テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か?   作:にゃはっふー

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出してもいいよね、と言うわけでどうぞ。


第16章・嵐の前

「ごめんなさいっ!!」

 

 と、アンジュがヴァンに誤りながら、いやいやと頭をお互いに下げていた。

 

「今回の件は私の所為でもある。皆には私から謝らなければな」

「はあ、全く………みんな仲間思いなのはいいんだけど、説明ぐらい聞いて欲しいわよ………」

「いっや~青春ですし、本来の目的も達成しましたからいいじゃないですか」

 

 そう言うジェイドはにやにやしながら、うっわ~と言う顔をする。一人の女の子がいる。彼女はアニス。ジェイドの部下である。

 

「はわわ………総長と大佐って、以外とですよね………報告聞いて、アニスちゃん、呆れちゃいましたよ」

 

 今回の仲間攫いは色々な面の確認を含め、一部のアドリビトムメンバーしか知らないことであり、まさかの事態に発展した。

 

「アンジュ、仕事終わったぞ」

「はいはい………ああリュウ。貴方もけが人だから無理しないでね」

「あの程度ならもう治った」

「はいはい………」

 

 疲れた顔でため息をつきながら、書類を受け取る。今回はナタリアの協力の下で、リュウが甲冑の剣士に扮して攫う。

 

 クレア達に黙っていたのは、嘘が下手であることと、彼女から聞かされた情報でどれくらい混乱するかと言うテストも兼ねていた。

 

 そして王族兄弟もまた、王族継承権としてのテストであり、結果は不合格。いまはまだ状態維持が続くらしい。

 

「まさか私にまで内密にしていたなんて………」

「ティア、お前は他の者達とも仲が良いからな。話す機会がなかったんだ」

 

 そして情報で仲間、攫われたの二つで、一気に混乱して、一気に押し寄せたと言う事態と言う、これは少し危険な事態になった。

 

 これがもしクレアなどの非戦闘員であり、また助けに出向く際、無策すぎると痛い目に遭うと言う教訓にもなった。ほぼリュウとヴァンが本気でぶつかり合った所為だが………

 

『アンジュ、とはいえ今回は』

「ええ、今回は少し考えることが分かったわ」

 

 それにリュウが去った医務室で、鋭い目になる年長組。それはリュウの反応だった。

 

「思いだけで誰かを救えないと、ならなんであの家族は救われなかったか、ね………彼の過去は教えてくれないけど、あの言葉って」

『遠くから見ていたが、あれはゲーテである彼の本来の力を引き金になっている』

 

 ゲーテを知るニアタは、クラトスとユージーンと共に遠巻きから様子を見ていた。仲間達が狭い場所に大勢で来て、範囲技で吹き飛んだとき、額を抑えたらしい。

 

『………もしかすれば、彼は人の身でありながら、ゲーテに成る可能性がある』

「………そうですか」

 

 ともかく、今回の件を教訓に、今回メンバーは落ち着いて対処することを覚えて欲しいものだと至り、話は纏まる。

 

 

 

「ただいま~あっ、リュウ。もう動いて平気なの?」

「………」

 

 マルタが聞いてくる際、もの凄く嫌な顔をする。それにマルタは?と言う顔をする。

 

「エミル吹き飛ばしたから、なんか言われるかと思った」

「そりゃ、文句言いたいけど、依頼だったんだから、もういいわよ」

 

【もうなに言ってるのよ。そりゃ仲間を傷付けたけど、結局痛み分けなんだから、もういいことなのに………それより、エミルだってあんなに大怪我してたのに、リュウはもう平気なのかしら?】

 

 そんな声を聞きながら、嫌な顔をして、自室に籠もる。

 

(………なんでだ)

 

 どれも痛み分けでいいと言う声に、頭がおかしくなる。理解できない。

 

 もう嫌になる。ここはどこだ? 自分はどこにいる?

