ハイスクールU×O   作:あいーんチョップ

27 / 30
ジートしてもどうにもならねえ!………ということでお待たせしました!


明かされた過去

「え?」

 

光はミカエルと聖書の神の元ヘ移動し光から茶色い帽子と茶色いコートを身に付けた男が現れた。

 

「あ、あなたは?」

 

「話は後だ」

 

突然現れた男に驚愕を隠せないミカエルを他所に聖書の神を光の球体で包み込む。

 

「な、何を!?」

 

「落ち着けあのままだったら、ソイツは助からなかった。死なせたくないならお前はソイツの看護をしていろ」

男は乱暴な口調でミカエルを説得し、怪獣の方へ走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかまたお前らの相手をするとはなつくづく俺の旅は波瀾万丈なわけだ」

 

「あ、あなたは一体……」

 

サーゼクスは這いつくばりながらも男を見るが、男のほうは一瞥した後すぐにトライヘキサと獣の方を見る。

 

「お前らはココから離れろ。巻き添えを喰らいたくなければな」

 

男はコートのところからイッセーと同じオーブリングを取り出し、ホルダーからあるカードを取り出す。

 

「ウルトラマンさん!」

 

〈ULTRAMAN!〉

   

―へャァッ!―

 

「ティガさん!」

 

〈ULTRAMAN TIGA!〉

   

―チャッ!―

 

「光の力、お借りします!」

 

男がイッセーと同じようにオーブリングを掲げると二体の巨人も同じ動きをし、持ち手のトリガーを押した。

 

〈FUSION UP!〉

 

ーシュアッ!ー ーチャァッ!ー

 

〈ULTRAMAN ORB!SPACIUM ZEPERION‼〉

 

男がウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに変身し凄まじい速度で青い鳥の怪獣へ飛行し対峙した。

 

「ハアッ!」

 

「キシャアアアアア!!」

 

オーブは体に刻まれた紫のラインを光らせると、一瞬で怪獣と肉薄し

 

「シュアッ!」

 

赤いラインを光らせて凄まじい剛力で怪獣を地へ墜とした。

 

「グオオオオオ!!!!!!」

 

「フンッ!」

 

マガグランドキングの不意打ちのアーム攻撃を避けて、額のクリスタルとカラータイマーを光らせる。

 

「タロウさん!」

 

〈ULTRAMAN TARO!〉

 

ータアァ!ー

 

「メビウスさん!」

 

〈ULTRAMAN MEBIUS!〉

 

ーシャッ!ー

 

「熱いヤツ、頼みます!!」

 

〈ULTRAMAN ORB! BURNMITE!!〉

 

「セヤッ!!」

 

「ギュオオオオオオオオ!!!!!」

 

スペシウムゼペリオンからバーンマイトに変えたオーブは、炎を両拳に宿し、イッセー以上の威力を持ったラッシュを叩き込んでマガグランドキングを叩き伏せた。

 

「オオオオオオ!!!!」

 

オーブはセラフォルーとウリエルとラファエルを倒した赤い怪獣へ走り、更に姿を変える。

 

「ジャックさん!」

 

〈ULTRAMAN JACK!〉

 

ーシュアッ!ー

 

「ゼロさん!」

 

〈ULTRAMAN ZERO!〉

 

ーデエェェヤッ!ー

 

「キレの良いヤツ、頼みます!!」

 

〈FUSION UP!〉

 

ーシュアッ!ー ーデエェェヤッ!ー

 

〈ULTRAMAN ORB!HURRICANE SLASH‼〉

 

「ハッ!」

 

バーンマイトからハリケーンスラッシュへ変えたオーブは、風を切り裂く蹴りで赤い怪獣を切り裂き、他の怪獣を瞬間移動で翻弄しながら攻撃した。

 

「トドメだ!!」

 

二本のスラッガーを回しオーブスラッガーランスを出現させ、レバーを三回倒しランスにエネルギーを走らせる。

 

「トライデントスラッシュ!!」

 

