テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か?   作:にゃはっふー

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前回の話では………

一つ、ジルディアのキバにより、世界の戦争は停戦。だがゲーテであるリュウの言葉では一時的と知り、残る事態改善するための品を探し出すアドリビトム。

二つ、キバ調査の際、キバにより変化した地域空間を元に戻し、ディセンダーセレナ倒れてしまう。

三つ、カノンノが持つ、謎の知識に苦しむ。

四つ、リュウとカノンノが愛の逃避行している。

最後の違うな。

ここから少し打ち方を変えさせてもらいます。―の打ち方などを覚え、少しずつ読みやすく、分かりやすくを目指していきます。

それでは、どうぞ。


第14章・彼の抱える闇

 天空の宮殿、ヴェラトローパで、ゲーテとしての能力を使用して進む二人。

 

 リュウはその力で、途中で道が無くても、カノンノを抱き上げてから、飛翔するかのように跳ぶため、難なく、ニアタのいる場所に向かう。

 

『? カノンノ、頬が赤いが、平気か?』

「えっ、う、うんっ。大丈夫だよっ」

 

 そんなやりとりの中で、ニアタがいた場所へたどり着く。

 

「これが………」

『まだ直っていないか………」

 

 元に戻りながら、様子を見るが、いやと呟く。

 

「傷が直ってる?」

 

 そう呟くと共に、光り輝き、形が元に戻る。

 

『そなたは………カノンノ、カノンノなのか? まさかまたそなたに会えるとは………』

「えっ………どういう、こと?」

 

 その時、二人に対して説明する。

 

 ニアタはパスカと言う世界のディセンダーのために、肉体を捨て、精神を機械に移した者達のことであり、このニアタは本体から切り離された機関の一つ。壊されても直せばいいと思っていたが、まさか自己再生できるかは、半信半疑だった。

 

 そしてカノンノ、彼女の容姿は、ニアタのディセンダーと全く同じらしい。姿も、名前もだ。

 

「だがニアタ達の判断じゃ、この世界はパスカの子じゃないから、半身のように通信機? を置いて、立ち去ったらしい。ニアタ、少しカノンノの頼みを聞いてくれ」

『頼み?』

「あっ、はい………これを」

 

 そして風景画と、文字を見ると、ニアタの旅の中で見たことある、別世界の文字や風景だと言うことを聞く。

 

「つまり、カノンノの中に、別世界の世界樹の子の情報が受け継がれている?」

『現時点ではそうとしか考えられない』

「私の中に………」

 

 それを聞きながら、静かに、

 

「なら俺の世界は? 俺の世界じゃ、世界樹なんてもん無いぞ」

『それは分からない、だが分かることは一つ。カノンノと言う因子は、私達の世界、パスカが始まりではないと言うことだ』

 

 つまり枝分かれした情報の中で、カノンノと言う情報が、パスカではディセンダーとして芽吹き、こちらではカノンノ・グラスバレーとして芽吹いた。

 

 そう話していると、

 

「み、み、みなさーーんーーーー」

 

「ロックス!?」

 

 大慌てでロックスがナイフ片手にやってきた。なんだなんだと二人が見ると、

 

「バンエルディア号が高度を保てず、いま降下し始めていますっ」

「あっ、そう」

 

 ゲーテ化すればこの高さから落ちても問題ないと、リュウは思いながら、何言ってるんですかと怒られながら、カノンノを持ち上げてでも戻すと言うロックス。

 

「そっちの方が無茶だろ」

『………この世界にバンエルディア号があるのか?』

「? まさか、別の世界にも」

『どうやら、ますます眠ってはいられないようだ。案内してもらっても?』

「頼む」

 

 そう言って、全員連れて、爆走するゲーテ。

 その様子を静かに見つめながら、バンエルティア号へ戻る。

 

 

 

 一度、リュウの所為で壊れたと騒がれたバンエルディア号だが、実際は調整、計算ミスで、たいしたことではなかった。

 

 だが、バンエルディア号は半永久機関で動く、未知の動力機関で動く船であると言う、とんでもない事実が分かった。

 

 エネルギー問題で大変な世界。まさに夢の技術だ。それにチャットは半泣きで、

 

「仕方なかったんですっ、ひいおじいさんの約束で、この船の技術は守らないといけないんですっ!!」

「ですが、この技術あれば、この世界の根本的な問題が解決する糸口………になりますか?」

 

 ジェイドは本来なら、糸口になる。そう断言したいが、何故か、リュウを見た。彼はこういう、人がどうなるかがよく分かる。

 

「………時期によるな、チャットのひいじいさんは正しい。半永久機関なんて、研究が進めば、兵器かして、世界を半永久に壊す兵器が量産される」

「はあ、そう言われると何も言えないですね………」

 

 軍人であるジェイドは肩をすくめ、彼の言葉を肯定する。おそらくその言葉に説得力があると判断したからだ。

 

「だが時期によるな、結局、使う奴が問題かどうかだ。どうするかは、王族関係者の肩だろうよ」

 

