テイルズ・オブ・ザ・レディアントマイソロジー3・闇は破滅か救世か?   作:にゃはっふー

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少し投稿スピードが遅めになることを、ここで報告させていただきます。

できればオリジナル展開、レディアント入手編と王族双子問題を割り込ませることを考えておきます。

タイミングはあるだろうか?

それではどうぞ。


第11章・天空宮殿

 空の上の遺跡、不思議と風や気圧の問題はない。その辺りは調整済みか知らないが、助かるなと思いながら進む。

 遺跡らしく、石版を見つけながら、辺りの警戒を怠らない。

 

「手持ちの資料で読めるか?」

 

 キールがそう言うが、リュウが前に出る。

 

「ん?」

「どうした?」

「読める」

『えっ!?』

 

 一番驚くのはリュウ自身だが、念のためにジュジィスも読みとりながら、文字を解読する。

 

「創造を伝えた者のために、ここに残す?」

「かみ砕いているけど、だいたいそうね」

 

 微笑みながら、内容を聞き、キールやセレナは考え込む。

 

「ここに世界誕生を見た奴がいるのか?」

「そんなのいるのか?」

「俺の世界じゃ・・・あり得るかもな科学的に」

「!? 本当か、それは聞いてみたい」

「まあ落ち着け、奧に行くぞ」

 

 奧に行くと石碑があり、それは世界樹のこと。

 

「世界樹、世界を生み出し、自然の摂理、生命を作りしもの」

「僕らと伝わってる内容と同じだな」

「待って、まだ続きがあるわ」

「世界樹の始まりは種であり、宇宙をただよいながら創造を始める!? 待て待て待てよ、世界の種って、ビックバンと同じ原理か、それ以上のエネルギーがあるのか!?」

「リュウかみ砕きすぎだし、お前だけの情報で解釈するなっ」

 

 リュウは驚いていた。世界樹はいずれ花を付け、種を作り、宇宙に放つ。それはいずれまた世界、星を作り、新たな世界樹になる。

 その話にキールも驚く。ルミナシアは過去、どこかの世界樹から生まれた世界だと言うことに驚く。

 

 

 

 今度の壁画の情報は、大地が生まれたあと、非物質であったヒトの祖は、肉体を作り、大地へと舞い降りた。

 ソウルアルケミーと言う、ドクメントを変化させる技術の根元。それにキールは驚いていた。

 

「だがなんでヒトの祖は大地に降りた? ここにいれば神のように過ごせたのに?」

「世界と共に創造するためのようよ」

 

 創造された世界、自分達と同じ生まれた大地と共に、一から歩むためと書かれている。

 

「進化だと!? それがいまの世なら成長どころか後退してるじゃないか」

「だからってヒトの祖がそのままでも変わらないと思うぞ」

「あら、そう思う?」

「命なんて変わらないさ」

 

 そう呟きながら奥へと進む。

 

 

 

 今度の石碑は、世界樹の側にある、何か。

 

「これは、ラザリスか」

「!? どういうこと」

「ラザリスは芽吹くことができなかった、世界樹の種だ。何故かは知らないが、ルミナシアは芽吹かなかった兄弟を取り込んだ」

「そして、あまりに違う理のため、封印するしか無かったようね。星晶はそのためにあったようよ」

 

 それだけわかり、また次に進む際、小さく、

 

「最後まで助けられなかったのなら、助けるなよ・・・」

 

 そう小さく、世界樹に向かって呟いた。

 

 

 

 今度はディセンダーのことが書かれている。内容は世界が危機に瀕したとき、世界樹が遣わす、無垢なる、純粋なる者。

 光り輝く存在であり、記憶はなく、救い終えた後、世界樹に戻るらしい。

 

「私・・・みんなと別れなきゃいけないの・・・」

「いや、俺いるから無理じゃねぇ? ゲーテって言う害悪だし」

 

 不安になるセレナに、あっけらかんと言うリュウ。それにキールは頭を痛め、ジュジィスはうふふと微笑む。

 なんとなく、自分がいれば問題ないと耳打ちするジュジィスの言葉に、セレナは少し嬉しそうになる。

 

「ん? 周りの武器みたいなのは・・・『レイディアント』?」

「ディセンダーのための武器のようね。ソウルアルケミーで創り出された、ディセンダー専用の武具みたい。どこにあるのかしら?」

「ある一族が守り人として、守ってるらしいが、場所が無いな」

「そうね、その情報もないわ」

 

 

 

 創世を伝えし者と言う存在、それらしいものもいない中、ある場所見つける。

 そこにはヴェラトローパとは違う、異質な機械があった。

 

「これは・・・」

「ヴェラトローパと違うな」

『・・・君は・・・』

 

 その時全員が驚き、リュウを見て話しかける。

 全員が警戒するが、それでも、その存在が話しかけた。

 