オーブはランスで目に見えない速度で怪獣たちを斬り刻み、トライヘキサと獣に向けて走り出す。

 

「グオオオオオオオオ!!!!!」

 

「ギュオオオオオオオオ!!!!!」

 

トライヘキサと獣は、大陸を壊せるほどの巨大なブレスをオーブに放つがそれでも避けずに突き進み攻撃に飲み込まれた。

 

「い、いやああああああ!!!!!!」

 

ガブリエルは最後の希望が消えてしまったと感じ、この世の終わりと思わせるほどの慄きを戦場に響かせた。サーゼクスたちも見ていられないのか斬首の刑を待つ囚人のように目を閉じた。

 

♪〜〜♪

 

「え?」

 

戦場に似合わないハーモニカのようなメロディーが響き渡ると、ガブリエルの心の中が絶望から希望へと変わった。

 

「タァッ!」

 

トライヘキサと獣のブレスを中から斬り裂く、光輝く巨人が現れた。ガブリエルは疲労から視界がぼやけているのかオーブの姿が鮮明に映らなかった。

 

「オオオオオオオオ!!!」

 

オーブが剣を体ごと回すと剣の軌跡から光が放たれ完全な円を作ると光は剣に集まり大地が震える。

 

「テヤアアアアアアアア!!!!!!」

 

オーブが剣を振ると光の閃光が獣とトライヘキサを飲み込んだ。攻撃が終わると明らかに弱ってた。

 

「こんなんで死ぬほどお前が甘くないのは分かっている。だったら封印するまで」

 

オーブは両手を空に掲げると光が集まり

 

「シュアッ!」

 

獣は光に包まれ時間が経つと巨大な赤いクリスタルとなった。

 

「さて、次はお前だ」

 

「ギ………」

 

トライヘキサの目には明らかに恐怖が宿っていた。オーブは容赦なく斃そうとするが

 

「ハッ!」

 

「ギィッ!?」

 

聖書の神はトライヘキサに幾重もの魔法陣を展開し、封印の魔術を施す。

 

「主よ!これ以上はあなたの身が!」

 

ミカエルたち天使の抑止に聖書の神は聞く事はなく、その命と引き換えにトライヘキサを封印しようとした。

 

「ギイイイイイイイイイイ!!!!!!」

 

トライヘキサは断末魔を上げ、その身を封じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで良い。私もこれで終わりに「終わりになんてさせない」え?

 

聖書の神は自分の死を実感しながら目を閉じるが、頭の中で声が響いた。

 

目を向けるとオーブは自分の胸を掴んでいた。

 

「な、何を?」

 

ミカエルの戸惑いに答えず、オーブは掌に光を集め聖書の神にへと放った。

 

「あ、主!?」

 

光は聖書の神に溶け込むように吸収され、聖書の神は呼吸をする。

 

『ピコン、ピコン、ピコン』

 

オーブのカラータイマーは青から赤に変わり点滅すると同時に、光と化して聖書の神の元へ向かい、人間の姿になる。

 

「無理に抜け出しやがって、あのまま待っていればいいものの」

 

「あ、あの………」

 

男は呆れながら聖書の神を見るが、ミカエルたちは男を呼び止め

 

「おいおい、何のつもりだ?」

 

有無を言わずに土下座した。男はミカエルたちの取った行動に驚きつつも冷静さを崩さない。

 

「どうか、主を!主を救って下さい!私の命なら喜んで差し上げます!奴隷にしても構いません!どうか主を……」

 

ミカエルは必死に男を説得しようとするが、男はソレを止めた。イヤ、止められたと言うべきだろう。

 

「俺はもう誰も犠牲にさせない。だからもういい」

 

「あ………」

 

男はミカエルの頭を子供のように撫で泣くのを止めた。

 

「んんっ!」

 

男は胸に手を当て、光の玉を生み出すと聖書の神に近づく。

 

「アンタにはコレを預けておく」

 

「これって………」

 

