「俺の名はオーブ!闇を照らして悪を撃つ!!」
ドーナシークは自らの腕を斬ったオーブを気にせず見続け
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
赤龍帝の力を発動させ闇の力を斬られた箇所に集中させて腕を再生させた。
「何が悪を撃つだ。悪魔や堕天使を守っておいて正義名乗ってんじゃねーよ!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
ドーナシークは闇の力と自らの光の力を増幅させ、口に集中してビームを放つ。
「ハアアアアアアアア!」
オーブはそれを察知し両手を水平にして胸に構え光の力を右手に集中させて
「スペリオン光輪!!」
オーブが放った丸いチェーンソーの形の紫色の光輪はドーナシークのレーザーを簡単に斬り裂き
「ギアアアアアアアア!!!!」
光輪の勢いは止まらず龍の顔を模した兜の目に直撃しドーナシークは苦悶の声を上げた。
「ウッ………」
祐斗とレイナーレの治療をしていたリアスたちは余りの残酷な攻撃に目を背けようとするが少しでも油断したらこちらは全滅するかもしれないので出来なかった。
「ハッ!」
オーブの体に刻まれている紫のラインが光ると一瞬でドーナシークとの距離を詰め
「デヤァ!」
ドーナシークを殴ると同時に赤いラインが光り轟音が響いて殴った箇所にヒビを入れた。
「な!?鎧が!?」
リアスが驚くのも無理はない自分たちの全力の攻撃はヒビ一つ付けることすらかなわなかったのだから。
「ナメるなこのガキィィィ!!」
ドーナシークは翼を拡げ槍のように細く鋭くし風を切る速さでイッセーを襲うがイッセーはバックステップで距離を取り
「ハッ!」
ドーナシークが目は見えないところに追い打ちをするようにイッセーはスペリオン光輪を放つがドーナシークは光輪を生み出す音と空気が斬り裂く音で同じ攻撃と判断した。
「同じ手が3度も通じるはずねえだろ!」
先ほどまで攻撃はおろか自分の鎧が壊された攻撃を3度使われるという屈辱で怒りを隠せなかった。
オーブが新たに放ったスペリオン光輪は翼を次々と木の枝を切るように翼槍を斬り裂きオーブは追撃しようとしたが
「何!?グウッ!!」
「引っ掛かったなおい!俺が目が見えねえからって翼を拡げてガムシャラに攻撃したと思ったか!?」
「何!?」
オーブが接近すると突然地面から翼槍が襲いかかりさっきの出鱈目の攻撃と違って自分の位置を正確に捉えていた。目を再生させないように赤龍帝の力を使わせず猛攻したのにだ。
「さっきの攻撃は俺は聴力を倍増してさらに翼で地面を荒らしてテメェの足音を反響で聞こえるようにしたんだよ!!」
「グウッ!!」
地中から翼の槍が次々と飛び出しオーブを傷付けてゆく。オーブは空中に浮いて不意を突こうとするが更に状況が悪くなる。
『ピコン、ピコン、ピコン』
『シュア……』 『チャア……』
オーブの胸のOの形の水晶が先ほどまで青だった色が赤になり点滅し、一瞬だがウルトラマンとティガがオーブの体から分離しオーブは苦しみだす。
「ハァ、ハァ、グアッ!!」
空中に飛んでいてもカラータイマーの点滅音で位置が手に取るように知られてしまい、翼の攻撃の嵐がオーブを傷つけ地に落ちて劣勢となる。
「そろそろ限界のようだな、それじゃあさっさと死ねや!」
「クッ!」
ドーナシークは目を再生して魔力と怨念を籠めたレーザーを放ち目の前に襲いかかるがオーブは翼槍の攻撃とエネルギーの消耗で動けなかった。
「させません!」
「イッセーくんに手を出さないで!」
