東方世界録   作:猫のみこ

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こんにちわのみこです!
本日から新しい小説を書かせてもらいます!のみこです!

プロローグ見たいな感じなので最初は三人称視点で書きました!
どうぞゆっくりしていってください~







序章 -プロローグー
始まり


 

 

 

 

―――――???

 

 

 

 

 

 

 

「暇だなー………」

 

 

 

 

 

 

 

――――――夜 静寂が包み込む

 

 

 

寂れた古城の屋上、一人の少年がそう呟いた

 

 

『当てが外れてしまったからな 

 新たな情報を得るまでは仕方がないことだ』

 

少年とは別の、どこか大人びた口調の声が聞こえてくる

 

 

「この世界、人がたくさん住んでいるって聞いてたけどやっぱ情報屋なんて当てにならんな。

ここには誰もいない上に、することもないときたもんだ。なかなか暇だよ」 

 

 

少年は表情一つ変えず、

ただただ遠くの方を見ながらその声に答えた。

 

 

 

少しの間を置いて少年は、誰にも聞こえないような小さく弱った声で、

 

 

 

「早く会いたいですよ。師匠……」

そう呟いた

 

 

またどこからか声が聞こえてくる

 

 

『少し休息を取ったらどうだ』

少年に問いかけるその声

 

『近頃少々頑張り過ぎたかのように見える』

「休息?そんなの取らんくても大丈夫じゃん。

この体になってから寝ることもしなくて良くなったしな」

『疲労こそ目に見えないが 精神が衰弱しているように私は感じるな

物理的な休息ではなく 内面的な休息ということだ』

 

「なるほどね」

 

 

どこか冷たい、淡々とした会話が続いてゆく

 

 

 

『唯斗 焦る気持ちも分かるが張り詰めすぎると頭の思考が堅くなるぞ

いかなる時でも柔軟な考え方を持つことが大切だ覚えているか?』

「ああ。解決策は一つじゃない。

ゆっくり考えるか」

『そうするとしよう 私達には考える時間がある』

 

 

゛唯斗゛と呼ばれている少年は塀に寝そべりながらそう言った

 

 

「ふぅー…。それにしても休息っつったってなにをどうするんだ?内面的な休息とか言われても分からんぞ なんかいい案でもあるの? レプリカ」

 

 

どこからか聞こえていた声の元は“レプリカ“という名前らしい

 

 

『そうだな 幻想郷へ帰ってみるのはどうだろう』

「幻想郷に……? 懐かしいな~…。

みんな元気にしてるかなぁ……」

 

 

唯斗の表情が少し緩くなった。

だがそれもつかの間唯斗は少し疑っているかのような顔で、

 

 

「でもどういう風の吹きだまりだ? 急にさ」

『唯斗 吹きだまりではなく〝吹き回し〝だぞ』

「おお、そうそう。 で、何で? お前が俺に提案するなんて滅多にないだろ?」

『特別な理由こそないが  昔の知人に会うことや思い出のある場所に行くということは良い刺激になることが多い 今の唯人にもそれが必要だと思ってな』

「ふむ、なるほど……」

『無論 行くかどうかを決めるのは私ではない 唯斗自身だ』

 

 

 

 

唯斗は相変わらず遠くの方を見つめている。

 

 

 

 

少し考える素振りを見せ微笑みながら、

 

 

「いいね そうしよう。

 行くよ 幻想郷に」

 

 

唯斗がそう答えた瞬間

またどこからか声がした。

 

 

「あなただったらそう言うと思ったわ!」

甲高くしかし大人の女性の色気があるような声

 

 

 

「……!! 紫さん!!」

 

 

唯斗は驚いた様子でその名を呼んだ

 

 

するとその呼び声と同時に何も無かったはずの空間が真っ二つに裂け、空間の狭間から一人の女性があわられた

女性はどこか大人びた風でどことなく怪しい雰囲気が漂っている。 髪色は金髪で紫色の服を着用し、頭には見たことも無い少し変わった帽子を被っていた。

 

 

「そう!紫!私の名前は八雲 紫(やくも ゆかり)!忘れてない?大丈夫!?それにしても本当に大きくなったわね……。ゆかりん嬉しいわ♪」

 

 

「忘れるわけないじゃないですか…!