男が聖書の神の胸元に置いたのは、銃のマガジンに似た形のハーモニカだった。ソレを中心に神は光の膜に覆われ呼吸を穏やかにする。

 

「さてと、悪いんだが一つ頼みを聞いてくれ」

 

「は、はい」

 

「俺はこれから消えてしまう。だけど何百年か後に俺と同じ力を持つ奴が現れる。ソイツなら聖書の神を救うことができる」

 

「そこまで待つと思うか?」

 

「何?」

 

コカビエルは殺気立ちながら聖書の神を見て光の槍を創り出した。

 

「クッ!」

 

ミカエルたち天使は、聖書の神の命を維持するため力を使い果たし、コカビエルの攻撃を防ぐ術はなかった。

 

「いいかげんにしやがれ!」

 

「グハッ!?」

 

男がコカビエルを殴ると、光の槍は消滅し攻撃は止まったがコカビエルは男を睨み付けた。

 

「ふざけるな!そいつを殺せば俺たちが最強の種族だと証明できる!」

 

コカビエル以外にも、他の堕天使やサーゼクスたち悪魔陣営も聖書の神を殺そうとしていた。

 

「君には感謝している。だが、それとこれとは話が別だ。これは僕たちが解決しなければならない。憎しみの連鎖を断つにはこれしか方法がないんだ」

 

悪魔を代表してサーゼクスがそう男に告げるが、男はため息をしながら

 

「フンッ!」

 

「痛い!?」

 

男はなんと、サーゼクスに親が子供にするかのようなゲンコツをした。

 

「な、何をするんだ!?」

 

「その言葉さっきのお前にそのまま返すぜ」

 

男は当然といった風に答えを言う。

 

「この戦争に憎しみの心があるなら、争いを憎んでいる心だってあるだろうが!!」

 

男の怒りに三大勢力は押し黙る。

 

「そうやって誰かが憎みあってるから、戦争が始まっていつまでたっても終わらない!お前らだって本当は理解しているはずだろ!!戦争は憎しみや悲しみしか産むことが出来ない!!」

 

男の言葉はサーゼクスたちを納得させる力があった。その光景を見てきたかのように男は言ったのだ。

 

「お前らは本当は手を取り合うことができる。だから協力することができた」

 

男は怒りから笑みに変わり背中を向ける。

 

「『やさしさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと』……コレはある男の願いだ。男とその仲間たちはどれだけ嫌われても、弱き者たちを護り続けてきた」

 

男は話し続けると姿が透けてゆく。

 

「ま、待って下さい!!」

 

サーゼクスは呼び止めるが男は振り向き、笑うと同時に完全に消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、待って下さい」

 

「はい」

 

イッセーはどうしても知りたいことがあった。ミカエルたち天界のトップの状態は分かった。しかし

 

「ゼノヴィア、お前はなんで悪魔に転生したんだ?別にエクソシストのままでもよかったんじゃないのか?」

 

イッセーの質問にゼノヴィアは

 

「君に惚れたからだ」

 

さも自然なように答えた。

 

「え?」

 

突然の告白にイッセーは戸惑うがゼノヴィアは畳み掛けるように

 

「私は最初意気地なしだと思っていた。だけど君は誰かの為に戦い、誰かの為に怒る。私はそんなところに惹かれた」

 

「な……な……」

 

ゼノヴィアの恥じらいのない言葉に顔を赤くするがリアスたちの黒いオーラに圧された。

 

「サーゼクスさんたちは二代目の魔王なんですよね?初代の魔王たちは一体どうなったのですか?」

 

「その話はしないでくれるか?」

 

話題を変えようとしたがなぜか不機嫌な顔のヴァーリがイッセーを止めた。が、イッセーは納得出来ない。

 

「………分かった。いずれ話さなければいけないんだ」

 

サーゼクスは目を閉じながら怒りを堪えた顔になる。

 

「先代の魔王たちは………ある理由があって亡くなった」

 

「亡くなった?」

 

