば良いのよ…!二人の方が見映えも良くなるでしょ…?」ボソボソ

 

「全部聞こえているよ………?」

 

「ひぃ! 」

 

黒光りする鞘をしっかりと握り、刀を抜く姿勢を見せる。ドンドン後ずさりをする紫にジリジリと近づいていく僕。端から見たら僕の方が頭の中がおかしな人に見えるだろう。これで終わってもいい………ありったけを―――

 

 

大きく刀を振り上げ、紫に向かって走り込む

 

 

「日頃の恨みぃーーー!!!」

 

「キャァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

その時だった、

 

 

 

 

バァン!! チリン チリン

 

 

「あ」

 

 

 

「「「ただいまー」帰ったんだぜ!!」」

 

 

 

 

 

 

「魔理沙、ドアは静かに開けるもんだぞ」

 

「分かってないなぁ~、唯斗は。このドアが思いきり開けて欲しいって顔で見てたんだぜ? 普通の魔法使いは物の気持ちまで分かるのさ!」

 

「ふむ、そうなのか? 俺には普通のドアに見えたけど。凄いな、魔法使いって」

 

「だろ~?魔法使いは偉大なんだぜ!って痛!何すんだよ、霊夢!」

 

「唯斗に変なこと教えるんじゃないわよ。あんたもすぐに信じるんじゃないの」

 

「え?嘘だったのか……?魔理沙、 “嘘つきは泥棒の始まり“だぞ―――――って、ん?」

 

「どうしたんだ?唯―――― 」

 

 

 

唯斗がこっちを向き、それにつられて一斉に僕の方を見る。

 

「霖之助さん、一体何を………!?」

「い、いや違うんだ……!これには深いわけが!」

 

 

何というタイミングで帰ってきてしまったんだ………!? 何も事情を知らないこの子達からすれば完全に僕が気をおかしくしたように見えるだろう……。

霊夢、既にお払い棒を構え戦闘態勢をとっているんだが……!?いや魔理沙何か八卦炉をこちらに向けて魔力を溜めてるんだが……!?

何とかして誤解を解かなくては……!

 

 

 

 

「これは紫が―――」

「急に霖之助さんが暴れだしたのよ!! いつも客が来ないから鬱憤が溜まってたんだと思うわ! 何とか私とレプリカで抑えようとはしていたのだけれど……!」

 

「なっ!?」

 

 

何を言い出すんだこの紫ババァは………!? この状況から更に追い討ちをかけてくるなんて……!

というかよく咄嗟にこんな事を頭に浮かんでくるなこいつは! 褒めてあげたいくらいだよ! 僕に残された頼みの綱はもう――

 

 

「レ、レプリカ……君しかいない!! 弁明を――」

『おかえり 唯斗 そして急いで私を服の中に戻してくれ 大きな衝撃が来そうだ』

「見捨てないでおくれよ!!??君しかいないんだ僕には!?」

 

 

唯一の味方をしてくれたであろうレプリカは、唯斗の元へ服の中へと帰ってしまった。万策は尽きた――……あとはもう………

 

 

「はやまるなぁーーー!!!!!香霖ーーー!!!

 

 

 

 

恋府「マスタースパーク」!!!!!」

 

 

ドカーーーーン!!

 

 

 

 

 

 

 

そうして激しい音と共に辺りは光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

―――――香霖堂、入り口

 

 

 

 

 

 

それから…少しの時が過ぎた………

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~早まったのは私の方だったぜ!悪い香霖!!」

 

「い……………良いんだよ。別に……。君は………悪く……ない…から……ね」

 

 

 

 

ボロボロになった霖之助さんに、半壊している香霖堂

。その横には申し訳なさそうに正座をしている紫さんと、彼女に説教をする霊夢がいる。

 

 

 

「ちょっとあんた聞いてんの!?」

「はい~……もう悪ノリはしないから許して下さい……。店の修理も私がやりますし、お詫びもちゃんしとしますから……」

「そういう問題じゃないわよ! 大体あんたはいつも―」

 

 

 

 

その光景を遠目で見ている俺達……

 

 

 

 

「やれやれ………先が思いやられますな……」

 

『同感だ』

 

 

 

 

 

 

こうして俺の長い長い一日が幕を閉じたわけだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで紫さん、何しに来たの? 」

 

「あ、それはね―――」

 

「ちょっと紫!!何よそ見してるのよ! あんたには口で言っても分からないみたいねー?」

 

「ひぃぃ!」

 

 






これでこの章は完結になります!

次回からは少しばかり一話完結の日常回になる予定です!

それではよかったら次回も見に来てください!
ばいび!

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