『君は・・・ゲーテ、いや、君は人間か? だが気配からして』

「どうも人間になったゲーテかもしれない存在だ」

『そうか・・・不思議なことだ。だが君からは邪悪な気配も何もないが、どういうことだ?』

「あんたは」

『我々はニアタ・モナド。ディセンダーのために、肉体を捨て、ディセンダーの介添人になった、機器に宿った精神集合体』

 

 ニアタの話では、かつて『パスカ』と言う世界があり、そのディセンダーのために、肉体を捨て、パスカの子供である世界を見守ろうと誓いを立てた者達。

 世界を渡り歩き、この世界、ルミナシアもまた創世を見届けた。

 それはパスカの子かどうか知り、それでも危機が訪れた際、ディセンダーに力を貸すため、端末をこうして残し、本体は旅だったらしい。

 

「世界樹の子は、その世界の情報を持ってるから、長く見守ればそうか分かるのか」

『ああ、君のことを知っている。ゲーテ』

「俺はリュウ・ケンザキだ」

『っと、すまない。リュウ』

「・・・精霊と違って、リュウには好意的だな」

『精霊なら仕方ないが、我々はゲーテがどのような存在か知っている』

「なんだと!?」

 

 ゲーテは確かに、世界樹の中で生まれ、消える存在だが、実際は違う。

 負だけが悪い訳ではない。ヒトは負を乗り越えられる真実。

 

『我々は知った、ゲーテ。君達は世界の害悪ではない。我々の本体がある世界のディセンダーがそれを証明した』

「本当ニアタ!?」

『本当だよ、ルミナシアのディセンダー』

「なら、リュウは居て良いんだよね」

『ああ』

 

 セレナはそれを嬉しそうに受け止め、その様子に微笑むニアタ。

 

『君もゲーテとして色々あるようだが、きっと前を向ける』

「・・・」

 

 なにも言わず、静かに見つめる。

 

「ではニアタ、あんたは知ってると思うが、いまこの世界が生まれる前に取り込んだ、もう一つの世界の意志が、なにか行動してるんだ。彼奴、ラザリスはなにをしようとしてる? 俺を呼び込んだり、色々してるんだ」

『なるほど・・・『生命の場』を持たない情報だけの存在が、この世界の生命力を得て、姿を持ったのだな』

 

 世界の樹の種は、生命の場と情報があって、初めて芽吹くもの。

 輝く種と、生命の場、そして情報。ラザリスと言う種は、生命の場が無かったが、この世界の生命体と接触し続けて、それを補ったらしい。

 

「情報、ドクメントだけのラザリスが、この世界の生き物と関わり、活動する肉体を得た・・・待て、ならなんで俺を呼び込めた?」

『? そもそも、呼び込めたと言うのは』

「俺はこのルミナシアの民じゃない、別の世界に生まれたゲーテ人間らしい」

『!!? これは』

「!?」

 

 その時、一閃の光が放たれ、ニアタを貫いた。

 

「ニアタ!?」

「セレナはニアタを、誰だって、言わなくても分かるか・・・」

 

 三人は構え、現れたそれを見る。

 それは、

 

「全く・・・時空が揺れたと思ったら、こんなものがあったなんて」

「ラザリス」

「ああリュウ・・・また会えたね」

 

 嬉しそうに微笑むラザリス。静かに戦意は解かないものの、リュウを見る。

 

「僕の正体が分かったようだね。そう、僕は生まれることができなかった世界の一部・・・本来ならそのまま朽ち果てるはずのものを、ルミナシアが取り込んで封印した。どうしてだい? ディセンダー」

「セレナに聞いても分かる分けないだろ? ディセンダーは記憶なんてもんないんだからな」

「そう、ならいいよ」

 

 静かに空を、大地を見るラザリス。そして静かに微笑む。

 

「ねえリュウ、君にとって、世界はどう映る?」

「どういうことだ」

「君も分かるはずだ、この世界には呆れたよ。できあがったのは、自滅の道を進む世界だなんて・・・だから」

 

 その時、耳障り、違う、逆だ。

 

 耳障りな雑音が消えていく。

 

「な、なんだ!?」

 

 大地から何かが生える。それにキール達が驚く。それは、

 

「鉱物・・・なにをした!?」

「世界樹が生命の場を譲ってくれそうにないからね。じわじわともらうことにしたんだよリュウ」

「なっ」

「この世界は僕がもらう、あれは『ジルディア』の一部だよリュウ」

「おま」

「君も少しはすっきりしたんじゃないのかい!?」

「!」

 

 それに黙り込む、それに微笑むが、すぐにセレナを睨む。

 

「いつか必ず迎えに、ううん、君は必ずこっちに来る・・・それまではディセンダーに預けておくよ・・・リュウ」

 

 そして静かに、

 

「君は、ジルディアのディセンダーとして、僕がこの世界に呼んだ。僕と共に、この世界を壊すためにね・・・」

 

 そう言い残し、消えるラザリス。

 何か凄いことを言っていたが気にせず、ニアタに駆け寄る。

 