レーザーが直撃する手前、上空から火の車輪と雷がレーザーを食い止めた。
「イッセー先輩立って下さい!」
「イッセーくん!こんな奴に負けるあなたじゃないわ!」
白音と朱乃は力を振り絞りレーザーを食い止めてオーブを援護するが攻撃をしているドーナシークは朱乃の姿に反応し
「姫島………姫島朱乃おおおおお!!」
「な!?」
「朱乃さん危ない!」
名前を呼ばれて殺されそうになる朱乃だったが白音は朱乃を引っ張り攻撃を避けさせた。
「テメェが……テメェがあの時あの愚妹と一緒に死んでいれば俺は当主になれたんだ!それを……それをあのガキとお前のせいで俺は穢らわしい堕天使の体を使う羽目になったんだ!」
「愚妹?まさかあなたは!!」
朱乃は口調や性格、そしてなにより自分とイッセーのことを復讐するのは奴しかいないと分かった。
「姫島………鳳凰!!」
「ようやく気付いたかよ、穢らわしい堕天使とそれと交わって出来た化け物が!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
鳳凰は力を倍増し朱乃を殺そうとするが
「そういえば残念だったな。あの兵藤一正とかいうガキの家族にテメェらの息子とクソったれの兵藤一誠に残虐ショーを見せられなかったな!アハハハハハ!」
鳳凰は思い出したように下卑た高笑いをするがそれを許さない者がいた。
「どっちが………穢れてんだよ………」
「あ?」
鳳凰が声のする方へ振り向くと、土を握りしめ震えながらも立ち上がるオーブがいた。
「普通に生きていた人間を力を手に入れるために殺し、見下されながらも生きている堕天使をその欲望の器にした」
怒りに震わせながらオーブは光り輝く
「そしてなにより穢れてんのは地位のために罪もない女とその子供を殺そうとし、全てを踏み躙るテメェ自身だ!!」
オーブは傷付いた自分の体を制し、鳳凰と向き合う。
「しつけーな、テメェはさっさと死にやがれ!!」
鳳凰は腕に魔力を籠め振り上げオーブにトドメを刺そうとするが
『ハアアアアア!!!!』
「グオオオオオオ!?」
リアスたち悪魔のメンバーと治療が終わった堕天使メンバーが総攻撃でオーブを援護した。
「
「喰らえっす!」
祐斗は地面に手をつけると大量の魔剣が鳳凰の鎧のヒビを通って貫かせ動きを封じ、ミッテルトは光を籠めた槍を投擲し同じように貫かせた。
「行くわよカラワーナ!」
「ハイ!」
堕天使2人は関節など装甲が薄い箇所に槍を突き刺し、鳳凰の手足を使い物にならないようにする。
「朱乃!!」
「ええ、喰らいなさい鳳凰!!」
リアスはバアルの力の滅びの魔力をフルバーストを、朱乃は堕天使の父の力雷光の力を使い鳳凰を攻め立てた。
「鬱陶しいんだよこの蝿どもおおお!!!」
鳳凰はドラゴンの代名詞とも言える炎のブレスをリアスたちに叩きつけようとする。
「させるかぁぁぁ!!」
オーブは光の壁を作り鳳凰のブレスを防ぐが徐々に押されて行き
『ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!』
カラータイマーの点滅がオーブの危機を知らせるかのように速くなってゆく。
「ハッハッハッ!とっとと諦め………なんだ!?」
鳳凰が纏っていた
『Transfer!!』
「な!力が漲る!?」
籠手からその音声が鳴ると赤い力がオーブの体を包み込みオーブの力を増幅させた。
「テメェ!何裏切ってんだ!?」
『黙れ!幼き相棒を殺そうとしたお前に誰が力を貸すか!!』
鳳凰は
(どこかに弱点があるはずだ!!)
