繋がり
「初めましてイッセーくん」
「イッセーくん、初めまして」
「あなたたちは……ウルトラマン?」
イッセーは突然視界が真っ白に変わり、ハヤタたちウルトラマンと会ったのと同じ状況になったので憶測をした。
「その通り、本名は明かせないが僕の名前は東光太郎だ。いずれ君と戦えることを願っているよ」
赤と青の基調の軍服にの左袖に太陽に似た形のバッチを付けた黒髪の七三分けの男性がイッセーの手を握りながら笑った。
「僕の名前はヒビノミライ。兄さんたちが世話になっています」
オレンジと銀のが基調の軍服に胸に流星の形をしたCREW GUYSのバッチを付けた茶髪の青年が挨拶するが気になる言葉が出た。
「兄さん?ってことは」
イッセーの疑問にミライは笑みを浮かべて
「ハイ、ウルトラマンさんたちは僕の兄さんです。ただ血は繋がっていませんが」
「え?」
血が繋がっていないのに何故兄弟と?その疑問を察したのか光太郎は当たり前といった顔で
「血縁だけが家族じゃない、強い絆があれば人は皆家族になれる。血の繋がりなんて些細なことだ」
イッセーは光太郎の言葉に感銘を受け、一正の顔を思い浮かんだ。
(いつか兄さんだって分かってくれる時が来るはずだ)
「ただイッセーくん、君の兄兵藤一正には気をつけた方がいい」
「え?」
光太郎はさっきと打って変わって真剣な顔になり、一正の話をしようとするとイッセーは光太郎を見て
「あの子は君の本来の………『イッセー!!』」
突然の言葉に光太郎の警告は遮られイッセーの体は消えていった。
「兄さん、イッセーくんは大丈夫なんでしょうか?」
「言うな。彼はいずれ自分自身で真実に辿り着くだろう。僕たちは彼の相棒の代わりの力となって見守るしかない」
光太郎とミライはイッセーを心配しながら見守る。
「イッセー!ようやく目覚めたにゃん!」
「すみません黒歌さん。だけど膝枕をしているのは何故でしょう?」
意識を失ったと思った黒歌は負担を掛けないようにイッセーに膝枕をしていた。顔を見ようとするイッセーだが黒歌の豊満な胸によって見ることが出来ず、顔を赤くしていた。
「あれあれぇ?イッセー私に興奮してる?それじゃあお姉さんがそのムラムラを消して「抜け駆けはダメですよ」チッ」
イッセーを誘惑しようとする黒歌だが、リアスと朱乃が来て阻止され黒歌は舌打ちをする。
「これで終わりでしょうか?」
イッセーは学園の人間にリアスたちオカルト研究部たちの秘密バラさないように監視をするという名目でオカ研に入り、現在は雑用していたのだが、突然光太郎たちに呼び出され気を失っていた。
「部長、リアス部長?」
「っ!何かしらイッセー?」
この頃リアスは上の空で明らかに何かに悩んでいた。もしかして自分の兄一正が何かをやらかしたのではないかとイッセーも頭を痛めた。
「言っておきますがイッセーくん。兵藤くんで悩んでいるわけではないから気にしなくてもいいですわよ」
朱乃がイッセーの心情を察したのか頭を撫でて慰める。
「や、やめてくださいよ朱乃さん。子供じゃないんだから」
イッセーは照れながら否定するがリアスたち年上らは微笑ましい顔でイッセーを見る。
「朱乃たちはいいわね。好きな人がいて………」
リアスの枯葉が落ちたようなたった一言に誰も気付かなかった。
「ハァ、結局分からず仕舞いか。こういう時ウルトラマンさんたちはどうするんだろう?」
学校が終わり、自分の部屋に戻ったイッセーはベッドに寝転んでホルダーからウルトラマンたちのカードを取り出して嘆息する。
「一体どうしたんだ部長………ん?」
部屋から突然見たことがある赤い魔法陣が出現し件のリアスが思いつめた顔で現れた。
「部長!どうしたん……うわっ!?」
リアスはイッセーを押し倒し、自分の服を脱ぎ始めた。
「ぶ、部長!何を「イッセー!」」