「おいニアタ」

『あれは・・・この世界の理を塗り替える、媒体だろう・・・まさか、このようなことが・・・』

「ニアタ、ラザリス、ジルディアは星晶で封印されていた。どうにかそれを止める術は無いか。いま星晶は取り尽くされてほとんど無い。代理品が必要だ」

『分かっ・・・た・・・必要な、ことは・・・このプレートに・・・力、になれば・・・いいの・・・だが』

 

 そして反応が無くなり、いまは帰路につく。

 

 

 

「はあ、キバの所為で、世界は困惑状態だわ。これはゆゆしき事態ね」

「キバか・・・まあそう言えるな、形も、意味合いも」

 

 キバから世界の理を換え、別の世界に換える。まるで食べていくように。

 

「最後には生命の場を食って、ルミナシアからジルディアってのが、ラザリスの考えだろうな」

「でしょうね」

 

 仲間のみんな全員を集め、静かに会議が始まる。

 

「ラザリスの目的は世界そのものだ、もう星晶を巡って戦争している時じゃない。このままじゃ世界そのものが危険なんだ」

「えっと・・・もしこのままならだとどうなるの?」

「ラザリスの世界の住人になるか、適応出来ずに死ぬかのどっちか。だがラザリスの世界は、明らかに生物としての活動ができない世界。ルミナシアの民は最終的には死ぬしか無いだろうな」

 

 リュウの言葉にキールは頷く。セレシウスもまた、静かに口を開く。

 

「生命の場は世界樹の中にあり、本来ならゲーテを閉じこめ消滅させる場所。全てのマナが生まれる源よ」

「・・・」

 

 その時、全身、魂が何か騒ぐ。

 

(本能的な拒否か? ったく面倒だ)

「ともかく、彼から聞いた情報だけど」

 

 キバは封印されている空間から、ジルディアの情報を世界に流すパイプらしい。ジルディアの情報は、星晶により、別の空間に封印されているが、キバによりこの世界に漏れ出ているらしい。

 元に戻すには星晶が必要だが、それは無い以上、代理品で作る、封印次元なるものを作る必要があるらしい。

 

「三つの素材のドクメントを、ソウルアルケミーで、構築できるみたいなんだけど・・・」

 

 一つは舐めると塩辛い、空色の石。

 

 二つは羽があって、飛び回る実。釣鐘に羽がついたもの。

 

 三つは全身から汗を出すパン、ロールパンのようなものらしい。

 

「ちょっとあんたふざけてるの?」

「ふざけてないわ、彼だってこの世界の名称は知らないから、印象しか分からないわ」

「・・・」

 

 それに考え込むリュウがいるのに、セレナは気づく。

 

「リュウ?」

「ああ、一つは『塩水晶』だろう」

「同感ね、けど残りは」

「・・・絶望的な情報でいいなら、あるんだが」

「・・・はぁ?」

 

 リタは詰めより、その襟を掴む。

 

「ちょ、なんで異世界人のあんたが知ってるのよ!?」

「んなこと言われても、むしろ外れて欲しいわ」

「それってどういうことよっ!!」

「リタ止めなさい、リュウが喋れないし・・・嫉妬されてるわよ」

「はぁ? 嫉妬ってなによ」

「ありゃダメだこりゃ」

 

 そんなことを呟きつつ、リタに揺さぶられるリュウ。

 

「実は、絶滅種の中に、それがあった」

「絶滅種・・・」

「マジか・・・」

 

 頭を痛める一同。リタも困惑して、苦い顔になる。

 

「俺がなんでそんなこと知ってるかって言うが・・・カノンノのスケッチ」

「えっ」

「どっちも有ったんだ、スケッチの中にな」

「私の、絵の中に・・・」

 

 それに驚くものの、アンジュはうっふふふと楽しそうに微笑み、ジェイドもにやにやしている。

 

『(つまり風景探しの際に知ったと)』

 

 という顔、もとい声に苛々する。

 

「ともかく、俺からは以上だ。ともかく先に塩水晶取りに出向くぞ」

「えっ、りゅ、リュウが行くの!? 待って、色々準備とか~」

 

 そんな話をしていると、

 

「あっ、セレナはお休み。貴方の歌声聞きたい孤児院の子供がいるから」

「うっ」

「お嬢さま、お嬢さまにもご氏名がおりますから、塩水晶採取は諦めてください」

「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「ともかく誰か来い」

 

 こうしてリュウ、しいな、カイル、コハクと言う珍しい組み合わせで出向く。

 場所は何故かリュウが知っている。

 

「いや、少し前にな」

「それじゃ、行こうか」

「おーーー」

「んじゃ、案内よろしく」

 

 

 

 それからしばらくして、とある男が遠く叫ぶ。

 静かに、彼らに近づいていく・・・




みんな大好きなあの人が登場します。

それではお読みいただきありがとうございます。

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