テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か?   作:にゃはっふー

24 / 25
まだ作品作りの初めで書いたものの物語。その前と言う物語もそろそろ終わりを告げます。

ではどうぞ。


第23章・未来へと派手に出向く為に

 飛行船であるバンエルティア号、そこの看板でそれを見る。

 

 世界樹の周りの空間、ジルディアが生み出す世界へと変貌した空間へと入り込む。

 

「………静かだが、生き物の気配なんて無いか」

「リュウ」

「………んじゃま」

 

 全員が武器を取るが、それは阻むためではない。

 

 それは、

 

「盛大な兄弟ケンカだ、行くぜ」

「ええ、みんなっ、行きましょう!!」

 

 

 

 リュウ、カノンノ、セレナ、ニアタのメンバーが生命の場へと目指し、他のメンバーはその道を阻む装置へと向かう。

 

 サクサク進む中、生命の場へとたどり着く。

 

 そこに、

 

「………どうして」

 

 そこには困惑したラザリスがいた。

 

 輝きと共にいる、闇を見て、憤り、睨んでくる。

 

「どうして君は創造と共にいる!? 君が一番知っているはずだ!? 創造から、どれほど苦しみ、悲しい日々を送ったか忘れたの………」

 

「ラザリス、んなもん忘れられるか」

 

 それは始まりからずっと、

 

「人は創造の所為で、新たな物、新たな力、新たな何かを求め続け、他から奪うことすらする………お前の後ろにある、その生命の輝きがそれの象徴だ」

 

 輝く入り口のように、それが光り輝く。彼らの光景は、別の場所で戦う仲間も見えていて、仲間達が戦っているのも、こちらも見ている。

 

「ああそうだ、世界はいつだって、欲しがってばかりだッ。終わらない、ずっと滅びるまで奪い合うしか無いじゃないかッ!!」

 

 そう言い、ラザリスは力を纏う、それは負でも輝きでも無い、なにでもない。

 

「だから僕は世界を、ルミナシアを変える。僕が与え続ける、君達はなにもしなくていい。僕の世界では『創造』なんてしなくてもいい」

 

「あなたは………自分の世界から創造を奪うの!?」

 

「そうさ、創造は欲。罪なんだよ。だから僕一人が全てを背負う、この世の終わりまでね………」

 

「無理だ」

 

 そう言って前に出るのは、救世主でも、この世界の住人でも無い存在だった。

 

「欲望は永遠だ、永遠なんだよラザリス」

 

「なにを言っている?」

 

 周りの、アドリビトムを見ながら、静かに告げる。

 

「俺は生まれてから、あまねく命から、欲を聞いた。欲が罪? 違う………」

 

 

 

「存在そのものが罪だ、ラザリス」

 

「何かがあれば、それは罪であり、永遠に生まれ続ける」

 

「お前一人が創造を背負ったところで、世界の欲望は尽きることなく望み、手を伸ばし、いつしか破滅する」

 

「在る限り、居る限り、この世界もいずれルミナシアと同じ、いや、それ以上の破滅の結末しか存在しない」

 

 

 

 負からの発言に、ラザリスは首を振る。

 

「嘘だッ、僕の世界が、住人達がそんな結末な訳」

 

「求める意志が在るのなら、創造から逃れられない。そして………求めるだけの世界では、次は無いんだ」

 

 それに世界樹を見る。ここからでも見える世界樹を、

 

「世界樹もまた、新たな世界へ望みを持ち、生み出すことすらできない世界。それはもはや終わりしかない」

 

「君は、君はずっと苦しんでいたはずだッ!! 創造に、世界に、命に、ずっと」

 

「………ああ」

 

 そして、はっきりと、

 

 

 

「だが俺は創造を否定しない」

 

 

 

 それに目を見開くラザリス。信じられない言葉を聞き、後ろに下がる。

 

「ラザリス………俺が創造が、生命が嫌になったのは………俺自身が誰かを笑顔にすることができたからだ」

 

 そうさ、俺は、あの時、嬉しかったんだ。

 

「人を救うのが、守ることの素晴らしさと、娘を思う愛しさを見て、俺は命の、創造された存在の輝きが忘れられないから、絶望した」

 

 だが、

 

「ラザリス」

 

 そう言って、手を伸ばす。

 

「諦めろ」

 

 創造は止められない、求める罪からは逃れられない。

 