 

「………なんなんだ」

 

 

 

 カノンノとセレナはリビングでため息混じりに、考え事をしていた。

 

「あっ、二人とも。どうしたの?」

 

 それに女性達が話しかけてきて、それに二人は戸惑いつつも、

 

「実はね」

 

 あの時、叫んでいたリュウはなるで悲しそうだった。

 

 辛そうだった、苦しそうだった。そんな声だったと二人で思い、話し合って考え込んでいる。

 

「はあ、どうしてリュウはこんなに心配させるんだろうね………」

「うん………私、リュウが心配なのに………」

 

 セレナとカノンノはそう言い、ため息をつく。

 

 その様子に、なんて言うか、

 

「さっき会ったけど、そんなに変わってない様子だったけど………二人とも、そんなにリュウが心配?」

「「心配」」

 

 揃って言う二人に、うずうずし出す女子達。正直不謹慎だが、気になる。

 

「二人って、そう言えばよくリュウと一緒よね」

 

 ルビアの言葉に、二人は揃って頷く。

 

「あ、あの、ふた、二人って」

 

 シャーリィが、

 

「リュウさんのことが好きなんですか!?」

 

 その言葉に、

 

「「………」」

 

 二人は息を止め、思考が止まり、何故か、

 

「「!!!!!!!」」

 

 真っ赤になり、何故か分からないが、何か否定したいがしたくなく、そんな反応をしていると、他の女子も集まりだしてくる。

 

「やっぱり、そうだったのねっ」

「はあ~いいな~………リュウはなにげに乙女心はしっかり分かって、ちゃんとしてるし、料理上手だしね~」

 

 仲良く話し合う女性達、新しく入ったシェリアも加わるが、もう話が入り込んでいない。二人とも、顔が真っ赤になっていた。

 

 

 

「あーリタ、今度のはどうだ」

「無理無理、無理ィィィィィィィィィィ」

 

 研究室で荒れている研究者達、ニアタが通りかかり、その様子に少し驚いている。

 

『どうしたんだい?』

「ニアタか、実は前に聞いた、ジルディアのことでね。触媒のうち二つはすでに絶滅種だということが分かって、現在化石からドクメント発掘を視野に入れてるんだが」

「どれもこれも使えないのよ~」

『そうか、星晶が生まれた頃と、世界の環境は大きく変わっているのか』

 

 その言葉に、ウィルが書類の山からがばっと出てくる。

 

「………環境が、変わっている………」

「………生物の進化論ッ、ウィルッ、ドクメントで過去のデータを遡ることはできるかっ!?」

「進化………混種!! できるわよリュウっ、ツリガネトンボ草は何目何科何種!!?」

「リタ図鑑パスっ」

「OKっ、リュウはアンジュに他ギルドに連絡っ。大がかりになるから準備してッ。あとはあんたらの情報網でも声かけてっ」

「分かったっ」

 

 そう言いリタ達と別れ、アンジュに連絡。

 

「ジェイド丁度いい、情報屋に出向くぞっ」

「おや、進展がありましたか?」

「あった、いまリタ達とで活動再開する」

 

 それに話を聞いていた者達の顔が微笑みながら、静かに説明する。

 

「まずはツリガネトンボ草。これはすでに絶滅して長い月日が経つが、その子孫とも言える進化種からツリガネトンボ草のドクメントを取り出す」

「子孫からツリガネトンボ草のドクメントを取り出すのね、それで具体的には」

「おそらく膨大な植物種のドクメントが、大量に必要になる。もうアドリビトムだけじゃ時間がかかるほどの数のな。だから」

「情報屋や、他のギルドに頼み、集めるしかないと言う訳ですね」

「ああ、っと、リタ」

 

 リタが書類やら何やらを持って、待たせたわねと言って、数と種類を広げる。

 

「これは………凄い量ね」

「資金に関しては悪いが王族貴族メンバーから資金提供してもらうしかない。他に必要ならヴァンに言え」

「ヴァンさんに? なんで」

「俺との依頼で何かそればライマ騎士団総長として、手を貸すって契約だ」

 

 悪い顔で、この前の依頼報酬を早速使うリュウ。リタも悪い顔をするが、アンジュは微笑みながら了承する。

 

