東方世界録   作:猫のみこ

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こんにちわのみこです!

今回はいよいよ魔理沙さんとの和解?の話です。

唯斗君と霊夢、魔理沙は幼馴染なので主に話はこの三人で進んでいきます!

ここまで来るのに2ヶ月もかかったと思うと先が思いやられますね………

それではごゆっくり!


普通の魔法使いと少年 後編

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

―――――――魔法の森

 

 

 

香霖堂から逃げ出してきた俺は行くあてもなく森の中を歩いていた

 

 

 

「ん~どうしたものか……」

 

 

………魔理沙、すごい怒ってたもんな。 謝ったら許してくれるか…? 答えは否、絶対許してくれないだろう。拳の一発や二発は覚悟しといた方が良さそうだ。

 

 

「はぁ……」

 

考えれば考えるほど足取りが重くなる。

こればっかりは仕方ない、受け入れようと頭の中では分かってるんだけどやっぱり殴られるのも怒られるのもごめんだ。

そんな事を考えている時にふと耳元に聞き覚えのある声がささやいてきた

 

 

「゛帰ってくるんじゃなかった゛ とでも言いたそうね?」

 

「ん? おお、紫さん。ご無沙汰ぶりです」

 

「ごきげんよう唯斗」

 

紫さんは隙間の中から半分だけ体を出し、浮きながら俺の横に並ぶ。

 

 

「そうでもないですよ、怒られるのは嫌だけど。それとは別に……何か嬉しいのもあるんです。だから……そうは思ってません」

 

「そう……」

 

「久しぶりにみんなの顔見れたしね」

 

「ふふ、あの子達何か変わってたかしら?」

 

「いえ全然、少し大きくなった位。 魔理沙何か特に変わってなさそうだったし。もちろん紫さんも」

 

「あら私は日々精進してるのよ」

 

「しょーじん?」

 

『゛精神を集中させて物事に励むこと゛だな』

 

「ふむ…、じゃ紫さんは何に精進してるんだ?」

 

『若作りだろう』

 

「何かいったかしら????」ギロッ

 

「ひっ……!」

 

紫さんは俺の方を強く睨む、俺が言った訳じゃないんだけど……。レプリカの奴、いっつも止めとけって言ってるのに年の話するからな。俺の身にもなってほしいよ、全く。

 

 

「て、ていうか!レプリカ何でミニサイズなんだ?本体はどこ行ったん?」

 

『香霖堂にいるぞ』

 

「あら、どうして?」

 

『気にするな』

 

「ふーん………」

 

紫さんはコホンと咳払いをして、少し微笑みながら喋り出す、

 

「ねぇあなた達、久しぶりに゛あの場所゛へ行ってみない? こっちに来てからまだ行ってないんでしょう?」

 

「゛あそこ゛ですか? なんでまた急に」

 

「ほらほら良いから、出発進行ー! 」

 

「まぁ丁度暇してたからいいですけどね、いくぞレプリカ」

 

『承知した』

 

「あなた達には積もる話があるのよ~?まずね~霊夢ったら――――」

 

ヘー ソウゾウデキナイナ

 

フフ デショデショ ソレトネー

 

俺達はそこへ向かってゆっくりと歩き始めた

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

――――――――香霖堂

 

 

 

 

香霖堂では今、緊迫とした空気が流れている

 

 

 

 

 

「な、なんなんだぜ………!? 冗談にしては笑えないぞレプリカ………!!」

 

『真実だ 神威アクア、もとい唯斗の師は死んだ そしてこの三年間 師を生き返らせるためだけに生きてきた』

 

「………でも…………!唯斗は! 今はお師匠と別行動をしているだけって―――――」

 

『あれは嘘だ 唯斗は霊夢を混乱させたくなかったのだろう 昨日は忙しなく過ぎたからな』

 

「……そーゆーこと………。………それで霖之助さんは知ってたって事ね……?」

 

「―――ああ。詳しい事までは知らないが……ね」

 

