バケモノは路地裏で助言を【凍結】 作:ティフアナ・フェアガンゲンハイト
こんなだが、ありがとうございます!
投稿ペースは亀だ、注意しといてくれ。
誰か来る。
「やっと、とっつぁんから逃げれたな次元」
「だが、また追いかけている来るぞ」
誰だろうか。
此処等じゃ見ない顔だ。
「そんなことはわーかってるさ。さーて、どうしたものかな。こんな路地裏じゃ逃げ切れるかどーか」
逃げてる?
じゃあ、さっきのパトカーは、コイツらを追っかけてたって事か。
「ここが何処なのか知らなきゃ事がなせねぇ」
「…………」
?
一瞬だけど此方を見たような…。
もしかして、私に気付いた?
「どうした?」
「………そこの暗闇に居るのはだれだぁ?」
やっぱり気付かれてた。
どうしよう、
それとも、逃げた方がマシ?
「急にどうしたんだ
え?
ルパン?
アルセーヌ?
いや、そんな事は絶対ない。
私はこの目で亡くなった姿を見たんだ。
じゃあ、あれはあのルパンって事か。
ちょっとだけ
「ありゃ?ただの気のせいだ『私の事かい?』った…………!?」
「お…おお、おい、ルルルルル、ルパン。今、ねねねね猫が喋らなかったかぁ?」
「そ、そそそそそうだな次元」
焦ってる焦ってる。
そっちの男は次元って言うのか。
『何、喋っちゃダメ?』
「喋ってる……」
なんだろう、面白いな。
嵌まっちゃいそう。
「お前は何者だぁ?裏で誰が喋ってるようにゃ聞こえない」
『ふーん、ルパンって言うんだ。そうだ、此処から逃がしてあげようか?』
「悪くない案だが、質問に答えてくれなきゃその案には乗れねぇな」
「おい、ルパン!」
「いいんだよ次元」
『…私はバケモノ。闇にひっそりと潜むバケモノだよ』
そう、私はバケモノ。
ヒトだけど人ではないモノ。
ひっそりと闇に潜み、姿を変え続けるモノ…。
「そうか、バケモノか。面白いその案に乗った!」
「いいのかよルパン、そいつ怪し過ぎるぞ」
「良いっていったら良いんだよ。で、どうやって逃がしてくれるんだ?」
どうやってか……、まあ勿論こんな感じ。
私は姿を虎に変える。
『私の上に乗ればいい、それだけ』
「白虎ぉ!?さっきは猫で次は虎…」
「やっぱり面白いじゃねぇか次元!乗ればいいんだな」
「大丈夫か?重くないか?」
私の背中辺りに乗ってきた。
乗られるのは初めてだけど、あまり重くなかった。
『平気、大丈夫』
『ちょっと跳ばすからちゃんと捕まっててね』
◇
「何処なんだぁ?まるで廃墟じゃねぇか」
目の前に居るのは黒い服に黒い帽子、煙草をくわえた男だけ。
もう一人はどっか行った。
『此処は、あの町の外れにある廃墟だよ。そういえば、相方は?』
「あー、ルパンか。ルパンはたぶんこの屋敷の中を見て回ってるさ。
で、お前さん名前は?」
やっぱりルパンって言ってる。
『私はテウ』
「それだけかぁ?」
『名前長いから……テウ』
「そうか分かった。そんでテウは何者なんだ?」
『……キメラ』
「キメラ?」
『幾つかの生き物の塊。さっきの虎も全て私。後、これでも人間だよ』
私はそう言いながら黒目黒髪の姿に変える。
「…成る程な、ルパンが興味湧くわけだ。
言ってなかったが、俺は次元。相方が『ルパンでしょ』…そうだ、ルパンだよ」
「何々、何の話してるのさー。あれぇ、この嬢ちゃんは誰?」
あ、やっと戻ってきた。
「ルパンか。こいつは、さっきの猫だった者だ。名はテウっていうらしいぞ」
自己紹介が省けた。
「ふーん、テウか。よろしくなテウ」
『…………』
「そいやぁルパン、何処行ってたんだ?」
「いやー次元、この屋敷に来るの久し振り過ぎて、思い出すまで見て回ってた訳よ」
やっぱりそうなんだ。
「久し振り?此処に来たことあんのかルパン」
「ああ、ここ『此処はアルセーヌ・ルパンの屋敷の一つ』……次元、俺について何か話したか?」
(ニヤニヤ)
やっぱり孫か。
ふふふ、楽しみだな。
「いや、まだ何も」
『いやいや、久し振りだねアルセーヌ・ルパンの孫。
あんなにチンチクリンだったガキっ小僧が、こんなに大きく成ってるとは驚きだよ』
「あ?テウって言ったな。お前、本当に何者だぁ?」
次元は隠し持っていた銃を私に向けてる。
『私はテュクラス・メヘュイリス・フェルクィストゥ・リハィテウ。
アルセーヌの古き友にして、路地裏の助言者。
ああ、奇跡を起こすモノって言われてたっけ』
「…………」
カッコ良く言ってみたけど……って、あれ?表情が固まってる!?
「おい、ルパンどうした?」
◇◇
あのままルパンは倒れてしまった。
貧血とかそんなんじゃなくて。
ただ単に驚いて「ドサッ」だった。
今は適当な部屋に寝かしている。
次元はと言うと屋敷の中を見て回っている。
私の姿を見て驚かなかったな、ルパン。
でも、何で名前で驚いたんだ?
まあ、いいや。