「それと資金運営に関してはここをこうしてこうで、あとは」

「分かるわ、相変わらずこういうのも得意わね♪」

「んじゃ、ジェイド」

「はいはい、情報屋に関しては貴重種ですね。アニス、せっかくだから来てください」

 

 そうこうして色々と動き出す中、リュウ、ジェイド、アニスが船から一度下りていった。

 

 

 

「おや大将達か、もう常連で合い言葉もいらないよ」

「それでいいのか?」

「お得意さま大歓迎ってね」

「おやおや、助かりますよ~」

 

 そう言いながら、今回は奧の部屋に入り、ローブを脱ぐ二人。軍服が来る訳にはいかないが、少しばかり今回は違う。時間が惜しい。

 

「交渉はお願いしますねリュウさん」

「はっわ~♪ リュウさんに頼むなんて、大佐ひっど~いっ」

 

 こちらが相手の負の声が聞こえるのを良いことに、交渉を任せる気らしいが、元々そのつもりだ。負では無い感情は読めないので、軽く打ち合わせをすると、相手が現れる。

 

【うわっ、お得意さまとはいえ、厄介者二人が揃うとはね】

「こんにちは、毎度ご利用ありがとうございますってね」

 

 そう言い、営業スマイルする女性に対して、ともかくと、

 

「早速だが、いつものじゃなく、表の、ギルドの仕事で多くの植物種の入手が必要でね。早い交渉がしたい」

「おやそうかい」

【うげっ、それってかなりまずいな。まあいいか、灯火さんは助かってるし、早くするとしてと】

 

 まずキバ関係、大地から生えたあれのことに関して、ジェイドが言える範囲で説明し、それをどうにかする触媒が絶滅種であるため、それを元に進化などしたルーツを遡ることを説明する。

 

「それはまた手間がかかることを………」

「絶滅種探し出すよりかは確実でね、貴重種のこれらのドクメントが欲しいんだ」

「ん~どれどれ」

【話からして足下見るよりか、全部任せた方がいいねこりゃ。出せるのは全部出すか】

 

 少しぼったくりたいと言う感情と共に、仕方ないと思いながら、貴重種のドクメントデータを全部持ってくるように言う。

 

「いいんですか~そんな簡単に」

「ぼったくりたいけど、あれはまずいのはあたしらも分かってるからね。今回は裏も表もないさ」

 

 ついでにと、

 

「他の植物種の情報も表に出すから、欲しい植物の項目言ってくれ」

 

 ジェイドが少し眼鏡を直すフリをすると、リュウが目を閉じてなにも言わないため、それを教える。裏表も無い、彼らの協力姿勢。願っても居なかった。

 

「んじゃ、今回はタダでいいから、あれのこと頼むよ灯火さん」

「ええ、分かりました」

 

 そう言い握手をする時、だだだと走る音がしたため、全員武器を構える。

 

「と、頭領たい、うわっ」

 

 武器を向けられた者は、驚き、しりもちを付く。全員が暗黙のルールを破った者を見るか、こちらを見て、よかっとと叫ぶ。

 

「灯火さんっ、こればかりは表も裏のルールもないっ、急いで船に戻れっ」

「? どういうことだい」

 

 頭領と呼ばれた女性は静かに配下を見ると、

 

「ぐ、軍が、軍が灯火さんを攻撃しようと我策してるっ!!」

 

 

 

 青空の下、セレナは歌を歌うが、少しだけぼーとする。

 

「好き………好き………好き………」

 

 その言葉を続ける際、リュウの顔を思い出し、耳まで真っ赤になりながら、静かに顔を隠す。

 

(あれ、なんだろうこの感情………ふわふわして、そわそわして、だけど嬉しくて、だけど恥ずかしくって………ううっ)

 

 何故かいまリュウに会えない、会いたくない。いやけど会いたいと言う感情で右往左往しているセレナ。

 

 なんだか分からないけど落ち着かない。

 

「いまやっとなんとかできるようになったのに、私どうしたんだろう………カノンノもそうだし………アニーに聞かないと」

 