「はっ!? 香霖は知ってたのかよ!! 何で私達に言ってくれなかったんだ!? 何でだよ………!? とんだ薄情ものだなお前は!? 」

 

「ッ!!言葉を返すようだが魔理沙……!? 言ったところで……!!何かが変わったのかい……!? 」

 

「そういう問題じゃ――――

 

 

 

「落ち着きなさいッ!!!」

 

 

 

 

霊夢が大きな声を張り上げて私達を会話を遮断する

その言葉でふと我に返り、香霖もまた冷静になる

 

 

「す、すまない」

 

「ごめんなんだぜ……」

 

「レプリカ、話を続けて頂戴」

 

『ああ ゛死んだ者を生き返らせる゛という事は世界の理に反する事だ 私も出来るとは思ってなかったのだ だが唯斗は自分の命をも使ってでも生き返らせたかったのだろう ありとあらゆる方法を模索し、試した』

 

「……………」

 

『だがそんな思いも虚しく 全て無意味に終わった』

 

「……アクアさんは何で死んだんだ………?」

 

『唯斗の事を庇って死んだのだ とある戦争で唯斗が殺されかけ アクアはその唯斗を治癒するために自らの生命で唯斗を助けたのだ』

 

「そ……そんな事が出来るのか………!?」

 

『可能だ そして唯斗を助けた代わりにアクアは死んでいった ゛身代わりになった゛という言葉が一番合うだろう』

 

「…………ッ!!」

 

 

それは最悪のパターンだった。

誰かに殺されたのならいず知らず、自分の代わりなって死んだなんて………。

あいつは自分の罪の意識で押しつぶされるだろう。

唯斗がどれほどアクアさんの事を慕っていたか、どれほど愛していたか。あいつの事を考えると胸が張り裂けそうになる。

唯斗にとって、師匠とはそれほどまでに大きな存在だったのだから―――――

 

 

「そんな……………」

 

 

霊夢も絶句している、恐らく同じ事を考えているのだろう。

いや、霊夢は私よりも付き合いが長いのだからそれ以上の事を考えているのかもしれない。

 

 

(私は………なんて事を……)

 

 

少し前の自分を殴り倒したい気持ちに駆られる、事情も知らずに帰ってきた唯斗に怒りをぶつけ、怒鳴った自分を。 唯斗の方がもっと辛い思いをしたんだろうに、ずっと苦しかったんだろうに。

 

 

『ここからは私の我儘になってしまうが―――― あまり唯斗の事を責めてやらないで欲しい 唯斗も辛い思いをしてきた どうか暖かく迎えてやってはくれないか』

 

「決まってるじゃない………!」

 

「ああ、僕達は何時だって彼の味方だ。そうだろう?」

 

『そうしてくれると私としても助かる 礼を言うぞ』

 

「お礼なんて言う必要無いわよ、だって………ほら、その……私達…………親友って奴だしね……/// ね、魔理沙?」

 

「………ああ、そうだよな………私達は………!

 

 

 

 

親友だ!!!! 

こうしちゃいられないぜ、早く唯斗の所に行くぞ!! 霊夢!!」

 

 

「え、ええ! でもどこに行ったのかしら? あいつ」

 

「そんなの飛びながら考えればいいんだぜ!! ほらボサっとしてると置いてくぞ霊夢!!」

 

バァン!! チャリン チャリン

 

私は香霖堂を勢い良く飛び出し、箒にまたがって空へと飛んでいく。

私を追いかけるかのように霊夢も香霖堂から出てくる

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 魔理沙!」

 

バン チリン チリン

 

 

 

 

『行ってしまったな』

 

「ああ。だが心配はいらないね、あの子達ならうまくやるさ。それよりレプリカ、君は追わなくて良いのかい?」

 

『大丈夫だ 唯斗側(むこう)にも子機の私をつけている』

 

「はは、君も苦労してるんだね。」

 

『私にとっては唯斗の事は自分の事のそれと同じだ 苦では無いぞ』

 