「この世界はジルディア、兄弟と共に生きたいと願っている。なら、共に生きろ、ジルディア」

 

 その言葉に首を振り、セレナを睨む。

 

「彼に何をした………」

 

 その言葉と共に、無数のキバが囲む。

 

「彼はずっと生命に、世界に、創造を呪っていたのにッ、だから僕の、僕らの世界の救世主になると信じられたのにッ、お前が、お前がなにをした!?」

 

 その言葉に、セレナは静かに、

 

「一緒にいただけ………」

 

 その言葉に黙り込むが、セレナは前を向いて言う。

 

「何も知らなかった私に、みんなが教えてくれた。創造が、生み出すことが罪なんかじゃないよっ」

 

『ああそうだッ』

 

 別の場所で戦う仲間が叫ぶ。

 

『創造が生み出すのは罪だけじゃない、喜びだって、生み出すんだ!!』

 

『彼もまたその創造から生まれたっ、罪なんかじゃない表明は彼自身だッ』

 

『リュウは負の表徴ゲーデかも知れない。だけど』

 

『彼奴はこの世界で多くの命を助け、多くを教えた』

 

『それが罪なんかじゃないッ、ラザリスッ』

 

 武器を振るい終え、何名もただ笑顔で手を伸ばす。

 

 受け入れ、共に生きる意志を、見せるように………

 

「………うるさい………」

 

「諦めろ………こいつらはしつこい」

 

「うるさいッ!!」

 

 向かってくる力へ、セレナは輝きを、リュウは闇を纏う。

 

『行くぞ、セレナ、カノンノ!!』

 

「「うんっ!!」」

 

 無数のキバが一点、ただ一つへと向かってくる。

 

 それでも、

 

『俺は………もう間違えるつもりは無いッ』

 

 カノンノの輝きは桜のように、セレナから救世の輝きが白く染まる。

 

「バカな!? 君がいるのに、その輝きは」

 

『………はっ』

 

 それに、闇は、

 

『こいつらの輝きで消えていられるかッ!!』

 

 吹き出す黒を纏い、輝きは真っ直ぐ、全てを壊しながら、ラザリスを吹き飛ばした。

 

 闇は無傷ではないが、それでも五体満足であり、顔の部分を人に戻し、ラザリスを見る。

 

「やべ、やりすぎた」

 

 その程度しか思わず、ラザリスの側に駆け寄った。

 

 

 

 セレナもカノンノも側に駆け寄り、ラザリスを抱き上げるリュウ。

 

 その身体には、ドクメントが囲まれていた。

 

「どう、して………」

「これって」

「ジルディアの民、創造のドクメントだ」

 

 リュウがそう言うと、ラザリスは首を振る。

 

「どうして、君達は創造しなくていい………争う意志なんて、僕だけが」

「争う意志じゃねぇよ」

 

 ラザリスの言葉を遮り、静かに、

 

「お前を守りたいって、気持ちだ。ラザリス」

「ゲーデ………」

 

 それに静かに、全ての力を失い、リュウへ寄りかかる。

 

「創造は止められないのか………生きたいと言う意志がある限り………共にいたいと言う意思がある限り………」

「ああ。どんなに見た目も何もかも綺麗に見えても、光と闇は共にあるんだ。どっちか一つは永遠にない」

「………そう………か………」

 

 そして目を瞑り、そこから涙を流しながら………

 

「ディセンダー………見えないんだ………」

「ラザリス………」

「僕の世界が、見えないんだ………穏やかで、美しいヒトたち………僕の世界の………住人たち………」

「ふんっ」

 

 空いた手で額をデコピンする。

 

「りゅ、リュウ!?」

「諦めるのが早い」

「?」

 

 ラザリスを抱え、生命の場を睨む。

 

「………ま、やってみるか」

『!? リュウまさか』

「セレナとカノンノを頼む」

『待てッ!!』

 

 三人を阻むように、黒い炎が生命の場と別れ、それを見るリュウ。

 

「リュウ!?」

『そなたッ、まさか生命の場に入り、調和を手助けする気か!?』

 

『!? バカなッ、ゲーデが生命の場に入ればッ、そのまま消滅されてしまうぞ』

 

 別の場所のセレシウスの言葉に、全員が絶句するが、一人だけ笑う。

 

「その消滅するエネルギー全部、調和へと返還してみる」

 