 そう思っているとき、誰かがバンエルティア号に尋ねてくる。

 

「すまない、ここは自由の灯火、アドリビトムでいいかな?」

「あっ、はい、そうですけど」

「!」

 

 こちらの顔を見たとき、はっとなるその人は、

 

「貴方は………その」

「はい?」

「ディセンダー様ですか?」

 

 その時、セレナは多くの人達から、ディセンダーであることは隠すように言われていたため、ドキマギしながら、

 

「い、いえ、違います、よっ」

 

 そう言って顔を背けたが、すぐにその人は近づいてその手を取る。

 

「そんなことはない、私は見たんだ、あなた様が火山地帯の異変を元に戻したところを」

「!!!」

 

 まずいことしたと思い、あたふたしていると、

 

「ん、セレナーーーなにしてるの?」

「り、リリスーーーー」

 

 困ったような顔をすると、その人は少し困った顔をするが、

 

「すいません、アドリビトムの方ですね。貴方達に願いがあり、ここに来ました」

「お願いですか、それは」

「ディセンダー様のお力を貸してくださいっ」

 

 それに全員がすぐに驚きながら、リリスもクレアも、

 

「な、なんのことですか? よくわかりま」

「私はこのお方が異変を解決したのを見ています」

 

 それにみんなが固まり、その人はここで引くわけには行かないと、前に出て、

 

「どうかディセンダー様の降臨を世界に訴え、いまの異変を」

「そいつはできねぇ相談だな」

 

 そう言い、ユーリがいつの間にか後ろに回り、剣閃を放つ。その人は避け、ユーリの顔を見て、驚いていた。

 

「お前は、王子誘拐犯!!?」

「ま、世間からはそう言う扱いだわな」

「ユーリっ、なんの騒ぎです!?」

 

 その王妃が騎士であるアスベルとフレンと共に現れ、えっ!?と困惑する。

 

「エステリーゼ王女!? それに騎士フレンにアスベル!!? な、なんで誘拐犯と!?」

「あーそれは………」

「待ってくださいっ、彼女はなぜ自分はともかく、アスベルまで? 彼は自分の部下ですが、まだ若く、世間に浸透していませんっ」

「クレアさん、リリスさん下がってくださいっ」

 

 その時、他の王族であるウッドロウやナタリアも姿を見せ、その人は焦る中、静かにアンジュが手を叩きながら、

 

「はーい、みんな落ち着いて。貴方もですよ」

「な、なぜここはこうも人が………これは」

「困惑するのも分かるけど、お話を聞くために一度中に、話はそれからです」

「………分かりました」

 

 

 

 中にあげられた際、静かにローブを外すと、ティアやヴァンが驚き、国関係者が驚いて彼女を見る。

 

「貴方はっ、ウリズン帝国王位継承者、アリーシャ・ディフダ様!!?」

 

 ウリズンの名を聞き、全員が驚き、武器を構えようとするが、それをリタ達が止める。

 

「やめなさいっ、帝国のやり方は気にくわないけど、彼女は穏健派の一派よっ。サレの敵よ敵っ」

「えっ、そうなのか?」

「いえ、彼らの怒りも最もです………私はただの飾りで祭り上げられているだけで、一方に騎士サレのような過激派を押さえ込めていないのですから」

 

 そう言われながら、アンジュも制止させる中で、政治を知る者達が、静かに説明し出す。

 

「確か、キバの出現によって、過激派の発言権が薄まり、穏健派であるアリーシャ様達の言葉が通るようになったと聞いております」

「はい、それに関しては、どう言えばいいのか、分からない事態です………」

 

 いまウリズン帝国は、穏健派が優先になり、しかも彼女を飾りにしていた貴族達は、彼女を真の後継者として見る者達によって、うまく逆転している事態。実際、

 

「実際あなた様は、いまどの派閥からもご自身の命を狙われているはずです」

「えっ!? ウッドロウ様っ、それは」

「本当だよ、穏健派と言っても、名ばかりの貴族達の集まりだったんだ。真の意味で国を思う者達が、あなた様と共に、国の政治開拓をしているはずですが、何故ここに?」

 

