東方世界録   作:猫のみこ

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こんにちはのみこです!!

今年、お正月休みが無かった私は気がついたら正月が終わってました…………悲しい!

今回からはまた本編のストーリーへと戻っていきます!!

それではごゆっくり~~


プレゼントと魔法の森

 

 

「ちょ……ちょっと!!」

 

 

 

昼食を取り終わり当初の目的であった買い物の続きをしようと、俺達は人里の中心へと向かっている。

というよりかは半ば強引に霊夢の手を引っ張って動かしてるといったところか。

飯屋を出てから数分は経った頃、霊夢が声をかけてきた。

 

 

「なに?またお腹でも空いたか?」

「なっ――空いてないわよ!失礼ね!」

「だったらどうしたの?」

「いや……その…」

「?」

 

 

「いつまで手、繋いでんのよ」

 

 

霊夢の言葉で何となく察しがつき、辺りを見渡す。するとたくさんの里の住人がこちらを好奇の目で見ていた。ある者はニヤニヤと良いものをみた顔をし、またある者は血の涙を流している。何だか見せ物にでもなったような気分だ

 

 

 

…………なんか急に恥ずかしくなってきた。何というか無償に謝りたい気分だ

俺は霊夢の事を掴んでいた手を離し、

 

 

「あ……、その……なんかごめんな」

「……いいわよ、別に」

 

 

 

何だか凄く気まずい雰囲気になる

俺はその空気を変えようと少し大きな声で喋りかけた

 

 

 

「ほ、ほら!霊夢昔からよく迷子になるからさ手、繋いでないとはぐれちゃうだろ?」

 

「も、もうそんな子供じゃないわよ!ていうか、さっき迷子になった人がどの面下げて言ってるのかしら!?」

 

「うっ――確かに勝手に離れた俺も悪いけど、あれは霊夢の買い物が長かったからってのもあるだろ!」

 

「それは仕方ないじゃない!!あんたに渡す物選んでたんだから!!」

 

「俺に渡すもの選んでたっ――――え?」

 

「あ!!!」

 

やってしまったという顔をする霊夢。

目を見開き、大きく開けた口を手で覆い隠している。まさか俺が霊夢のところから離れてた時に、何かプレゼントを選んでたってことか?

 

 

 

『霊夢 自分で言ってしまってどうするんだ』

 

 

 

 

服の隙間からレプリカが少しだけ顔を出した

 

『私に口止めをした意味が無くなってしまったぞ』

 

「……唯斗があの話を掘り返してくるからいけないのよ」

 

霊夢がジト目でこちらを睨んでくる

な、なんか俺のせいにされたぞ……?責任転換も良いところだな……。

 

「お、俺のせい?というか霊夢が掘り返してた気がするけど……」

 

 

『バレてしまっては仕方がない 今ここで渡してしまったらどうだろう』

 

「神社に帰ったらあげようと思ってたけど……そうね、そうするわ」

 

「……………」

 

 

 

完全に話しに置いてかれている。“かやのそと“って奴だなこれ。霊夢はまだしもレプリカにも無視されることなんてそうそう無いけど……。

 

 

 

 

「えーと、」ゴソゴソ

 

 

 

食べ物や生活用具まで今日買ったものが入っている袋をあさり、何かを探す霊夢。

 

「あれ?どこやったかしら?確かここら辺に―――あったあった」

 

「ん?」

 

すると霊夢は袋の中から少し大きめに出来た茶色の木箱を取り出した。そ

 

「はい」

 

「おお、くれるの?」

 

「さっきの話聞いてなかったの?あんたに買ったんだから、これ。少しは察しなさいよ」

 

「そうだったそうだった。ありがと、中身開けてもいい?」

 

「ええ、大したものは入ってないけどね」

 

蓋を開けてみると、黒い毛糸で編んであるマフラーが綺麗にたたんであった。何重にも分厚く編んであり、完成に手間がかかっている事は一目で分かる。俺は、結構な値段はしたであろうそのマフラーを手の上にのせ

 

「おお!いいね、マフラー!」

 

「これから寒い季節になるでしょ?あんたいつも寒そうな格好してるし」

 

「動きやすいんだよ、こっちの方が。黒色ってのも凄くいいね」

 

「あんた昔から黒とかの服ばっか着てたし、派手な色よりそっちの方が良いかと思ってね」

 

今の月は10月の下旬ほどだ。どこも少し肌寒くなる時期であろうこの時に、凄く良いチョイスだな霊夢。恐らく昔から暗い色の服ばかり着ていたから、それに合うように黒色のマフラーを選んでくれたのであろう。

俺はマフラーを広げ、早速首に巻いてみた

 

