東方恋魔形(とうほうこいまぎょう) 作:禁断 ~封印されしみやそー~
ジリリリリリリリリ!!
目覚まし時計がけたたましく鳴く。
「んぁああ…?あさ…か…?」
湿度が多く、陽の光が入らないここ「魔法の森」では朝でも昼でも夜でも暗い。
時間を問わず眠れると考えれば良い事だとは思うが、この様に時計が無いと今の時間が全く判断出来ないんだZE…ムニャムニャ
私は寝ぼけた顔で階段を降りる。
「ふわぁ〜〜ぁ……とりあえず顔洗ってから飯か…冷蔵庫ん中なんかあったかn『おはよう魔理沙…///朝ごはん、出来てるわよ♡』
「ねえ、なんで当たり前の様に居るの?
なんで新婚したばかりの嫁さん面なの?
なんで事後の朝みたいな照れ方してんの?
即刻退去して?
結婚してないけど離婚届にハンコ押して?
後、朝飯はありがとう」
今日も今日とて、猥褻行為を仕掛けてくる目の前の金髪は『アリス・マーガトロイド』。
幻想郷が私への試練として生を与えたとしか思えないド変態である。
『あ、オムライスにハートで私と魔理沙の文字囲っちゃおう!♡
キャッ…///私達ったらラブラブ!♡』
オムライスは真ん中から真っ二つに割ってやろう…
そう心に固く誓いながら私は顔を洗いに行った。
蛇口を回して手で水をすくい、バシャバシャと顔にかける。
「うぅぅ〜〜っ!!さっびぃい……!!」
そう呟いた直後、後ろにズシッ…と妙な重さがのしかかる。
水で目が塞がっていて見えないが、その正体が私には察しがついていた。
『シャンハーイ』
「おっ、上海か!ちょっと待ってろ、後で遊んでやるZE!☆」
『ワーイワーイ☆』
のっかっている人形はぴょこぴょこと可愛く手を振ってカタコトな言葉で喜んでいる。
『あっ、コラ上海!魔理沙の頭の上に乗っちゃ駄目でしょ!?
魔理沙の上に乗っていい(意味深)のは私だけなの…///』
「よーよし上海、お前は可愛いな♡
お前はいつまでも純粋な人形で居てくれよ。
そこに居る金髪ド変態痴女みたいな汚れた大人にだけはなっちゃ駄目だからな?☆」
『シャンハーイ?』
この人形の名前は『上海人形』。
アリスの作った人形で、可愛らしい金髪に赤いリボンをしている。
アリスは間違いなく…120%ド変態だが、
『人形技師』としての腕・『魔法使い』としての才能も疑いようも無く一流なのだ。
私もそこ「だけ」はアリスの事を尊敬している。
『ま、魔理沙…わ、私の事もナデナデして…///
そしたら、私もお返しに魔理沙に熱い抱擁を…♡』
「あー、分かった分かった。じゃあ、目閉じてくれ」
『(ドキ…ッ!!)う、うん…んーー…っ♡』
「そんじゃあ上海、一緒にご飯食べようか!
今日は一日中遊んでやるからな!☆」
『ヤッターー!!マリサダイスキー!!♡』
「おう、私も上海の事大好きだZE!!♡」
そんな微笑ましい会話をしながら、私は上海を肩車して居間まで行った。やっぱり可愛いな、こいつ♡
『んーーーーーっ………///』
そしてアリスは、その1日を目を閉じて終わらせた。
※どうも、みやそーです☆
今回は上海登場回でございます。愛されてます(笑)
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