「イッセー、一正!二人でイイもの作るんだぞ!!」
「アーシアちゃん、ゼノヴィアちゃん!下手でもいいから頑張って作りなさい!」
参観日の授業で何故か英語の授業なのに粘土で工作する授業となり、倒錯していたイッセーだったがクラスメイトたちは黙々と作業をしていたので黙ってやった。
(……つっても何作ればいいんだよ。さすがにウルトラマンさんたちやオーブを出すわけにもいかないしな)
イッセーは悩み続けた結果作ったのは
「ホウ!兵藤の弟くんはこれまた素晴らしいモノを作りました!私は生徒の才能を開花しました!!」
『スゲー!』
『カッケー!なんだそのオブジェみたいなの!?』
オーブリングを模した粘土細工を提示すると教室にいた人たちはイッセーに関心し、イッセーの両親は誇らしげだった。
「よく作れたわね。装飾とかもリアルだし、掲げたら本当に動き出しそう」
授業が終わった後、リアスと合流し作った粘土を見せた。
「兵藤一誠くん」
「あなたは……部長のお父さん?」
イッセーが振り返った先にはリアスと同じ鮮やかな赤い髪の美丈夫がいた。サーゼクスやリアスと同じ色の髪からしてグレモリーの当主だろう。
「私はジオティクス・グレモリー。君と会えることを楽しみにしていた。そして急ですまないが礼を言わせてくれ」
ジオティクスが頭を下げるが急な展開にイッセーは困惑する。
「あ、頭を上げて下さい!俺は自分の意思であの結婚式を壊したんですから」
、
イッセーはなんとかジオティクスに頭を上げようとするが本人は頑なに上げようとしなかった。
「お父様、イッセーくんはもう許しています。それ以上下げても逆にイッセーくんに迷惑がかかりますよ」
「む、それもそうかありがとうイッセーくん。君の広い心に感謝するよ」
サーゼクスがフォローするとジオティクスは申し訳なさそうに頭を上げた。
「魔法少女の写真会があるってよ!」
「ウオオオオ!!魔法美少女ォォォ!!!」
イッセーとジオティクスの間に凄まじい勢いで生徒が駆け抜けたがイッセーはなんだと思ったがサーゼクスとリアスは心当たりがあるのか苦笑いをしていた。
「なんだこの行列は?一体誰がやっているんだ?」
「こらこら!こんな通路のど真ん中で写真撮影なんかするな!とっとと早く教室へ戻りやがれ!!」
戸惑うイッセーを他所に匙は生徒たちをどかしこの騒動の中心の人物であるアニメに出てくる魔法少女の格好をした女の子に近づく。
「あのー、どなたかの妹さんでしょうか?出来れば学校でそんな格好はやめてほしいんだけど………」
「え〜〜、これは私にとって勝負服なんだよ。それとこれでも一応君より年上なんだからね」
「あの、なら一層そんな格好はダメなんですが「やあ、セラフォルー」サ、サーゼクス様!?」
匙が困惑するがサーゼクスは知人のセラフォルーという名の女の子に近づいた。
「あ、サーゼクスちゃん!」
「サーゼクスちゃん!?」
「もしかして………」
「おや、どうやらイッセーくんは気付いたようだね」
女の子のサーゼクスのちゃん付けに戸惑っている匙に対し、イッセーは何かを感じ取ったらしく神妙な顔になる。
「サーゼクスさん、その人は魔王ですね?」
「え?」
「へ〜〜私のことが分かっちゃったんだ?」
「ティアやグレイフィアさんやサーゼクスさんと少し雰囲気が似ていましたからね。さすがに最初は魔王とは思えませんでした」
イッセーが感じ取れたのはこれまでの怪獣との戦いで得た観察眼で、セラフォルーの内包している魔力の質と量でティアマットとグレイフィアとほぼ同等の力を感じ取った。
「君の言った通り彼女は僕と同じ四大魔王の一人セラフォルー・レヴィアタンだ。説明しようと思っていたけど必要なかったね」