「そうかい。どれ僕達はゆっくりここで待つとするか」

 

『それでは私が唯斗の昔話でも話そう』

 

「いいね、君の話はどれも面白い。楽しみだ」

 

『では唯斗が雪の国を訪れた時――――――』

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

――――――無縁塚

 

 

「ふぃ~…やっと着いた」

 

歩く事はや10分程 

俺達は無縁塚と呼ばれる所に来た

 

「この歳になると歩くのは体に来るわね~ 唯斗がおんぶしてくれてもよかったのに」

 

「紫さん浮いてただけじゃん…… それに紫さんの事おんぶって死んじゃうよ…俺」

 

「レディに向かってそういう話はNGよ!」

 

「れでい? えぬじー?」

 

『知る必要も無い言葉だ 』

 

「ふむ……」

 

 

ここ、無縁塚は辺りには草が生い茂っているだけで他には何も無い場所だ。

強いていえば大きな岩が一個だけポツンと置いてある。それと紫さんが言うにはここは結界が不安定な所らしい。それを除けば本当に何も無い場所だ。

そんな所になんで来たかったって?だってここは――――

 

 

「懐かしいでしょう? よくここで修行をしていたのものよね~」

 

「はい……、今思えばすごいしんどかったですよ……。四歳の頃にこんな大きな岩を持ち上げろと言われたの、今でも覚えてるぞ……俺。そんで結局どうなったんだっけ?」

 

『持ち上げられなかったと記憶している あともう少しの所で失敗したんだ』

 

「あれ、そうだっけ。でも師匠は褒めてくれたんだよな、頭グシャグシャになるまで撫でられた。それも覚えてる」

 

 

懐かしい記憶が蘇る

ここでは色んな事をした。時には辛い修行もしたし、生き方や戦い方も教えてもらった。そしてたくさんの愛情ももらった。だからここは俺にとっても思い出の場所。幻想郷に帰ってきて、いつか行こうと思ってたんだけどこんなに早くなるとは思わなかったぞ……

 

 

「アクアの事ばかり考えるのも良いけれど、それ以外の思い出もあるでしょう?」

 

「……はい。 霊夢と魔理沙ともここでたくさん遊んだっけ……」

 

「ふふ、゛私達がいない時は近づくな゛って何度言おうが聞かないんだから本当に困ったものでしたわ」

 

「それは……若さ故の何とかって奴で…」

 

『゛若さ故の過ち゛だな 紫にとっては縁の無い言葉の一つだ』

 

「レプリカぁ~……?あなた最近口が達者になったんじゃないかしら……!?」

 

また険悪なムードになりそうなので話を変える

俺って意外と苦労人って奴なのかもな……

 

「で! 何で俺をここに連れてきたんですか!」

 

紫さんはニコっと笑い明後日の方向の空を見つめながら、

 

「その理由は簡単 そろそろ到着するはずよ」

 

「ん?」

 

 

俺もつられて空を見つめる。

すると凄く遠くの方から黒い点が二つばかりこっちに向かってきている

 

 

「それじゃ私はここらへんでお暇させて頂きますわ! また近いうちに会いに来るわね!バイバ~イ」ニュ~

 

「え?は、はい、また今度」

 

紫さんはスキマを開き、瞬く間にその中へと消えていった――――

急に帰っていったぞ…?どうしたんだ?

 

 

 

「おーーーーい!! 唯斗ーーーー!!」キラン

 

 

 

(ん、あれは……霊夢と魔理沙……?)

 

 

ドンドン近づいてく二つの影、その声と同時に片方の点が一瞬だけ光った

なんだあれ?少し光ったのか?っと思ったら凄い速さで近づいてくる…………?

 

 

「おいおい、おいおい!こっちに突っ込んできてるんだけど!」

 

 

「うわあああああああ!とまれえええええええええ!」

 

 

ズッドーーーーーン!!

