「集まったね」
『はい』
サーゼクスの言葉を皮切りにリアスたち悪魔は席に座る。イッセーは襲撃に備えいつでも変身する備えをしていた。
「今回の話は他でもない。先日のはぐれ神父バルパー・ガリレイの件についてだ」
サーゼクスはこの前のことを話すと全員は真剣な表情となる。
「ウチの所属の元エクソシストフリード・セルゼンを完封しただけじゃなく幹部であるコカビエルを魔王獣とかいうとんでもねえ化け物で半殺しに仕掛けた」
「……フリードは性格には問題があったものの、戦闘能力は同い年どころか年上のエクソシストより優れていました」
アザゼルの報告に金髪の天使は目を瞑りながら話すが心境からして複雑なのだろう。問題児の能力が優れていたのだから。
「本題に入ろう。イッセーくん」
「はい」
「申し訳ないが今ここでウルトラマンオーブになってくれないか?」
「分かりました」
サーゼクスの真剣な表情にイッセーは疑う余地なくリングを掴み変身する。
〈ULTRAMAN ORB!SPACIUM ZEPERION‼〉
スペシウムゼペリオンに変身し、勢力の頭領たちは息を呑む。
「確かにこれなら俺でも敵わねえな。ミカエルお前はどう思うよ?」
アザゼルはオーブの潜在パワーを見抜きコメントするが、ミカエルという天使は何故か
「泣くなよ。コイツのおかげで聖書の神は死ななかったんだ」
ミカエルはかけがえのないものを見たかのような表情でオーブを見ていたが、オーブの方はその理由が分からない。
「………申し訳ありません。ですがこれだけは言わせて下さい」
ミカエルはオーブの目の前まで歩いて
『ミカエル様!?』
イリナとアーシアとゼノヴィアはミカエルのとった行動に驚く。それもそうだろう天界の筆頭が一介の人間に頭を下げていたのだから。
「おいおい、ミカエル。お前さんは仮とはいえ天界のトップなんだぞ?いくらウルトラマンといってもそんなことしちゃ………」
アザゼルは忠告するつもりで言ってるのだろうがミカエルはオーブの手を取り
「あなたが、あなたが私たちの主を助けていただきました!あなたがいなければ主は完全に死んでいたでしょう!」
ミカエルはオーブに感謝するがオーブはなんのことか分からなかった。
「ミカエル様。おそらくイッセーくんはオーブであるけどオーブではありません」
イリナの言葉にミカエルは頭を上げ
「あなたはあの時のオーブではないのですか?」
「あの時とは一体?」
オーブはなんのことか分からなく、変身を解きイッセーに戻る。
「そんな……ようやく主が目覚めるかもしれないのに……」
「ミカエル、まずはイッセーに三大勢力のことを教えろ。話はそれからだ」
ミカエルは一人で泣くがアザゼルは話を進めようとする。
「分かりました。オーブさま……いいえ、兵藤一誠くん、あなたに
ミカエルは呼吸を整えながらイッセーに説明する。
「ハアアアア!!!」
「テヤアアア!!!」
「オラアアア!!!」
サーゼクスとアザゼルとミカエルは戦場のど真ん中で戦っていた。本来敵対するもの同志が力を合わせて戦っているのは“共通の敵”がいるからだ。
三人の前にいるのは常人が見れば一瞬でショック死しかねないほどのおぞましい形をした巨大な獣だった。
サーゼクスは母の血筋のバアル家の固有の力である滅びの魔力を敵に向けて魂と存在ごと消滅させようとしている。
ミカエルは天使の中で最強の光の力を使い限界寸前まで光を凝縮した巨大な極太の槍を幾度も造り放っている。
アザゼルは天使と同じ力の光の槍をミカエルと劣らないほどの光の槍を休みなく次々と放ち相手を殺そうとしている。
この攻撃は主神クラスでさえ致命傷を負わせるほどの濃密な攻撃だった。しかしそれらは
「ギュオオオオオオオオ!!!!!!」
「水みてえに飲みやがって!さっさとパンクしちまえってんだ!!」