 久しぶりです。 紫さん」

 

 

その女性は八雲紫―――雰囲気から唯斗の古い友人のように伺える。

 

 

「ええ。 本当……久しぶり。長い間あなたが帰ってくることを待ち望んでいたわ

 色々大変なことがあったでしょうが そこまで自分を攻めてやんなさいな。」

 

 

「それは………だって俺のせいで師匠が……。」

 

 

『決して唯斗だけの責任ではない』

 

 

「てか、何で紫さんこの事知ってるの?」

 

 

「ふっふ~!何ででしょうね~?」

 

 

『私が教えたぞ』

 

 

「何であなたはすぐに答えちゃうのよ!」

 

 

『私はいかなる時も 唯斗の味方だ』

 

 

「私だっていつでも唯斗の味方よ!!!」

 

 

「どっちでもいいですよ……」

 

 

塔の屋上、誰もいないこの世界で3つの声が飛び交う。

 

 

「ほらほら!早速幻想卿へ行く準備でもしましょう!」

 

 

「準備?何か持ってくものもあるわけじゃないし、

何もないんじゃないんですか?」

 

 

先ほどまで淡々と喋っていたのが嘘かのような少年の表情

 

 

昔からの友人に会えて興奮しているのが分かる。

 

 

「何いってるの。その頭じゃあの子達驚くどころじゃすまないでしょうに。」

 

 

「頭?ああ。白髪の事ですか?

オシャレってやつということで」

 

 

「貴方は昔からそういうのに疎いでしょうに。

霊夢辺りにすぐに見破られるわよ~~?」

 

 

「それもそうか。でもどうするんですか?

いっその事全部切っちゃうとか?」

 

 

「そんな事したらあなたの可愛い顔が台無しじゃない! ということでジャジャーン!」

 

 

「可愛い顔ってなんだ……、ん? なんですかそれ」

 

 

『頭髪用の染色材だな これを使用すると頭の色が変えられるということだ』

 

 

「どの色にする!? 無難に茶色? それともオレンジとか派手なのにする?緑とかも似合いそうね~迷っちゃうわ。」

 

 

「えっいや嫌ですよ。う~んと……黒が良いかな」

 

 

「黒!?まぁ貴方らしいといえば貴方らしいですわ……」

 

 

『私もその方が良いと思うぞ 唯斗らしいな』

 

 

「俺らしいってどういうことですか。もしかして馬鹿にしてる……?」

 

 

「そんなわけないじゃない! 私が貴方を侮辱するなんて天変地異が起きようともありえないわ! といってる間にもホラ!鏡を見て御覧なさいな!」

 

 

すると先程まで何もなかった筈の場所にいつの間にか鏡が置かれていた。

 

 

「て、てんぺんちい……?って、おお! 気がついたら驚きの黒さに……!」

 

 

「似合っているわよ~。やっぱり貴方はその色が似合うわよ!」

 

 

「さっき緑とか言ってなかったっけ……」

 

 

「じゃ準備も出来たことだし出発しましょう!!」

 

 

「は、はい…」

 

 

少年は少し不満そうな顔をしていたが満更でもない表情にも見える

 

 

「それじゃ~入って入って!」

 

 

 紫はそう言うと何故か指を一本突き出し、そのまま横に空間を切る。

するとなんという事だろうか。たちまち空間が歪み始め、空間に亀裂が入った。

例えるならば空間に穴が出来た、というのが分かりやすいだろうか

 

「相変わらずすごいですね。 スキマ。

 これ使えば世界の行き来がものすごく楽ですね」

 

 

「そんなに便利なものじゃ~ないのよ?

 ここへ来るのも 苦労したんだから」

 

 

「あれっ、その割には俺が行くって決めてからすぐ湧き出てきませんでした?」

 

 

「人を湧いて出てきた虫みたいに言わないで頂戴……。

 詳しい事はレプリカに聞いて頂戴。 私とレプリカは貴方がこなくなった、いえ帰れなくなった日から連絡を取っていたの。」

 

 

「そうだったんですか。

 で、どういうわけだ?レプリカ」

 

 

『早くしないとスキマが閉じてしまうぞ

 唯斗だけ居残りだ』

 

 

「やべっ 

 って答えになってないじゃん。まぁいいけど。」

 

 

 

 

 

 

そういって二人と姿が見えないレプリカはスキマと呼ばれる空間の亀裂に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

寂れた古城はまた静寂に包まれる。

 

 

 

 

 







とりあえず50話位まではストックしているので不定期に更新します。

ありがとうございました~よかったら次もきてください!

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