オーブは目に力を籠めると全てが透けて見え、闇の力が溢れる刀身が鳳凰の胸に宿っていた。
「見えた!トドメだ鳳凰!!」
オーブは右腕を上げ左腕を伸ばすと紫の光が広がり光の輪を形成してエネルギーを貯め、十字に組んだ。
「スペリオン光線!!」
放たれた光線は鳳凰に直撃し、怨念が宿っている刀身をだんだんと破壊した。
「グオオオオオオオオオ!!!!!!まだ……まだ
「ハアアアアアア!!!!!!」
オーブはオーバーキルと言っていいほどエネルギーを籠め光線を拡大し、姫島鳳凰の怨念を刀身ごと破壊した。
「ハア、ハア………お前みたいな奴が当主になったらそれこそ姫島の汚点だバーカ」
オーブの変身は解けイッセーの姿に戻ると激戦で体力を使い切ったのか泥のように眠った。
「イッセーくん、大丈夫?」
「え……朱乃さん?」
目を覚めるとイッセーは朱乃に膝枕されており、動こうとするがピクリとも動けなかった。
「無理しないで下さい。今私たちがどうにかしますから」
「そのまま寝ててにゃん」
「イッセーさん頑張って!」
白音と黒歌は仙術を発動しアーシアは自らの
「ありがとうみんな。あの、グレモリー先輩。兄さんは?」
「まだ眠っているわ」
リアスの視線の先には横たわっていた一正がおり、イッセーは悔しい表情になり
「兄さん………ゴメン………」
「兵藤くん」
兄の死を嘆くイッセーにリアスはあることを言う。
「あなたは兄がどんなことになっても受け入れる覚悟はある?」
「え?」
リアスの真剣な表情と目に戸惑うイッセーだがそんなイッセーをたたみかけるように
「あなたのお兄さんを悪魔として転生させれば生き返らせることが出来る。だけどお兄さんは人間でなくなってしまう」
リアスは赤いチェスの駒を握りしめてイッセーに問う。
「お願いします!兄さんを生き返らせて下さい!」
「分かったわ。祐斗!あれを」
「はい」
祐斗が持ち出して来たのは赤い光だった。おそらく鳳凰が奪った赤龍帝の籠手だろう。
「これを一正くんに戻して………な!?」
「なんで?」
赤龍帝の籠手はイッセーに近づき何かを訴えかけるように光を明滅する。
「もしかして赤龍帝が兵藤くんを選んでいる?」
赤龍帝の籠手はリアスの考察に答えるように光る。
「…………ゴメン、ドライグ。お前は兄さんのところに行ってくれ」
『!!』
イッセーの訴えに衝撃を受けるドライグだがかつての相棒のわがままを聞き入れたのか一正に近づいた。
「ーーーー我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、兵藤一正よ。今我の下僕となるため、悪魔となれ。汝、我が『
リアスは魔法陣を展開して駒を一正に埋め込もうとしたが予想外の事態となった。
「駒が足りない?そうかこの子赤龍帝だったわね」
納得した様子で駒を増やし一正を転生させた。
「俺は………あれっ、ここは確か………」
「兄さん!」
兄の蘇生にイッセーが喜ぶが一正の機嫌は良くなかった。
「イッセー、あなたも転生しない?悪魔になればあの力も強くなるかもしれないし、長い寿命を得られるわよ」
リアスの勧誘に黒歌と白音と朱乃は喜んだがイッセーは真剣な表情になり
「お気持ちは嬉しいですが…俺は悪魔になりません」
イッセーが断ると一正がニタニタしながら近づいた。
「おいおいお前もしかしてビビってんのか?」
「ああ、そうだよ。俺はこの力が怖いと思ってる」
一正はヘラヘラと嘲るがイッセーは深刻な顔で答えた。
「あなたはあの赤龍帝の
リアスはイッセーを問い詰めるがイッセーの表情は依然として変わらない。
「随分と臆病だな。とんだ持ち腐れだぜ」
一正の皮肉に朱乃たちは苛立つがイッセーは普通の青年とは思えない顔で
「この力を扱うのは臆病なくらいがちょうどいい」
イッセーからしてみれば真剣そのものだが一正は弱者の戯言と思ったのか
「だったらその力をよこせよ。せっかくの力がこんな臆病者が持ってるなんて可哀想だぜ」
バチンッ!!
乾いた音がその場に響き渡った。
「いい加減にしてくれませんか兵藤くん?イッセーくんは命を懸けてあなたの仇を打ったのですよ?」
朱乃は一正に平手打ちをしイッセーのことを思って庇い立てる。
「つくづく最低な奴にゃ。ドーナシーク、イヤ、鳳凰が言っていたことはあながち間違いじゃないにゃね」
「そうですね。赤龍帝の力がイッセー先輩の元へ行きたいのがよく分かります。赤龍帝がかわいそうです」
黒歌と白音は朱乃に共感し、赤龍帝の籠手に同情するかの目で兵藤一正を責める。
「イッセーくん、気にすることはありませんわ。あなたは優しい人ですもの」
「そうにゃ。そんなイッセーだから私たちはイッセーののことが好きなんだにゃん」
「今度は私たちがイッセー先輩を守ってあげます。だから無理しないで下さい」
3人はイッセーを抱きしめてイッセーを癒す。
「
オーブは最初赤かったんですね。
しかし剣が変身アイテムなんてウルトラマンstory0のザージみたいですね。