 

 

「いってて…… 私としたことが少し飛ばしすぎたんだぜ~……」

 

「ぐへ……」

 

数m吹っ飛ばされ辺りに煙が立ち込める

どうやら魔理沙が魔法を使って飛ばしてきたみたいだ……。いってぇ~……。

 

「魔理沙!何してんのよ! 唯斗!大丈夫!?」

 

少ししたあとに霊夢が地上に着き、こちらに駆け寄ってきた。

 

「平気平気、ってか二人共どうしたの?」

 

「ええ…ちょっとね……」

 

霊夢は目を逸らし、少し不安そうな顔をしている

 

「おい霊夢!私の心配もしてくれたっていいんじゃないのか!」

 

「何言ってんのよ、あなたは自業自得でしょう…?」

 

「うえぇ……痛いんだぜ……」

 

魔理沙は泣きそうになりながら自分の頬を撫でている。

突っ込んだときに擦りむいたのだろう。

俺は尻餅をついている魔理沙に手をさしのべ、

 

「大丈夫か? 魔理沙」

 

「ああ少し擦りむいただけだ、サンキュー唯斗」

 

癒印(ヒール)

 

俺が印を使うと魔理沙の傷が瞬く間に治っていく

 

「おお!傷が……」

 

「ちょっと魔理沙」

 

「あ、そうだった。そんな事より―――――」

 

魔理沙は帽子を取り、少し真剣な顔つきになる。

隣にいた霊夢も何だかそんな感じの表情だ。

 

 

 

 

「唯斗……!ごめんな………! レプリカから全部聞いたんだぜ……その……アクアさんの事……」

 

「私もごめんなさい……!何も知らずにあなたの事ぶったりして………! あなたが……一番辛い思いをしていたのに……」

 

霊夢と魔理沙は深々と頭を下げ、力のこもった声そう言った

二人の

 

「ん? 別に良いよ……悪いのは全部俺だし……何で二人が謝るんだ?」

 

 

そうだ――――悪いのは全部俺。紫さんやレプリカは俺は何も悪くないと言っているがそんな事絶対にない。 俺のせいで師匠は死んだし、みんなにも迷惑をかけた。それはどう頭を捻ろうが変わらない事実だ。 だから二人は謝る必要も無い。 なのにどうして二人は謝るんだ………?

 

 

 

「お前が………どれほど苦しかったのか……!小さい……頃から一緒にいた私達には………よく分かるんだぜ……!」

 

「私達には………どうする事も出来ないけど………! 少しでも……あなたが背負ってるものを取り除きだい………」

 

「………」

 

だんだん涙声になっていく二人の声、

 

 

「う……うう」

 

魔理沙が涙や鼻水でグショグショになった顔をあげ霊夢もまた、涙で目を潤している。

 

「うええええん!! ごめんなああ唯斗--!!」

 

「ヒック……うわあああん」

 

ガシッ

 

霊夢と魔理沙が同時に抱きついてきた、

強く抱きしめられたので少し体が痛かったが、今はそんな事は気にならない。

 

二人がどうして泣いているのか……どうして謝るのか。それは分からない。だけで確かに言えるのは、この二人は俺の事を想って泣いてくれてる。それさえ分かれば今はどうだっていい。

 

 

「うええええん!!」

 

「泣き虫なのは相変わらずだな~、二人共」

 

「うわああああん!」

 

「ほらいい加減泣き止めって……」

 

「ヒック……おかえり……だぜ……!唯斗……!」

 

「おかえりなさい………!ヒック…」

 

 

師匠が死んでから……人の暖かさを忘れていたのかもしれない。なんだか凄く久しぶりな感じだ。言葉では言い表すことは出来ないが、少し何かを取り戻せた気がする…人間らしさっていうのかな……まだ分からないけど……。

 

 

 

 

 

やっぱり幻想郷に帰ってきてよかったな。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、二人共!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







シリアス?メイン回は当分こないと思います。

ぶっちゃけキャラが泣いてる所や悲しんでいる描写を書くのがすごく苦手です……難しい……

次回からは日常回になっていく予定です!

よかったら次回も見に来てください、それではばいび!!

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