 それに関して少し黙り込むが、しばらくして、

 

「その穏健、過激両派閥が手を結び、私の暗殺に躍起になっているからです」

「そんな」

 

 フィリアの言葉に、チェスターやアーチェが苦々しく歯をかみしめる。

 

「おいっ、このお姫様使って自分達はいい思いしようとしていたのに、厄介になったら捨てるのかよっ」

「そうよそうよっ、酷すぎないそれっ」

「政治家ってのはそう言うものですよ」

 

 ジェイがそう呟く、彼女の顔は一層悪くなる。

 

「それで私は師や他の者達に言われ、なんとか国を脱出し、現在は逃亡と共に、あのキバなるものを調べていました」

「それでセレナの力を見たのか」

 

 それに静かに頷き、それに全員がそれは問題だなと言う顔になる中、アリーシャは言う。

 

「ディセンダー様の力があれば、あれは消せるのですよね!? なら、そのお力でどうか」

「あの、実はですね」

 

 アンジュの説明を静かに受け、アリーシャは酷く衝撃を受ける。すでに自国以外、ほとんどの国がこの事態のために働きだしていることに、

 

「私達の国………いや、私もか。私も自分のことしか考えていなかった………」

「落ち込むことは無いよ、王家に連なる以上、国のことを考えるのは仕方ない」

「だが事態はそのようなものではない………」

 

 アリーシャの様子に、カイウス達は驚いていた。ウリズン帝国はサレの所為で悪いイメージしか無かったからだ。

 

「なああんた」

 

 そのカイウスが、言葉を掛けた。

 

「もし本当に世界のために動きたいんなら、エステル達みたいに、アドリビトムに入ればいいんじゃないか?」

「そ、れは………」

「それもそうね、いまさら王族の一人や二人、問題ないわよ♪」

「ですね、私は歓迎です♪」

 

 その様子にいいのだろうかと思うが、ヴァンが静かに、

 

「己の国がしてきたことに負い目を感じるのならば、いま国を含め、世界のために動くことをおすすめする」

「ですわね、いまの状態、国なの王家も何も、関係ありません」

 

 ナタリアの言葉に、アリーシャは静かに、

 

「………最初はディセン………セレナ様のお力にすがった私ですが、もし許されるのなら、みなさん、私も力を貸させて欲しいっ」

 

 そう言う中、みんなが嬉しそうに微笑む。

 

「セレナでいいよアリーシャ♪ これからよろしく」

「セレナ様………ああ、ありがとう、みな」

 

 その時、飛び込んで入る者達が居た。

 

「アンジュッ!! この船にアリーシャ姫殿下はいるっているぅぅぅぅぅ」

「リュウ? それにあなたは」

「私は情報屋ロゼっ、今回はもう出血大サービスだっ。いるなら急いで逃げるよッ」

「私はチャットのいる部屋にっ、ここから急いで移動しますっ」

 

 そう言い、流れ込んできた者達が急いで動く。

 

「えっ、これは………」

「いいかよく聞けっ、あんたはいま暗殺されようとしてるッ。しかもあんたが誘拐された名目でだっ」

 

 それに全員が驚愕した。

 

 

 

 一人の騎士が邪悪な笑みを浮かべ、芝居かかった仕草で言う。

 

「ああ大変だ、大いに大変だ。我らが姫殿下、アリーシャ姫殿下が攫われた」

 

 だが主砲類はすでにそのアリーシャ姫を狙い定めている。

 

「僕ら騎士団はアリーシャ姫殿下を救い出さなければいけない、分かるね、みんな?」

 

 それは助け出すのではなく、その暗殺、しかも軍を動かして、

 

「ほんっと、穏健派だか過激派ももう後無しって感じだね」

 

 最後に本音を呟きながら、静かに、

 

「それじゃ行こうか、狩りね………」

 

 そう言って、嵐が到来する。




アリーシャとロゼ出しちゃった。

それではお読みいただき、ありがとうございます。

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