サーゼクスは笑っていたが匙の方は魔王相手だったからか顔を真っ青にし、セラフォルーの足元へ跪く。
「も、申し訳ございませんでしたレヴィアタンさま!!」
「いいのいいの♪気軽にレヴィアたんって呼んでね♪」
匙は先ほどの無礼を謝るがセラフォルーは全然気にしていなかった。
「ねえねえサーゼクスちゃん。この子が噂のウルトラマンオーブ?」
「そうだよ。彼はウルトラマンオーブに変身して戦う兵藤一誠くんだ」
セラフォルーはイッセーを興味津々な目で観察し嬉しそうにイッセーの周囲を動く。
「初めましてセラフォルーさん。一応サーゼクスさんの妹、リアス・グレモリーの仲間として悪魔たちと協力しています兵藤一誠です」
「あはは♪礼儀正しいね。もう少し気軽に行こうよ私のことはレヴィアたんって呼んでいいから♪」
あまりの軽さに困惑するイッセーだったが匙の方は気が気でなかった。
「あの……「何をしているのです匙」あ、会長」
匙が困惑している最中ソーナが突然現れ匙に嘆息する。
「全く、いつも仕事を迅速に行いなさいと「ソーナちゃん!」」
ソーナが匙に注意をするが女の子は関係なしにソーナに近づく。ソーナは叱り顔から急に真顔になった。
「うふふ!今日は参観日があるって聞いちゃったからお姉ちゃん張り切って勝負服で来ちゃったよ!嬉しいソーナちゃん!?ってあれ?なんで顔を赤くしてるの?もしかしてお姉ちゃんが来て嬉しすぎた!?」
セラフォルーはヒートアップするがソーナは恥ずかしさが比例しているのか顔を赤くしてゆく。
「も」
『も?』
「もうイヤアアアア!!!!!!」
ソーナは恥ずかしさが爆発したのか光の速さと言っていいほどの速度でセラフォルーから逃げた。
『待ってよソーたーーーーん!!!!』
『たんを付けないでとあれほど言ったでしょう!?』
セラフォルーは同じ速度でソーナを追いかけ姿を消す。
「リーアたん。僕たちは教室に戻ろうとしようか」
「お兄さま。愛称にたんを付けないでください」
「そんな、リーアたん!小さい頃はあんなに喜んでいたのに!!」
「私はもう子供じゃありません!!」
リアスも落ち込みながらもサーゼクスにツッこむがイッセーは同情する。
「………魔王って厳格なイメージだったんですけど案外軽いんですね」
他にも言いたいことがあったのだがオブラートに包んでイッセーは魔王たちに対して感想を言う。
「……本当に仕事ではキッチリしてるんだけどプライベートではどの魔王さまも恐ろしいほど軽いのよ」
リアスもイッセーと一緒に溜め息をつくがイッセーに思い出したかのように
「イッセー、放課後に来てくれないかしら?」
「はい?」
「引きこもりにあってほしい?」
「正確には引きこもっている私の眷属なんだけどね」
放課後リアスと一緒に部室のある旧校舎に向かいながら話を聞いた。
「俺が出来るでしょうかね?ライザーみたいなメンタル弱い奴を無理に引きずり出すと余計引きこもりを強めるかもしれませんし」
イッセーがライザーが引きこもっているの知っているのはライザーの眷属の
「ココがそうなの」
「なるほど、確かにただの引きこもりじゃありませんね」
リアスに連れてこられたのは[keep out]や[立入禁止]などの一般の生徒や部外者の侵入を拒むためにテープやバリケードが立てられた部屋だった。
「あなたならギャスパーを助けることが出来るかもしれないの。お願いイッセー」
「分かり「イヤアアアア!!!!」なんだ!?」
中からギャスパーと思われる人物の声が鳴り響き、イッセーはバリケードを蹴りで破壊した。
「大丈夫か!?」
「ヒ、ヒィィィ!!!」
イッセーの目の前に金髪の麗しい者がいた。