「俺を倒すだとォ?」
「私が間違いでした。ブロリー、生まれ変わって罪を償ってください」
二人が大地を揺らす闘いを繰り広げる中二人のサイヤ人、悟飯とトランクスは様子を伺っていた。
「悟飯さん、シンさんのおかげで体力は回復しましたけど…」
「あぁ、シンさんは強い…でも気を抜くな、さっきから、ブロリーの気が一行に減らない」
そう、シンと対峙するブロリーの気はまだ、減っていない。
シンの気は悟飯やトランクスでは感知することが出来ないため、ブロリーの異常さが目立つのだ。
「しねえぇ!!」
「私は負けません!」
ブロリーがシンに向かって、大量の気功波を打ち続けるが、シンはそれを避けながら間合いを詰めていく。
「はあぁ!!」
「グァ!?」
衝撃波を纏わせたボディブローがブロリーに炸裂する。
「があぁ!!」
「くっ!まだだぁ!!」
ブロリーは辺り一面に気を散らし、シンを蹴散らそうとするが、それはかなわない。
「これで、終わりですよ!!」
「く、くそがあぁ!!」
全身の"神の気"を全て腕に集中させる様子に焦りを見せ逃げまどうブロリー。
しかし、神の前ではそんなことは無意味。
「おわりですよ、ブロリーさん」
「く、くるなぁ!!」
自分の最高スピードを出し逃げたと言うのに、瞬間移動で目の前に出現するシン。
その手は濃い桃色の気を放っている。
「はあぁぁぁ!!」
「があぁぁぁ!!くそがあぁ!!」
シンの拳はブロリーの体に突き刺さり、そこから神の気が溢れだした。
シンの勝利。
ブロリーの敗北。
その場にいる全員が確信した。
ただ一人を除いて。
「!?」
この瞬間、シンは違和感を感じた。
ブロリーの気が減らないことに。
「くくく、残念だったなぁ」
「なぜ、なぜまだ生きているのですか!!?」
「俺は
不死身だ」
「ぐあ!?」
ブロリーのその言葉と同時にシンは地面に叩きつけられた。
シンは落ちていく瞬間目の辺りにした。
さきほど、ブロリーの腹に空いたはずの風穴が塞がっていくのを。
シンはそのまま、意識を闇に落とした。
「ブロリーが…不死身…だと」
「くっ!それより!逃げるぞ!」
トランクスの震える声をブロリーの様子を見た悟飯が遮断する。
ブロリーは自分の手に巨大な気功波を掲げていた。
この星ごとトランクス達を消す気なのだ。
「フハハハ!!俺が最強だあぁ!!」
迫る気功波。
地表に近づくにつれ、爆音と爆風を巻き起こしていく。
「シンさん!キビトさん!起きてください!!」
もはや、シンとキビトの瞬間移動でなければ、これほどの巨大な気功波から逃げ出すことは不可能。
しかし、二人に起きる気配はない。
「くっ!もう、間に合わない!!」
悟飯が諦めかけた、その時。
「掴まるんだあぁ!!」
聞き慣れぬ声の主を探すと、髭を生やした男がこちらに手を伸ばしているが確認できた。
「あなたは!?」
「そんなことは、どうでもいい!はやくつかまれぇ!!」
「は、はい!悟飯さん!」
「あ、あぁ!!」
訳もわからず、トランクスと悟飯はキビトとシンを抱えながら男の手を握った。
その瞬間に男を合わせた5人が星から消えた。
5人が消えたと同時ブロリーの星を破壊する気功波が着弾した。
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名もなき星。
5人はこの星に来ていた。
キビトとシンは安静に寝かせ、悟飯とトランクスは男と向き合っていた。
「助けて頂いたのはありがとうございます…しかし、ここはどこなんですか、貴方は誰なんですか」
無言を斬って捨てたのはトランクス。
この星もそんだが、疑問に思っていたことを聞いていかことにした。
「ここは、私が拠点とする星 ヤードラット 貴方達を助けたのはここの住人たちの技の一つ瞬間移動という技だ。まぁ、気を探らないと使うことはできんがね」
「ヤードラット、聞いたことがあるような…」
「それはそうだ。貴方の父 カカロット…いや、孫悟空もここに来たことがあったからな」
悟飯は父の話が出てきて驚いたが、カカロットとこの男がいったのを聞き逃さなかった。
「あなたは…サイヤ人ですか?」
「あぁ、私は"パラガス"と言うんだ宜しく頼むよ」