 それに黙り込む者達がいる中で、結局この問題は後々にして話し合うことになる。

 

 

 

「くっそ………一週間朝昼晩飯か………ちっ」

 

 甲板で寝っ転がりながら、舌打ちするリュウ。静かに空を見ていると、

 

「リュウ」

「なんだカノンノ?」

 

 半身起きあがりながら、カノンノの方を見る。カノンノは静かに微笑みながら、

 

「ニアタと少しお話ししたの、ニアタは、誓いを立てたらしいんだ」

 

 ニアタ達の誓い、因子を受け継ぐ世界に危機が訪れれば力貸す。

 

 だがこの世界にそれは無い。だが、自分らのディセンダーや、彼女を救ったディセンダーはそのようなことは関係ないと言い、世界を守るために動く者達に、力を貸す。

 

「私は彼らのカノンノに成れないけど、関係ない。私は私で生きて欲しいって」

「ほうかい」

 

 興味ないの話だと思う中、静かに隣に座り込み、

 

「私に、なんで他の世界の情報があるか分からないけど、でも………」

 

 こちらの顔を見ながら、静かに微笑む。

 

「私をヴェラトローパへ連れて行ってくれてありがとう、リュウ」

「………」

 

 なにも言わず、その場から去る。その様子に少しだけ寂しそうに微笑みながら、今度は彼女が空を見る。

 

「………そう、か………私………好き、なんだ………」

 

 

 

『リュウ』

「ニアタか」

 

 ニアタは、彼からも負の声が聞こえないが、それは機械類だからとかでもなく、ここの連中と同じだと解釈していた。

 

 その様子を見ながら、彼は言う。

 

『君のことは聞いた、ゲーテとして、やはり力を持っているようだ』

「そう言えば、知ってるんだったな」

『ああ、我らの本体がいる世界で少しな………彼女、向こうのカノンノや、ディセンダーが知れば、君に会いたいと言うだろう』

「………」

 

 もの凄く嫌な顔をして、ニアタは苦笑する。

 

『君はやはり………ヒトが、命が嫌いか?』

「ああ」

 

 即答し、やはりかとニアタは思う。

 

『君が何故人間に成ったのか分からないが、きっと意味があるだろう。それが良い事か悪い事かは分からない。だがこれだけは言わせてくれ』

「なんだよ」

『あの子を連れてきてくれて、そしてこの世界のために剣を振るってくれてありがとう。これからも頼む』

「………やめろ』

 

 その目はゲーテと言うものの目、それに寂しいと言う負が流れ込む。

 

『君は………』

『俺は何も救えない………』

 

 そう言って負を消して歩く、その様子を見ながら、

 

『彼は………』

 

 

 

 静かに自室で、静かにしていた。

 

「………なんかようか」

 

「気づかれたか」

 

 ヴァンが静かに扉を開けて、中に入る。

 

「君に頼みがある、少しだけな」

「………」

 

 

 

「いいぜ、だが気を付けろよ」

 

 話を終えて、感謝すると頷くヴァン。それに静かに席を立つと、

 

「それと、別件で聞きたいことがある」

「なんだ?」

「君は何を救えなかった?」

 

 その瞬間、ヴァンを殺そうとする凶刃が無数向けられる。

 

 それは髪のように生えている刃、無数の闇を纏う、ゲーテの物だった。

 

『………なんの話だ』

「それで隠しているつもりか? 君は、ヒトを救うこと いや違う………善行を否定しすぎているからね」

 

 刃には殺意が纏われているのが分かっていながら、ヴァンは涼しい顔で続けた。

 

「もう一度問う、君は何を救えなかった?」

『違う、元々誰も救えないんだ俺は』

「それこそ違う、君が救おうとして救えなかった」

『何が分かるッ』

 

 その姿が人で無くなりかけている中で、それでもヴァンは続けた。

 

「君は、本当は救いたいんじゃないのか? 誰かを」

『………ダマレ………』

 

 その様子を見て、ヴァンは確信した。

 

「何を救えなかった、何を守れなかった………君は結局」

『ダマレっ!!』

 

 だが、

 

「悪いが、あんな頼み事をする以上、この程度のことで私を傷付けられないんでは困るな」

『………キサマ』

「………君は」

『カンケイない………』

「なら、全ての結果次第で、話してもらおう。本気でやろう」

 

 そう呟き、そう出ていく中で、座る。

 

 身体が少しずつ変化する中、そんな中で、

 

『………引きずってるのか………違う………違う違う違う違うッ』

 

 そう言いながらも、そう言うも、それでも………

 

『………俺は、あの子を………あの子をッ』

 

 静かに、

 

『苦しめただけだ………』

 

 そう呟くと共に、闇が深く、深く心の中に沈む。

 

 その姿が少しずつ、異形に変わる。それでも気にも止めず、ただ静かに時を過ごす。




次回オリジナル話、そして少し話を変えて進める。

セレナこと、この物語のディセンダー活躍させないとまずい。歌わせるか、歌わせるしかないか!?

それでは、お読みいただきありがとうございます。

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