 

「どう?似合ってるか?」

 

「え?……ま、まぁ……悪くはないかしら……///」

 

「なんで霊夢が照れてるんだ?」

 

「別に照れてないけど………!?///」

 

 

 

 

こう見えて霊夢からのプレゼントはそう珍しくないんだよね。今までも何かの記念日だったり、特別なことがあった日などには多かれ少なかれ物をくれた気がする。あの霊夢がな、こう見えて。うん、こう見えてだ。

 

 

「…………」ジー

「な、なんだ?」

「今あんたまた失礼なことを考えてたでしょう………?」

「か、考えてない考えてない!!いやー暖かかいなぁー!毛糸もモッフモッフしてるし!」

「ほんとに考えてないかしらーー?」

「プレゼント貰った人にそんなこと考える人なんているのか!!人で無しって奴め!」

「ほんとにほんとーーー?」

「ほんとだって!!」

 

霊夢の顔がドンドン迫ってくる。

 

 

『何がともあれ喜んでもらってよかったな 霊夢』

「そうそう!良いもん貰ったなー!ありがとう、霊夢!」

「………ま、どういたしまして」

 

 

レプリカのその場をサポートが合って何とかその場を乗りきった、

 

【「助かった、レプリカ」】

 

【『礼には及ばない このくだりは既に何回も経験済みだ』】

 

【「く、くだり……?」】

 

 

何だかよく分からないこと言ってるけど

まぁそれは良しとしよう。

 

「さて、次はどの店に行くんだ?まだ残ってるでしょ?」

 

「あ、そのことなんだけど」

 

「ん?」

 

俺の記憶が正しければ買い物はあまり進んでない。全体の半分位は買っていないんじゃないかな。

 

 

「人里で買わなきゃいけないものは全部揃ってるわ」

 

「“人里“でって事はどっか他に行く場所があるのか?」

 

「そ。後はそこでもらうだけよ」

 

「もらう?そんな便利なところなんてあったっけ?」

 

「あんたも良く知ってる所よ」

 

「どこだろ……」

 

何だか嫌な予感がする。霊夢の言い方だと知り合いみたいだけど……。俺もよく知ってるところ……?昔よく行った所なんて博霊神社と魔理沙の家位じゃなかったかな……あとはたまに太陽の畑と霖之助の――――ん?あれ?いや、まさかな。

 

「ほら、ボサっとしてないで早く行くわよ」

 

「あ、ああ」

 

 

 

 

少しの不安を抱え、俺達は人里を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――魔法の森、入り口付近

 

 

 

人里から少しばかり所にその森の入り口がある。

その森は生ける者全てに害がある強い瘴気で囲まれている 人間などもってのほか、力の弱い妖怪程度ならこの瘴気にやられ、ただではすまないだろう 過去に里の人間が何人もの腕利きを率いて森の特産物を取りに行った話を聞いたことがある だが結果は当然、無事に帰った者はいない それ以来人はその森を恐れやがて“死の森“と呼ぶようになった――――――それがここ、“魔法の森“だ

 

 

 

「着いたわね」

 

「いや目の前森だぞ」

 

 

俺達の前にはそれはもう如何にもな森がある。

時刻は昼過ぎのはずなのだが、入り口にまでおどろおどろしい雰囲気が立ち込めている。

 

「目的地はこの中ってことよ」

 

「………この森の中にそんな便利屋あったっけ……?」

 

「だから言ってんじゃない、あんたも良く知ってるって」

 

「……まさかと思うけど霖之助さんのとこ?」

 

昔からよく俺達三人の世話をしてくれた人がこの森の中に住んでいる。まぁ確かにあそこなら色々物は揃いそうだけど………

 

 

「あら、分かってるんじゃない。逆に聞くけどあそこ以外に宛があると思ったの?」

 

「少し期待してたけど………やっぱ霊夢は霊夢だな」

 

「別に私はこのまま帰っても良いけど貴方、今日お箸無いから手でご飯食べなさいよ」

 

「………さーてここからそう遠くなかったよな!!出発進行だ!」

 

「全く、ほんと現金なんだから」

 

「ほら師匠もそうだったから似たのかもな、あと俺よりもひどい巫女さんに影響されたのかもしれん」

 

「あーんたそれ私の事よね!!」

 

「うわーーー逃げろ逃げろ」ダッ

 

「あ、こら待ちなさい!!」

 

 

 

 

こうして二つの影が森の最中へ消えていったとさ。

 

 

 

 

 






一月いっぱいは少し忙しくなりそうなので更新頻度はおそくなりそうです………

ゆっくりしたいですね

それではよかったら次回も見に来てください!ばいび!!

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