「イッセーくん、力は望みすぎるといずれ自らを滅ぼすと分かってくれ」

 

「………はい」

 

サーゼクスの内心を察したのかそれ以上追求しなかった。

 

「………すみません、話を持ちかけてなんですけど少し失礼します」

 

「イッセーくん?」

「おい、なんか暑くねえか!?」

 

アザゼルは部屋の温度の異常さに気付き、イッセーはオーブリングを構えた。

 

「お待ち下さい、ウルトラマンオーブ」

 

静寂な部屋に鳴り響いたのは女の声だった。部屋の中央に魔法陣が出現する。

 

「これは旧レヴィアタンの……まさか!」

 

サーゼクスはその正体を知っているらしく、魔法陣からドレスを着た褐色の美女が現れた。

 

「旧レヴィアタンの血を受け継ぐ者………カテレア・レヴィアタン!!」

 

「ご機嫌よう。偽りの魔王たち」

 

カテレアはサーゼクスたちトップに向けて魔力弾を放つが、サーゼクスたちは結界を張り攻撃を防いだ。

 

「ふふ、トップたちがこんなザマとは情けないわね」

 

虫ケラのように笑うカテレアだが視線はイッセーを外さなかった。

 

「カテレアちゃん、なんでこんなことを!」

 

「そうねえ、今回の目的はあなたたちの抹殺と………」

 

セラフォルーはカテレアに訴えかけるが、当のカテレアはどこ吹く風。説明しながらイッセーに近づいた。

 

「あなたをスカウトに来ました。ウルトラマンオーブ」

 

イッセーに手を差し伸べながらそう言った。

 

「何?」

 

「あなたは三大勢力が総力をかけても倒せなかった【二対の獣】を封印しました。あなたの力があれば、この世界をより素晴らしい世界にすることができるでしょう」

 

「ふざけるな!アンタの顔からは支配しか感じねえよ!!」

 

カテレアはイッセーを煽るつもりか世界や平和などといった言葉を強調するが、イッセーはその手を払いのけた。

 

「おやおや、手厳しいですね」

 

カテレアはそれでも口調を崩さず、今度はヴァーリの方を向いた。

 

「あなたも来ませんか?あなたの血だって世界の改革を望んでいるはずです」

 

「黙れ!俺は奴がトップの組織なんて入りたくもない!!」

 

ヴァーリは激昂するが、カテレアは冷めた目で見下している。

 

「案外子供なんですね。イジメられただけで未だ反抗期ですか?ねえ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明けの明星の曽孫ヴァーリ・ルシファー?」

 

カテレアが言った名前にイッセーは言葉を失いかけるが、言葉の途中かける気になったカテレアは察したのか説明する。

 

「その子の祖父は、私たちの組織のトップをやっています。幼少期に戯れとしてその子を虐待したんですよ」

 

「黙れと言っている!!」

 

ヴァーリは憎悪の目で睨むがカテレアは気にしていない。

 

「ちなみにその子の祖父は偽りの魔王のサーゼクスとアジュカと同じく超越者で神器(セイクリッド・ギア)使いのヴァーリにとっては天敵のようなもの」

 

「黙れ!俺は奴の……リゼヴィム・リヴァン・ルシファーの首を諦めたわけではない!!」

 

ヴァーリの怒りは燃え続けているが、カテレアはそれでも言葉を続ける。

 

「やれやれ神器無効化(セイクリッド・ギア・キャンセラー)の彼にどうやって勝つつもりなんだか」

 

「なるほど、そこまで死にたいのならすぐに殺してやる!!」

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!』

 

ヴァーリは禁手化(バランス・ブレイク)しカテレアを襲うがカテレアの方は余裕だった。

 

「やりなさい」

 

「何………グオッ!?」

 

突然の不意打ちに反応ができなかったヴァーリは、派手に外へ吹っ飛ばされ、その根源に全員が目を疑った。

 

「兄さん………これは一体、どういうことだ?」

 

そこには赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア・)を展開した一正がいたのだ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。