リアスの剣幕にたじろぐイッセーだがさらに追い打ちをかけるようにリアスは
「私を抱いて、今すぐに」
リアスは言い切ると今度はイッセーの服に手を掛けようとするが、イッセーとリアスは何かを察知した。
「一体何が?」
「遅かった!」
さすがのイッセーでも何が来るのかリアスはその正体が分かったのか苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
「こんなことをして破談に持ち掛けるつもりですか?」
「グレイフィア、あなたがここに来たのはお父様の指示?それともお兄様?」
「両方です」
グレイフィアという名のメイドはイッセーを見ると一気に警戒の目になり全身に魔力を漲らせ臨戦態勢となった。
「お嬢様!早く私の後ろに来て下さい!」
「ちょっと、グレイフィア!?」
グレイフィアはリアスを自分の背に回し、庇う形でイッセーと対峙し先手を打とうとするが
「待って!その子は同じ部活の後輩よ!!」
リアスの一言にイッセーに攻撃が当たる直前で止めたグレイフィアだが警戒の色は薄まっていない。
「ありがとうございます部長」
「いいえ、こちらこそごめんなさい。グレイフィア、どうしたの?あなたがそんなに焦るなんて」
リアスが聞くとグレイフィアに聞くと本人はイッセーと彼の腰に付いているホルダーに目をむけて
「その方はただの人間なのでしょうか?不肖ながらこのグレイフィア過去の三大勢力の戦争にて生き残った身。その中でもこれほどの能力を持った悪魔は魔王でも釣り合いが取れるかどうかです。当然人間などでは見たことがありません」
「戦争?」
イッセーが聞くとグレイフィアの表情は変わらないまま
「あなたが知る必要はありません。そして出来るなら二度とお嬢様に近寄らないで下さ「いいかげんにして!」」
「イッセーは力を悪用したりしないわ!白音と黒歌を幼い頃に悪魔から助けたのよ!朱乃だってイッセーがいなかったら母親と一緒に死んでいたかもしれない!」
リアスが真摯にイッセーを庇うとグレイフィアはイッセーの前に立ち
「申し訳ございません兵藤一誠さま。どうやら私はあなたの力しか見ていなかったようです」
素直に謝罪するとリアスの方へ振り向き魔法陣を出し、リアスと共にその中に入った。
「なんだったんだ?」
暗い闇の中イッセーの独り言が響いた。
「なあ木場、部長は最近イヤなことでもあったのか?」
後日学校が終わるとイッセーはすぐに部室に行くが、祐斗と合流したので眷属だったらリアスについて何か分かるかもしれないと聞いた。
「イヤ、そんな話聞いたことがないけど黒歌さんだったら何か知ってるかも。あの人は
イッセーと祐斗はオカ研の部室の前に着くがイッセーは身構え、祐斗はイッセーの謎の行為に首を傾げていた。
「イッセーくん、どうしたんだい?」
「気付かないのか?明らかに強い奴がいる!」
イッセーが血色を変えて部室に入り、祐斗もそれを倣うが
「まさか、僕がここまで来ないと反応できないとは」
祐斗は自分の実力がまだまだ未熟なことを噛み締めるがすぐに部室に入った。
「なんであなたがここにいるんだ?」
「理由は後で話しましょう。とりあえず落ち着いて下さい」
部室にいたのは、部長であるリアスと副部長の黒歌と朱乃そして白音と兄の一正と昨日会ったグレイフィアだった。
どうやら、イッセーが反応したのはグレイフィアの気配だったらしい。しかしすぐに別のものに切り替わり、他の場所を視線を変えるとイッセーが今まで見たことがない魔法陣が現れた。
「フェニックス」
誰かが魔法陣の正体を言い、現れたのは
「ふう、人間界は久しぶりだぜ」
スーツをだらしなく着崩してるホスト風の男だった。
「よう愛しのリアス、会いに来てやったぜ?」
リアスをイヤらしい目で見ながらそう言った。
次回は少し強引になるかもしれません!
それでもお楽しみ下さい!