 そう言いながら、飛翔し、生命の場を見る。

 

「「リュウッ!!」」

 

 二人の少女を見ながら、ニヤリと笑う。

 

「待ってろ」

 

「「!」」

 

「ちゃんと帰る………報告書書かなきゃな」

 

 そう気楽に言い、その言葉に、光へと向かう闇に、

 

「リュウッ」

「私は、私達はッ」

 

 それにやべっと思いながら、早まる。

 

「「貴方のことが、大好きだからねッ!!!」」

 

 ………言い訳できるかと思いながら、生命の場へと入っていった………

 

 

 

「で、それがあれか」

 

 キャロルと言う、異世界の錬金術師は、宝石のような鉱石と木が融合した大樹を見ながら、話を聞き終える。

 

 アンジュは、異世界。リュウが元々いた世界からスカウトした人達や、セレナの関係者、異世界の客人に、ラザリスの話をしていたところだ。

 

「それからしばらくして帰ってきて、その後貴方達の事件が起きたのよ」

 

 異世界で、リュウこと原初の負のゲーデと純白のディセンダーの物語。

 

 その前を話していたとき、セレナは実は異世界の人間であり、彼女には姉がいる。その姉はもの凄く死んだ目になっていた。

 

 ここにセレナとカノンノがいれば、もの凄く真っ赤になっていただろう。いないからいま話したのだ。

 

「ま、まあなんだ、マリア、気をしっかり」

「持てないわよ翼っ、結局あの子は、あの子はあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 マリアと言う人は涙目で、クリスと言う子を始め、切歌、調は少し距離を置く。

 

 死んだと思った妹は、特殊な力の持ち主であり、特殊なゲーデが生まれた世界の住人だからと、拾われた。

 

 記憶を失い、ディセンダーとしてこうして生活して生きた結果、彼に恋した。記憶を取り戻してもなお、それは変わらない。

 

 お姉さんは乱心しても仕方ない。

 

「あの~それで結局、龍さんは、お二人のお返事は?」

「それが全然、聞こえてないの一点張りで、周りからすれば聞こえてたって思うんだけどね~」

 

 響が紅茶を飲みながら聞き、アンジュは異世界のお茶菓子をつまみながら答える。マリアは机に倒れている。周りは何も言わずに、それでと、

 

「それで本人達は?」

「世界樹の根本、リュウの話じゃ、そろそろだから」

 

 

 

「………」

 

 黒い巨大な剣を背に、色の付いた水晶の前で待っていた。

 

 側にはテントを張り、キャンプしながらであり、聖地で何してるんだと怒られそうだが、ゲーデだから気にしない。

 

 なにより、いまは会いたくない人達が多く船にいる以上、ここにいたい。

 

「………なにしに来た」

【そう言うなゲーデ】

 

 いつの間にか、剣を通して、根元の世界樹の側にいた魂がいる。

 

 全くと呆れながら、それの正体を知り、呆れていた。

 

「………原初、全ての世界が始まり、下に貯まりできた俺だから分かったが、お前は………」

【………世界樹、一つの命へと変わる彼奴は、子供達、家族に囲まれるだろう………だがそれと同時に、消える子供も見続ける。側にいてやりたかった】

 

 例え魂が原型を留められないほど、屈折し、どうなろうとも、側に永遠に居続ける。それが彼の答えらしい。

 

 ある意味、原初のヒトと言うべきだろうか?

 

「………あんたは」

【………原初のゲーテ】

 

 静かに、それは元の場所に、永遠を共にする彼女の側に戻る際、

 

【お前はお前の愛する者の側にいてやれ………】

 

 そう言ったとき、次元を越えて帰っていき、ため息混じりに、水晶を見る。

 

「………ラザリス、世界ってのはめんどくさいが、まあなんだ………いつでもこ」

 

 その時、水晶にヒビが入った。

 

「いまかい!?」

 

 そう言って、急いで回収するように手を広げると共に、水晶が砕けて、一人の少女が世界に生まれる。

 

 それに苦笑しながら、キャッチしニヤリと笑う。

 

「ハッピーバースデーラザリス」

 

 そう言いながら、少女は………

 

「………ありがとう………」

 

 静かに微笑んだ………




ラザリスを取り戻し、彼は自由の灯火の下へ連れていきます。

お読みいただきありがとうございます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。