アザゼルが言った通り放った攻撃は獣は水を飲むかのごとく吸収し、怪我など一つも負わなかった。
だったら回りこんで胴体や頭頂などの別の急所を攻撃すればいいと第三者は言うだろう。しかし
「ギシャアアアアアア!!!!!!」
「チッ!化け物のセットなんて勘弁だ!」
アザゼルが舌打ちするがもう一匹の獣は関係ないといった風に暴れただでさえ混沌と化した戦場を複雑と化してゆく。
もう一匹の獣は頭が11あり、その叫び声だけで地上を揺らすほどの化け物。この化け物は後に【黙示録の皇獣トライヘキサ】と呼ばれ二匹の獣たちを光と闇、赤と白、無限と夢幻というように対になるものがあるように災悪の獣たちを【二対の獣】と名付けた。
この二匹は目があった瞬間に殺し合いを始めその戦いはかの二天龍とは比べ物にならなく、無限と夢幻の龍二体を打ち負かした。
このままでは世界が崩壊してしまうと予測した三大勢力は一時的に協定を結び、二体の化け物を可能であれば消滅あるいは永久の封印を試みた。
この作戦の要となるのは聖書の神の封印術で化け物の一匹を封印し、戦力を少しでも減らす苦肉の策だ。
しかし結果は最悪な形で迎えた。
「…………」
「主よ!どうか目を開けて下さい!!」
絶世の美女と言っても差し支えのない金髪の天使ガブリエルは涙を流しながら治療の魔法を施し、主君の目覚めを願った。
「クッ!ドラゴン以外にもこんな化け物がいるとはな!!」
「キシャアアアアア!!」
「グオッ!?」
コカビエルは悪態を突きながらも極太の光の槍を作り投擲するが青い鳥に似た怪獣は翼の一振りで槍をガラス細工のように粉砕し突風によるカマイタチで逆に攻撃を受ける。
「下がれコカビエル!私とシェムハザでコイツをなんとか食い止める!お前は他の援護に行け!!」
「チッ!仕方があるまい精々死ぬなよバラキエル!!」
コカビエルは別の戦場ヘ赴き、バラキエルという堕天使は光と雷の力を融合した“雷光”の力を使い青い鳥の怪獣を攻撃する。
「ギイイイイ!!!」
「神の炎と呼ばれた私の炎でも敵わぬとは、ラファエル!もっと風をよこせ!」
「これでも全開でやっているんだ!無茶言うなウリエル!!」
「私の氷が一瞬で蒸発するほどの炎なんて赤龍帝のドライグくらいだと思ったんだけどね!」
セラフォルーと炎の天使と風を放つ天使は一つの頭に二つの顔の赤い怪獣と戦っており、セラフォルーは氷の魔法を使って怪獣の攻撃を防ぎ風の天使と天使の炎の攻撃を当てるつもりだったが怪獣が吐く炎はそれを嘲笑うかのように呑み込んだ。
「グオオオオオ!!!!!!」
「この攻撃は………ダメだ操作仕切れない!!ファルビウム、他に作戦はないのか!?」
「無理だよアジュカ!いくら計算してもコイツらに勝てる作戦なんて思いつかない!!」
アジュカと呼ばれた青年は自らの力である
サーゼクスと同じ超越者と呼ばれた自分の力が通じないのを悔しがりながらもアジュカは諦めなかった。
「僕らはもう………」
「クソッ!ここまでなのかよ俺たちは!?」
「主よ、申し訳ありません………」
三大勢力の筆頭たちは魔力も光力も尽き、最早どちらが敗北するかは目に見えていた。
「ギュオオオオオオオオ!!!!!!」
獣は口にエネルギーを溜め終え、ソレをサーゼクスたち三大勢力に放とうとしていた。サーゼクスたちにソレを防ぐ術はもうない。
「キシャアアアア!!!」
「ギイイイイイイ!!!」
「グオオオオオ!!!!」
仲間たちは他の怪獣を抑えるのに力尽き地に伏していた。生きるか死ぬかのギリギリの命を残して
「グレイフィア………愛しているよ」
サーゼクスたちは目を閉じ悪魔からしてみればあまりにも短い最期を迎え入れた
「ギュオオオオオオオオ!!!!!」
その声が鳴り響くと同時に太陽より眩ゆい光の球体が獣の攻撃を搔き消しながら獣に傷を与える。
早くサンダーブレスターとオリジンを出したいけど頭が悪いから遅くなりますね。