東方世界録   作:猫のみこ

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こんにちはのみこです!!

明けましておめでとうございます!!

かなり遅い新年の挨拶になってしまいました……汗

今後も世界録をよろしくお願い致します!

それではごゆっくり~




人里編⑤ ~ご馳走さま~

 

 

 

 

 

 

「「「ごちそうさまでした」」」

 

 

 

 

テーブルの上には三人分の食器が空っぽで置いてある。どれも食べ残し等は入ってなく、既に洗い終わったかと疑ってしまうほどのピカピカな食器。

そんな食器に向かって手を合わせ、深々とお辞儀をしながら感謝の意を表す。

 

 

「んーー満足!」

「さようでございますか……」

 

霊夢は体を上に伸ばし、蔓延の笑みをしながらそう言った

……霊夢がこんなに笑う事はそうないし、この顔を見

るための出費だと考えたら妥当かな………

そう自分に言い聞かせる

 

 

「そういえば、なんで食べ終わったあとに“ご馳走さま“って言うのかしら?」

「ん、急にどうしたの?」

「ふと疑問に感じたのよ、なんでご馳走さまなのかなって」

「んー…。何でだろな?もしかして、昔々ごちそうっていう名前の人が何かしたのかも――」

「絶対違うわね、それ」

 

二人して首をかしげる

お互いに思い当たった事を言い合うがいまいちピンと来ない。

そんな俺達を見て、横で話を聞いている慧音さんはクスリと笑った

 

「はは、二人とも良い線はいってると思うぞ」

「何よそれ、答え知ってるなら教えなさいよ」

「霊夢、それ人に教えてもらうような態度じゃないと思うけど……」

「勿体ぶる慧音が悪いわ」

「お、おう……」

 

 

慧音さんに笑われたからか、霊夢のご機嫌が少しばかし斜めになっている。だが慧音さんは、そんなものお構い無しと言わんばかりの得意気な表情だ。

 

「霊夢、問題というものは考えて答えを導くことに意味があると私は思うんだ」

「………まぁ、一理あるわね」

 

 

(おお、あの霊夢が納得してるぞ)

 

 

 

霊夢は昔から“我が道を行く“って感じだった。大抵の事は自分の考えを押し通して解決させていたし、それを成し遂げるのに必要な力を十分に持っていた。だから、霊夢が人の意見で自分の考えを変えることは珍しい。

 

 

「そうか、ならもう少しだけ――――」

「嫌よ、めんどうだもの。早く教えなさい」

「……………」

 

 

 

いや、何にも珍しくなかったな。

慧音さんもあまりの変わり身の早さに口をポカンと開けている。

 

「慧音さん……。霊夢にそういうのは無理みたいですね……」

「……ああどうやらそのようだな」

 

二人でため息を吐き、やれやれと首を振る。

 

「何か問題でもあるかしら?」

 

霊夢がジト目で見てくる。

 

「いや、霊夢らしいなって思っただけ」

「……何よそれ」

 

さらに目を細めこちらを睨む。

 

「まぁまぁ、話を戻そう。食事をした後になぜ゛ご馳走様゛というか、だったな」

「そうそう」

「もったいぶらないで教えなさいよ」

「焦りは禁物だぞ霊夢。そして本題の理由だが、簡単に言えば働いてくれた人に感謝をするためだな」

「何で感謝なのに゛ご馳走様゛なのよ?」

「普通は゛ありがとう゛だもんな」

 

慧音さんの答えに対してまた新しい疑問を投げかける

 

「うーん……そうだな。お前達、家で食事を取りたい時に肝心の食材が無かったらどうする?」

「食材が無かったら?………まぁ人里に買いに行くか、知り合いにもらうかっとかかしら」

「ははは、どっちも霊夢には無縁だね」

「……さっきっからあんたが煽ってくるから話が進まないんじゃないかしら……!!一回その余計なことを喋る口を閉じさせる必要があるわね……!!」

 

 

霊夢は拳を強く握り俺の方へ向けてくる

 

「う、うそうそ!いやもう言いませんから早くそれ下ろしてくださいお願いします」

 

平謝りする俺。

 

「……次はないわよ?――それで慧音。話の続きは?」

「あ、ああ。まぁその二つがあげられるな。そしていずれにしても、自宅ではないどこかへ足を運ばないといけないだろう?」

「そうね」

 

何も無かったかのように話を続ける霊夢。

なんっていうか、ほんと霊夢には敵わない。俺が悪いのは分かってるけど……。恐ろしすぎる……

 

 

 

「言ってしまえばそれと同じだ。どんな料理も苦労して走り回っている人がいるから作れるんだ。馳走をしてくれた人に感謝をする、という意味で“ご馳走さま“になるわけだな」

「ほう……馳走」

「準備をするために走り回ることを馳走というんだ」

「なるほどね」

 

俺はウンウンと深く頷き納得する。

霊夢も少し考える素振りを見せ、

 

「……へぇ、そんな意味があったのね」

「どうだ霊夢、少しはスッキリしたか?」

「ま、ある程度はね」

「そうだろう。物を覚えるということは実に良いことだろう!!」

 

慧音さんは腕を組みながら得意気にそう答える。

 

「お前も今度寺子屋に―――」

「それは嫌よ!私めんどうな事嫌いなんだから」

「面倒とはなんだ!!面倒とは!!大体お前は―――」

 

 

 

………なんか凄くデジャヴな光景だ

このままだと二人がまたヒートアップしてしまいそうなので俺はスッと立ち上がり、

 

 

「さて!!俺達はそろそろお暇しようかな!お金、ここに置いときますから勘定お願いしますね!」

 

テーブルに三人分のお金を叩きつけ、対面に座っている霊夢の手をひいて店の出口へと歩く。

 

「お、おい!霊夢!まだ話は終わってないぞ!」

 

「ちょっと唯斗、慧音の分まで払うことないわよ!!むしろあいつの奢りにしてやんなさい!!」

 

 

まだ座っている慧音さんに向かって大きな声で別れの挨拶を告げる

 

 

「それじゃまた!!今度寺子屋見させてください!!」

 

「あ、ああ!いつでも待ってるぞ!!」

 

「行かなくて良いわよ!!あんな所!」

「あんな所だと!!楽しみに来てくれている生徒に―――」

 

慧音さんはまた何か喋りだしていたが、聞こえないふりをしながら店を出た。

 

 

「……なんかやけに疲れたご飯だった」

「全くよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここしばらく私の出番がないようだが』

 

「ん、寂しいのか?」

 

『少しばかり』

 

「まぁしょうがないんじゃないか?基本的にはあんまり外に出てこないしね、レプリカ。」

 

『みんなが私の事を忘れていないかとても心配になるときがある 』

 

「はは、レプリカもそういう事考えるんだな。少し以外」

 

『 それではまた会う日まで』ブーン

 

 

 

「飛んでった……。俺も行くか、それじゃまた次回!」

 

 

 

 





人里編はこれにて終了です!!

すいません、話数長くてすいません!!

次回もよかったら見にきてください!
それでは、ばいび!!

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